【今週の総合ソング・チャート“JAPAN HOT100”】
1位 King & Prince
2位 STU48
3位 BUMP OF CHICKEN
4位 星野源
5位 NiziU
6位 Official髭男dism
7位 Aimer
8位 IVE
9位 Saucy Dog
10位 Tani Yuukihttps://t.co/ynTVsdWD3S pic.twitter.com/aZ9dmBKlTv— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) April 20, 2022
今週のチャート総評
King & Prince「Lovin’ you」が1位。CDセールス約47万枚は、大ヒットした前作「恋降る月夜に君想ふ」を上回る好調な出だし。CDとしては「踊るように人生を。」と並ぶ両A面形態、タイアップは「Lovin’ you」が平野紫耀出演のCM、「踊るように人生を。」が神宮寺勇太主演のドラマ『受付のジョー』となっています。
2位のSTU48「花は誰のもの?」も23万枚売上のCDセールス主体。こちらは特にタイアップ無しですが、元チェッカーズの鶴久政治が久々に楽曲提供に名を連ねています。メンバー制作に移行後、チェッカーズのシングル曲で最も作曲担当が多かったのは鶴久さんでした。
3位も初登場で、BUMP OF CHICKEN「クロノスタシス」がランクイン。ダウンロード1位、ストリーミングも34位なので好スタートです。ちなみにキャンペーンもTwitterシェアという形で実施中、ストリーミングサービスの再生はLINE MUSICに限定していません(細かい内容はこちら)。サービスを限定しない部分が戦略的でもあり、何百回もの再生を応募条件にしていない所は親切でもあります。なお今作は映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』主題歌という強力タイアップもついています。
5位はNiziU「ASOBO」。ダウンロード3位、動画再生数は1位でした。YouTubeでは相変わらず強く、公開から8日間で早くも1300万再生を記録しています。ストリーミング指標は19位ですが、バンプ同様Spotifyではデイリー50に入っていません。こちらもしっかりLINE MUSICキャンペーン実施中。
6位もOfficial髭男dism「ミックスナッツ」がランクイン、今週は上位の初登場が多いです。アニメ『SPY×FAMILY』OPテーマ、「Anarchy」も収録されるこの曲メインのEPも6月22日発売が決定しています。15日の金曜配信開始ながらダウンロード2位・ストリーミング43位。ラジオオンエアも2位です。現在Spotifyデイリーで5位、配信開始にあたってのキャンペーンは特に無し。CDが複数種発売可能であることを考えると、今週の上位では一番正々堂々と勝負している楽曲と考えて良いのかもしれません。
13位はAqours「なんどだって約束!」、約5万枚の売上でCDセールス3位を記録しています。東京ドームのコンサートが6月25日・26日に開催されますが、今作はこのテーマソングになっているようです。
18位はUNISON SQUARE GARDEN「kaleido proud fiesta」。CDセールス(6位)・ダウンロード(6位)・ラジオ(8位)中心にバランスよく数字を稼ぎました。ストリーミングの伸びはやや足りなく、キャンペーンでテコ入れするとしたらアイドル勢よりむしろバンド勢かもしれないという印象も持つほどで…。なお今作はアニメ『TIGER & BUNNY 2』タイアップがついています。また40位にもSEVENTEEN「Darl+ing」が初登場。
60位は緑黄色社会「陽はまた昇るから」でダウンロード9位、73位は三浦大知「燦燦」で同8位。緑黄色社会は映画『クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』主題歌、本日CDリリースなので先行配信、来週はもう少し上位になるものと思われます。三浦大知はNHKの朝ドラ『ちむどんどん』主題歌、こちらも6月8日発売シングルの先行配信です。いずれもストリーミングがまだ伸びていないので、そこの数字が伸びればロングセラーに発展しそうな所ですが…。他に81位一十木音也(寺島拓篤)「LOVE SONG FOR YOU」、86位DIALOGUE+「僕らが愚かだなんて誰が言った」、91位CDシングルの先行配信となるaiko「ねがう夜」がそれぞれ初登場となっています。
【チャートに関するお知らせ】
2022年4月20日発表チャート以降、総合チャートのストリーミング指標およびストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”において、一部サービスの実再生回数に代わり、その市場シェアを鑑みた計算係数を採用することで、楽曲の総再生回数を算出しています。— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) April 20, 2022
さて今週からストリーミングの集計方法が変更となりました。昨年の夏頃からLINE MUSICキャンペーンのみで順位上昇、キャンペーン終了後に急落している楽曲が続出しています。それらの対応が待たれる所でしたが、今週から一部サービスにおいて市場シェアを鑑みた計算係数の採用という形になっています。現在市場シェアが高い音楽ストリーミングサービスは日本だとAmazon Music Unlimited、Spotify、Apple Musicといった所で、LINE MUSICは2020年現在で4位です(こちらの記事参照)。キャンペーン実施で登録者数が増加しているはずなのでLINE MUSICのシェアは当時より高くなっている可能性もありますが、それでも同サービスにおけるの再生数ランキングが他の音楽ストリーミングサービスと大きく異なる結果になっていることは多々ありました。今後さらに影響が大きくなる可能性は確かに高く、ここで一手を打ったのは賢明な判断ではないかと感じます。
ここ最近ずっと4位にランクインしていたINI「CALL 119」は、今週15位にダウン。ただキャンペーン終了後もファンの皆さんは相当頑張って再生しているようで、その点では今後もしばらくランクインはするものと思われます。なお本日「CALL 119」も収録されるEP「I」が発売、来週のチャートでまた上位に戻るのは間違いありません。1位だと各メディアでの紹介も多くなり、地上波の歌番組に呼ばれる可能性も上がるはずなので、本当のブレイクはそこからになるかと思われます。Twitterで検索するとファンの熱はかなり高い様子で、そこが心強くもあり不安でもあり…。
先週11位の星野源「喜劇」は4位、IVE「LOVE DIVE」は8位に上昇。源さんはラジオ1位・ストリーミングが59位→11位で大幅にアップしています。IVEはストリーミングが非常に強く2位、ポイント全体の75%を占めています。また先週85位初登場のずっと真夜中でいいのに。「ミラーチューン」が今週43位にアップ。
Tani Yuuki「W / X / Y」は順位こそ1ランクダウンですが、ポイントはさらにアップでついにストリーミング1位となりました。なお優里「ドライフラワー」は14位、先週までの連続TOP10記録は73週でストップとなっています。先週1位の櫻坂46「五月雨よ」は19日までキャンペーン期間で16位。同じく上位にいたSnow ManやBIGBANG、JO1辺りは大きく順位を下げてます。
今週のピックアップ曲
King & Prince「Lovin’ you」
プライベート色の強い縦長サイズのMVが印象的ですが、楽曲もその雰囲気にピッタリの落ち着いたミディアムテンポ。ファンにとって非常に満足度高い作品だと思います。派手さはありませんが、その分等身大といったイメージでしょうか。
なお両A面の「踊るように人生を。」もMV有り、こちらもミディアムテンポですが、若干ジャズテイストの入ったノリの良い内容になっています。ミュージカルの途中で入っていても不思議ではない雰囲気で、その点ではもっとも本来のジャニーズらしい曲なのかもしれません。
STU48「花は誰のもの?」
ここ2年くらいの高校の部活を題材にしたストーリーテイストのMVです。石田千穂・瀧野由美子・中村舞のトライアングルセンターという、過去の48グループでは珍しい形のセンター選抜。
叙情的な雰囲気が強調されたメロディーが、映像とよく合っています。いわゆるアイドルソングという印象ではありませんが、STU48のイメージにはよく合っている楽曲です。映像はともかく曲そのものは2022年らしさと無縁ですが、だからこそかえって癒されます。こういう曲も、もう少し口コミでもいいので広がってもいいんじゃないかという気にさせる楽曲でもありますね。
NiziU「ASOBO」
タイトルからは徹底的に盛り上がる楽曲を連想させますが、意外と歌割りはメロディアスに聴かせる構成。盛り上がりどころはむしろダンスパートという印象で、ランニングマンで有名な三代目J Soul Brothers「R.Y.U.S.E.I.」に近い構成となっています。
さすがに「Make you happy」「Take a picture」みたいな爆発的なキャッチーさはありませんが、工夫を凝らした映像は間違いなく遊び心抜群で面白いです。その意味では、ファン1人あたりの再生回数は従来の曲よりも多くなりそうな気がします。各メンバーにはっきりとした役が充てられていて、その内訳は映像ラストのスタッフロールで確認できます。その点では楽曲以上に、映像の方でアピールしやすい作品なのかもしれません。
Official髭男dism「ミックスナッツ」
ここ数年、毎年マイベスト年間トップ10レベルに入れているような気がしてならないですが、今作もそれに入りそうな雰囲気の大傑作です。
比較的素直に作られたメロディーは昨年の「Cry Baby」と対称的ですが、この曲は編曲が凄いです。どちらかというと「Pretender」みたいなアレンジがしっくり来るところ、BPMを速めたバンド&ブラスバンド中心の演奏で攻めに攻めています。
このメロディーでこの編曲は、正直私がこれまで聴いてきた楽曲の発想と外れています。YouTubeでのコメントは歌詞やアニメとの親和性を称える内容が目立ちますが、個人的にはアレンジが驚異的な作品という印象でした。メジャーデビューから4年、ブレイクしてからもう随分時間が経っています。そんな中でもまだこれまでに無いような新しい音楽を提示し続けられる藤原さんは、やはり令和トップクラスの天才なのでしょう。
UNISON SQUARE GARDEN「kaleido proud fiesta」
職人技の演奏に技巧と明るさを兼ね備えたメロディー、横浜を舞台にしたMV。過去にもアニメタイアップの名曲がいくつもある彼らですが、その中でも確実に上位に入る作品のような気がします。ユニゾンの曲で自分が一番好きなのは「君の瞳に恋してない」ですが、それに限りなく近い雰囲気も感じさせます。令和のユニゾンの代表曲になること間違いなし、こちらも2022年を代表する名曲ではないかと思われます。
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