第67回(2016年)NHK紅白歌合戦~その2~

ゲスト審査員紹介

 あらためて武田アナが一人ずつ紹介。今回はちょっとした小ネタもテロップに入ってます。また、画面右下ではワイプで業績なども分かりやすくまとめられていました。まず真ん中からステージ側に向けて以下の5人が紹介されます。

・高畑充希
カラオケでよく歌う曲:天城越え。映像は『とと姉ちゃん』。”脚本 西田征史”のクレジットにあるます。赤を基調とした着物姿。

・辻 沙絵
カラオケでよく歌う曲:AIの曲。映像はリオデジャネイロ・パラリンピックでのシーン。シースルーを取り入れたドレス。

・草刈正雄
音楽が聴きたくなる時:常に。映像は『真田丸』、こちらも”脚本 三谷幸喜”のクレジット。スーツ姿の正装。

・新垣結衣
音楽が聴きたくなる時:就寝前のひとりの時間。映像は逃げ恥…ではなく3月放送予定のドラマ『絆~走れ奇跡の子馬~』。白のドレス。

・大谷翔平
音楽が聴きたくなる時:試合前。映像は札幌ドームで投打に活躍するシーン。スーツ姿の正装。

 次に真ん中から客席側に向けて以下の5人が紹介されます。

・萩野公介
楽しみにしている歌手:いきものがかり。映像はリオ五輪で活躍しているシーン。タキシード姿の正装。

・伊調 馨
楽しみにしている歌手:ピコ太郎。映像はリオ五輪で活躍しているシーン。紫を基調とした着物姿。

・秋本 治
楽しみにしている歌手:PUFFY。映像ではなく、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のキャラクターを描いた色紙を持参。スーツ姿の正装。

・春風亭昇太
楽しみにしている歌手:星野 源。映像は笑点…ではなく1月から放送の大河ドラマ『おんな城主 直虎』。白ではなく薄紫色の和装。

・村田沙耶香
楽しみにしている歌手:椎名林檎。映像は芥川賞受賞のシーン。濃紫を基調とした着物姿。

 また、相葉さんと有村さんがふるさと審査員6人を再び紹介、こちらは今の時代個人情報ということもあって?名前はなし。紹介する2人は一人が噛み、一人がものすごく棒読み。大丈夫でしょうか。そして本来いるべき2人はまだ来ていないご様子。

 全国各地で行われている8Kパブリックビューイングについても紹介、ふれあいホールから生中継が入ります。(事前に応募した方のみご覧いただけています)のテロップあり。こちらにサイリウムを持参している方もいらっしゃる様子。

 東京都庁からスペシャル中継が入ることもここで紹介。(一般には非公開です)というテロップあり。こちらの映像ではリオ五輪の陸上競技を流しています。

 副音声・ウラトークチャンネルもここで紹介しますが、相葉さんが思いっきりバナナマンを”ババ…”と噛んでしまいます。当然ながら2人総ツッコミ。駆け足状態なのでスルーされましたが、今回も西川貴教が参加しているようです。

 時間がないのでそのまま次にいくかと思いきや、ラジオ中継も紹介するようです。今回の担当は二宮直輝アナと寺門亜衣子アナの同期コンビ。二宮アナの横にいるのはやはり渡邊あゆみアナのようです。小田切千アナも後ろにいます。相葉さんは右横を見て”あっ”と気づいてようやく紹介するという状況で、危うくもう少しでスルーされるところでした。

 

(ウラトーク)
 審査員が画面に映るたびにリアクション。草刈さんの所でバナナマンの2人が全く似ていないモノマネを披露。ガッキーの所では髪切ったね?との話題、「今こそタモリさんに言ってもらわないといけない」と西川さんがコメント。伊調さんの所では、ピコ太郎を楽しみにしている歌手というテロップに大ウケ。

 ふるさと審査員の空席のくだりでは、「あそこに入るのがPUFFYの2人ってことじゃない?」と小ボケ。

 主音声に乗る直前でちゃんと準備するバナナマン。ですが上に書いた通り、紹介で相葉さんが噛みます。あっという間に巻かれた後のトークでは「俺ら割と噛みやすいんですよ」「俺らが悪い」とフォロー。

 

(解説)
・この回、審査員テロップで史上初めて小ネタが入りました。画面に対する情報量がどんどん多くなっています。ワイプでの紹介は第65回(2014年)で初導入でしたが、全員に用意されるのは初めてです(秋本先生も実質ありと考えて良いでしょう)。脚本担当の名前がテロップに乗るのも初めてです。そして審査員紹介にあたって直筆のイラストを用意してくれた方も秋本先生が初めてです。

・その1の冒頭にも書きましたが、知人のご厚意でこの年8Kパブリックビューイングで見る形になりました。中継はNHKホール隣のふれあいホールからでしたが、私が見に行った場所はグランフロント大阪のナレッジシアターです。

・審査員は新垣結衣が第58回(2007年)以来9年ぶり2回目、それ以外は初選出です。過去の紅白出演は草刈正雄が第27回(1976年)の白組応援隊長、伊調馨が第55回(2004年)ゲストでした。その後は高畑充希が、『おげんさんといっしょ』のおとうさん役で2回登場しています。

 

紅3(全体5):欅坂46(初出場)

・2015年結成、2016年デビュー
・15~21歳・21人組
・楽曲:「サイレントマジョリティー」(2016/4/6 シングル)
  詞:秋元 康 曲:バグベア
・歌唱前テロップ:今年デビューで大ブレイク 問いかける歌詞にも注目

・演奏時間:2分11秒

 初出場の抱負を担当するのはセンターの平手友梨奈・15歳。「初めてですごく緊張しているんですけど、メンバー全員で力を合わせて頑張りたいと思います」

 スタンバイに入り、これからステージに入ろうというところで、今回紅白楽屋トークを担当する渡辺直美による、7号室楽屋からの中継が入ります。パソコンやアプリから見られる配信のお知らせでは、スタッフもスケッチブックでアピール。そして早速近くのロビーにいるTHE YELLOW MONKEYの4人にインタビュー。ボーカルの吉井和哉は欅坂46のファンだそうで、ネットで買ったシングルCD「サイレントマジョリティー」「二人セゾン」をわざわざ持参しています。一方後ろではピコ太郎RADIO FISHNAKATAが揉めてます。仲裁に入るSHINGOですが、なかなか収まりそうにありません。一応揉めているという体ですが、なんだかとても仲が良さそうにも見えます。相葉さんがその様子を見てツッコミを入れますが、ナオミさんは無視してそのまま進行。「テンションが上がったら私もステージで歌いたいと思いまーす」と白目を剥きながら中継を締めます。

 さてステージ。4846系の紅白ステージは前年まで数えて16回ありましたが、それらの素晴らしいステージと比べても相当にインパクトある振り付けです。Aメロの右手の動き、ロボットと見紛うようなBメロ、サビで颯爽と後ろから登場するセンターの平手さん、横一列で前の人の両肩に手を乗せたり後ろに反ったり一瞬で次々に右腕を回転させて屈むCメロ、”YesかNoか”で一斉にジャンプ…。これらが全て完璧に揃っていることに、凄さを感じずにはいられません。黄緑色のレーザー光線も鮮やかでした。全員の表情は、目が何よりも素晴らしかったです。特に平手さんのオーラは群を抜いていて、まさに”選ばれし者”という一語がピッタリの存在感でした。おそらく数年は連続して紅白に出場することになるかと思いますが、デビュー1年目でこれだと今後はどこまで凄いことになるのでしょうか。当分の間は本当に紅白で目を離せないステージになりそうです。

 

(ウラトーク)
 思わず「欅坂!」と大きな声援を送る設楽さん。周りのお客さんから睨まれたようです。直後の「頑張れー!」との声には後ろから爆笑が聞こえたようで、思わず橋本アナも観客に謝ります。

 楽屋トークには、この後西川さんも出演するようです。吉井さんのくだりでは、ステージで欅坂46のメンバーも喜んでいると実況。後ろで揉めてるシーンは「チューする!」「竜兵会だったらチューするやつですよ!」という形容。「ぐちゃぐちゃな中継だな」「情報量が多すぎる!」というのが、その場で出た正直な感想です。

 欅坂46に関しては土田晃之と澤部佑が番組を担当していると解説。「今年の正月、イベントで一緒だったけどその時初々しかったんですよ。今はほら、風格ありますからね」と語る西川さんを筆頭に絶賛モード。そして3人とも「頑張れ!」を大声で連発。歌詞・振り付け全てにおいて絶賛。西川さんは「2番も歌って欲しい!歌おう!歌っちゃおう!」と話してます。ラストサビ前の振り付けも一緒にやる流れになったようですが、あまりにも速すぎて失敗した模様。ラストも西川さんがずっと歌うなど、終始大盛り上がりのウラトーク席でした。

 

(解説)
・紅白楽屋トークもこの年の新企画。ただ当時は8Kシアターに足を運んでいたためリアルタイムのチェックは出来ず、アーカイブスも残っていないのでレビューでも取り上げない形となります。渡辺直美はこの年から5年連続ゲスト出演、すっかり常連と化しました。ただニューヨークに拠点を移した2021年以降は、さすがに出演とはいかなかったようです。

・欅坂46はこの年4月に「サイレントマジョリティー」でデビューしましたが、高いパフォーマンス力と歌詞の話題性で当初から大ヒットを記録しました。その後の「世界には愛しかない」「二人セゾン」も強く支持されて、女性アイドルグループでは前例がないほどのロケットスタートを切ります。

・楽屋トークで欅坂46ファンをアピールした吉井さんですが、リハーサルの時から彼女たちについて話していたようです。自身のラジオでも取り上げていたようですが、現在もファンなのかどうかは分かりません。

・発売当時は20人編成でしたが、当時”けやき坂46”唯一のメンバーだった長濱ねるはカップリング曲「乗り遅れたバス」のみの参加でした。8月から欅坂46としても活動、紅白の舞台にも立っています。したがって当日は21人のステージになりました。

・『乃木坂工事中』と同様、彼女たちについても2015年10月から冠番組『欅って、書けない?』が用意されます。MCの土田晃之と澤部佑は、櫻坂46に改名して『そこ曲がったら、櫻坂?』にリニューアルした現在も一緒に番組出演中。

・メンバーのうち、今泉佑唯は2017年4月~8月に活動休止、その後同年12月末以降再び活動休止して2018年11月に卒業。したがって紅白歌合戦はこの回のみの出演です。デビュー当時は小林由依と”ゆいちゃんず”のユニットで推されていたので、非常に惜しまれた形でした。その後ソロでタレント活動を展開しますが、20代前半にしてかなり波瀾万丈な人生になっています。

白3(全体6):三山ひろし(2年連続2回目)

・2009年デビュー 第66回(2015年)初出場
・1980年9月17日生 高知県南国市出身
・タイトル:「四万十川 ~けん玉大使編~」
 楽曲:「四万十川」(2016/2/3 シングル)
  詞:千葉幸雄 曲:中村典正
  振付:パパイヤ鈴木 踊り:ず~まんだけ、けん玉HERO’S
・歌唱前テロップ:成功率30% 「三山スパイク」に挑む
・演奏時間:2分20秒

 歌前に今をときめく演歌のプリンス・三山ひろし山内惠介が登場。今回は白組内対決ということで、けん玉を得意とする三山さんに対し、山内さんが対抗意識を燃やすというスタンスのようです。「けん玉と歌をコラボさせるというのは、これはやっぱり、夢を歌おうですよ」、三山さんのコメントがちょっと苦しいです。

 そんな2人の後ろでけん玉を披露するゲストの面々。ハリセンボン近藤春菜が『花子とアン』繋がりで2年前に出場していましたが、箕輪はるかは今回が初めての紅白ゲスト出演。「けん玉が好きなんです!」と高らかに宣言していました。彼女もそうですが、横にいる乃木坂46橋本奈々未も実はけん玉が特技。2人とも難なく玉を乗せていて、本当にかなり得意なご様子です。今回は紅白のために作った、成功率3割の”三山スパイク featuring ず~まだんけ”に挑戦。スタンバイに入るや否や”OK! 頑張って!”とカッコ良い声を送る主は、なんとTRFDJ KOO。正月をイメージした派手な格好で、ヘッドホンの耳にはTRFの文字があります。彼もけん玉が特技ですが、後ろでは大技に挑戦して失敗するシーンがやや目立っていました。それにしてもTRFとして大ヒット・メンバーで3年連続出場した頃には想像できなかった形の紅白出演です。彼の方向性は衣装も含めて、間違っていないのでしょうか。そして彼の前に出てきて目立つくまモンは3年ぶりの紅白登場。目立つ場面で見事にけん玉を成功させて、幸先よく歌に入ります。

 これまでの紅白で数多くのおかしなバックダンサーを見てきましたが、けん玉を持ち込むパターンは間違いなく初めてです。もちろん大きなけん玉を首にかけながら紅白で歌う歌手も史上初です。次々にダンサーがけん玉をしていくシーンでは当たり前のように全員成功、本当に名人ばかりが集まっています。間奏で見せる本人の大技も見事に成功。歌は全然頭に入って来ないですが、全体的にやっていることの難度は相当高いです。よくよく考えると物凄いステージが目の前で展開されています。

 ラストは前述の3人とくまモンもステージに登場して一緒にけん玉で締めますが、ダンサーと三山さん以外は全員失敗というオチ。やはり大舞台でけん玉を披露した数の差が、結果に表れたということなのでしょうか…。

 

(ウラトーク)
 次のステージに行く段取りがあるので、バナナマンが一旦抜けます。ここからは橋本アナと西川さんのみで進行。実は西川さんだけでなく橋本アナも滋賀県出身、「小さな滋賀県がここにございます」「そうですよ!」「間にあるのは、琵琶湖かな?」と滋賀県の視聴者に猛アピール。くまモンの身体能力についても褒めます。

 西川さん、演歌も熱唱。「当たり前のことをただ言ってるだけ」と歌詞にツッコミを入れつつ、コブシもなかなか効いているご様子。三山さんが間奏で技を決めるシーンでは、「ポケモーン、ゲットだぜ!!」。なお”ず~まだんけ”は、三山さんの横で大技を決めていた2人のことを指すようです。技名に西川さん大ウケしてました。ラストは「KOOさん全然出来ていないw」とツッコミ。ちなみに橋本アナはDJ KOOはけん玉6級、けん玉をプロデュースしているというプチ情報も披露。

 

(解説)
・ハリセンボンの箕輪さんは幼少期からのけん玉好きらしいです。現在けん玉三段を取得。ちなみに2016年の時点で既にこんなYouTube動画が公式でアップされていました。

乃木坂46橋本奈々未もけん玉が得意で、2014年6月に冠番組で見事な腕前を披露していました。直後山内さんのステージにメンバーが大挙して参加しますが、彼女はこの特技によって踊りが免除?されます。

DJ KOOは2014年以降タレントとしての出演が増加しました。彼も前年に『avex ミュージックけん玉 DJ KOO from TRF』たる自身プロデュースのけん玉を発売しています。amazonでの発売額は4680円。買う人はおそらくいないと思いますが、一応下にアフェリエイトリンクは貼っておきます。

・例のごとくバナナマンが抜けて西川さんのみの進行になったウラトークですが、橋本アナとはテリー伊藤がMCを務めていた第64回(2013年)でも共演しています。お互いが滋賀県出身であることを知ったのはまさにこの時でした(当時のレビュー)。

・三山さんはこの年故郷・高知県の歌を熱唱。高知をテーマにした曲が紅白で歌われるのは、ペギー葉山「南国土佐を後にして」、越路吹雪「新土佐節」、村田英雄「竜馬がゆく」以来ではないかと思われます。ちなみに水森かおりは現在まで紅白で一度も四国本土のご当地ソングを歌っていません(小豆島は昨年歌いましたが)。

・なお三山さんはこの年けん玉の教則本を出版、日本けん玉協会から直々に「けん玉大使」に認定されています。放送当時は三段でしたが、翌年6月に四段を取得。これは「もしかめ」を1分135回ペースかつ、1000回連続で出来るくらいの腕前なのだそうです…。

白4(全体7):山内惠介(2年連続2回目)

・2001年デビュー 第66回(2015年)初出場
・1983年5月31日生 福岡県糸島市出身
・タイトル:「流転の波止場 ~究極の貴公子編~」
 楽曲:「流転の波止場」(2016/3/23 シングル)
  詞:仁井谷俊也 曲:水森英夫
  振付:井出茂太 踊り:乃木坂46
・歌唱前テロップ:乃木坂46がお姫さまに 山内も”変身”に挑戦
・演奏時間:1分56秒

 ウラトーク席からバマママン…ではなくバナナマンが応援に駆けつけます。今回は山内さんの相談で、彼らにステージ演出を手伝ってもらったという触れ込み。この2人の妹分である乃木坂46にもダンサーとして手伝ってもらうことにした、というのが表向きの台本です。それにしても山内さん、大変流暢で面白い喋りですが、妙に甘い声にも聴こえます。そういえば少し前まで紅白の常連歌手だった美川憲一も、かつては美男子と言われたものでした。

 シンデレラのような、あるいは鹿鳴館をイメージしたような衣装で乃木坂46のメンバーが踊ります。貴公子のような衣装で山内さんがエスコートするのは西野七瀬。間奏で早替え演出、そのために特別なアレンジも加わっています。早替えした後の衣装は、おとぎの国の王子様みたいなイメージでしょうか。よく分からないですが、とてもカラフルで舞台に映えています。紙吹雪の演出もつきました。すごく派手です。でもなんだかんだで曲にはマッチしているようでした。

 1コーラスが短いので2コーラス、ただそれでも2分に演奏時間が満たないのはやや意外。それにしても早替えがあったり間奏にアレンジが入る辺りを考えると、やはり目指すのは美川さんになるのでしょうか。20年後の紅白でトランスみたいなアレンジで演歌を歌うことになるとしたら、それはそれで面白そうです。

 ステージ後の新垣結衣コメントは「なんか新しい時間でしたね」とズバリ。「ショーを見ているようで素晴らしかったです」とも話してはいますが、おそらく冒頭の一言が全てだったのではないかと思われます。三山さんと山内さんが揃って挨拶しますが、2人の衣装は知らない人が見ると、演歌歌手ではなく芸人がコントした後に近い状況です。

 

(ウラトーク)
 意外にも?曲紹介ではあまり喋らず話を聴く2人。ステージは「まるでディズニー映画みたいですよね」「舞踏会ですか?これ」と形容。そして西川さんはこの曲も熱唱。舞台袖でこの様子を見ている設楽さんはニヤニヤしてる模様。早替え後については「王子様に何かこうね…、何ですかねこの、かさが増した感じになってはいるんですけども」「素敵なんですが、じゃあどう表現したらいいか」。結論は「やっぱり何なさっても山内さん、貴公子ですわこれ。かっこいい」

 2組終わって西川さん大笑い。「トリッキーだなぁ2人とも、演歌なのに(笑)」ガッキーのコメントについては「いいよ、いいんだよ、素直に言っていいんだよ」、私も全く同じ気持ちでした。

 

(解説)
・乃木坂46からは18人がダンスに参加しています。敬称略苗字のみで、参加メンバーは西野・白石・生田・高山・生駒・桜井・松村・秋元・衛藤・星野・齋藤飛・井上・若月・中元・伊藤万・堀・新内・北野と思われます。右端の方がほとんど映っていないので、もしかしたら違うかもしれません。

・もうこの時期になると、全国各地の地名が登場するご当地ソングも珍しい部類に入ります。「風雪ながれ旅」「港町ブルース」は平成期の紅白で歌われていましたが、新曲として披露されるのはいつ以来でしょうか。ちなみにこのステージで登場した地域は小樽・函館・博多・長崎。2番の酒田・仙台がスルーされています。

・白白対決としての演出ですが、一応出演表的には欅坂46 vs 三山ひろし、miwa vs 山内惠介という形にはなっています。1カードごとの前提が守られていない事例は、この時点でも既にいくつか散見されてはいましたが…。

紅4(全体8):miwa(4年連続4回目)

・2010年デビュー 第64回(2013年)初出場
・1990年6月15日生 神奈川県三浦郡葉山町出身
・楽曲:
「結 -ゆい-」(2016/10/5 シングル)
  詞・曲:miwa 合唱:熊本市立帯山中学校合唱部
・歌唱前テロップ:絆の大切さ 熊本の中学生と歌う

・演奏時間:2分12秒

 Nコン全国大会2年連続出場という実績を持つ熊本市立帯山中学校合唱部を、miwaさんが訪れる映像が流れます。

”まさか来るとは思ってなかった”
”大変なこともあったんだろうけど それを感じさせない気持ちが”
”すてきな歌声 すごく響いて来る”

”仲間は大切っていうのは分かってたんですけど”
”それを実感したから もっと”伝えよう”みたいな思いが あふれ出てきた”

”miwaさんと一緒に全国に思いを届けるぞ”(一緒に円陣を組む)

 「熊本のみんなと一緒に心を込めて歌います」と胸に手を当てて語った後のステージは、CD音源ではなくmiwaさんのギター弾き語り。カメラが下手から上手に動くタイミングと合わせるかのように、miwaさんが合唱部のみんなに向けて目線を右から左に動かし、弾き語りをしながら顔を合わせます。途中弦楽器やバンドのアレンジも全く入らず、ラストサビの冒頭ではギターの音もなしでアカペラ状態。合唱とのコラボは紅白だとNコン課題曲に限らず多数ありますが、こういうアレンジは過去ほとんどなかったように思います。miwaさんの歌唱と中学生の合唱を最大限に活かした内容で、文句なしの名ステージです。

 

(ウラトーク)
 映像が流れている間にバナナマンがウラトーク席に戻ります。「意外とステージからすぐですね」と出た感想の理由は、階段があるからということ。ニヤニヤしていた理由は「本編に出れるとニヤニヤしちゃいます」。それに西川さんが軽く嫉妬。

 歌が始まるタイミングで、西川さん退席の指示。楽屋トークの方に移るようです。miwaさんのステージについては「凄い」「みんないい顔してる」「堂々としてる」とコメント。彼女自身も中学生の頃に音楽コンクールに参加したことがあって、楽曲を担当するのが夢だったという情報も。ラストは後ろにいる、中学生の将来を見守るお父さんお母さんの気持ちで見ていた様子でした。

 

(解説)
・ギターの弾き語りのみの演奏で披露するのは第54回(2003年)のゆず、第57回(2006年)のコブクロなどの事例があります。紅組では第61回(2010年)のアンジェラ・アキ以来です。これに合唱が加わるというアレンジは、紅白だと間違いなく初めてだと思われます。

・Nコンの中学生が合唱で参加するステージも第60回(2009年)以降見られるようになりましたが、関東地域以外の学校が参加するのは初めてです。帯山中は前年のコンクールで、全国大会銅賞を受賞しました。紅白出演は、学校の沿革にもしっかり記載されています。

・翌年2月に主演映画『君と100回目の恋』が公開されますが、音楽の方で思いのほかヒットが出なかったためmiwaさんの紅白出場はこの年で一旦ストップ。2019年に結婚後はこれまでと比べて歌手活動をやや抑える形となっています。

・公式発表はしていませんが、夫は偶然にもこの年にゲスト審査員を務めている萩野公介。雑誌記事によると、翌年3月にEテレで放送された『オン・マイ・ウェイ!』の対談が交際のきっかけで、この時点で既に収録済であったとか…。

白5(全体9):Sexy Zone(4年連続4回目)

・2011年結成、デビュー 第64回(2013年)初出場
・16~22歳・5人組
・タイトル:「よびすて 紅白’16」
 楽曲:「よびすて」(2016/10/19 シングル)
  詞:久保田洋司 曲:RYLL
・歌唱前テロップ:5人で大人のセクゾンをダンス×映像のコラボ
・演奏時間:2分17秒

 5人を見て「大人っぽくなったね」という相葉さんのコメント、マリウス葉に至っては180cm以上まで身長が伸びたとか。今回は衣装も曲も大人っぽく、ダンスと映像のコラボステージと話します。ただ「酉年だけに色とりどりな光景を見せたい」という中島健人のトーク内容は大人を通り越して、TOKIOの城島師匠みたいになっています。

 その向こうで違和感バリバリで立っているのは、「どうも頭頂部がセクシーゾーン、斎藤です」ことトレンディエンジェル。中島さんと同じく、斎藤さんもセクシーメッセージが得意なようです。「今日はどっちを応援する?紅組?白組?それとも黒組?」「肌色だよ!」会場のウケはそこそこ、2人の頭のようにスベらなかったことは何より。というわけで中島さんのメッセージ。「日本の皆さん元気ですか!OK, Sexy Japan, Sexy Thank You!」セクシーというより単純にカッコ良いメッセージでした。そして相葉さんにもセクシーメッセージを無茶振りする有村さん。「2016年も最後まで俺とトゥギャザーしようぜ!」のコメントは完全にルー大柴でしたが、一応嵐なので観客席からは歓声が挙がります。

 今回のステージはバックだけでなく床の上にもLED演出が施されています。天井のカメラショットには、舞い散る雪が鮮やかな5色の結晶になったりするなど、大変綺麗な映像が映し出されていました。8Kの映像ではより繊細な画質になるので、尋常ではないほど鮮やかな色彩が表現されています。床だけでなくステージ後ろでも綺麗な液晶が施されていて、彼らの自然な踊りや楽曲の良さも相まってとても美しい景色をステージで作り出していました。素晴らしい演出だと思います。

 ただ惜しむらくは歌声。8Kでは映像だけでなく音も非常に高いクオリティーなので、生音・生声・歌の良し悪しはテレビで見るよりも数段はっきりと伝わります。彼らだけでなくジャニーズ事務所の若手全般に言えることですが、事務所内の発声練習は果たしてどういった形でやっているのでしょうか。そこが個人的には映像の素晴らしさ以上に、8Kで見た際すごく気になってしまいました。4回目の紅白出場ですが、こちらに関してはまだまだ伸びしろがありそうです。事務所の先輩方で歌の上手い方は今回の紅白だけで見ても多数いますので、是非彼らを目標に頑張って欲しいところです。

 

(ウラトーク)
 トレンディエンジェルを「ツルッパゲ」「ぺ」呼ばわりするバナナマンの2人。Sexy Zoneよりもその2人に注目しているのは、同業者ならではでしょうか。ちなみに中島さんがコールを求める場面では、会場のオーディエンスと同様にしっかりレスポンスで応えていました。で、相葉さんのセクシーメッセージについてはやはりルー大柴だというツッコミ。なお日村さんのセクシーメッセージは「俺がルー大柴だ!」、完全にその方向に寄せています。

 ステージは、セクシーになった5人を褒めつつ演出の凄さを語ります。設楽さんによると橋本アナは相葉さんの大ファンのようで、これについて「心から応援をさせて頂いております」3連発。前任の久保田アナについての話題とともに、橋本アナもつい最近結婚されたとさりげなく設楽さんが話します。おめでとうございます。ちなみにおぎやはぎの矢作さんが相手ではないようです。ラストは”「矢作さん結婚おめでとう」はセクシー”という話題で締める放送席でした。なお橋本アナの結婚発表は12月28日、矢作さんの方は12月30日だったようです。

 

(解説)
・M-1グランプリは2009年に一旦終了しましたが、2015年に再開しました。前年の制覇をきっかけにこの1年間出ずっぱりの活躍だったのがトレンディエンジェルです。ちなみに2人とも、2018年に吉本坂46のメンバーに選ばれています。

・中島さんのセクシーメッセージはもうこの時期、すっかり紅白でもお馴染みになりました。ちなみに決めゼリフの「セクシーサンキュー」は、2013年からずっと使用しているのだそうです。

・ステージに大型LEDが設けられたのは第58回(2007年)が最初ですが、回を追うごとに進化は進み、この回ついに床面にまで使用されるようになりました。天井カメラは意外と歴史が古く、第27回(1976年)の三波春夫のステージで確認が出来ます。ただ本格的に使用されるようになったのは、第62回(2011年)のPerfume辺りからではないかと思われます。

・Sexy Zoneはこの年「勝利の日まで」というシングルがあったので、てっきりそちらを紅白で歌うかと思われましたが結果は「よびすて」でした。大人っぽい作風にガラッと変えた内容ですが、これは翌年以降の楽曲にも大きく幅が広がる結果になっています。

・ウラトークMC担当の橋本奈穂子アナウンサーは直前に結婚報道がありましたが、あくまでスポーツ新聞だったのでウラトークでも多少お茶を濁す形になっています。なお橋本アナは翌年4月から2年間休職後復帰、2020年に宇都宮放送局へ異動しました。

紅5(全体10):天童よしみ(20年連続21回目)

・1970年デビュー 第44回(1993年)初出場
・1954年9月26日生 大阪府八尾市出身
・楽曲:「あんたの花道(2002/1/23 シングル)…14年ぶり2回目
  詞:木下龍太郎 曲:安藤実親
  振付:石川ゆみ、花柳糸之
  踊り:本田望結、花柳糸之社中、田中美久・矢吹奈子(AKB48 夢の紅白選抜)
・歌唱前テロップ:フィギュア本田望結 音楽番組でダンス初披露

・演奏時間:2分12秒

 大野智が中継で登場。RADIO FISHの2人と一緒に、NHK506スタジオを見学。今回の生演奏を担当する大晦日音楽隊がいるスタジオです。

 3人が到着するや否やのタイミングで演奏が始まりました。なんだか聴き憶えのあるメロディーですが、どうやら例のPPAPのようです。したがって指揮しているのはピコ太郎。ですのであっちゃんの顔を見てすぐにおでこを合わせて睨み合い。で、仲裁に入った大野さんに2人とも顔を向けます。なんだかよく分からないですが、仲が良さそうで何よりです。なお直後のステージの間奏でも、こんな感じの映像が挿入されました。

 今回のステージは本田望結ちゃんの踊りが入ります。将来女優になるのかフィギュアスケート選手になるのはまだ分かりませんが、とてもかわいい笑顔で大変鮮やかに、キレのある動きで踊ります。6年後くらいに五輪に出てメダルでも取った暁にはどういう形でこのステージが振り返られるのでしょうか。大変気になります。一方天童さんはやはりさすがの歌唱…と言いたいところですが冒頭から派手に歌詞を間違えています。そのせいか、心なしか力強さが足りないようにも聴こえる序盤でした。さすがに後半は見事な歌唱でしたが、構成は2コーラスではなく1コーラス半。演奏時間も含めて、本人の扱いは例年になく軽いです。

 なお紅白ではお馴染み・花柳糸之社中が大勢いる中に緑の和服姿で踊る2人は、年齢制限のせいで本編に出られなかったAKB48夢の紅白選抜の田中美久矢吹奈子。望結ちゃんほど目立たなかったとは言え、遠くからでもかなり認識しやすい状態になっています。アップで抜かれる場面もあり、名前のテロップもしっかり画面に映りました。本編に出られなかったのは残念ですが、個人としては中途半端に後ろの方で踊るより、はるかに目立っておいしいという結果。本番前はかわいそうという声も多かったですが、分からないものです。もっとも奈子ちゃんは17位だったので、もう少し投票が多かったら間違いなく一番気の毒な事態になっていましたが。

 合計10組終わったところでの視聴者投票は444595vs 374460紅組有利のようです。
 『とと姉ちゃん』ヒロインである審査員の高畑充希の楽しいというコメントの後に、来年有村さんが主演する連続テレビ小説『ひよっこ』をついでと言わんばかりに宣伝。さらにさっきのお返しとばかりに、相葉さんの無茶ぶりで茨城弁も喋ってもらいました。「はじめでの、紅白の司会で、緊張してるけど、どうすっぺ?」かわいいです。「ごちそうさまです」とコメントする相葉さんも、だんだん城島師匠っぽくなっています。

 

(ウラトーク)
 RADIO FISHがまたまた登場したシーンで、日村さんが前回五木さんに「おいバナナ出過ぎだ」と袖で言われたことをあらためて話します。スタジオからの生演奏というのにはバナナマンの2人も驚き(そういえばここ2回はカラオケでした)。こちらでは例の2人、すごく仲悪そうという結論になりましたが…。

 ステージでは望結ちゃんに注目。「今度この歌でスケートやって欲しいね」と話す日村さん。「えっ12歳?」「12歳。」「天童さん?」という小ボケも入ります。演奏については、「さっきはピコ太郎さんがしていましたが本当は栗田さんという方が指揮をして」と一応補足。華やかな舞台には「これが紅白」と2人して連発。

 

(解説)
・この年は4年ぶりにスタジオからの生演奏になりました。したがってそこからの中継も復活します。なお長年担当していた三原綱木ザ・ニューブリードは前年を最後に勇退。新しく担当する指揮者は、番組公式twitterによると栗田信生氏。

・本田望結は当時12歳。将来どうなるか期待されている段階でしたが、現在も女優・タレントとフィギュアスケート選手を兼業しています。スケートの方はそれなりの実績あるものの五輪クラスではなく、どちらかと言うと複数作品で主演を務めている芸能活動の方が著名です。

・田中美久と矢吹奈子は「なこみく」として当時からHKT48で人気のメンバーでした。双方とも2023年までグループに所属、矢吹さんは一時期IZ*ONEのメンバーとしても活動。田中さんは特にグループ卒業直前にグラビアで大きく台頭します。なおこの年の総選挙順位は45位と28位、AKB紅白選抜投票での順位は45位と17位です。

・天童さんは過去にも歌詞を間違えた事例はありますが、ここまで分かりやすく間違えたケースは他にありません。第64回以外は原則2コーラス・3分前後の持ち時間を確保していたので、この年急に扱いが悪くなった印象でした(他のベテランが多く落選した、という理由もありますが)。

・紅組司会を務める有村架純は、次の年の連続テレビ小説『ひよっこ』のヒロインです。2年前の『まれ』もそうですが、この時期からまだ放送されていない連続テレビ小説の宣伝も紅白で頻出するようになりました。ちなみに茨城県を舞台にした作品は、『鳩子の海』以来43年ぶりだったようです。

 

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