演奏時間&構成表 2(第22回・1971年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
21(企画1) | ANYTHING YOU CAN DO | 美空ひばり 雪村いづみ 真帆志ぶき |
1分38秒 2コーラス |
3分17秒 3コーラス(原曲) |
22(企画2) | オリンピック・ファンファーレ (札幌冬季大会) |
自衛隊航空音楽隊 京華学園女子部鼓隊 |
0分23秒 1分08秒 |
0分28秒 (ファンファーレ) |
23(白11) | 雪の讃歌メドレー | ダーク・ダックス | 2分21秒 2曲 |
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白銀は招くよ | 1分17秒 1コーラス |
2分46秒 2コーラス |
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白い恋人たち | 1分4秒 1コーラス |
2分34秒 2コーラス |
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24(紅11) | 虹と雪のバラード | トワ・エ・モワ | 2分39秒 2コーラス+サビ |
3分31秒 2コーラス+サビ |
25(白12) | 忘れな草をあなたに | 菅原洋一 | 1分56秒 2コーラス |
3分25秒 3コーラス |
26(紅12) | 初恋の丘 | 由紀さおり | 2分23秒 2コーラス |
3分12秒 2コーラス |
27(白13) | 地球はひとつ | フォーリーブス | 2分6秒 2コーラス |
2分50秒 2コーラス+サビ |
28(紅13) | 雨がやんだら | 朝丘雪路 | 2分18秒 2コーラス |
3分4秒 2コーラス |
29(白14) | 望むものはすべて | ヒデとロザンナ | 2分14秒 2コーラス |
2分56秒 2コーラス半 |
30(紅14) | 涙 | 雪村いづみ | 2分18秒 1コーラス+サビ2 |
3分54秒 2コーラス+サビ2 |
31(白15) | 自由通りの午後 | アイ・ジョージ | 2分25秒 2コーラス |
(詳細不明) 2コーラス |
32(紅15) | 誰も知らない | 伊東ゆかり | 2分22秒 2コーラス |
2分38秒 2コーラス |
33(紅16) | 砂漠のような東京で | いしだあゆみ | 2分9秒 2コーラス |
2分46秒 2コーラス |
34(白16) | 人生劇場 | 村田英雄 | 1分51秒 2コーラス |
3分49秒 3コーラス |
35(紅17) | 一人の手 | 本田路津子 | 1分58秒 4コーラス半 |
2分30秒 5コーラス半 |
36(企画3) | (皇太子御訪欧の曲) | 藤山一郎 | 0分23秒 1コーラス |
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37(白17) | 羽田発7時50分 | フランク永井 | 2分0秒 2コーラス |
3分17秒 3コーラス |
38(紅18) | サンフランシスコの女 | ザ・ピーナッツ | 2分12秒 2コーラス |
3分35秒 3コーラス |
39(企画4) | (1971ヒットメドレー?) | 宝塚歌劇団雪組 | 1分52秒 | |
40(白18) | さらば恋人 | 堺 正章 | 2分8秒 2コーラス |
3分23秒 2コーラス半 |
41(紅19) | 京都慕情 | 渚ゆう子 | 1分52秒 2コーラス |
2分36秒 2コーラス半 |
42(白19) | わが街は緑なりき | 千 昌夫 | 2分17秒 2コーラス |
3分40秒 3コーラス |
43(紅20) | 港町 | 都はるみ | 2分26秒 3コーラス |
3分41秒 4コーラス |
44(白20) | 桃中軒雲右ェ門 | 三波春夫 | 2分29秒 2コーラス+浪曲 |
3分28秒 3コーラス |
各ステージ・補足
2回目の中間審査後、映画『アニーよ銃をとれ』劇中歌を紅組応援の歌詞に変えて披露。美空ひばり・雪村いづみ・真帆志ぶきの3人による歌唱は声量・掛け合い・リズム・メロディー・ハーモニーともに次元がまるで違う、凄まじい内容でした。
自衛隊航空音楽隊による札幌オリンピックファンファーレが0分23秒、その後の鼓笛隊の演奏が1分8秒。ただ後者の曲については詳細不明、情報お願いします。
それに続く形で披露されたのはダーク・ダックスによる「雪の讃歌メドレー」。1959年西ドイツ公開の映画「白銀は招くよ」音楽Aメロ~1968年フランス・グルノーブルオリンピック記録映画「白い恋人たち」1コーラス~再び「白銀は招くよ」Bメロという構成でした。なお「白い恋人たち」はザ・ピーナッツやいしだあゆみも歌っていますが、日本語の歌詞はそれらと異なる内容です。
トワ・エ・モワはNHKが総力を挙げて作った札幌オリンピックテーマソング「虹と雪のバラード」を歌唱、ステージ前には選手村からの中継やコンパニオン招待など非常に力が入っています。原曲と比べてかなり速いテンポですが、ピアノの音が目立つ編曲は生演奏ならでは醍醐味あふれるもの。アウトロは大半カットですが、2番ラストの繰り返しも含むフルコーラス構成。この年の紅白でも特に力を入れた内容でした。
菅原洋一は「忘れな草をあなたに」の1番・3番を朗々と歌唱。13年後は大人数のコーラス隊バック・最後のフレーズ繰り返しの構成だったので、それと比べて見るとあっさりした内容です。
由紀さおりの「初恋の丘」は若干速いテンポの2コーラス。最後に転調するAメロ部分がカットされました。
フォーリーブスは原曲の倍速ではないかと思える超速いテンポ、Aメロ後半がもはや早口言葉状態と化しています。ただダンスを披露するという点ではプラスだったでしょうか。繰り返しの多いラストサビが1回のみにまとめられましたが、構成はほぼフルコーラスに近いです。
5年ぶりの出場となった朝丘雪路「雨がやんだら」は、テンポが速くなったこともあってしっとりと言うよりややパワフルさを感じさせる歌唱、歌手としての経験豊富さを感じさせるステージでした。元が2コーラス、したがって当然のごとくフルコーラス。ただイントロなど歌以外のカットはやはり多めです。
ヒデとロザンナ「望むものはすべて」はややフェイドイン気味に演奏開始、後ろのパーカッションが賑やかなステージでした。2コーラス、後半の歌詞は2番ではなくその後のパートを歌っています。なお演奏終了後も鳴り響くパーカッションは、演奏時間から除外としました。
雪村いづみ「涙」は第1回東京国際歌謡音楽祭(後の世界歌謡祭)歌唱グランプリ受賞曲。速いテンポ、1番を歌ったと思いきやAメロ後半で早くも2番に飛ぶ構成でしたが、その分サビ以降の怒涛の歌唱がより活きるアレンジになりました。昭和だけでなく歴代を見渡しても確実に最上位に入る、超絶レベルの大熱唱ステージです。
アイ・ジョージが歌う「自由通りの午後」もこの年からニッポン放送で放送開始した『コッキーポップ』初代テーマソング、これが後に1970年代~1980年代前半にかけてヒット曲の宝庫になった”ポプコン”に発展します。サブスク解禁されていないので情報を探るのは難しいですが、どうやら1番は2回目Aメロカット、2番も前半がカットされている模様。12年連続出場の実績と比較して後世の評価が高くなく、振り返られる機会もあまりに少な過ぎて正直調べる方としては困っております。
伊東ゆかり「誰も知らない」もフェイドイン気味、音声が入る前から演奏しているということは進行が相当押しているということです。間奏・アウトロこそカット気味ですが、元が2分38秒の短さなので堂々のフルコーラス。
いしだあゆみ「砂漠のような東京で」はイントロ・間奏の主旋律が原曲と大きく異なるアレンジ。「誰も知らない」同様、この曲も短い故のフルコーラス歌唱でした。
村田英雄は作曲家・古賀政男先生の指揮で「人生劇場」を紅白初歌唱。元々は1938年発表、村田先生のレコードとして発売されたのは1959年でした。セリフ無しの2コーラス(1番・3番)、演奏時間は思いのほか短めです。
本田路津子はギターを弾きながら「一人の手」を歌唱。紅組歌手と観客の手拍子が入る温かいステージでした。2番がカットされています。
次の曲を紹介する前に天皇陛下50年ぶりの訪欧の話題を振る白組司会の宮田輝アナ。その時の乗務員を観客席に招待してインタビューしますが、その流れでなんと50年前・つまり大正十年(1921年)に作られたという曲を藤山一郎がアコーディオン演奏で披露。曲そのものについてはインターネットで調べてもヒットしませんでしたが、あらゆる意味で貴重過ぎる映像であることは言うまでもありません。
フランク永井の「羽田発7時50分」は1958年発表の曲、前述の流れがあっての選曲でした。1番と3番の歌唱ですが、2コーラス目後半はなぜか2番の歌詞を歌っています。
両司会がやり取りする中で演奏開始、ザ・ピーナッツは「サンフランシスコの女」の1番と2番を歌唱。間奏で映像がかなり乱れていますが、おそらくリマスター前はこんなレベルでは無かったのでしょう。
宝塚歌劇団雪組のショーコーナーでは、バックにこの年のヒット曲「ナオミの夢」1コーラスをインストで流す場面がありました。その後も2曲ほど演奏されていますが、詳細は分かりません(「ナオミの夢」の次は「サインはピース」という情報がありました)。
堺正章は名曲「さらば恋人」を2コーラス。テンポアップ気味のステージが目立つ中でこの曲は原曲に近い速さ、1番と2番の間の間奏もそのままでした。
渚ゆう子も原曲に近いテンポで2コーラス、ただ元が2分半2コーラス半なのでステージは2分を切る形。その分歌う前にチータと話す時間がやや長めに設けられています。
千昌夫は1番と3番の歌唱。歌以外の演奏は短めですが、比較的原曲に近いテンポ・アレンジです。
都はるみ「港町」は3コーラス、フルかと思いきや実は4コーラス。1・2・4番の歌唱で、神戸高松広島がカットされております。
三波春夫「桃中軒雲右ェ門」は3コーラスの曲ですが、このステージでは3番+浪曲(忠臣蔵)+2番を歌唱。原曲と大きく異なる構成、紅白史を振り返っても異例の順番になっています。
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