石川さゆり(27年連続33回目/第28回/1973/52/熊本県出身)
「天城越え」(1986/吉岡 治/弦 哲也/2年ぶり7回目)
~恩師に捧げる絶唱~
舞:観世喜正

(メッセージ)真剣に楽しく、心をこめて今年の歌い納めをさせていただきます。今年もありがとうございました。石川さゆり
 阿部アナが2010年に亡くなった作詞家の吉岡治星野哲郎両氏を偲びます。そして両軍司会が、これから歌う2曲を紹介。
 今回の「天城越え」は日本人形の演出から始まり、尺八や鼓などの音が目立つ演奏。これまで以上にダイナミックなステージになりました。スクリーンに映し出されているように見える竹林は、本物のセットのようです。観世喜正の舞は下手側の高台の上、偶然でしょうか、”何があってももういいの”の部分でさゆりさんの動きと舞の振付が同じポーズになっています。
 サビで照明が赤くなる演出、本人の歌唱はこれまでと変わらぬ安定感。そろそろフルコーラスを聴きたい所ではありますが、大方の人にとっては十分満足いくステージであったことは間違いないでしょう。(3分52秒)

 

(ウラトーク)
 さゆりさんのステージが始まるまでは、先ほどまでパフォーマンスしていた桑田佳祐の話題。ただイントロが始まると、しっかりさゆりさんに話題も切り替わります。この移り変わりが紅白だとも語ってます。竹林がスクリーンかと思いきや実は生のセット、松本アナの事前情報が入っていないとテリーさんにツッコまれます。
 さゆりさんが平成生まれだとすると、平成に出てきたら出てきたでまた凄い歌手になってただろうと話すテリーさん。舞を踊る観世さんにも言及します。
 NHKホールの隣・ふれあいホールでは紅白歌合戦を3Dで見せているそうです。そこで見ると、AKB48は奥行きがあって沢山見られて、小林幸子の鶴も大迫力だったそうです。一応23時45分までやっているので、お近くにお住まいの方は是非とオススメしていました。なお放送終了まではあと30分ほどです。

 

(解説)
・「津軽海峡・冬景色」と交互の選曲が現在は定着化していますが、2年ぶりに「天城越え」を選曲するという例はこの時がまだ2回目。過去曲で初めて歌われたのは第48回(1997年)で、その後は第50回(1999年)・第53回(2002年)・第56回(2005年)・第59回(2008年)と推移。この時期までは3年に1回歌われるというイメージでした。

・この年のシングルは2作。1つは「だいこんの花」で、この年に亡くなった吉岡治氏が作詞を担当しています。生前は少なくとも30曲以上、さゆりさんに楽曲を提供しました。紅白で歌われた楽曲数は43曲、作詞家としては歴代9位の記録です。「大阪しぐれ」「さざんかの宿」「命くれない」などがありますが、意外と平成時代の歌唱曲が多く、第40回以降初歌唱が25曲で半分以上を占めてます。

・もう1つこの年にさゆりさんが歌ったのは「Baby Baby」。これは奥田民生とのコラボ作品でした。この頃から演歌と畑違いのジャンルから楽曲提供を受けるケースが増加、2009年・2011年にはくるり主催の京都音楽博覧会にも出演。その間「津軽海峡・冬景色」「天城越え」しか紅白で歌っていないのは、本人の精力的な活動を考えるとやはり少し勿体ない印象もあります。

北島三郎(24年連続47回目/第14回/1962/74/北海道出身)
「風雪ながれ旅」(1980/星野哲郎/船村 徹/5年ぶり6回目)
~惜別の男節~

(メッセージ)今年の締めくくりになります。紅白歌合戦を見ている皆さんの心に届くように力一杯唄(うた)います。
 この曲が紅白で歌われる時、三味線と尺八の演奏で主に構成される派手なオープニングの後で必ず曲紹介が行われますが、今回に関しては無し。そう考えると曲前の雰囲気は非常に新鮮に感じました。ほんの少し違和感を感じなくもないですが、たまにはこういうのも有りかもしれません。
 さすがにキーはかなり落ちていますが、降りしきる紙吹雪の多さはやはりこれまでと変わらぬ安定感。こちらも第47回(1996年)以外フルコーラス歌唱はありませんが、大方の人にとっては十分満足いくステージであったことは間違いないでしょう。(3分47秒)

 

(ウラトーク)
 前回歌った2005年の紙吹雪の量を超えるという美術スタッフの話が伝えられます。テリーさんは「鼻の穴に入ります」やら「埋まって欲しい」やら、また色々適当なことを言っています。紙吹雪は何箱も用意されていますが、1コーラス目終了時に早くも1箱が終了すると実況。
 「エンディングにはバケツが落ちてきますから」とテリーさんもそこそこ暴走。2番に入ってから紙吹雪の量は増えますが、今回は「歌の邪魔にならないように」という状況でした。

 

(解説)
・「風雪ながれ旅」といえば紙吹雪ですが、これは第32回(1981年)大トリの時からの伝統です。同時にこれ以前紅白ではステージにおける紙吹雪演出が全く無し(エンディングの結果発表と蛍の光のみ)。したがって、紅白における紙吹雪の歴史は本当に「風雪ながれ旅」から始まったと言って良い状況です。

・北島さんはこの年「夫婦一生」がヒットしました。オリコンシングルTOP10入り、ゴールドディスクなどありとあらゆる最年長記録をこのシングルで樹立します。作詞家の追悼があったとは言え、当年の紅白で歌われなかったのは非常に残念です。この時期辺りから特に演歌で、数字的なヒットがあっても過去曲が選曲されるケースが多くなります。

・星野哲郎作詞の曲は紅白で48曲歌われていて、これは歴代5位の記録です。北島三郎歌唱曲は特に多く、「函館の女」「なみだ船」「山」など全部で13曲ありました。「兄弟船」「雪椿」など、複数回紅白で歌われている曲も多く含まれています。

坂本冬美(8年連続22回目/第39回/1987/43/和歌山県出身)
「また君に恋してる」(2009/松井五郎/森 正明/2年連続2回目)
~紅白に凱旋!世代を越えたヒット曲「また君に恋してる」~

(メッセージ)今年は奇跡に巡り会えた年でした。この1年たくさんの応援をして下さった皆様に、感謝の気持ちを込めて歌わせて頂きます。
 終盤を迎えて、舞台下手側に紅組歌手が勢揃い。これも紅白歌合戦ならではの残していきたい光景です。
 今回は赤いドレスでの歌唱。前回と比較するとラストサビの繰り返しが1回多くなりました。歌い終わりには目に涙を浮かべる、実に実に感動的な歌唱でした。後のステージを見て自分が思った結論としましては、やっぱりこのステージを大トリにした方が良かったんじゃないのか、その一言に尽きます。こういう曲でトリがダメというのなら、一年でも早く「夜桜お七」辺りで大トリにしてあげてほしいと切に願います。(3分13秒)

 

(ウラトーク)
 ステージ上では大勢のスタッフがモップを使って全力で掃除。大きな段ボールも使っているようです。その中で冬美さんがスタンバイ、ギリギリではありますが、無事に間に合いました。
 和服でない衣装に言及します。ドレスが似合いますが、冬美さんは「来年は演歌を歌いたい」と話していたようです。「キャッチーだよねぇ」と話すテリーさん。松本アナはかつて活動していたHISというグループにも言及、ユニットを組んだ忌野清志郎も冬美さんの歌を絶賛していたと話します。

 

(解説)
・前回の紅白が引き金となり、2010年に入るとさらにCD売上が増加する大ロングセラーになりました。ウラトークでテリーさんも言及していましたがダウンロード数も非常に多く、年間6位を記録します。明らかな代表曲で、特に若い世代ではこの曲キッカケに彼女を知ったという人も相当多いはずですが、その後の紅白では今のところまだ歌われていません。

・しんみりとした曲とは言え、この曲がトリでないのはかなり勿体ないという印象が強かったです(ドリカムも良かったのでスタッフにとっても悩ましい選択ではあったと思いますが)。30回以上紅白に出場していますが、トリは2020年現在でも第47回(1996年)の1回のみ。実績や歌唱力を考えるとやはり、非常に少ないという一語に尽きます。

・紅白でのドレス姿は「また君に恋してる」が初ですが、ステージでいうと必ずしもその限りではありません。1991年に活動した忌野清志郎・細野晴臣とのユニット・HISは当時大きな話題になりました。ユニットとしての活動はこの年のみですが、2005年に「Oh, My Love~ラジオから愛のうた~」を忌野さん、細野さんがそれぞれ作詞・作曲で冬美さんに提供しています。

氷川きよし(11年連続11回目/第51回/2000/33/福岡県出身)
「虹色のバイヨン」(2010/水木れいじ/水森英夫/初)
~今年のきよしはアラブのプリンス~
振付:南 流石 踊り:流石組

(メッセージ)いつもあたたかい応援をありがとうございます。皆さまに届くよう心を込めて精一杯歌わせていただきます。
 今度はテロップに出身地表示がありませんでした。今回この部分の担当は、ミスがあまりにも多すぎます。もしかすると前もってチェックする時間が全く無かったのかもしれません。
 アラブのプリンスをイメージした衣装もよくわかりませんが、アラビアンな衣装に身を包んだダンサーの振り付けはもっと意味がわかりません。誰が振り付けしたかと言われれば南流石。ならばそうなってしまうのも仕方がないことであるのは過去の紅白でも十二分に証明済み。
 トリ前のステージとしては第53回(2002年)の天童よしみ「あんたの花道」と双璧をなすカオスな内容でした。でもこういうステージ、個人的には決して嫌いではないです。2コーラス半の構成はこちらもトリ前に相応しい物で、最後の伸ばしを筆頭とした歌唱は今回も圧巻の一言でした。(3分25秒)

 

(ウラトーク)
 昼の事前番組で振付を教授してもらったテリーさん。バイヨンには「無限大」という意味があるようです。ジャンルが分からない、氷川さんが言うには「アラビア・エメラルド・きよし」なのだそうです。
 テリーさんは後ろにいるファンを実況。右手に赤いペン、左手に双眼鏡を持ちながら歌っています。相当金をつぎ込んでいそうです。「もうすぐ倒れますよ」と言われています。「こういう歌を歌う人いないよ」「これがスターだね」、ラストは「お母さん良かったね!倒れないでよ!」と声をかけていました。

 

(解説)
・作詞した水木れいじは前年の「ときめきのルンバ」、この年は天童よしみ「人生みちづれ」で日本作詩大賞を2年連続で受賞しました。これは阿久悠、中山大三郎に続く史上3人目の記録です。演歌・歌謡曲メインの音楽祭として、現在まで53回にわたって毎年行われています。

・平成の紅白、特に2000年代は南流石振付のバックダンサーのステージが頻出しました。第53回(2002年)の天童よしみ「あんたの花道」を筆頭に、歌手以上に目立つような振付のステージを次々に作り上げます。もっともこの曲の場合、アラビアのイメージはCDジャケットやMVの時点で作り上げられているので楽曲に即した内容です。ただ根本的になぜアラビアン歌謡に当時行き着いたのかは、よく分かりません。

DREAMS COME TRUE(2年連続14回目/第41回/1988/45~52)
「生きてゆくのです♡ feat.ザ紅白スペシャルブラスバンド」(2010/吉田美和/吉田美和/初)
~圧巻!ブラスバンドとの感動共演~
演奏:YOKOHAMA ROBINS ソレイユ ウインド オーケストラ

(メッセージ)今年も1年、有難うございました。来年は4年に1度開催しているワンダーランドの年。全国で皆様と会える事を楽しみにしています。
 トリを前にしてゲスト審査員・北大路欣也のコメント。「もう夢の中です」「私も明るい気持ちで新しい年を迎えることが出来ると思います、本当にありがとうございます」「音楽の神様もきっと迷っておられると思います」という内容でした。ラストは前回に引き続いてドリカムのステージ。「吉田美和さん、中村正人さんの心のつながりがミラクルを起こします!」という曲紹介はなかなかの名台詞。歌う前から松下さんも紅組歌手もテンション最高潮。
 吉田美和の衣装はピンクの着物姿。紅白のステージで和服を披露するのは第43回(1992年)以来18年ぶり。むろん中村正人も和服姿で演奏します。ブラスバンドだけでなく、3人の男性ダンサーもステージを大きく盛り上げます。というよりこのステージ、演奏だけでなく踊りも相当激しく、全61回のトリの中で最もボーカルの体力消費が大きいステージだったように思います。その勢いにただただ圧倒された、そんな内容の相変わらず凄いステージでした。ただ前回も実はそうなんですが、美和さんの喉は必ずしも本調子とは言えない印象もありました。2011年は例のWONDERLANDがあって例年より多忙になることが予想されます。そういう意味では、完全に余計なお世話ではありますが少し心配な気持ちになるステージでもありました。(4分18秒)

 

(ウラトーク)
 エンディング参加のためテリーさんと関根さんは退席。テリーさんは「紅白って本当凄い」「日本が誇る凄いソフトでね、テレビマンとして本当に楽しい」、関根さんは「こんなに好き勝手やっていいのかなって」という感想コメントを残します。
 松本アナ1人では話が持たないということで、ここから中村ディレクターが加わります。中村さんは2005年に総合演出担当、北島さんの「風雪ながれ旅」について「紙吹雪の量は正直2005年が勝ったと思ってます」と話しています。これに関しては各年対抗意識があるみたいです。
 「フロアディレクターの動きも活発になってきまして」「この辺は人のさばきが一番難しいところなんですよね」、制作だからこそ分かる紅白のスタッフの動きを解説します。世界にもなかなかないだろうという紅白歌合戦、オペレーションは「大変ですね」「このために何百人・何千人のスタッフが睡眠時間削って働いてますから」。今回のカメラは19台、お互いが写り込まないために順番を決める必要があってアドリブはほぼ無し。これだけ大きくなると全てがおかしくなるという点で「スイスの機械式高級腕時計」に例えていました。

 

(解説)
・ドリカムは2年連続紅組トリを務める形になりました。同じ年に「ねぇ」「LIES, LIES.」があった中で一番CD売上が低かった曲を選曲したのは、おそらく歌詞のメッセージ性に拠るものだったと思われます。ただネットで見る限り、選曲の失敗を指摘する声も当時一部で挙がっていました。ポカリスエットのCMタイアップがあった曲です。

・和服姿での紅白出場は上にも書いた通り、第43回(1992年)で「決戦は金曜日」「晴れたらいいね」を歌った時以来。直前の坂本冬美がドレス姿でこちらが和服、偶然にも紅組ラスト2組が通常と逆の衣装コンセプトになりました。

・第55回(2004年)以降ほぼ毎年出場していたドリカムですが、翌年は辞退。以降中継で出演した第64回(2013年)以外紅白は不出場、連続テレビ小説『まんぷく』主題歌を担当した2018年でさえも出場無しでした。したがって今のところNHKホールの紅白で歌われたステージはこれが最後となっています。

・ウラトークでゲストに登場した中村ディレクターは第56回(2005年)の総合演出。アドリブはほぼ無し、一つ狂うと全てがおかしくなると話していましたが、第56回のメイン司会はみのもんた。当時大変な苦労があったものと推察できます。

SMAP(6年連続18回目/第42回/1991/33~38)
「This is love ’10 SPメドレー」
 「This is love」(2010/LOVE PSYCHEDELICO/LOVE PSYCHEDELICO/初)
 「Triangle」(2005/市川喜康/市川喜康/5年ぶり2回目)
~61回大トリはもちろん”SMAP”~

メッセージ)最高の愛と歌を届けます。歌を通して世界中の皆さんの思いが一つになることを祈っています。皆さん一緒に、歌でつなごう!
 嵐の5人が今回の司会についてそれぞれ話した後で、ラストの曲紹介をメインで担当するのは櫻井さん。「この5人の歌で世界を繋げたいと思います」と紹介。
 大歓声に包まれる中、階段ステージ上のセリから5人が登場して「This is love」。歌い出しから木村拓哉が非常に格好良く決めてくれますが、意外にも1コーラスであっという間に終了。5年前にも大トリで歌われた「Triangle」に移行します。
 結局どちらがメインかと言われると「This is love」より「Triangle」だったようで、こちらは2コーラスきっちり歌い切りました。全体的に5年前よりも声が出ていて、ステージそのものは悪くなかったですが、当時フルコーラスだったのに対して今回は2コーラスのみ。そもそも曲名と中身が合っていないという非常に重要な問題が生じました。トリ前だったらいいのですが、大トリでそれをやられると正直どうなの?という疑問は自分の中では何年経っても消えることはないと思います。今回の紅白、演出面は全体的にかなり良かったと感じていますがこのステージに限って言うと個人的にはかなりの不満を持ちました。これだったら「This is love」をフルでやる方がよっぽど大トリにふさわしいステージになると思うのですが、どうでしょうか。(4分57秒)

 

(ウラトーク)
 中村ディレクターは司会者担当の経験は過去無し。これに当たると本番4時間は全て中腰、先輩が2年連続で担当した時は2日間使い物にならなかったとか。
 ディレクターから見たSMAPの魅力は「総合力」「5人揃ってくると誰も勝てない」。最大限に評価しています。
 大トリの時、中村さんが経験した時は「ああ、終わっちゃう…」と考えたそうです。松本アナはテリーさんと関根さんが紅組側の端にいることも伝えます。それと同時に、「副音声これで良かったんですかね?」と自問自答。Twitterを見る限りでは好評だったようで、「トイレの神様」の時は「副音声どうした?」と相当書き込みがあったみたいです。
 「アナウンサーとしては、楽しかったです」「一人で見てる人に一緒に見てるよって感じをもし持ってもらえたとしたら、やり甲斐はあったかなと」「お叱りとか、アイデアとか頂けたらまた来年も違う形であるいはこの形で、やれたらなあ、チャレンジできたらなあと思いますね」と松本アナが感想を述べます。Twitterを見ながら、濃厚な、色んな環境で…ということを中村さんは意識していた模様。

 

(解説)
・「This is love」はLOVE PSYCHEDELICOの楽曲提供。「Free World」「Last Smile」などのヒット曲を持つ男女ユニットで、2000年代を中心に活躍しました。他アーティストに楽曲提供したのは、香取慎吾ソロ曲として同じ2010年に提供した「No Way Out」とこの曲のみ。つまり言うとSMAP関係にしか楽曲提供していないアーティストということです。

・メドレーとして歌われた「Triangle」は2005年の楽曲。元々はテレ朝系列のスポーツ中継のタイアップでしたが、最初に歌われたのは当年の24時間テレビだったようです。紅白でも大事にされている曲で、第56回(2005年)大トリとこのステージ、第66回(2015年)のメドレーでも歌われています。楽曲提供の市川喜康はかの有名な「オレンジ」をSMAPに提供していますが、こちらは一度も紅白で歌われていません。

・楽曲がメドレーのタイトルになる場合ほとんどはその曲がメインになるのですが、このステージは数少ない例外でした。上の文章ではかなり納得していない気持ちをそのまま記しましたが、その気持ちは今でもあまり変わっていません。何と言っても大トリですからね…。ちなみに大トリで2曲以上演奏されるのは、このステージが初めてでした。

~エンディング~

 全ステージが終了して最終審査に突入。ジャニーズ特に嵐ファンの観客が多いだけあって、会場はやはり白組優勢。ゲスト審査員は北大路欣也寺島しのぶ野口聡一が白であとの7人は紅のうちわを上げています。そりゃ仲間由紀恵が白組に投票するはずがない訳で。実の母親が川中美幸の応援に駆けつけた寺島さんは白。ラルクのステージの時にステージに上がった髙橋大輔は紅。白組の福山雅治にエールを贈られた上野樹里は紅に入れてます。

 今回もまた1曲目、いや石川遼の開会宣言からダイジェストで一気に振り返ります。ホールではスクリーンの大画面で映し出されています。紅組歌手は振り返って後ろの映像を見ている人が多い中で、白組歌手は客席側を向いている人が多かったです。台本が映し出されるビジョンにも、このダイジェストが流れているのかもしれません。

 両司会の感想、NHKオンデマンド再放送の告知を挟んで結果発表。ステージは出場歌手だけでなくブラスバンド隊、合唱団も数多く立っていて例年以上に密集しています。一番左にウタ♪ウッキーと、ウラトークを担当した関根麻里テリー伊藤の姿もあります。

 結果発表はスクリーンのグラフで映し出される形ですぐに決まります。 367645 vs 4181916年連続白組勝利でした。内訳は会場732vs1668、ケータイ29460vs51543、ワンセグ57559vs69343、デジタルTV279894vs295637。接戦ではありましたが、ゲスト審査員以外はどの要素も白組の方に多く票が集まっています。

 優勝旗授与、今回の審査員代表は北大路欣也大野智に渡されます。「僕が持っちゃっていいんですかね~?本当にありがとうございます、皆さんのおかげです」とコメントします。松下奈緒「これは勝ち負けではないと思います。本当に素晴らしい歌の力・歌の繋がりを感じさせて頂きました」と感謝のコメント。

 ラストはもちろん「蛍の光」。指揮は4時間ちょっと前にテレビ東京で5曲ほど自作の曲を歌った平尾昌晃。この人も73歳に見えない若々しさをキープしています。以下、今回の「蛍の光」のポイント。

・歌う前にAKB48大島優子高橋みなみ板野友美吉田美和を前に引きずり出す和田アキ子
・なぜか今回も紛れているはるな愛、そしてなぜか泣いているはるな愛
・最後までステージ衣装のままで通して非常に目立っているPerfume
・そのあ~ちゃんは彼女が大ファンというaikoと隣り合っています。
はるな愛アンジェラ・アキ水森かおりという、紅白以外で見られそうにない組み合わせのスリーショット。
・この時点で既にステージ上からはけている中居正広、ステージ上に残るSMAPのメンバー4人。
・肩を組むコブクロ小渕健太郎flumpool山村隆太
・ラストは司会者6人のショットで終了。大野智が優勝旗を持ってポーズ。
・エレキギターアレンジと合唱団が例年より耳に残るラストの編曲。

 

(ウラトーク)
 テリーさんと関根さんがいる場所を、引きのショットの際に松本アナが実況。大きなウタ♪ウッキーの人形を触っています。
 最終投票、「フロアディレクターはマジで勝負」。負けたチームのスタッフは年によって丸刈りにする人もいるとかいないとか。
 「遠い昔だけどあっという間という、なんだこの不思議な感覚は」「密度が濃すぎて変な感じになっちゃう」と映像ダイジェストが流れる際に話します。松本アナが総合司会の時に始まった企画、当時は「なんだこれは」と思ったらしいです。「リハーサルたった3日ですからね」「聞いた話ですけどアメリカのアカデミー賞かグラミー賞だと1ヶ月くらいリハする…どうかしてますね」。ディレクター自ら紅白についてこんなことを発言しています。お互いの世代をクロスする番組、とも語っています。
 「白だー」「またしても」「これは…まあ、ねえ」「嵐強かったのかなー」「そうですねぇ」これが結果発表の感想でした。
 エンディングのやり取りを見て、「今日は余裕がありますよ時間」「はい。これはかなり奇跡に近い」「ですね」。エンディングの演奏テンポを速めなくて良いという話題の後一瞬映るショットに「今、はるな愛さん一瞬泣いてましたね、あの涙はなんですか?」とすかさず反応。「わかりませんね、(福山雅治の)毛がほしい?」と中村ディレクターは推測。
 「蛍の光」の演奏が始まると同時に、松本アナがまとめに入ります。色々チャレンジしながら紅白の楽しみ方を呈示できたらという試み、松本アナの感想は「私は副音声、大好きです!」の一言に集約されていました。

 

(解説)
・翌年は紅組が勝利するので、6年連続白組勝利は史上最長記録となります。これ以降も白組優勢に変化はあまりありませんが、極端に長く連勝が続くケースは無くなりました。

・「蛍の光」を指揮する平尾さんはこの年テレビ東京の『年忘れにっぽんの歌』でロカビリー時代の持ち歌を披露しています。ちなみに第43回(1992年)まで指揮を担当した藤山一郎はほぼ毎年、テレ東とNHKを掛け持ちしていました。

・アッコさんがトリで歌った吉田美和と若手(今回だとAKB48)を前に出しています。この光景は毎年エンディングでしばしば見られます。後ろにいると映らない、背の低い歌手を前に出すことが多かった…ような気がします(例・モーニング娘。時代の矢口真里)。ちなみにドリカムは常連になってからも例年、「蛍の光」では後ろにいることが多い傾向にありました。

・前年まで紅白の白組司会を務めた中居正広は、この年から3年間TBSのCDTVスペシャルの司会となります。そのため、エンディングでは移動のためひと足先にNHKホールを後にするのが恒例となりました。