演奏時間&構成表 2(第41回・1990年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
13(紅7) 紅前半7 |
トゥナイト ~「ウエストサイド物語」より~ |
佐藤しのぶ | 3分10秒 2コーラス |
3分22秒(原曲) |
14(白7) 白前半7 |
Forever Yours | 久保田利伸 アリスン・ウィリアムズ |
4分16秒 1コーラス半 |
6分31秒 2コーラス半 |
15(紅8) 紅前半8 |
天の子守歌 | オユンナ | 2分48秒 2コーラス |
4分55秒 3コーラス |
16(白8) 白前半8 |
また逢う日まで | 尾崎紀世彦 | 2分16秒 2コーラス |
2分55秒 2コーラス+サビ |
17(紅9) 紅前半9 |
I Drove All Night | シンディー・ローパー | 4分24秒 2コーラス半 |
4分12秒 2コーラス半 |
18(白9) 白前半9 |
(タイトル無し) | 長渕 剛 | 15分24秒 | |
親知らず | 5分22秒 3コーラス |
5分25秒 3コーラス |
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いつかの少年 | 5分14秒 2コーラス+サビ |
6分7秒 2コーラス+サビ |
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乾杯 | 4分9秒 2コーラス |
5分32秒 2コーラス+サビ |
各ステージ・補足
佐藤しのぶはこの年亡くなった作曲家、レナード・バーンスタインを偲んで『ウエストサイド物語』の「トゥナイト」を歌唱。構成は間奏が1回あるので、とりあえず2コーラスとします。全編英語詞、迫力のステージでした。
久保田利伸は女性R&B歌手のアリスン・ウィリアムズとデュエットで「Forever Yours」を歌唱。アメリカ・ニューヨークからの中継という演出ですが、ほぼ間違いなく事前録画の映像と思われます。中継・事前録画での紅白出演は、このステージが初めてでした。曲も翌年3月21日にCDシングルとしてリリースされるまで未発表。おそらくテレビでの披露もこれが初、もしかするとこれが唯一だったかもしれません。数々のヒット曲を持つ久保田さんの紅白出演は、今のところこの年のみです。全編英語でテロップは日本語の訳詞ですが、歌い出し久保田さんのパートは曲名テロップ表示のため歌詞表示無しです。イントロ大幅カット・2番もカットですが、演奏時間は4分超とやや長め。歌詞テロップのない2人の掛け合いが終盤に約1分半、これは原曲とほぼ同じ長さでした。
アメリカからの中継後、NHKホールではラスベガスから来日したティム・コールによるイリュージョン・ショーが開催されます。ステージそのものは見応えある内容でしたが、このコーナーに5分半も時間を使っています。出場歌手によるハーフタイムショーは第38回・1987年限りで中断していますが、この年もまだその流れは続いている様子でした。
続いて登場したオユンナはモンゴルから来日しての出演、当時なんと15歳という若さでした。日本デビュー曲となった「天の子守歌」を日本語で歌唱、彼女自身が作曲も担当しています。歌は1番と3番の歌唱でした。なお現在角界の中心にいるモンゴル出身力士が最初に来日したのは、この翌年です。
尾崎紀世彦は1971年日本レコード大賞受賞曲「また逢う日まで」を、紅白で19年ぶりに歌唱。もうこの時点で長髪・ヒゲという風貌になっていました。間奏でなぜか蝶ネクタイをほどくパフォーマンス。フルコーラスでも全く問題ない原曲の長さですが、残念ながら最後のサビ繰り返しがカット。
この年の紅白最大の目玉出演は、何と言ってもシンディー・ローパーだったのではないでしょうか。現地からの中継でもましてや録画でもない、サポートのバンドメンバーまで引き連れての来日生出演。カゴに乗って着物姿で登場するという演出までありました。曲は前年リリースの「I Drove All Night」、「涙のオールナイト・ドライヴ」という邦題もついている当時のヒット曲です。もちろん完全フルコーラス、フェイドアウトでない分演奏時間は原曲より長くなりました。ただ歌い終わりのトークは全く時間が無さそうな雰囲気で、やや慌ただしかったのが惜しまれます。世界的アーティストが紅白歌合戦に出演した例は21世紀以降も何度かありますが、放送時ヒットチャートに何曲もランクインしていた世界的アーティストが紅白出演のために来日したケースは現在でもこれが唯一です。もっとも彼女は相当な親日家、後年にはものまね紅白や夜もヒッパレにもわざわざ来日して出演していました。
紅白歌合戦における演奏時間の歴史の上で、もっとも語り継がれているのは長渕剛のベルリン・フランス聖堂からの生中継。「親知らず」「いつかの少年」「乾杯」3曲を、ほぼフルコーラス(「乾杯」ラストのみサビ1回分カット・新録版で追加の1フレーズはあり)でのパフォーマンスでした。「親知らず」はサポート2人のギターも加わりましたが、「いつかの少年」「乾杯」はギターとハーモニカのみの弾き語り。そのため歌以外の演奏時間は、原曲と比べて短くなっています。なお「親知らず」は放送当時テレビ初披露の未発表曲、CDとして収録されたのは翌年10月リリースのシングル「しゃぼん玉」のカップリングが初でした。言うまでもなく、曲間のインターバルを合わせた15分24秒の演奏時間は紅白歌合戦歴代最長記録です。なお複数曲歌唱ですが、それに対するタイトルは全く用意されていません。
当然これまでの紅白歌合戦では考えられなかったことで、当時「乾杯」「とんぼ」など大ヒット・東京ドーム単独公演を実現させた日本のトップアーティストに対する最大限の厚遇です。ただ現地のスタッフは全てドイツ人で日本人スタッフが一人もいないという状況で、歌う前のインタビューで思いっきり愚痴を述べるという一幕もありました。他の出場歌手による不満の声は大きかったようですが、テロップが用意されている以上元々予定されていたパフォーマンスであることは事実。置かれた状況を考えると、放送後のこのステージに関する報道はバッシングが過ぎるという印象もあります。ただ視聴者からも苦情の声はあったようで、以降13年間紅白歌合戦には不出場という形になっています。
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