紅白歌合戦×大河ドラマデータ集(21世紀編)

2002年~2008年

 『武蔵』『新選組!』では出演者の応援が久々に加わります。出場歌手でもある松岡昌宏が佐々木小次郎役、香取慎吾が近藤勇役という重要な役を演じたことが大きな理由ではないかと思われます。

 『新選組!』は非常に反響の大きい作品で、放送前年だけでなくそれ以降も紅白には深く関わりました。放送年にあたる第55回はジョン・健・ヌッツォがテーマソングを歌唱。ただSMAPが出場辞退だったため、曲紹介で新選組に扮したのはドラマに出演していない前川清氷川きよしでした。2006年1月にはスピンオフ『新選組!! 土方歳三 最期の一日』も放送、同役を演じた山本耕史が第56回の司会を担当。SMAPもこの回に復帰、香取さんの拳を口に入れるパフォーマンスも盛り込まれました。

 第56回では『功名が辻』の仲間由紀恵も司会担当、大河出演者同士が司会をする唯一の回となっています。また仲間さんは放送年の第57回でも紅組司会、放送前後の年に紅白歌合戦の司会を担当した唯一の大河出演者となっています(当時、その後大泉洋も該当)。

 出場歌手に限らず、ゲストでも”実は大河に出ていた”という感じの出演者が多いのもこの時期の特徴です。例えば石坂浩二(『新選組!』佐久間象山役)や松坂慶子(『義経』時子役)は演歌中心のコーナーにおける曲紹介担当、細川茂樹(『義経』平重衡役)は仮面ライダー響鬼絡みの出演でした。

放送年度 作品名 主演 出場歌手 審査員 司会/ゲスト その他
2002 利家とまつ 唐沢寿明
松嶋菜々子
五木ひろし 唐沢寿明
天海祐希

第52回(2001年)
阿部 渉
第52回(2001年)
第53回(2002年)
白組司会の阿部渉は同作品の語りを担当
2003 武蔵 市川新之助 松岡昌宏 市川新之助
米倉涼子
仲間由紀恵

第53回(2002年)
浜田 学
武藤敬司
第53回(2002年)
仲間由紀恵
中村玉緒
第54回(2003年)
松岡昌宏TOKIO所属
浜田学武藤敬司松岡昌宏と一緒に、それぞれの役に扮して登場
第54回の仲間由紀恵中村玉緒は作品と特に関係ない形で応援出演
2004 新選組! 香取慎吾 香取慎吾
草彅 剛

(ジョン・健・ヌッツォ)
三谷幸喜
優香

第54回(2003年)
山本耕史
小林 隆
中村勘太郎

石坂浩二
第54回(2003年)
服部隆之
第55回(2004年)
山本耕史
第56回(2005年)
三谷幸喜は脚本担当
香取慎吾は第55回SMAP辞退のため出演なし
ジョン・健・ヌッツォは第55回で「新選組!メインテーマ」を歌唱、音楽担当の服部隆之が指揮
山本耕史はスピンオフ放送前年の第56回で司会、主に白組を担当
石坂浩二は作品と特に関係ない形での出演
2005 義経 滝沢秀明 松平 健
上戸 彩
後藤真希

滝沢秀明
第55回(2004年
松坂慶子
第55回(2004年)
細川茂樹
渡辺いっけい

第56回(2005年)
松平健上戸彩は第55回のみ歌手として出場
松坂慶子細川茂樹渡辺いっけいは作品と特に関係ない形での出演
2006 功名が辻 仲間由紀恵
上川隆也
石川さゆり 上川隆也
長澤まさみ

第56回(2005年)
仲間由紀恵
第56回(2005年)
第57回(2006年)
三宅民夫
第57回(2006年)
仲間由紀恵は第56回で主に紅組担当の司会、第57回は正式に紅組司会という肩書
総合司会の三宅民夫は同作品の語りを担当
2007 風林火山 内野聖陽 Gackt 内野聖陽
第57回(2006年)
緒形 拳
第58回(2007年)
Gacktは同作で演じた上杉謙信をイメージした「RETURNER ~闇の終焉~」を第58回で歌唱(第57回は出場せず)
緒形拳はVTRナレーションでの登場
2008 篤姫 宮﨑あおい 宮﨑あおい
第58回(2007年)
松坂慶子
堀北真希

第59回(2008年)
沢村一樹
第59回(2008年)
放送後に大河出演者が2名審査員に名を連ねるのは第21回以来38年ぶり
沢村一樹は紅白応援隊隊員として出演

2009年~2016年+α

 スペシャル大河として2009年~2011年は12月に『坂の上の雲』が制作、そのため『天地人』『龍馬伝』『江~姫たちの戦国~』は通常より少し短い放送期間となりました。また2016年にはこちらも3期にわたってファンタジー大河『精霊の守り人』が放送されています。これらの作品も今回の表に加えました。

 『篤姫』以降は放送前だけでなく、放送後に審査員で呼ばれるケースも増加します。ただ全ての作品がそうというわけではなく、視聴率の低かった『平清盛』『花燃ゆ』は放送年の紅白で一切触れられない形になってしまいました。逆に『龍馬伝』『真田丸』は審査員だけでなく、出場歌手のステージにも反映される力の入れようです。福山雅治は『龍馬伝』以降NHKでの仕事が増加、紅白歌合戦も現在まで連続出場中。

放送年度 作品名 主演 出場歌手 審査員 司会/ゲスト その他
2009
~2011
坂の上の雲 本木雅弘 本木雅弘
第59回(2008年)
阿部 寛
西田敏行
第60回(2009年)
香川照之
赤井英和
第61回(2010年)
ゲストはいずれも別番組からの参加
2009 天地人 妻夫木聡 遊助[上地雄輔] 妻夫木聡
第59回(2008年)
阿部 寛
深田恭子
城田 優

第60回(2009年)
加藤清史郎
第60回(2009年)
加藤清史郎は「こども紅白歌合戦」の白組歌手・司会として出演、開会宣言も担当
2010 龍馬伝 福山雅治 福山雅治
前田敦子
草刈民代
第60回(2009年)
寺島しのぶ
伊勢谷友介
第61回(2010年)
武田鉄矢
第60回(2009年)
テリー伊藤

第60回(2009年)
第61回(2010年)
香川照之
第61回(2010年)
第60回の福山雅治は自身の歌唱場面以外でも長崎・龍馬ゆかりの場所から登場
前田敦子は当時AKB48所属
テリー伊藤は紅白応援隊担当、第61回はウラトークMCも兼任
香川照之はライブ会場から出演、福山雅治の髪を切る
2011 江 ~姫たちの戦国~ 上野樹里 AKIRA 上野樹里
北大路欣也

第61回(2010年)
大竹しのぶ
第62回(2011年)
向井 理
第61回(2010年)
AKIRAEXILE所属
向井理は別の作品からのゲスト出演
2012 平清盛 松山ケンイチ 西島隆弘
松田聖子
松山ケンイチ
第62回(2011年)
西島隆弘AAA所属
松田聖子は第62回のみ、第63回は不出場
2013 八重の桜 綾瀬はるか 綾瀬はるか
第63回(2012年)
風吹ジュン
第64回(2013年)
西田敏行
第63回(2012年)
綾瀬はるか
第64回(2013年)
西田敏行は企画コーナーで「花は咲く」を歌唱
綾瀬はるかは審査員を担当した翌年に司会、大河関係では西田敏行以来23年ぶり2人目
2014 軍師官兵衛 岡田准一 岡田准一 岡田准一
第64回(2013年)
塩見三省
第64回(2013年)
岡田准一は審査員を務めた翌年にV6で歌手として初出場
塩見三省は別の作品からのゲスト出演
2015 花燃ゆ 井上真央 乃木坂46 井上真央
第65回(2014年)
伊原剛志
第65回(2014年)
伊原剛志は別の作品からのゲスト出演
乃木坂46はメンバー10名が同作にゲスト出演、紅白は第66回で初出場
2016 真田丸 堺 雅人 星野 源
(香西かおり)
堺 雅人
大泉 洋

長澤まさみ

第66回(2015年)
草刈正雄
第67回(2016年)
有働由美子
第66回(2015年)
三浦文彰
橋本マナミ
第67回(2016年)
総合司会の有働由美子は同作品の語りを担当
香西かおりは第67回に「すき ~真田丸スペシャルVer.~」を歌唱、
冒頭に三浦文彰がテーマソング演奏、さらに橋本マナミの踊りが加わる
2016
~2018
精霊の守り人 綾瀬はるか 上橋菜穂子
第66回(2015年)
鈴木亮平

第68回(2017年)
綾瀬はるか
第66回(2015年)
上橋菜穂子は原作を担当

2017年~

 2017年の柴咲コウと2022年の小栗旬は主役ですが紅白歌合戦の出演は無しでした。これは極めてレアケースで、単独主演に限定すると平成以降では大原麗子(1989年『春日局』)、西田敏行(1995年『八代将軍吉宗』)の例しかありません。なお小栗さんは放送終了後に、特別ゲストとして出演しました。

 朝ドラ絡みの応援出演が飛躍的に増加した近年ですが、そのうちの1人が前後の大河ドラマに出演しているというケースも多いです。これらも一応表には加えています。最近は前年の紅白出演後に、大河の出演が発表されるケースも増加傾向にあります。

放送年度 作品名 主演 出場歌手 審査員 司会/ゲスト その他
2017 おんな城主 直虎 柴咲コウ 春風亭昇太
第67回(2016年)
高橋一生
第68回(2017年)
光石 研
ムロツヨシ

第68回(2017年)
W主演以外で主役が一切紅白に登場しないのは『八代将軍吉宗』以来22年ぶり
歴代大河の単独主役で紅白未登場は萬屋錦之介(1971年に主演)、柴咲コウ、小栗旬のみ
光石研は別の作品からのゲスト出演、ムロツヨシはVTR出演
2018 西郷どん 鈴木亮平 柏木由紀 林真理子
鈴木亮平

第68回(2017年)
泉澤祐希
沢村一樹

第68回(2017年)
塚地武雅

第68回(2017年)
第69回(2018年)
林真理子は原作者
柏木由紀AKB48所属
泉澤祐希沢村一樹は別の作品からのゲスト出演
塚地武雅は主にイカ大王として紅白に出演
2019 いだてん 中村勘九郎
阿部サダヲ
星野 源
ビートたけし
中村勘九郎
阿部サダヲ
安藤サクラ

第69回(2018年)
菅原小春
第69回(2018年)
綾瀬はるか
第70回(2019年)
安藤サクラ菅原小春の出演発表は2018年紅白よりも後
第70回のビートたけしは歌手として特別出演した他にも各所で登場
綾瀬はるかは3回の紅組司会全てが大河絡みの人選(ファンタジー大河含む)
2020 麒麟がくる 長谷川博己 石川さゆり 長谷川博己
第70回(2019年)
染谷将太
第71回(2020年)
制作の遅れのため2021年2月まで放送
2021 青天を衝け 吉沢 亮 吉沢 亮
第71回(2020年)
山崎育三郎
第71回(2020年)
山崎育三郎は朝ドラ『エール』からの出演、
大河の出演発表は2020年紅白よりも後
2022 鎌倉殿の13人 小栗 旬 松平 健 三谷幸喜
小池栄子
坂口健太郎

第72回(2021年)
坂東彌十郎
第73回(2022年)
大泉 洋
第72回(2021年)
第73回(2022年)
小栗 旬
高岸宏行

第73回(2022年)
三谷幸喜は脚本担当、第73回にもVTR出演
坂口健太郎の出演発表は2020年紅白よりも後
大河出演者で主役以外が司会を担当するのは松たか子以来25年ぶり、放送前については初
主演の小栗旬が第73回に特別出演、紅白で初めて主演同士の引き継ぎが行われる
高岸宏行は別ステージの応援ゲストとして参加も、コーナーに顔を見せる
2023 どうする家康 松本 潤 久保史緒里 松本 潤
第73回(2022年)
寺島しのぶ
第74回(2023年)
久保史緒里乃木坂46所属
2024 光る君へ 吉高由里子 吉高由里子
第74回(2023年)
2025 べらぼう 横浜流星 横浜流星
第75回(2024年)
2026 豊臣兄弟! 仲野太賀

 

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