紅白名言集解説・59~紅白けん玉問題~


 ここ数年の紅白歌合戦で問題になっている、三山ひろしさんのけん玉オンステージ化。今回は、それについて書いてみたいと思います。

・初出場ではさすがにけん玉抜きのステージ

 三山さんが紅白に初出場を果たしたのは第66回(2015年)。勿論この時点でけん玉の特技は知れ渡っていて、事前番組でも腕前を披露していましたが、第59回(2008年)以降初出場の演歌歌手は親族を登場させるのが恒例の流れ。「お岩木山」を歌った初出場の際にも、客席に招いた祖父や祖母とのやり取りがメインで、本番でけん玉をやる隙間は無し。その一方、歌唱後に登場したウラトークチャンネルで本領発揮。「祝い酒」を歌う坂本冬美さんを目の前に、リズムを取りながらけん玉をプレイするという椿事を発生させていました。ステージでは使わなかったものの、けん玉は紅白初出場を記念してけん玉協会特注で作って頂いたようです。

 

・ステージのけん玉披露は2回目から

 安定した売上で2年連続出場を果たした第67回(2016年)、満を持してけん玉演出が初登場します。この回はバックダンサーに得意のけん玉を取り入れました、という内容でした。けん玉パフォーマンスコンビ・ず~まだんけもこの年から登場します。歌唱曲は「四万十川」、”けん玉大使編”というサブタイトルが追加されました。演歌で演出に合わせたサブタイトルが公式に入れられたのは、この年が初です。

 歌前にけん玉が得意な著名人が登場するのもこの年から。ここではDJ KOO、ハリセンボンの箕輪はるか、乃木坂46の橋本奈々未くまモンが登場します。橋本さんは翌年2月にグループ卒業なのでこれがラスト紅白。他のメンバーは直後の山内惠介さんのステージでバックダンサーを務めましたが、彼女だけ妙な形で目立つ状況になったのが今考えるとすごく微笑ましいです。ステージでは三山さんが成功率3割という”三山スパイク featuring ず~まだんけ”たる大技を間奏で成功させます。もちろん、紅白でけん玉を演出に取り入れたステージはこの時が初めてでした。

 

・けん玉演出がエスカレートするのは3回目から

 第68回(2017年)、この年から4年連続続けられる小皿最大人数ギネス記録への挑戦が始まります。以下第71回までの足跡を表にしました。

該当回楽曲サブタイトルゲスト結果
第68回(2017年)男の流儀けん玉世界記録への道DJ KOO14人目で失敗
第69回(2018年)いごっそ魂けん玉世界記録への道、再びDJ KOO124人ギネス記録達成
第70回(2019年)望郷山河第3回けん玉世界記録への道DJ KOO、数原龍友、石田明、堀江翔太、上ちゃん、内海崇86人目で失敗
第71回(2020年)北のおんな町第4回けん玉世界記録への道DJ KOO、数原龍友、大泉洋125人ギネス記録達成

 この4回、総合司会を務めたのは内村光良さん。曲の世界とは全くかけ離れた内容に毎回ツッコミを入れるのも恒例となっています。初対面となった第68回では、当然のように三津谷ゼネラル・エグゼクティブ・プレミアム・マーベラス・ディレクター兼紅白スーパーバイザーの部屋に呼び出されて説教されていましたが、結果としては今の所懲りていないようです。ギネス達成に味を占めてから、けん玉に自信のある芸能人が集まり始めているのもポイントですね。あとは何と言ってもDJ KOO。5年連続紅白出演は、既にTRFの一員として出場した3年連続よりも回数が多くなっています。勿論ず~まだんけも、2回目の出場から昨年まで5年連続の出演となっています。

 当然ながら歌唱以外にも記録達成という重大な目的があるので、ワイプを駆使したカメラワークになっています。ステージでワイプを使用するのはこのけん玉企画が初めて…ではないのですが(第67回のAKB48紅白選抜がありました)、ギネス挑戦以降はこの撮り方が恒例となっています。ステージを広げた前回は無観客であることも活かして、ソーシャルディスタンスを用いた立ち位置になっていました。

 

・果たして今年は…?

 今年も「谺-こだま-」が支持を集めているので、7回連続出場する可能性も高いです。その一方男性演歌のジャンルでは、昨年から真田ナオキさんが人気を伸ばし始めています。クセのある歌声は大変インパクトがあって、個人的にも今年の紅白初出場を期待している存在です。氷川きよしさんや山内惠介さんは相変わらずの人気、純烈の人気も根強いです。五木ひろしさんも簡単に外せる存在ではなく、実を言うと白組演歌枠はここ数年のようにあっさり決まる形ではありません。正直けん玉企画が今回も発動されるかどうかと言われると、まだまだ不透明な部分の方が強いです。

 けん玉ステージはツッコミどころを産むという点では面白く、Twitterでもしながら…という観点で考えると良い企画ではあると思います。ただ「歌」のステージという部分では、1度や2度なら良いのですが4回も連続となると…、というのが正直なところです。そういえば同じ曲が4年連続歌われた例は「さそり座の女」「涙そうそう」「女々しくて」がありますが、5年連続は過去にありません。今年の三山さん、出場したら果たしてまた同じ企画をやるのでしょうか、もしくは同じけん玉でも形を変えるでしょうか。そもそも7年連続出場は可能なのでしょうか。注目の出場歌手発表は11月後半、ステージは今年も当然12月31日。果たしてどういった結論になるのか、気になるところです。

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