1997年・平成9年は若手の台頭が目立った年で、12組のアーティストが初出場を果たしました。ヒット歌手の低年齢化もこの時期から進行、SPEEDのメンバーは4人中3人がまだ中学生という状況。さらに白組司会ではまだ25歳の中居正広を抜擢、何より紅組トリは当時20歳だった安室奈美恵。思い切った人選が注目されましたが、その反面前回出場歌手の辞退が目立った回でもありました。
演奏時間&構成表 1(第48回・1997年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
1(白1) 白前半1 |
WHITE BREATH | T.M.Revolution | 3分0秒 冒頭+2コーラス+サビ |
4分1秒 冒頭+2コーラス+サビ |
2(紅1) 紅前半1 |
WHITE LOVE | SPEED | 3分22秒 冒頭+1コーラス半 |
5分40秒 冒頭+2コーラス半 |
3(白2) 白前半2 |
フラれて元気 | TOKIO | 3分19秒 冒頭+2コーラス+サビ |
3分29秒 冒頭+2コーラス+サビ |
4(紅2) 紅前半2 |
大スキ! | 広末涼子 | 3分9秒 冒頭+1コーラス半 |
4分29秒 冒頭+2コーラス半 |
5(白3) 白前半3 |
Forever | 反町隆史 | 3分11秒 1コーラス+サビ |
5分13秒 2コーラス+サビ |
6(紅3) 紅前半3 |
涙唱 | 岩本公水 |
2分17秒 2コーラス |
3分28秒 3コーラス |
7(白4) 白前半4 |
カサブランカ・グッバイ | 鳥羽一郎 | 2分46秒 2コーラス |
4分55秒 3コーラス |
8(紅4) 紅前半4 |
人生桜 | 中村美律子 | 3分4秒 2コーラス |
4分52秒 3コーラス |
9(白5) 白前半5 |
酒場のろくでなし | 山川 豊 | 2分52秒 1コーラス半 |
4分13秒 2コーラス半 |
10(紅5) 紅前半5 |
Shapes Of Love | Every Little Thing |
2分59秒 1コーラス+サビ |
4分56秒 2コーラス+サビ |
11(白6) 白前半6 |
愛しき日々 | 堀内孝雄 | 3分9秒 2コーラス+ラスト |
4分24秒 2コーラス半 |
12(紅6) 紅前半6 |
人形 | 香西かおり | 3分15秒 2コーラス |
4分18秒 2コーラス+サビ |
13(企1) | 1998ナガノショー | SMAP MAX SPEEDなど |
3分42秒 | |
Winter Wonderland | SMAP | 1分10秒 Bメロ+Aメロ |
2分29秒 1コーラス半(原曲) |
|
WAになっておどろう | 三倉茉奈・佳奈 前田 愛・亜季 鈴木 杏など |
1分30秒 Aメロ+サビ2 |
4分21秒 2コーラス半(原曲) |
各ステージ・補足
T.M.Revolutionは、効果音バックに天井から登場するオープニングでした。間奏は全体的にカット気味ですが歌はほとんどカット無く、2番Aメロにおけるタランティーノのくだり程度。白組歌手だけなく、紅組歌手も全員舞台上に残って盛り上げる演出です。
SPEEDはデビュー2年目、平均年齢は14.3歳という若さでミリオンセラーを連発していました。元気いっぱいというフレーズを使った曲紹介ですが、歌は最大ヒット曲のバラード「White Love」。こちらも全体的に間奏がカット気味、Cメロ直後のサビ前半は冒頭繰り返しのラストサビから2番の歌詞に変更されています。
TOKIOの「フラれて元気」は短い曲ということもあって、完全フルコーラス歌唱でした。この曲自体はそれなりにヒットしていますが、この年はもっとヒットしているV6とKinKi Kidsがコンサートのため辞退。ジャニーズ主催の年越しライブが東京で行わるようになったのは、この年が初めてでした。
広末涼子は当時17歳、当時の若者たちにとってはまさにアイドルでした。この年歌手としてもデビューして大ヒット、岡本真夜が提供した「大スキ!」をかわいく歌います。1コーラス半構成、なぜか1番のBメロ後半がカット。全体的に力点が置かれたのは後半部で、2回目のBメロ以降はカット無しでした。
反町隆史も歌手としてはこの年デビュー、ドラマ『ビーチボーイズ』の主題歌として大ヒットした「Forever」を歌います。先ほど歌い終わったばかりの広末さんも出演していましたが、特段変わった演出は無しでした。1コーラス+間奏+サビの構成ですが、事前録音と思われるボーカルと生音が被せられているような声が気になります。ラストはそのドラマで共演した竹野内豊がサプライズ出演、驚きの表情を見せていました。
この年も演歌のトップバッターは『NHK新人歌謡コンテスト』グランプリ、今回は岩本公水の「涙唱」です。1番と3番というオーソドックスな構成、故郷・秋田の竿燈会が印象的でした。その後大ヒット曲は出ず紅白も1回きりですが、現在も演歌歌手として活動しています。
前回SMAPと共演した鳥羽一郎「カサブランカ・グッバイ」ですが、2年連続歌唱となったこの回は5人の白組歌手がコーラスで参加。ただコーラスというにはあまりに目立ち過ぎな面々ばかりで、かえって邪魔になっていたような気もしますが…。構成そのものは前年と同様、アウトロが短縮されてない分だけ演奏時間も長くなっています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・鳥羽一郎の軌跡)
中村美律子は派手な髪型で「人生桜」の1番と2番、いつもの花柳社中に和服姿のSPEEDが参加。前年まで演歌以外あまり参加したがらなかったこういう歌手の応援出演は、この年から再び増え始めます。あとは歌う場面以外で終始”おみっちゃーーん!”とコールが入るのも気になりました。
山川豊は3年ぶりの出場、「酒場のろくでなし」を歌います。白組だけでなく紅組歌手も参加してとある酒場を舞台に小芝居、歌よりそちらの方が気になって仕方ない演出でした。1番と2番Bメロの歌唱、構成は1コーラス半ですが実質2コーラスと言って良いかもしれません。
この年立て続けに大ヒット曲を量産したEvery Little Thingですが、なぜこの曲順にこの対戦相手という疑問は少しあります。歌は10月リリースの最新曲「Shapes Of Love」、衣装と髪型が特徴的な持田さんの外見以外は普段の音楽番組通りのステージでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・Every Little Thingの軌跡)
堀内孝雄は新曲でもいいところでしたが、この年は6年ぶりの「愛しき日々」。名曲ではありますが、前回のアリスと比べると少し意義のない選曲でもありました。そのせいでしょうか、妙にリズムをずらしたような歌唱になっています。構成は6年前と同様、演奏時間は4秒だけ長くなりました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・堀内孝雄の軌跡)
香西かおりは2年ぶりの復帰ですが、前回も出場していたかのような雰囲気の曲紹介です。「人形」と書いて”おもちゃ”と読む曲、渋くじっくり2コーラスの歌唱。
この年は出場歌手が複数参加するショーコーナーが設けられています。第1部は翌年の長野五輪をテーマにした内容で、SMAPの「Winter Wonderland」歌唱、アイスホッケー姿のMAXやカーリング姿のSPEEDが魅せるダンス、10代前半の女優5名による「WAになっておどろう」歌唱がありました。大人数の子どもたちが出演する賑やかな内容です。
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