郷ひろみ(3年連続25回目/第24回/1972/57/福岡県出身)
「デンジャラー☆」(2012/JackPotBeats/JackPotBeats/初)
~アクロバティックなダンスに注目!~
振付:黒須洋壬 ダンス:WINGERS+BLUETOKYO

 ここ2年はメドレーのステージでしたが、今回は新曲を単独で歌唱。クールかつカジュアルな衣装と風貌は、とてもじゃないですが57歳とは全く思えません。冒頭からターンやジャケットプレイを決めて絵になっていますが、このステージで特に凄かったのは間奏。マイクスタンドを投げた後、椅子に座ってタップダンスを披露しています。”ビリビリバリバリギリギリ”という歌詞は相変わらずですが、曲を知らなくても十二分に楽しめるパフォーマンス。これこそまさしく理想のステージの形です。(2分26秒)

 

(ウラトーク)
 クリス松村大興奮。郷さんの凄さを語りまくります。
 テリーさん情報によると郷さんは最近別荘を購入、そこには写真がいっぱい貼られていて、うち一枚は上半身裸なのだそうです。肉体維持のために、腹筋を700~800回毎日やっているという情報もありました。

 

(解説)
・ウラトークでチラッと触れられていましたが、この年郷さんは3度目の結婚。相手は24歳年下の方で、年が明けてすぐ披露宴を開催。2014年には新たに双子の男児のパパとなっています。

・タップダンスのパフォーマンスは紅白だと非常に珍しく、歌手のステージではこれ以外で見た記憶がありません。企画ステージでも華麗なステップでフラメンコを踊った西田ひかる(第49回・1998年)などの例はありますが、いずれにしても大変レアなケースです。

aiko(10年連続11回目/第51回/1998/36/大阪府出身)
「くちびる」(2012/AIKO/AIKO/初)
~キュンとする恋心を歌ったポップソング~

 ゲスト審査員の日馬富士関にコメントを求めます。「気迫と気合いが続きます」という内容ですが、これまでのモンゴル人横綱の中では一番日本語がたどたどしい印象。桂文枝師匠にも同様にコメント。新しい曲は吉田沙保里、古い曲は樹木希林に聴けばいいので最高の席だと話していました。
 さてこの曲もシングルではないので、そこそこ歌番組で歌っていると言ってもこれまでと比べて知名度が高い曲というわけでもなく。シャボン玉が飛び交う演出やピンクの色に統一されたペンライトも良いですが、こちらは単純に歌が凄いです。どう考えても素人が歌えるメロディーではありません。それを難なく歌うaikoの歌唱力は相当なもの。
 これだけ紅白に出てるとコンディション万全と言えない回も時々発生しますが、今回は過去最高レベルに調子が良さそうです。綺麗な声とロングトーンが完璧に決まっていました。赤と黒で決めた衣装もハイセンス。そんな歌ですが手足の動きは実にaikoらしく、小さな体全体で歌を表現しているというフレーズが実にしっくり来ます。やはりこの人も、今の紅白にはすっかり欠かせない存在です。(3分11秒)

 

(ウラトーク)
 客席にペンライト用意の指示が入ったようです。テリーさんによると、吉田沙保里選手はテゴマスが好きらしいです。
 aikoさんはミッツ・マングローブと仲が良く、クリスさんにもCDを聴いて頂けるのが本当に嬉しいと小松アナが紹介。直筆メッセージを毎回欠かさないのだそうです。ミッツさんとは50cmくらい身長差があるようです。
 「すごく丁寧に生きてる女の子という気がする」「母を感じる」というミッツさんの評。クリスさんも「幸せになれる歌声よね」と話します。そしてテリーさんは何回も「アイコー!」と声援。あとは、この後楽しみなステージについて話し合ってました。

 

(解説)
・日馬富士関はこの年秋場所後に横綱昇進、優勝9回という実績を残しますが2017年11月に傷害事件のため引退。同じ伊勢ヶ濱部屋からは今年照ノ富士関が横綱に昇進しました。昭和の時代はほぼ毎年角界から審査員に選ばれていましたが、現在はこの年の日馬富士関を最後に8年間選ばれていません。その後に横綱昇進した鶴竜関や稀勢の里関も、紅白は未出演。

・桂文枝はこの年に6代目を襲名。桂三枝としては6度紅白の応援に登場しています。現在は上方落語の大物格ですが、昭和~平成初期は寄席以上にテレビタレントとしての活躍が目立つ存在でした。その一方で、創作落語の大家でもあります。

・aikoはこの年CDシングルの発売なし、アルバム『時のシルエット』と過去最長期間となった全国ツアーに注力した一年でした。年末に出演した各音楽番組でも「くちびる」を中心に選曲。伊藤園のCMソングとして、お茶の間にはよく知られた楽曲です。

・シャボン玉が舞う演出も紅白ではあまり多くありません。NHKホールでこの演出が入ったのは、第29回(1978年)の中原理恵以来34年ぶりでした。ただ紅白歌合戦単位で言うと、前回の福山雅治がパシフィコ横浜展示ホールで取り入れています。

五木ひろし(42年連続42回目/第22回/1964/64/福井県出身)
「夜明けのブルース」(2012/レーモンド松屋/レーモンド松屋/初)
~AKB48との豪華コラボに注目!~
コーラス:AKB48

 紅白ではもうお馴染みのコロッケが登場。「よこはま・たそがれ」をAKB48をコラボするという前フリですが、披露された歌詞は完全に「ヘビーローテーション」でした。袖にいるのは大島優子高橋みなみ渡辺麻友柏木由紀ですが、こういう時こそ本職の岩佐美咲の出番だろうと思ったのは私だけではないと思います。曲紹介もコロッケが担当、こちらは決してロボットになったりすることもなく、ごくごくノーマル。
 さて今回の五木ひろしのステージは一味違って、AKB48のメンバーが手拍子&コーラスで参加。本人も42回目にして初となる、ギターを弾きながらの歌唱です。ただこのコーラスの入れ方は、どう考えてもカラオケでの合いの手でしかなく。どこの場末のスナックだよというツッコミを入れざるを得ない状況でした。SDN48が解散してしまったのが非常に惜しまれます。
 したがって真後ろに年長組の篠田麻里子小嶋陽菜を置く人選が効いています。地味に渡辺美優紀が自分のキャラクターをここでも貫いているのもポイント。宮澤佐江も間奏で踊っていて、前回同様爪痕を残しています。最後は五木さんを筆頭に、全員で拳を上げるガッツポーズ。ツッコミどころが多すぎるという意味で非常に楽しいステージでした。本人の歌唱は相変わらず衰え知らずで曲の内容も素晴らしく、こちらも文句なしでした。(2分57秒)

 

(ウラトーク)
 歌謡曲ファンのゲスト2人も「夜明けのブルース」に高評価。五木さんについて「流しっぽいのが似合うよね」とテリーさん。ステージを見ながらクリスさん中心に五木さんの歴史を語ります(松山まさる→松山の観光大使、とか)。ものすごく詳しいです。そして曲の途中で早くもコロッケがウラトーク席に合流。

 

(解説)
・近年の五木さんはすっかり賑やかなステージが多くなりましたが、当時他歌手の応援を受けながら歌うのはなんと第23回(1972年)で「待っている女」を歌った時以来40年ぶりでした。AKB48をバックに歌うシチュエーションは、その後も紅白で2度発生します。

・ギターを弾きながら歌うステージも、42回目の出場で初めてのことでした。ただ自らのステージ以外では、第25回(1974年)と第30回(1979年)でギターを弾く場面が2回ありました。

・楽曲を提供したレーモンド松屋は愛媛県西条市出身のシンガーソングライター。2010年に「安芸灘の風」が四国中心に有線でヒットして、59歳でメジャーデビューを果たします。その年の日本有線大賞で、新人賞・有線問い合わせ賞を受賞しました。初めてテレビで見た時は、インパクトの強い芸名だけでなく風貌にも驚いた記憶があります。

・タイトルには登場しませんが、歌詞が示す通りこの曲は愛媛県松山市のご当地ソングです。非常に風情があって良い街ですが意外とご当地ソングとして歌われていない場所で、紅白でもこの地が歌われたのは初めてでした。

きゃりーぱみゅぱみゅ(初出場/第63回/2011/19/東京都出身)
「紅白2012きゃりーぱみゅぱみゅメドレー」
 「ファッションモンスター」(2012/中田ヤスタカ/中田ヤスタカ/初)
 「つけまつける」(2012/中田ヤスタカ/中田ヤスタカ/初)
~新時代のポップスターが送るキュートなステージ~

 歌前に紅白司会の大先輩・中居正広が登場。堀北さんに話しかけます。楽しませて頂いているとコメントした後に、次のステージはきゃりーぱみゅぱみゅという紹介。堀北さんはすみませんと言っておりますが、ちゃんと噛まずにしっかり喋れていました。そして応援が来たということで「CANDY CANDY」が流れる中、まさかのごりーぱみゅぱみゅが大声で挨拶して登場。なお中の人はSMAPの稲垣吾郎です。
 きゃりーぱみゅぱみゅのライバルと自己紹介します。中居さんが「今日大トリを歌う人とは思えないんですけども」とコメント、それに「あんたそんなことより自分の歌の心配しなさいよ!」と返します。ごもっともです。初出場のきゃりーさんへ応援メッセージを求めます。「きゃりー、頑張ってね~!」……「はい、変な間がありました申し訳ありません」。そして曲紹介してくださいということで、出番はもう終わり。「私がどんだけ時間かけてメイクしたと思ってるのよ!」と嘆いていますが、これ以上時間を割くわけにもいかないので曲紹介。さっきまでごりーぱみゅぱみゅとスムーズに言えてた割にきゃりー「ぱみゅぱみゅ」が全く言えず、「きゃりーぱm…どうぞー!」と無理やり成立させます。それにしても歌手名を言うだけでも大変なのにメドレーのタイトルも「紅白2012きゃりーぱみゅぱみゅメドレー」、スタッフが司会者に嫌がらせをしているとしか思えません。
 さてステージは「ファッションモンスター」からスタート。虹色の毛皮に囲まれたような、文字通りファッションモンスターな衣装です。ファンタジーな蛾をイメージしている印象で、外見はともかく実務的に見ると踊りにくい衣装にも見えます。もちろん独特のバックダンサーも従えています。曲にも合わせた独特のセンスを加えたカラフルな衣装に早替えして「つけまつける」。早替えが一瞬スムーズにいかなかった場面もありましたが、パフォーマンス的には大事に至らずなんとか成功。
 喉の不調が事前に報道されていて、紅白でも残念ながら生歌という状態にはならなかったようですが、それでも素晴らしいステージを展開していました。彼女の場合多分2回目もあると思うので、今度は万全の体調で本番を迎えることを祈りたいです。(2分46秒)

 

(ウラトーク)
 ウラトークの方々もごりーぱみゅぱみゅのメイクにビックリ。ただ番組でやっていたコントは4人ともどうやら知らない様子。
 きゃりーの衣装にはやはり一同大感激。「オーストリッチ、高いのよこの羽根」と感心するミッツさん。「「つけまつける」は周りの子どももよく歌ってた」と話すクリスさん。小松アナは肩についている目が動くことをピックアップ、中にはモーターが入っているそうです。

 

(解説)
・ごりーぱみゅぱみゅは『SMAP×SMAP』で登場するコントキャラクター。この特殊メイクコントはきゃりーさん登場以前からやっていて、最初は「ゴロクミの部屋」として森公美子をモデルにしていました。ちなみにきゃりーさんとは、11月の日本武道館公演で既に共演済。この紅白の登場SEでも流れた「CANDY CANDY」を一緒にパフォーマンスしていたようです。

・出場歌手に時間をかけてメイクする演出は1990年代後半に定番化していて、細川たかし前川清吉幾三が毎年そのターゲットになっていました。歌舞伎×ガングロに白塗りの公家、ヴィジュアル系バンドなど色々やらされていましたが、さすがに今回のゴローさんレベルは紅白史上初めてです。

・きゃりーぱみゅぱみゅが最初に話題になったのは、前年7月にYoutubeで公開された「PONPONPON」。「つけまつける」をリリースした1月時点で既に、リリースイベントは多くの人で会場が埋まるブレイク状態でした。「PONPONPON」は現在まで1.7億回の再生数を記録。この破竹の勢いは翌年も続き、更に加速していきます。

・歌で会いたい。~ニッポンの嵐『ふるさと』~
「ふるさと」(2010/小山薫堂/youth case/3年連続3回目)

 ステージ終了後、有働アナは相当”ぱみゅぱみゅ”を意識してありがとうございましたの受けコメント。そのまま次の企画紹介に移ります。2013年の第80回合唱コンクール小学校の部の課題曲にもなっているとも紹介。

櫻井「年の瀬になると人はふるさとが恋しくなります。」
松本「それは始まりの場所、それぞれの原点。」
二宮「ふるさとへの思いから、その人の人生観が見えてきます。」
大野「今回僕たちは世界で活躍する5人の日本人に会いに行き、同じ質問をしてみました。」
相葉「あなたにとって、ふるさととは何ですか?」

櫻井「101歳の医師・日野原重明さん。ふるさとを思うことで人の情緒は豊かになり、夢を実行する勇気が生まれるとおっしゃいます。そんな日野原さんの言葉です。「ふるさととはいつも心の中にある。」

松本「今年人間国宝に認定された歌舞伎俳優・坂東玉三郎さん。幼い頃両親と見た風景、食べた料理の味、木々や花の匂い。そんな記憶の温もりが芸の原点になっているそうです。玉三郎さんにとってのふるさと、それは「家族そのもの」。」

二宮「中国で育った映画監督の山田洋次さんには、ふるさと、と呼べる場所がないそうです。あえて言うなら寅さんの葛飾柴又。「ホッとさせてくれる人がいればそこがふるさとになる。」監督が撮り続けたのは日本人のふるさとでした。」

大野「長野県出身の前衛芸術家・草間弥生さんは家族の大反対を押し切って日本を飛び出しました。世界で成功を納め、帰郷して信濃路の雪景色を見た時、大いなるやすらぎに包まれたそうです。草間さんにとってのふるさととは、「よみがえる記憶」。」

相葉「宇宙飛行士の星出彰彦さん。地球から遠く離れた時、帰りたいという気持ちは会いたい人がいるという思いから生まれてくることに気がつきました。星出さんは言います。「この美しい惑星に生まれてよかった」。」

櫻井「今回頂いた5つの言葉、それは偉大なる気づき。」
二宮「それは忘れてはいけない気持ち。」
大野「それは明日へ向かう勇気。」
相葉「あなたにとって、ふるさととは何ですか?」

 階段ステージ上で一通り映像を交えて喋った後、嵐のメンバーが階段を降りて「ふるさと」を2コーラス歌います。今回は出場歌手登場などの場面も無しに、シンプルに5人だけでの歌唱。それだけコメントを頂いた5名の伝えたい内容を優先させたステージでした。(3分51秒)

 

(ウラトーク)
 有働アナ登場時に衣装を注目する一同。コーナーは全員見入っていました。その中でところどころ小松アナが解説する方式です。
 ちなみにウラトークメンバーにとってのふるさとはミッツさんが「テレビ」、クリスさんは海外育ちということもあって「日本の文化」、コロッケさんは「色々な人々の顔」、テリーさんは「母親」を挙げていました。後半は5人で、それぞれの「ふるさとの光景」を語り合っています。

 

(解説)
・日野原先生は第55回(2004年)にゲスト審査員で出演。93歳での審査員は歴代最高年齢です。放送当時も101歳でバリバリ現役、2017年に逝去された時の年齢は105歳でした。

・玉三郎さんはこの年人間国宝に認定。早くから頭角を現していて、紅白でも第23回(1972年)と第28回(1977年)に応援ゲストとして出演。特に第23回では、島倉千代子が歌う「すみだ川」のバックで美しい舞を披露していました。

・山田洋次監督は第56回(2005年)にゲスト審査員で出演。この当時は映画『東京家族』の公開を来月に控えた状況でした。90歳を迎える今もまだ現役で、『キネマの神様』の監督を務めています。

・草間さんと星出さんが紅白に携わるのは初めてでした。そしてこの年以降、有名人が映像で取り上げられるケースが年々増えていきます。

德永英明(7年連続7回目/第57回/1986/51/福岡県出身)
「上を向いて歩こう」(1961/永 六輔/中村八大/2年連続7回目)
~今年は究極の名曲をカバー!~

 連続テレビ小説『梅ちゃん先生』の映像が流れます。今作の主題歌「さかさまの空」を歌ったSMAP香取慎吾が登場、主演の堀北さんと話します。紅組司会で頑張っている彼女のために、共演者の高橋克実南果歩松坂桃李が応援で登場。
 ありがとうございますと挨拶する堀北さんの後に、暫しの間があって「はい。来ました」と答える父親役の高橋さん。レッドカーペットやトリビア辺りとは随分キャラが違いますが、相当緊張しているという様子は伝わりました。そんなお父さんが最終回に歌った曲が、次のステージで歌われる曲なんだそうです。
 カバーアルバムがいくらヒットしたからと言っても、紅白出場7回中4回がカバー曲というのもまた何ともいえないものがあります。構成はイントロなしでアカペラ~ピアノのみの演奏で、彼の声に聴き惚れるにはうってつけの編曲。間奏もなしで、一応今回はフルコーラスですが、体感的にはやはり1コーラス半の壁を今回も破れずといった所でしょうか。ここ数年よりは確実に良いステージだったのですが、扱いが良いのか悪いのかは判別しづらい状況です。(2分32秒)

 

(ウラトーク)
 「堀北真希は将来の吉永小百合になるんじゃないかな」「愛酒の似合う役が出来るんですよ」と話すテリーさん。ミッツさんは堀北さんの衣装にも注目します。松坂さんの赤い靴下にまで注目するのは、さすがといった所でしょうか。「よっぽどの男じゃないと難しいでしょう」と、堀北さんが交際する相手を想像するテリーさんは相変わらず下世話です。
 德永さんのステージに入ると曲に合わせたように、喋りの音量も全体的に静かになったかと思いましたが、気がつけばやはり徐々に大きくなりました。ちなみにクリスさんは前回の神田親子のライブ会場にいたようで、そこから沙也加さんの話に展開。さらにこの曲についての話に発展します。ビブラートの話について少し話した後、ラストは即興で、本人が歌うと同時にコロッケがモノマネする展開になりました。

 

(解説)
・応援で登場した3名はいずれも紅白初出演。『梅ちゃん先生』で高橋克実は父親の建造役、南果歩は母親の芳子役、松坂桃李は夫の安岡信郎役を演じました。

・ウラトークでは交際相手が想像つかないという話もしていましたが、堀北さんがこの3年後に夫として選んだ相手は第56回(2005年)で司会を務めた山本耕史でした。歴代紅白司会経験者同士が夫婦になるのは史上初、そして結婚のタイミングで芸能界を引退するのも史上初となります。現在は2児の母親となられています。

・「上を向いて歩こう」は松田聖子・神田沙也加が前年歌っているので2年連続の歌唱となります。同じ曲が別の歌手によって2年連続選曲されるのは、この時が唯一の事例です。

・德永さんがこの年発表されたアルバムは『VOCALIST VINTAGE』、昭和40年代以前の歌謡曲を選曲した内容でした。先行シングルとして発売されたのは「人形の家/夢は夜ひらく」で、「上を向いて歩こう」はそのカップリングとして収録されていました。「人形の家」は第20回(1969年)に弘田三枝子、「夢は夜ひらく」は第16回(1965年)に園まりがそれぞれ発表当時の紅白で披露しています。

由紀さおり(20年ぶり13回目/第20回/1965/66/群馬県出身)
「夜明けのスキャット」(1969/山上路夫/いずみたく/43年ぶり2回目)
~世界中で大ヒット オレゴンから送る歌声~
演奏:ピンク・マルティーニ

 世界109の国と地域で放送されているという今年の紅白歌合戦。というわけで衛星中継、アメリカ・ポートランドアーリン・シュニッツァー コンサートホールに繋がります。担当は久保田祐佳アナウンサー。現地はニューイヤーズ・イブの午前5時と伝えています。由紀さおりとピンク・マルティーニのリーダー、トーマス・M・ローダーデールが曲前に登場。「とても慌ただしくて、でもとても幸せな一年でございました。昨年の12月、トーマスさんに誘っていただいてアメリカ・ツアー最後がポートランドのこのホールでしたので、1年後にこうしてまたこのホールに戻ってくることができて、歌わせて頂くこんな素敵な時間を頂いて、本当に皆様方に感謝を申し上げます、ありがとうございました。」と由紀さんがコメントします。トーマスさんは「由紀さんの歌声は夏のそよ風のようで本当に素晴らしい、そしてあの一緒に演奏できることを光栄に、本当に嬉しく思っている」と英語でコメント、久保田アナが通訳。そのまま曲紹介も担当。
 ステージは由紀さんの歌声とピンク・マルティーニの演奏に聴き惚れざるを得ない、その一言が完全にしっくり来る内容でした。これ以上ないというくらいに上質。歌い終わった時の由紀さおりの顔とトーマスとの抱擁も印象的です。(3分11秒)

 

(ウラトーク)
 本人のこと、衣装のことなど色々話してます。ステージを堪能しながら、クリスさんの情報が次々と入ります。「トーキョー・バビロン」「う・ふ・ふ」というタイトルがスッと出てくるのは、間違いなく歌謡曲・紅白ファンです。テリーさんが挙げていた「生きがい」「ルームライト」は、意外にも紅白では歌われていません。
 ミッツさん曰く、「この人が唯一敵わないのはちあきなおみ」と本人との対談で話していたそうです。「元祖ドヤ顔歌手」とも言ってました。高校生の時にこういう人と付き合いたかったと本人に伝えたこともあるというテリーさんは、「菩薩よりもセクシー」と形容しています。

 

(解説)
・由紀さんは前年10月にピンク・マルティーニとのコラボアルバム『1969』を発売。日本だけでなくカナダやシンガポール、アメリカなど各国のヒットチャートで上位に入る大ヒット。日本の歌謡曲が海外に大きく評価される結果になりました。

・「夜明けのスキャット」は紅白初出場以来43年ぶりの歌唱、これは前回森進一が歌った「港町ブルース」をさらに1年更新する当時の最長ブランク記録となります。ソロでの出場は13回目ですが1990年代に由紀さおり・安田祥子として童謡メインに出場を重ねていて、それを合わせると11年ぶり23回目の出場です。

・リポーターの久保田祐佳アナは第60回・第62回に続いて3回目の中継出演、これはNHKアナウンサー唯一の記録です。場所も長崎・東京体育館・アメリカのポートランドと見事に分かれています。海外からの中継は第59回のエンヤ以来4年ぶり、アメリカに限定すると第53回の平井堅以来10年ぶりでした。

斉藤和義(初出場/第63回/1993/46/栃木県出身)
「やさしくなりたい」(2011/斉藤和義/斉藤和義/初)
~初出場!大ヒットドラマ主題歌を披露~

 デビュー19年目の初出場、「場違いな感じもしてますけど楽しみたいと思います。」と歌前のコメント。レコーディングの際は全部楽器を演奏するというマルチプレーヤー、という曲紹介。
 紅白での演奏はバンドを従えていても実はアテブリ、なんてことも多々ありますが、このステージは最初の一音でそうだと分かる生演奏。文字通りメチャクチャカッコいいステージでした。地味にギターストラップに「NUKE IS OVER」と印字しているところに彼の静かな凶暴性を垣間見ることが出来て、個人的には大変満足な内容です。(3分29秒)

 

(ウラトーク)
 ミッツさん他3人はここで退席、入れ替えで峯岸みなみ(AKB48)北原里英(AKB48・SKE48)指原莉乃(HKT48)が登場します。
 AKB48の衣装替えはリハーサルだと全員成功の場面が1度もなく、本番で初めて成功して感動したと話します。ステージからも、しっかりウラトーク席が見えていたみたいです。そしてやはり今回も人文字が、メインで一番長く練習していたようです。AKB48は2日からお休みを頂くそう。なおステージについては「カッコいい」という一言でした。

 

(解説)
・斉藤さんが歌う「やさしくなりたい」は2011年秋に放送されたNTV系ドラマ『家政婦のミタ』主題歌。非常に話題になったドラマで、最終話はドラマでは11年ぶりに40%の高視聴率を記録しました。脚本を担当した遊川和彦は、この時期放送された連続テレビ小説『純と愛』を手掛けています。

・その斉藤さんが大きく注目されたのは主に2007年以降ですが、ヒットは1990年代から出ています。ポンキッキーズの「歩いて帰ろう」が一番著名でしょうか。「歌うたいのバラッド」は1997年発表ですが、多く取り上げられるようになったのはBank Bandが歌った2008年以降でした。

・曲紹介で触れられたマルチプレイヤーぶりはファンにとってお馴染みで、コンサートではバックバンド全員が担当パートをシャッフルとして曲を披露する場面もあります。私も1度コンサートに足を運んだことがあるのですが、その時の斉藤さんはドラム担当でした。

・由紀さんの中継中に会場では音出しなど準備万端の環境でステージに入れたものと推測されます。斉藤さんの紅白出場はこの時のみですが、おそらく生演奏出来るかどうかの条件があったのではないでしょうか。もちろんこれは外部から見た推測でしかありませんが…。ちなみに”NUKE IS OVER”は一部ネット上で話題になりましたが、NHK的には思想の自由の範囲内ということで特に問題なく(公式コメントも別途設けられていません)、その後の映像でも普通に振り返られています。

天童よしみ(16年連続17回目/第44回/1970/58/大阪府出身)
「ソーラン祭り節」(2012/水木れいじ/若草 恵/初)
~浪花の歌姫 TOKIO&関ジャニ∞が応援!~
振付:南 流石 踊り:TOKIO、関ジャニ∞、流石組、YOSAKOIソーラン全国学生連合

 同じ関西人ということで関ジャニ∞、そして近年こういったステージには必ず登場するTOKIOが今回も応援で参加。
 長瀬さんと松岡さんを両サイドに従えて、お祭りの台の上で天童よしみが熱唱します。法被をイメージしたデザインの衣装は派手ですが意外とカジュアルでもあり、少し前の「河内おとこ節」ほどコテコテし過ぎなくて良いです。TOKIOと関ジャニのメンバーは金色の法被を上に着ています。ただYOSAKOIソーラン以外の振付と女性ダンサー陣のアラビア風な衣装はコンセプトが不明で、曲調はともかく楽曲の内容とは合っているように見えません。ただ天童さんの歌声は極めてカッコ良く、お祭り騒ぎが似合う曲であることも確かなので、ステージ自体はしっかり形になっていました。(2分40秒)

 

(ウラトーク)
 この後楽しみにしているステージについて話します。峯岸さんは母の影響で「夜桜お七」、指原はプリプリを挙げます。このタイミングでワイプ宣伝、カメラに向かって手を振ります。これに合わせて小松アナがあらためてウラトークの内容紹介。
 ディズニーメドレーは他の番組の合間にしか練習出来なかったと話しています。ミッキーとミニーと踊れるのが嬉しくて夢のような時間と振り返っていました。ステージについては本当に堪能していて、「来年も出られるなら2階席とかでも踊りたい」との発言がありました。

 

(解説)
・天童さんも前年までは歌唱力メインのステージ中心で、ダンサーが登場するのは第57回(2006年)以来6年ぶり、出場歌手の賑やかしに関してはこの時が初めてでした。天童さんのバックが過剰演出になるのは基本的に第67回(2016年)以降で、もう少し先の話です。

・ソーラン節の踊りが入るのは過去にもありましたが、YOSAKOIソーランに関してはこの回が初…と言いたいところですが、実は第51回(2000年)に事例があります。民謡をテーマにしたショーコーナーで、白組歌手が「ソーラン節」、紅組歌手が「よさこい鳴子踊り」を交互に歌う演出があって、これが紅白初のYOSAIKOソーランと考えて良いと思います。なお札幌のYOSAKOIソーラン祭りは1992年に開始、規模が大きくなったのは1998年以降のことです。

・振付師の南流石、および流石組が紅白に携わるのはこのステージが最後になりました。少なくとも翌年以降、テロップには全く登場しなくなります。時折発生する主張の強過ぎるダンサーと、インパクト重視の振付は間違いなく平成の紅白に欠かせない存在でした。