2019.3.24 赤い公園 Re: First One Man Tour 2019 in 神戸VARIT.

ライブレポ


 この発表がされたのは2017年7月3日、脱退したのは8月31日。バンドの要であるボーカル脱退のニュースは非常に衝撃的でしたが、もっと人々をビックリさせたのはこの後。

 アイドルから音楽関係の異業種へ転身した例は過去にもありますが、既に実績あるロックバンドの新ボーカルとして迎えられる例は初めてではないかと思います。というわけで新生・赤い公園の初ツアー、神戸公演に行ってきました。

公演内容

 キャパシティ350の神戸VARIT.。整理番号330番辺りが呼び出されている時に入場するとフロアは完全に満杯。ステージ前だけでなく、2階のエリアも完全に埋まっていました。来場者全員を入れるのも大変そうで、開演予定時間になっても始める状態ではありません。結果、10分押しという形でライブスタート。

 いきなり「平成」という元号が発表された際のSEが流れます。もしかすると5月になってすぐアルバムリリースかもしれないと思いながら私はその光景を見ました。立て続けに6曲、新旧織り交ぜてと言いつつ「NOW ON AIR」以外は個人的に聴き慣れないメロディー。ですので、パフォーマンスと表情に注目しながら見ていました。

 後ろの方なので、ハッキリと見えるのはほとんど新ボーカル・石野理子の表情。ドラムの歌川菜穂に関して全く見えませんでした。アイドルネッサンスのセンターで歌う彼女を最後に生で見たのは4年前のTOKYO IDOL FESTIVAL。当時は「もう少し声量が欲しいかな」という印象でしたが、彼女に関しては例外でした。久々に見た石野理子は、別人みたいと言うとさすがに失礼かもしれないですが、アイドル時代以上に魅力的な美しい女性に成長していました。ただ、それ以上に目を見張る伸びを見せていたのは歌声。前任のボーカル・佐藤千明とは当然異なる声質ですが、新曲だけでなく演奏された「NOW ON AIR」「サイダー」などを思い出しても違和感は全くありません。津野米咲が作るクセのあるメロディーを、現時点で持っている最大限の表現力で歌っていました。広い音域もあまり苦にすることなく、声量は以前と比べても30~50%くらいアップしているように感じましたが、何より表情が素晴らしかったです。温和ながらも真剣な眼差しと、特にバラード系で顕著でしたが曲への入り込み方。この2つが見ていて特に印象に残りました。盛り上げのうまさも上々ですが、これはアイルネ時代の経験が生きている部分も大きそうです。

 パフォーマンスと比べるとMCはやや拙め。三宮~元町の上品さと、いつか神戸国際会館でワンマンをやりたいという内容でした。ですがTwitterでも見せている純真さとその奥にある感性の豊かさは、唯一無二のキャラクターとして見ていても伝わりました。

 楽曲の方は未発表の新曲も多く、全てを一度で憶えるのも困難なので詳しい感想は控えますが、情感という言葉がしっくりくるエモーショナルな演奏は健在。”tonight, tonight…”と曲の後半で延々歌うナンバーが個人的にインパクト強かったです。

おわりに

 時間にして1時間半、やや短めのライブでしたが満足度は高かったです。新体制になってからの音源がまだYoutubeの2曲だけなので、CDあるいは配信で今日演奏された楽曲が広まることを楽しみにしたいですね。あとは春~夏にかけてフェス出演も多く控えているので、それらに足を運ぶ人は是非新しくなった赤い公園のステージを見て欲しいという気持ちになりました。2019年の彼女たち、J-ROCK界の台風の目になるかもしれません…。

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