カラー映像が全編残っている第23回(1972年)から第73回(2022年)まで51年分、歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表を2023年に作りました。内訳はこちらの記事を見て頂きたいですが、先日4Kリマスターで第22回(1971年)に続き、第20回(1969年)も総合テレビで放送されました。というわけで、この回も演奏時間&構成表を作っていくことにします。
演奏時間&構成表 1(第20回・1969年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
1(紅1) | 池袋の夜 | 青江三奈 | 2分15秒 2コーラス |
3分38秒 3コーラス |
2(白1) | バラ色の月 | 布施 明 | 2分14秒 1コーラス半 |
3分0秒 2コーラス |
3(紅2) | ブルー・ライト・ヨコハマ | いしだあゆみ | 2分16秒 1コーラス半 |
3分4秒 1コーラス半 |
4(白2) | 君がすべてさ | 千 昌夫 | 1分43秒 2コーラス |
3分33秒 3コーラス |
5(紅3) | 初恋のひと | 小川知子 | 1分55秒 2コーラス |
3分15秒 2コーラス半 |
6(白3) | 海はふりむかない | 西郷輝彦 | 1分51秒 2コーラス |
3分3秒 3コーラス |
7(紅4) | 時には母のない子のように | カルメン・マキ | 2分15秒 1コーラス半 |
3分23秒 2コーラス |
8(白4) | ク・ク・ル・ク・ク・パロマ | アイ・ジョージ | 4分10秒 2コーラス+サビ |
5分28秒 2コーラス+サビ(原曲) |
9(紅5) | 愛の讃歌 | 越路吹雪 | 2分50秒 1コーラス |
2分54秒 1コーラス |
10(白5) | 別れの一本杉 | 春日八郎 | 2分6秒 2コーラス |
3分7秒 3コーラス |
11(紅6) | 恋泥棒 | 奥村チヨ | 2分6秒 2コーラス+サビ |
3分11秒 3コーラス+サビ |
12(白6) | グッド・ナイト・ベイビー | ザ・キング・トーンズ | 2分15秒 2コーラス |
3分17秒 2コーラス |
13(紅7) | 真実一路のマーチ | 水前寺清子 | 2分33秒 2コーラス |
3分33秒 2コーラス半 |
14(白7) | サロマ湖の空 | 三田 明 | 2分17秒 2コーラス |
3分52秒 3コーラス |
15(紅8) | 夜明けのスキャット | 由紀さおり | 2分19秒 2コーラス |
3分6秒 2コーラス |
16(白8) | 筑波山麓合唱団 | デューク・エイセス | 2分29秒 1コーラス |
3分28秒 1コーラス |
各ステージ・補足
トップバッターの青江三奈は自身最大のヒット曲となった「池袋の夜」を歌唱。1番と2番の2コーラス歌います。
布施明は原曲よりもやや速いテンポ、若々しいステージを展開。1番はフル、2番はAメロ抜きBメロからの歌唱でした。
いしだあゆみは「ブルー・ライト・ヨコハマ」で初出場。イントロ一部カットあり、危うくセンターマイクまでの到着はギリギリ。フルコーラスですが、テンポはかなり速めです。
千昌夫は1番と3番の2コーラス。原曲よりもかなり速いテンポ、その結果1分43秒という歴代紅白でもトップクラスの短い演奏時間になっています。
小川知子「初恋のひと」も原曲よりやや速いテンポ、ただ後年に見られるような早回し感は無くテンポの良い進行になっています。ラストサビカットの2コーラス歌唱でした。
西郷輝彦は1番と2番の2コーラス。序盤は速いテンポでの演奏が目立ちますが、このステージはほぼ原曲に近いリズムでした。
独特の存在感を見せたカルメン・マキは「時には母のない子のように」、2コーラスフルですが2番は後半のみの歌唱でした。
アイ・ジョージ「ク・ク・ル・ク・ク・パロマ」は「バナナ・ボート」など多数のヒット曲を持つハリー・ベラフォンテのナンバー、さらに元をたどると1954年メキシコでトマス・メンデスが発表した曲だそうです。紅白では第13回でも歌っていますが、彼が歌った音源は現在手元にありません。1番スペイン語・2番日本語歌唱でこれがほぼフルコーラスのようです。ギター1本で4分10秒、おそらく当時の紅白では史上最長の演奏時間だったのではないかと思われます。
かの有名な「愛の讃歌」を紅白歌合戦で披露したのは、この年の越路吹雪が初でした。何度も再レコーディングされていますが、ここではコロムビア時代一番最初のレコーディングを元の演奏時間とします。フルコーラスではなく、Bメロ直後のAメロ冒頭部はカット。結果的に紅白最後となったこのステージ、歌手席からスタンディングオベーションが起こる素晴らしい内容でした。
春日八郎は第7回以来13年ぶりに「別れの一本杉」を歌唱。1番と3番の2コーラス。
紅組歌手席が一体となった奥村チヨ「恋泥棒」は、原曲よりやや速いテンポでパフォーマンス。フェイドアウトで終わる終盤ですが、ステージでは1番3番とサビ2回繰り返しでした。
ザ・キング・トーンズはゆったりとしたテンポよりもかなり速いリズムで2コーラス。2番Aメロ後半とサビ前半がカットされています。
水前寺清子「真実一路のマーチ」はアップテンポですが、リズムは原曲とそう変わりありません。1番と2番の2コーラスを、元気いっぱいに歌っています。
三田明は1番と3番の2コーラス歌唱でした。
由紀さおり「夜明けのスキャット」は一応2コーラスですが、スキャットで構成される1番はラストのルルル…がカット、間奏無しでAメロ後半の歌詞に飛ぶ構成でした。
デューク・エイセス「筑波山麓合唱団」は原曲よりやや速いテンポ、その分カエルを模した4人の歌声は迫力を増していました。ソロパートは完全フル、その分後半のカエル合唱パートが半分ほどカットされています。ラストも”ガマはガマでも…”のワンフレーズのみでした。
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