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 Ado「うっせえわ」がついに首位獲得。優里「ドライフラワー」との差は僅か200pt。今週はCDセールスで強いアーティストがいない関係で、ロングセラーが軒並みランクアップ。Awesome City Club「勿忘」は5位、YOASOBI「群青」が6位で同じく「怪物」が8位。その一方で2週目・3週目ランクインの楽曲は数字を落としている傾向にあるようです。というわけで本日の2曲は、上位に初登場ランクインした注目株について書いていきます。

 

・BEYOOOOONDS「激辛LOVE」


 フィジカル要素で今週トップにつけたのは、ハロプロの12人組・新しいユニットの2ndシングル。昨年コンサートどころかCDリリースも出来なかったので、今作が1年半ぶりのリリース。普通なら配信で1曲くらいは、という所ではあるのですが…。「Now Now Ningen」「こんなハズジャナカッター!」と、ハロプロではお馴染みの3曲A面。

 「激辛LOVE」は大変憶えやすい歌詞が特徴な楽曲です。よく言うと遊び心があって面白い、そうでないと安直とも思えるような…。メロディーなどはToto Coelo「Dracula’s Tango (Sucker For Your Love)」のカバーで、オリジナルは調べてみたところ1980年代。発想が一昔前、Berryz工房がカバーした「ジンギスカン」とまるで変わっていない印象もあって、色々な意味で心配になるのですが、こういう底が深くない世界観は決して嫌いではありません。カッコ良くて完成度高い音楽ばかりでも、正直面白くはないですからね。

 ちなみに「Now Now Ningen」「こんなハズジャナカッター!」はカバー曲でないですが、曲を聴いての感想はやはり歌詞が前面に出すぎていると言いますか…。なんてこと書いてたら「こんなハズジャナカッター!」の歌詞は自らツッコミを入れるセルフパロディ状態。ということはおそらく、彼女たちは当面ツッコミどころ満載の楽曲で通すものと思われます。出たての頃のももいろクローバーZや私立恵比寿中学、そもそも人気爆発した時のモーニング娘。がこれくらいの勢いで押し切っていました。そういう意味では、プロモーションが上手く行けば想像以上に伸びるグループになるのかもしれません。ハロプロファンは当然として、アイドルファンあるいはそれ以外でも、チェックする価値の高いグループですね。メンバーの人数も多いので、曲の世界観が合う人は一気にハマるグループのような気がします。

 

・藤井 風「旅路」


 やわらかい雰囲気の映像と、その映像と非常に親和性のある淡い音の使い方。歌声は1990年代に流行した渋谷系の延長線上にあるようにも思えます。渋谷系の流行は当時若者がメイン、彼らは30年経つともうれっきとしたアラフィフ。それでいて、何となくカッコ良くオシャレに聴こえる音は都会の若者向けにも思えます。いずれにしても広い世代・ターゲットを意識したような音楽で、それが極めて良い方向に成果として出ている楽曲のように思います。端的に言うと、2021年を代表する名曲であるということです。

 この曲の面白い所は、ポイントになる音の種類が非常に多いのに対して主張し過ぎている部分が一つもないこと。つまり、各要素が全くぶつかり合わずに全てが溶け込んでいるんですよね。大体の場合、まずは歌詞が気になった、声にインパクトがあるという具合で一つの要素から掘り下げていくのが、自分が新曲レビューを書く時のパターンだったりするのですが(汗)、この曲に関してはそれが出来ません。どの要素も一様に優れている、音のオールラウンダーという印象があります。ここ2年くらい一気に知名度・評判が上がっていて、実を言うと2年前初めて聴いた時はそこまで凄さを感じなかったのですが、今この段階で久々に聴くと想像以上に良いアーティストになっていると痛感しました。ドライブのBGMで聴き流すにも最適、スピーカーで深く聴くのにも向いていて、歌唱力も高そうなのでライブ映えもしそうです。

 CHART insightではダウンロード1位・ラジオ2位が総合10位という結果に繋がっていますが、ストリーミングがまだ43位。ただこの要素は曲が良ければ伸びる可能性は相当高いので、そう考えると今後順位は上がるのではないでしょうか。