紅白名言集解説・2~限りなく○○に近いブルー~

 今回は昭和の紅白から取り上げてみましょう。1976年、白組司会の山川静夫アナがあおい輝彦「あなただけを」を曲紹介するワンシーン。

 限りなく…に近い、というフレーズは村上龍の小説『限りなく透明に近いブルー』からくるもの。村上龍はこの作品で小説家デビュー、第75回芥川賞を受賞。1976年を代表するベストセラー・話題作となっています。この年の話題・世相をテンポ良く曲紹介に取り入れる山川静夫アナウンサーの喋りはまさしく名人芸。今の紅白歌合戦の司会も決して悪くはないのですが、1970年代のような軽妙さはもう今後見られないのだろうな…とは感じます。ある意味では、当時の歌唱曲よりも時代を感じさせる一幕とも言えそうです。

 なおこの曲紹介の際に、一緒に応援する白組歌手にマイクを向けたつもりが、小道具の星を間違えて向けて一瞬静寂の時間を作ってしまったというハプニングがあったそうです。再放送でその様子を見た記憶がないのですが、当時カットされたのでしょうか。ちなみに平成前期にやっていた『想い出の紅白歌合戦』での1976年紅白再放送は、1度のみでした。

 あおい輝彦の紅白出場はジャニーズ時代の第16回(1965年)を除くとこの回のみ。翌年の「Hi-Hi-Hi」や、1971年の「二人の世界」などもヒットしているので、そういう点では少し意外なような気もします。ここの曲紹介ではもう一つ名言を収録しているので、ステージの細かい内容などはまた別の機会に…。

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