紅白名言集解説・65~ルネッサ~ンス~


 今回はステージではなく応援について考察します。題材は2008年の髭男爵

 髭男爵と言えば貴族のお漫才。非常に濃いキャラクターとリズミカルなネタ運びは、当時のネタ番組特に『爆笑レッドカーペット』で大ウケしました。私も非常に好きでしたが、人気は思いのほか長続きせず翌年末にはすっかり一発屋芸人と言われるようになります。

 ブームになった芸人が紅白にまで呼ばれるのは当時の流れ、2008年の紅白では司会の仲間由紀恵中居正広も交える形で、ゲスト審査員紹介直後にショート漫才を披露しました。

 さて、お笑いで一気にブレイクしたタレントが紅白に呼ばれると一発屋になりがち、というイメージを持つ人が多いのではないかと思います。そこで、2001年以降の紅白に登場したお笑いタレントについて、ざっと表にして調べてみました。ただ爆笑問題コロッケ綾小路きみまろといったベテランは除外します。

・2001年以降に出演した主なお笑いタレント

該当回出演者出番内容備考
第52回(2001年)ガレッジセールKiroroのステージ前連続テレビ小説『ちゅらさん』で共演した平良とみ(審査員)とやり取りゴリは第56回(2005年)ゴリエとして紅組歌手で出演
第54回(2003年)テツandトモはなわダンディ坂野、他オンエアバトル勢テツandトモ、はなわの合同ステージテツandトモ、はなわは出場歌手、ダンディ坂野は曲紹介、その他17組が応援で登場
第55回(2004年)波田陽区青木さやか氣志團のステージ前波田陽区が2階席ステージでギター侍ネタ、その横で青木さやかが踊る波田陽区は第59回(2008年)もヘキサゴンファミリーとして出演
第56回(2005年)まちゃまちゃ氣志團のステージ前同郷の氣志團を、和田アキ子と一緒に応援する
第56回(2005年)安田大サーカスゴスペラーズのステージ前曲紹介時にネタ披露
第56回(2005年)南海キャンディーズWaTのステージ前WaTの曲紹介時にやり取り山里亮太は第70回(2019年)以降ウラトークチャンネル担当
第56回(2005年)ヒロシ小林幸子のステージ前曲紹介時にネタ披露
第56回(2005年)アンジャッシュT.M.Revolutionのステージ前曲紹介時にプチ漫才当時ポップジャムのMCを担当
第56回(2005年)アンガールズaikoのステージ前曲紹介時にネタ披露第59回(2008年)もヘキサゴンファミリーとして出演、第67回(2016年)にも出演
第57回(2006年)ダイノジ「2006スーパーレビュー!」コーナーエアギター披露大地はこの年世界エアギター選手権で優勝
第57回(2006年)桜塚やっくん小林幸子のステージ前スケバン恐子の格好でネタ披露登場時に「1000%SOざくね?」を一節披露
第58回(2007年)柳原可奈子布施明のステージ前曲紹介時にやり取り若槻千夏と一緒に出演
第58回(2007年)タカアンドトシおしりかじり虫のステージコーナー進行&ネタ披露、ステージにも参加
第59回(2008年)髭男爵伍代夏子のステージ前ネタ披露
第59回(2008年)世界のナベアツWaTのステージ前ネタ披露中村美律子のステージにも登場
第60回(2009年)オードリー美川憲一のステージ他春日が美川憲一のステージに参加、他2度コンビで登場ゲストが前半ラストに参加した初のケース
第61回(2010年)Wコロン水森かおりのステージ前、前半ラストなぞかけ披露ウラトークチャンネルのゲストでも登場
第62回(2011年)サンドウィッチマン藤あや子のステージ前、前半ラスト曲紹介、ステージ参加、東北への呼びかけ現在まで計5回紅白出演
第63回(2012年)スギちゃん伍代夏子のステージ前、前半ラストネタ披露も不発ウラトークチャンネルのゲストでも登場
第65回(2014年)日本エレキテル連合森進一のステージ前、前半ラスト「年上の女」を歌う森進一とやり取りウラトークチャンネルのゲストでも登場
第66回(2015年)とにかく明るい安村伍代夏子、細川たかしのステージ楽屋ロビー中継でネタ披露、ステージに参加ウラトークチャンネルのゲストでも登場
第66回(2015年)クマムシピスタチオ細川たかしのステージ楽屋ロビー中継でネタ披露、ステージに参加
第67回(2016年)ピコ太郎ハーフタイムショー他PPAP披露PPAPを別バージョンで計3回歌う
第67回(2016年)トレンディエンジェルSexy Zoneのステージ前曲紹介時にやり取り
第67回(2016年)平野ノラ郷ひろみのステージ直前ネタ披露客席エリアでの出演
第68回(2017年)ブルゾンちえみ with Bハーフタイムショー他ネタ披露計2回、ハーフタイムショーはオースティン・マホーンも参加
第68回(2017年)とろサーモン天童よしみのステージ曲紹介とステージでの応援この年M-1グランプリでチャンピオン
第68回(2017年)サンシャイン池崎BS8K放送紹介ネタ披露ウラトークや楽屋配信トーク他各所で登場
第68回(2017年)みやぞんBS8K放送紹介ネタ披露楽屋配信トーク他各所で登場
第69回(2018年)ひょっこりはん郷ひろみのステージステージ中に扉から登場出番は2秒のみ、本番中紹介やテロップも無し
第70回(2019年)チョコレートプラネットBS8K放送紹介ネタ披露これ以外でも登場場面あり
第70回(2019年)ミルクボーイ三山ひろしのステージけん玉に参加この年M-1グランプリでチャンピオン、けん玉を披露したのは内海崇のみ、ウラトークチャンネルのゲストでも登場
第71回(2020年)フワちゃん水森かおりのステージ曲紹介とステージでの応援これ以外でも登場場面あり
第71回(2020年)EXITGENERATIONSのステージ曲紹介に参加

 2000年代は『爆笑オンエアバトル』→『エンタの神様』→『爆笑レッドカーペット』の順でブレイク芸人が登場しました。表にすると、その中から紅白出場まで至るのも案外ほんの一握り。例えばレギュラークールポコ辺りは、ブレイク期でも紅白には届いていません。これは当時の制作方針から発生する運の要素もあって、例えば第66回のクマムシピスタチオ辺りはやや幸運なパターンではないかと思います(クマムシは「あったかいんだからぁ」がヒットしてましたが、ピスタチオの白目漫才は当時でも正直…)。

 M-1がらみからの紅白出場はオードリーが最初だと思います。準優勝の翌年テレビ出演が急増、時の人となりました。また彼らが出演した第60回から前半締めに芸人ゲスト登場が恒例となり、第65回まで続きます(表にない第64回は『あまちゃん』作画担当の鉄拳でした)。

 ここ2年のゲストはまだ判断出来ないですが、こうやって表に見るとやっぱり一発屋率は相当高いです。第56回出演組は長く活躍している人も多いですが、それ以外はまあ何と言いますか…。震災との関連も強かったサンドウィッチマンはまだしも、オードリーの出方は完全に一発屋のそれ以外何物でもなく、そう考えると今現在の活躍は奇跡的なようにも思えます。春日さんによると、人生で一番スベったのは当時の紅白だったということ。これに関しては当然名言集にも取り上げてますので、また適当なタイミングで記事にするかと思います。

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