最初のステージではMUSICA編集長・鹿野淳の朝礼が恒例になっています。居心地の良いフェスを追求する点では、ロッキン社主催のRIJやCDJ等とかなり共通していますが、今回はスタンド席の場所取りについて特に強調して話していました。この日の動員は前日よりも6000人多い25000人ほど、そしてこどもの日ということでなぜか開演に先立って綱引き大会。綱の近くにいたオーディエンスが協力して参加していましたが、さすがにこの先の体力を考えると募って参加する人は決して多くなかったです。私も偶然近くにいましたが、一応写真を撮影するだけで収める形にしました。
Hump Back(VIVA! STAGE)
Hump Back
ボーカル林さんの青春がそのまま今の時点まで、おそらくはそれ以降も永遠に続きそうな音楽を魅せていた。楽曲も演奏も過剰なまでの熱さも、1年前よりパワーアップしている。みんなの合唱じゃなくて熱唱が聴きたい、今日はこの言葉が強く胸に刻まれた。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
さてオープニングを飾るHump Backですが、ステージを見るのはチャットモンチーが完結したこなそんフェス以来1年ぶり。「生きていく」「高速道路にて」を演奏した後、ボーカル・林萌々子のMC。中学生時代の多感な時期に、ロックを聴いていた兄の影響で、青春時代が現在も続いているという内容のMCを極めて熱く語った後に「拝啓、少年よ」。「短編小説」「クジラ」「悲しみのそばに」を経て「星丘公園」で締めるステージには、一切のブレがありません。ひと昔前の青春ロックを思わせるような楽曲は、これまでのガールズバンドにはないスタイル。大変カッコ良くて爽快なステージでした。
ただ冷静に見ると、林さん以外のメンバー2人が演奏以外で目立っていない印象も少しあります。女性バンドで長く成功している先人は、ほぼ例外なく全メンバーの個性が分かりやすく豊かであることが個人的な持論。さて、このバンドはどうなるでしょうか。良くも悪くも林さん次第で全てが動くような印象もありますが…。
the telephones(STAR STAGE)
the telephones
全部ちゃんと見たわけじゃなく、音源含めてほとんど知らないけど少し見たら人気ある理由は一目瞭然。理屈抜きに楽しい。特にキーボード、曲的にもパフォーマンス的にも極めて良いアクセントになってる。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
フェスでは定番の人気バンドですが、あまり音を聴いたことないので休憩がてら観察。少し聴いて感じたことは、キーボード演奏の心地良さ。そしてもう少し時間が経って分かったことは、キーボード担当・岡本伸明のキャラクターの濃さ。ちなみに彼らは埼玉出身、当日は特注の浦和レッズユニフォームの衣装でした。次に見る時は、もう少し楽曲を事前に聴いて楽しんで行ければ、と思っているところです。
yonige(VIVA! STAGE)
yonige
淡々としている。煽る場面もなく、盛り上がりも特にない。ただボーカルの歌声と演奏特にベースの音が、堪らなく心地よい。ロックフェスでこれだけ多くの人間が耳を澄ます空間を作ることが出来るのは彼女たちだけではなかろうか。電話ズの後だから余計にそれが際立ってた。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
こちらは2017年RADIO CRAZY以来に見るステージ。メジャーデビューしたばかりで注目度が高かった当時は、狭い会場が入場制限になっていました。今回はそれとは比較にならないほど大きな会場ですが、やや前方エリアだと密度の高さはほとんど変わらず。つまりはこの1年半の間に著しく知名度が上がって人気になったということです。2人組ユニットですが、サポートにドラムと今回はもう1人ギターのゲストミュージシャンも参加して4人のステージ。
「リボルバー」の演奏から始まります。その後の「顔で虫が死ぬ」「2月の水槽」「どうでもよくなる」「また明日」…。極めて盛り上がるタイプの曲ではなく、見ようによってはやや淡々としています。少なくとも、先ほどのHump Backとは全く対照的なステージになっています。煽るような場面も特にありません。MCもサポートメンバーの紹介くらいで、大きく特筆すべき事項はなかったです。中盤ベースのごっきんが”知ってる曲やります”ということで、インディーズ時代からの定番「センチメンタルシスター」「アボガド」を演奏した後ラスト2曲は「トラック」「春の嵐」。至ってマイペースに、「ワンルーム」「さよならプリズナー」辺りの人気曲も外して自分らしさを見せたステージを見せていました。
元々オーディエンスを乗せるタイプのバンドではないですが、Hump Backやthe telephonesの後だとそれが余計にハッキリと表れますね。これもまた、盛り上げるバンドの多いフェスの中においては大きな個性として作用しているのではないでしょうか。
NICO Touches the Walls(STAR STAGE)
NICO Touch the Walls
セトリは当然ながらだいぶ変わってるけど、声とステージのカッコ良さは相変わらずそのまま。それだけに昔の定番曲が演奏されると余計に円熟味も感じたり。とても良かった。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
もうすっかりベテランの域、前回ライブで見たのが2013年のBBQ in つま恋以来なので相当久々。あの頃は「手をたたけ」がド定番でしたが、今ではリハで演奏する程度の位置づけになっています。ここ数年の曲をチェックできていないので、そういう意味でも久々でした。
シングル曲「天地ガエシ」からスタート。アニメタイアップがつく、近年の中では知名度高い曲と言って良いでしょうか。そのまま昨年の楽曲「VIBRIO VULNIFICUS」、続く「マカロニッ?」は最新曲。「ローハイド」を経て、直後のMCで3年ぶりのビバラ出演と、6月に発売されるこちらも3年ぶりのアルバム『QUIZMASTER』を紹介。全曲新曲で、同じ内容のアコースティックバージョンもついた2枚組はかなり力を入れた作品だとか。そのまま収録曲「18?」が演奏されます。
「Funny Side Up!」を経て、ラストはお馴染みの「THE BUNGY」。自分が彼らをよく見ていた時の定番「手をたたけ」も「夏の大三角形」もなく、時の流れを感じさせた中で聴く「THE BUNGY」はかなり格別な物がありました。クオリティーの高いステージは相変わらずで、またフェスで見られることをあらためて期待したいです。
大森靖子(VIVA! STAGE)
大森靖子
そこそこの回数見てるから凄いのは分かってるつもりだけど、それでも今日はとんでもなく凄かった。超絶ロック路線から道重愛に溢れる終盤、極めつけは死神のアカペラ。マイクの音があそこまで割れる歌声は初めて聴いた。声量にバックもフルパワー、以前にもまして全てが規格外。凄かった…
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
メジャーデビュー前の2013年TOKYO IDOL FESTIVALから、最低でも2年に1回のペースで見ているのである程度慣れたものですが、考えてみればこれだけ大きなステージで見るのは初めてです。レディクレでも見てはいますが、その時は食堂の片隅みたいな小さなステージでした。あの時の一体感とは少し違いますが、バックバンドの迫力は2年前に見たワンマンと同様、相変わらず相当なもの。
冒頭は思いっきり激しいバンドロック。「ZOC実験室」「draw (A) drow」に、先日のビバラポップで道重さゆみとデュエットしていた「VOID」。そこから「非国民的ヒーロー」を経て、道重愛を最大限に出した「ミッドナイト異性清純交遊」、その道重さんとのデュエットという形でセルフカバーした「絶対彼女」。お馴染みのコール&レスポンスは、相変わらず自由で明るい雰囲気。それより前や後と比べても、ここだけ平和な空間がステージに広がっている状況です。
道重さんが一番好きな曲だという「マジックミラー」の演奏が始まるとまた状況が変わります。ギターを担ぎながらアカペラで歌い出す冒頭は、完全に「入っている」状態。これだけでも凄いのですが、極めつけは弾き語りで始まるラストの「死神」。アカペラで歌われた1番は、6年前に彼女を見た時の衝撃を思い出させます。憑依とか圧巻とか、そういった単語に収まらないステージは、叫び声でマイクの音割れを生じさせる状況。そのままプツリと切れたように終わる演奏、拍手が起こるまでに数秒の間が出来る光景は、これまで見たライブでもほとんど記憶にありません。見るたびにその凄さを伝えたいステージになっていますが、今回も完全に同様。伝説というのは、彼女のためにある言葉と言っても言い過ぎではないのかもしれません。
SHISHAMO(STAR STAGE)
SHISHAMO
完全に格が違う。特に楽曲に関しては右に出る者がいないというくらい。タオルを2曲目に持ってきたのはビックリしたけど。ビジョンにテロップを自前で入れたり、わざわざ2日前から来てたりして意気込みも強く感じた次第。そろそろフェスのトリで見たくなってきた。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
フェス・ワンマン通して今回で見るのはもう9回目。大体の空気は知っているので、あとはフェス通して初めて見るバンドと比較してどう見えるか検証するくらいですが、やはり間違いないステージでした。「恋する」に始まり、「タオル」はお馴染みこの曲用のアニメーション、3人が着ているシャツに”ビ””バ””ラ”の文字も入れて完全にこのフェス仕様。直後のMCでは2日前から会場に来て楽しんでいるとアピール。あとはコール&レスポンスを兼ねる客層アンケート、カップルで来る人に朝子さんが嫉妬する光景は相変わらず。そろそろメンバーの誰かにそういう噂があってもいい頃なのですが…。あとは9月に行われるさいたまスーパーアリーナワンマンの告知もありました。
2018年発表の「ねぇ、」を経て、「僕に彼女ができたんだ」「君に夏フェス」「明日も」はもうフェスで常に演奏している楽曲ではないかと思うのですが、あらためて聴くと楽曲の強さが圧巻。「明日も」ではビジョンに歌詞テロップも表示されています。そういえば「君と夏フェス」のPVはこのビバラのGARDEN STAGEが舞台になっています。実際2014年以来ビバラは皆勤、それだけ双方にとって大事な存在であると言えそうです。
ラストは新曲「OH!」、サビでの大合唱もまた間違いのない一体感。このフェスが続く限り、SHISHAMOというバンドが続く限り。2つの良好な関係は、きっといつまでも変わらないのではないかと感じるところです。
ハルカミライ(VIVA! STAGE)
ハルカミライのライブはダイブ連発。スタンド最上階から見るとダイバーの動きがすごく分かりやすくて、さながらマラソン大会を見てるかの模様
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
メンバーのリハが始まるや否や通路でモッシュ、軽い将棋倒しが発生します。全くの初見ですが、こういう現象が起こるという時点で人気の高さが分かるものです。スタンドのかなり上から見ましたが、スタンディングエリアは多くの人で埋まっていました。激しいロックにダイブ連発、というよりボーカルだけでなくギターも客席エリアに乱入してパフォーマンスしていました。楽曲自体もストレートに味があって良かったですね。あらためてチェックする必要がありそうです。
UNISON SQUARE GARDEN(STAR STAGE)
UNISON SQUARE GARDEN
ここまで見れなかったことを残念がるか、逆にここまでとっておいたことを誇るべきか。音源とライブは得てして聴こえ方が違うものだけど、一番極端。曲を知らなくても演奏とパフォーマンスで全く退屈しなかった。文句なしに一番上手い。これも格が違う。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
この10年くらいで、フェスによく出るアーティストは大体見てきたつもりですが、彼らだけは不思議とここまで見る機会がなく。今回足を運ぶにあたって、一番見たいステージがこの日のトリと彼らだったりします。パフォーマンスの評判は何度となく耳にしてはいましたが、あらためて見るとやはり圧巻。鈴木貴雄・田淵智也・斎藤宏介の演奏は、最初のセッションの時点でとんでもないクオリティーでした。ロックというよりフリージャズと言っても良いでしょうか、歌がなくてもその演奏だけでワンマンライブが成立するレベルです。
今回演奏された楽曲は「MIDNIHT JUNGLE」「10% roll, 10% romance」「誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと」、再びセッション的演奏を経て「フィクションフリーククライシス」「Invisible Sensation」「天国と地獄」、最大の見せ場となった「ガリレオのショーケース」「君の瞳に恋してない」。演奏された楽曲は認識していない曲の方が多く、また「シュガーソングとビターステップ」という超定番曲もなかったですが、全く関係ありませんでした。ステージと演奏を見るだけで、これだけ時間の経過が速いと感じさせるのも滅多にありません。田淵さんが縦横無尽に暴れ回り、鈴木さんが頭に紙袋を被った状態で叩く「ガリレオのショーケース」に至っては見たこと無いレベルのあり得ないステージでした。ここからラストの「君の瞳に恋してない」に至る流れは、思わずズルい!と叫びたくなってしまうほど。長年にわたって少しずつ人気が伸びているとともに、その勢いがいつまでも止まっていないというのが彼らに対する印象ですが、あらためてライブを見ておおいに納得。凄かったです。
折坂悠太(合奏)(CAVE STAGE)
折坂悠太
端正なルックスから想像もできないくらい個性のある音楽。民族音楽っぽさ感じさせる面もあったけど、なるほど略歴をみると鳥取からロシア・イランに移り住み…とある。近い存在にいるとすれば森山直太朗だろうけど、そのうち誰もいない領域に入ることになるのだろう。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
先日アルバム『平成』がCDショップ大賞受賞ということで、こちらもあらためて見ておきたかったステージ。時間の関係上途中から見る形になりましたが、端正なルックスからは想像できない歌声と演奏が印象的でした。民族音楽っぽい、と書きつつもそれだけに留まらない音楽は、おそらく聴けば聴くほど味が出てくるのではないかと思われます。確かに今までとは違う個性がそこにあって、CDショップ店員の目利きは確かであることがよく分かりましたが、個人的に完全に彼の音楽をモノにするにはもう少し時間が必要かもしれません。
神聖かまってちゃん(CAVE STAGE)
神聖かまってちゃん
精神解放をテーマに、これ以上ないほど一体感があって激しいライブ。STAR STAGEへの野望をしきりに語ってはいたけどw 天井の低いこの空間だからこそ余計に凄味が増してるような印象もあった。あらためてもっと評価されるべき。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
『友だちを殺してまで。』が話題になったのはもう9年前。当時は色々言われていた印象もありますが、初めて見る彼らのライブは思いっきり盛り上がる激しいロックな内容でした。
4人とも非常に強い個性の持ち主ですが、フロントとして中心で盛り上げているのはボーカル・の子とキーボードのmono。の子の噂は10年近く前から知ってはいますが、ルックスは同年代でも多くいそうな普通の痩せ型サラリーマンそのもの。喋ると放送禁止用語も辞さないようなロッカー、ですが裏では礼儀正しく人柄も良さそうな常識人のような気もしました。「23歳の夏休み」「ぺんてる」「ねこラジ」「肉魔法」、意外と最新曲より定番中心でMCでも次の曲のタイトルを叫ぶ辺り、サービス精神も旺盛。超定番曲「ロックンロールは鳴り止まないっ」に「フロントメモリー」で締めるラスト、フロアはモッシュも発生して大変な盛り上がりでした。CAVE STAGEはライブハウス仕様の狭いステージで、なんでSTAR STAGEじゃねえんだよ!と鹿野さんへの不満をしきりに叫ぶの子さんでしたが、空気感としては広いステージよりこういったステージの方が良かったかもしれません。
UVERworld(STAR STAGE)
UVERworld
遠くから座って見ると、もはやドキュメンタリー映画を見てるような感覚。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
UVERworldのステージは4年前のイナズマロックで過去に見ているので、CAVE STAGEが終わってから後半ゆっくり見る形にしましたが、戻った途端なんとホルモン3号店と称して「恋のメガラバ」カバー、挙句の果てにはダイスケはんとナヲさんがステージに乱入するというかなり予想外な展開。そういえば4年前に見た時はこういうフェスのような場が苦手だったとMCで話していた記憶があるので、余計に信じられない光景でした。溢れるほどの熱量を感じさせるライブは以前と変わらないですが、心境の変化はやはり多少あるのかもしれません。
KANA-BOON(VIVA! STAGE)
KANA-BOON
代表曲中心に間違いのないライブ。それだけにラストの新曲の良さも際立つ。そういや前回見たREQUESTAGEが、ちょうどビバラ第1回の年だったのか…。その時リリースされたのがフルドライブ。しみじみ。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
KANA-BOONを見るのも久々で2014年のREQUESTAGE以来。その時は「フルドライブ」が発売した頃で、まさに人気急上昇中。同じ日に出演していたPerfumeがMCで大絶賛していたことを思い出します。そう考えると現在の状況は当時と真逆。2018年辺りから、明らかにセールスが苦しくなり始めています。それもあってでしょうか、ステージも初回以来、STAR STAGEからVIVA! STAGEに変わっています。
演奏される楽曲に間違いはありません。「シルエット」「ウォーリーヒーロー」から始まり、中盤は比較的新しい「ハグルマ」「ネリネ」でしたが、その後は「結晶星」「盛者必衰の理、お断り」「フルドライブ」「バトンロード」と名曲のオンパレード。ステージの盛り上がりも上々でした。ただ意外と同じようなBPMが多かったり、全体的な楽曲の幅を考えると…。個人的にフェスでまた繰り返し見たいという気持ちは、少なくとも他のバンドと比較すると若干落ちます。メンバーの不倫という事故のようなスキャンダルは確かにありましたが、それがなくても果たしてどうでしょうか。ラストは新曲「まっさら」で締め。おそらくバンドが続く限りビバラには出演し続けると思いますが、正直現在は正念場と言って良い状況なのかもしれません。
クリープハイプ(STAR STAGE)
クリープハイプ
フェスを通して初めてのトリ。1曲1曲、曲が進むごとに感じられる緊張感は今までに全く感じたことのない感覚。尾崎さんの表情は、もう完全に「入っていた」。これまでの活動を振り返っても、トリになるべき時にトリになった気がする。一番良い時期に見れたことが、とても嬉しい。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
長文でライブレポを書く身としては、最後のMCは何とも言えない気持ちになったけど…。でも真実なんだよね。どんなに詳細なレポを書いても、本当の会場の雰囲気なんて1ミリも伝わらない。それを完璧に文章化するなんて、ハッキリ言って絶対に無理。でもライブで見た感想と気持ちは、正直に伝えたい。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
クリープハイプって、はっきり言って嫌いだったんですよ。自虐してたけどメンヘラっぽいし、声が声だし。でも最近の曲を聴いて、その認識は完全に変わった。最後のMCでまたそうなりかけたけど(爆)でもだからこそ今日は見ていて、すごく胸に沁みるものがあった。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
曲にバリエーションがかなりあって、それが年々多くなってると思う。さっきも書いたけど、知ってる曲が少ない中で次にどんな曲をやってくれるかなとワクワクさせる存在は、滅多にいない。10周年、ラスト鹿野さんにも祝福されたけど永遠に続いて欲しい。あらためてそう願う。そして、そんな気がする。
— カーシー (@Kerseemuzik) 2019年5月5日
クリープハイプが第一線に躍り出たのは2013年。当然これまでフェスには幾度となく出ていますが、不思議と見る機会は過去になく今回が初めて。また、非公認ベストアルバムの一件以来数年間聴くのを避けていた時期もあったので、そういう意味では今回フェスのトリで初めて見ることになったのは個人的に因縁深さを感じる部分もありました。
演奏は「5%」からスタート。静かなバラードですが、直後のMCによると普段こういった曲で始めることはあまりないそうです。フェスのトリのステージが始まるまでの緊張感が、まだ持続しているかのような雰囲気は独特。いわゆるプロローグみたいなものでしょうか。その次の演奏曲がキラーチューンの「鬼」だったので、余計にそう感じられる面もあります。
「おばけでいいからはやくきて」「火まつり」「ラブホテル」の演奏、合間に尾崎世界観が喋るMCも細かく入ります。シングル表題曲中心のセットリストが神セトリ、自分にとってはペラペラの”紙”みたいなセトリと話しつつもあえてそれでいくという発言が印象に残ります。話を聴く限りだとやはり彼は、頭が良く度胸や発想力がありしっかりとした意見を発信できる人物のよう。楽曲を振り返っても引き出しはかなり多く、経験を積み上げた結果がこのフェスの曲順に表れているのがよく分かります。
ポップなヒット曲「イト」でちょうど前半終了。「憂、燦々」は自分がクリープハイプを知るキッカケになった曲。風変わりで個性的な楽曲と、それ以上に叫ぶような歌声が大変印象に残ったことが思い出されます。「二十九、三十」を経て、エロい曲を演奏しますということで「HE IS MINE」。歌詞だけでなく、演奏そのものからもどことなく危険な香りが漂います。その勢いのまま「社会の窓」「社会の窓と同じ構成」、終盤はまさしく圧巻の展開でした。
ラストのMC。どんなに長文のライブレポを書いても、その雰囲気は1mmも伝わらないと話す尾崎世界観。毎回のライブをこうやって長文レポで書いている立場として、直後に演奏されたラストの「栞」は、普段の音源とは全く異なる心境になってしまいました。ただ、言ってることは確かに一理あって、正しいかどうかは意見が分かれる所ですが間違いは何もありません。
これだけなんだか面白いと思わされる感覚、少し挑戦的な気持ちにさせられるMC。なんだか彼の掌に転がされている感じも否めないですが、それでも良いと思える気持ち。一日通して多くのステージを見る中で、その日迎えるフェスのトリはほとんどが印象的なアクトになります。言うまでもなくこのステージもそうですが、今までとまた違う形で非常に印象に残る、忘れられないステージになったのは言うまでもありません。
おわりに
2日間通して多くのステージを見ましたが、環境としては非常に過ごしやすい2日間になりました。ROCK IN JAPAN FESTIVALやCOUNTDOWN JAPANがフェス初心者にも優しいイベントとして定着していますが、快適さの点ではこちらの方が上ではないかと思います。来客数が多いとは言えソールドアウトするほどでもなく、交通の便も極めて便利で椅子の確保にも困りません。トイレも他のフェスと比べれば圧倒的に数も多く使いやすかったです。出店が若干少ないくらいでしょうか、それでも近隣にコンビニや商業施設も多々あるのでほとんど問題にはなりません。騒ぎたいロックキッズにとっては規制がやや多いため騒ぎにくいかもしれませんが、それでもRO社主催のフェスよりは緩いです。もしかすると、今まで行った中で一番楽で楽しいフェスかも分からないですね。
ステージはロック系のフェスに足を運ぶ回数が近年少なくなったこともあって、今までになく初めて見るステージが多かったです。気がつけばクリープハイプがトリになり、KANA-BOONやNICO Touch the Walls辺りは完全に中堅~ベテランになり、若手の台頭が本当に目立っていたり。令和という年号が始まったこともあるせいか、世代交代の波がフェス界隈にも訪れ始めているような印象がありました。注目していたアーティストは概ね見ることが出来ましたが、その中でもKing GnuとOffical髭男dismの2組は一時代を築く存在になると直感。非常に実りの多い2日間になりました。年末には果たして誰が一番躍進しているのか、あらためて楽しみな気持ちにもなりました。
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