MISIAスペシャルステージ(初出演/第63回/1998/34)
「Everything」(2000/MISIA/松本俊明/初)
「明日へ」(2011/MISIA/松本俊明/初)
~紅白史上初!アフリカ・ナミビアの広大な砂漠から生中継~

 アフリカ南部・ナミビアにあるナミブ砂漠。映像によるとそれは世界で美しい砂漠と呼ばれているようです。中継先のMISIAさんは、6人の現地の子どもと一緒に登場します。

「こんばんは、MISIAと申します。わたしは今ナミビアにおります。よろしくお願いします。
 アフリカは50カ国以上の国があり、様々な民族の方々が暮らしておりまして、多くの素晴らしい音楽や文化がある大陸です。そんなアフリカから私は多くのことを学ばせて頂いています。
 世界のことを知ることは自分の暮らす世界を知ることでもあり、大切なものに気付き守っていくことにきっとつながっていくと思います。家族や仲間、誰かが誰かのことを思うこと、私たちの幸せはそんな人と人とが繋がることから生まれると思うんです。
 同じこの空の下、アフリカから2013年が素晴らしい一年となりますよう心をこめて歌っていきたいと思います。」
 現地から本人がメッセージを伝えます。マイクには風の音も絶え間なく入っていて、暑さだけでなく風という点でも相当大変な状況がうかがえました。来年6月のアフリカ開発会議オフィシャルサポーターとしても活動していることも含めて、堀北さんが曲紹介。「Everything」「明日へ」と、曲名もこの時点で紹介されます。

 パフォーマンスはあまりの映像の美しさに、思わず合成かと疑ってしまうレベルですが、間違いなく現地での生での歌唱です。40℃をゆうに超える気温にマイクが音を拾うほど強い風。衣装を見るだけでも、現地の風の強さが十二分に伝わります。そんな中で、日本最高峰レベルの歌声を存分に聴かせてくれました。「Everything」も素晴らしかったですが、やはり圧巻だったのは「明日へ」。東日本大震災復興応援のメッセージが込められた前向きな歌詞もさることながら、歌唱がもうとんでもないレベルでした。最後のロングトーンは実に20秒間に及びます。世界中に届けと言わんばかりのステージは、まさにこのことを指していると思いました。
 歌終わりに”HAPPY NEW YEAR”と書いた幕を持って、子どもたちが喜ぶ演出もあり。彼女にもそうですが現地の音声・カメラなどのスタッフにも盛大な拍手を送りたいです。特にこの環境で音声を保つのは相当な難作業だったのではないかと推測されます。(5分54秒)

 

(ウラトーク)
 AKB48の3人はここで退席、入れ替わりで登場したのは藤あや子坂本冬美TOKIO山口達也城島茂。山口さんはステージ終了時にウラトークでやりあった場面、「衣装パクられましたよ~」「ずっと去年から対決してるんですよ」と話してます。
 風景の美しさに一同感動。「歌ってて砂が口に入らないのかな」とテリーさんが心配しています。現地の時間は午後4時、気温は45~50℃くらいと小松アナが情報を入れます。同時に現地の裏方の凄さに触れます。冬美さんは足跡がないことに注目してました。「この景色に歌が負けてって凄いですね」と話す藤さん。「下に何かひいているのかな」と、テリーさんはMISIAさんの下に敷いてある物に注目。沈み込まないような配慮ではないかと話していました。
 冬美さんはここで「歌詞間違っちゃったんですよ」と告白。2番を間違えて歌ってすぐ気づいたものの、戻らなかったのでそのまま歌ったと話しています。
 カラオケでは、冬美さんと藤さんはザ・ピーナッツとこまどり姉妹、山口さんは80年代の曲、そして城島さんは自分が歌わないからTOKIOの新曲を歌って長瀬さんの気持ちになるのだそうです。

 

(解説)
・近年はテレビで歌う機会も増えたMISIAさんですが、テレビでの初パフォーマンスはこの時でした。アフリカへの教育支援活動を開始したのは2008年からで、その年にNHKBSハイビジョンでドキュメント番組『MISIA Live for AFRICA~アフリカのためにできること~』も放送されています。

・ナミビアはもちろんのこと、アフリカ大陸からの生中継ステージは紅白歌合戦史上初めてかつ唯一です。南半球は過去ブラジルから2回、南極の昭和基地からも1回中継がありました。

・「Everything」は2000年にリリースされた自身最大のヒット曲。松嶋菜々子が主演した月9ドラマ『やまとなでしこ』の主題歌、最終回の視聴率が30%を超える大ヒット作でした。

・「明日へ」は2011年のアルバム『SOUL QUEST』に収録されている楽曲で、東日本大震災復興応援メッセージソングとして作られました。両曲とも作曲は松本俊明。「果てなく続くストーリー」「忘れない日々」などの他にもJUJU「この夜を止めてよ」、高見のっぽ「グラスホッパー物語」、稲垣潤一「メリークリスマスが言えない」など平成期を代表するヒット作曲家です。

矢沢永吉スペシャルステージ(3年ぶり2回目/第60回/1975/63)
~デビュー40周年 63歳迫力のロックンロール~
「IT’S UP TO YOU」(2012/馬渕太成/矢沢永吉/初)

 NHKホールからは3年ぶりとなる永ちゃんのスペシャルステージ。映像での紹介があった後、嵐の紹介も短めですぐにパフォーマンス開始。今回は「IT’S UP TO YOU」一曲のみでしたが、その代わりにフルコーラス。ステージはやはり圧巻の一言ですね。選ばれし者が演奏するバンド&コーラスも素晴らしく、何より永ちゃんが放つオーラの量が半端ありません。声質・歌の合間に挟み込まれる声・ジャケットを脱ぐ姿・マイクスタンドの使い方・手足の動き。もはや完全にアートの領域です。生ける伝説とはまさにこの人を指しています。パフォーマンス後に求められたメッセージも「ありがとうございました!」シンプルかつ明快。(3分54秒)

 

(ウラトーク)
 一同皆「凄い!」の連発で大興奮。城島さんでさえもウチの母親より上という年齢。TOKIOのメンバーでは松岡さんが特にこのステージを楽しみにしていたそう。そして最後は「YAZAWAの凄いところは、紅白に出ることだよ」と話すテリーさんでした。

 

(解説)
・この年の矢沢永吉はデビュー40周年。9月1日に日産スタジアムでワンマンライブ開催がありました。「IT’S UP TO YOU!」は8月に発売されたアルバム『Last Song』の1曲目に収録された楽曲です。

・元々シングルよりアルバム及びライブを重視するスタイルで、1997年までは23年連続でオリジナルアルバムが発表されていました。この後2019年の『いつか、その日が来る日まで…』まで7年空きましたが、これは矢沢さんにとって史上最長のブランクになります。そのアルバムは70歳にしてオリコン週間1位、歴代最年長記録を樹立します。

・ライブアーティストとしての活動は現在も継続中で、今年も10月から全国ツアー開催が予定されています。スケジュール通りにいけばこのツアーで日本武道館単独公演146回目を迎えるそうです。現在2位の松田聖子で114回らしいので、まさに他を寄せつけない圧倒的な数字になっています。

EXILE(6年連続8回目/第54回/2001/27~43)
「Rising Sun」(2011/ATSUSHI/Didrik Thott/Sebastian Thott/Johan Becker/Sharon Vaughn/2年連続2回目)
~復興支援ソング 日本に元気を!~

 14人のメンバーが歌い踊るステージ。紅白歌合戦では2年連続、他の年末番組でもこの曲ばかり歌っています。ですがイントロのHIRO社長が高く掲げる人差し指をアップするするカメラワーク、バックの星空の映像や夜明けをイメージした照明、ATSUSHIやTAKAHIROの歌唱と表情を見ると、やはり他とは違う紅白歌合戦のステージの特別さを感じさせる部分もおおいにありました。
 後半以降はさらにバックダンサーが加わります。EXILE TRIBEのグループメンバーに、E-girlsの面々もいました。衣装の内側から夜明けをイメージしたマークの布を広げます。前回よりも確実に進化したステージを見せてくれました。なお楽曲の構成や演奏時間は前回と全く同様です。(3分28秒)

 

(ウラトーク)
 城島さんと同い年のHIRO社長、よくあんなに踊れるなぁと感心してます。その彼は天童さんの応援で息があがっていたと自ら話していました。藤さんはライブに行くほどEXILE大好きで、彼女はTAKAHIROの祖母に毎年自分のカレンダーを差し上げてるらしいです。全体的にカッコよさに惚れ惚れしている雰囲気の放送席でした。

 

(解説)
・EXILEはこの年元旦にアルバム『EXILE JAPAN/Solo』発売、さらに「ALL NIGHT LONG」「BOW & ARROWS」と2枚のシングル発表もありました。シングルも十分ヒットしているので本来ならそのどちらかが選曲される所ですが、東日本大震災復興支援目的ということもあってこの年も、紅白に限らず各音楽番組は基本「Rising Sun」のパフォーマンスでした。

・HIRO社長はこの年9月に上戸彩と結婚、大きな話題になりました。EXILEのパフォーマーとしては翌年をもって引退、これに関してもまた大々的に取り上げられる形になります。

三代目J Soul Brothersを筆頭に、2010年代のLDHは新しいユニットがどんどん作られます。E-girlsが前年12月デビューで2012年は「Follow Me」がヒットし始めた頃、GENERATIONSのデビューはこの年の11月でした。EXILE TRIBEの名称が使用されるようになったのが2011年、その単位で初のツアーが行われたのが2012年4月~7月、シングル「24karats TRIBE OF GOLD」の発売日は2012年9月5日でした。

YUKI(初出場/第63回/2002/40/北海道出身)
「プリズム」(2002/YUKI/Andy Sturmer/初)
~ソロデビュー10周年 みんなの幸せを祈って~

 「以前JUDY AND MARYというバンドをやってたんですけれども、バンドが解散してソロになってからすぐに書いた曲です。その時にあらためてメンバーへの感謝の気持ちがあふれてきたのを詩にしたくて、それと同時に一人で自分らしく歌っていくんだという決意を込めた思い入れのある曲です」。歌前にYUKIさんが、今回歌う楽曲についてのコメントを残します。
 ステージはピアノのみの演奏で、歌を前面に引き出した編曲になっています。バックの映像には満天の星空が散りばめられます。客席も白く光るペンライトを全員が掲げています。”本当にそう思ったんだ”というセリフが入るラストサビ以降は、メロディーもその場限りという具合の自由演技。そこにはありったけの感情が込められています。
 ラストは星の形をした金色の紙吹雪、その一枚がちょうど頭の真上に降ってきて乗せてまま歌う状況になっています。それは起こそうとしても起こせない、偶然を超えた美しい奇跡でした。(3分21秒)

 

(ウラトーク)
 藤さんはフリフリの衣装好きで、YUKIさんの衣装を見て着てみたいと話します。舞台裏の藤さんのスウェット姿を見ることが出来て、TOKIOのメンバーは得した気分になるそう。
 YUKIさんと三宅宏実選手とのエピソードはここで小松アナが紹介。トレーニングの間にずっと聴いていたと話してます。ステージを見て、「声って最高の楽器ですね~」とあらためて語る城島さん。

 

(解説)
JUDY AND MARYとしては第47回(1996年)と第49回(1998年)に出演、したがってYUKI個人の紅白出場は14年ぶり3回目となります。この時点でソロは25枚のシングル、6枚のオリジナルアルバムリリースがありました。

・「プリズム」は2002年3月に発売された、デビュー2枚目のシングル。この年の『BEAT OF TEN』ツアーセトリではアンコールのラストで歌われていました。それまでのツアーでも選曲される機会が多い曲ですが、とは言え当時でもやや意外な選曲という印象はありました。

・彼女の大ファンとして知られる重要挙げの三宅宏実選手は、この年ロンドン五輪48kg級で銀メダル。五輪初の父娘メダル獲得になりました。紅白はその後第66回(2015年)のゲスト審査員として出演します。

福山雅治(4年連続5回目/第44回/1990/43/長崎県出身)
「Beautiful Life」(2012/福山雅治/福山雅治/初)

 今回もパシフィコ横浜からの中継ですが、パフォーマンス前に市川猿之助市川中車が襲名披露と曲紹介の口上を行います。紅白で歌舞伎の口上が登場するのは13年前、亡くなった先代の勘三郎が白組司会を務めた第50回(1999年)以来。中央ステージから両側に伸びた花道の先にある小さいスペースで、それぞれ行っているようです。
 口上に登場した福山さんは、なんとギターで『龍馬伝』テーマの生演奏を披露します。更になぜだか分かりませんが、猿之助さんと中車さんが宙吊りになって舞を披露したり白い紙テープを投げたりするパフォーマンス。何もここまでしなくてもと思ったのは私だけでしょうか。その後はタイトル通り、美しい星空をモチーフとした照明のもと「Beautiful Life」を色気たっぷりの声で歌います。ステージそのものも良かったのですが、今回はその前がすご過ぎて本題が霞んでしまった、という印象も若干ありました。(5分00秒)

 

(ウラトーク)
 ゲスト4人はここで退席。
 テリーさんが福山さんの歌詞を絶賛します。負の面があるからこそ書ける、など色々と適当に分析しています。ただ宙吊りパフォーマンスが始まるとさすがに歌舞伎の話題に移ります。若い人が見に行ってほしいという話の中で、小松アナは2日に仕事で新しい歌舞伎座にいくと話していました。なおテリーさんの年始は案外暇らしいなので、箱根駅伝の後に見ますと話していました。
 一通り話が落ち着くと、再びテリーさんの福山雅治論。演出家から見てももはや「演出家のいらない人」ということで、最大限の賛辞を送ってます。

 

(解説)
・市川猿之助はこの年4代目襲名、それに伴い先代の猿之助は2代目猿翁を襲名しました。2人は親子ではなく叔父と甥の関係にあたります。4代目の前名は2代目の市川亀治郎、2007年の大河ドラマ『風林火山』の武田信玄役が話題になりました。

・9代目を襲名した市川中車はあくまで歌舞伎界で使う形で、その後も俳優活動は香川照之として続行します。福山さんの応援で紅白に出演するのは2年ぶり。翌年はTBS系ドラマ『半沢直樹』の大和田常務役が当たり役になります。

・宙吊り演出は過去小林幸子美川憲一、第56回(2005年)にも司会のみのもんたが挑戦していますが、ライブ会場での披露・およびゲストの披露はこの時が初めてです。

・大河ドラマのテーマソングが紅白で生演奏されるのは第55回(2004年)の「新選組!」以来6年ぶりでした。特にインストは史上初となります。

・この年の福山さんは「生きてる生きてく」「Beautiful life/GAME」の2枚のシングルをリリース。「Beautiful life」はP&Gマックスファクター『SK-II』のCMソングでした。

プリンセス・プリンセス(初出場/第63回/2002/45~48)
「Diamonds」(1989/中山加奈子/奥居 香/初)
~平均年齢47歳・今夜が本当のラストステージ!~

 初出場になりますがおそらくこれが唯一の紅白出場になるということで、相当張り切った衣装です。タイトル通りダイヤモンドをモチーフにしていて、特に岸谷さんのスカートがその形になっているのはちょっと笑ってしまいました。若い時と対比した上で「日常のありふれた小さなこと、それが本当のダイヤモンドになったんじゃないのかな」と、歌前にボーカル・岸谷香がコメントします。
 歌前に5人が向かい合って高め合うシーンもカメラに映ります。曲が大ヒットした当時はスケジュールの都合で辞退していて、まさに23年越しの紅白のステージ。イントロ・間奏・サビの繰り返し・ラストのコーラスに至るまで完全フルコーラス。演奏中に紅組・白組両サイドにも出場歌手が登場します。2番サビ前のカメラワークが微妙でしたが(私なら岸谷さんが歌詞通り飛び上がるシーンで他の紅組歌手を映さないので)…。笑顔が溢れる爽やかな5人の表情が印象的でした。本当に出場してくれてありがとう、そして再結成してくれてありがとうという言葉を心から贈りたいです。(4分56秒)

 

(ウラトーク)
 それぞれのメンバーの家庭の母親が集まったということで、「(子どもがこのステージを見たら)誇らしげだと思いますよ」など色々しみじみと語りながら楽しんでいました。音楽ひとつであの時の感覚にすぐ戻れるのが不思議な感覚、というのが本人から聞いた小松アナのコメントです。

 

(解説)
・東日本大震災をきっかけにこの年限定で再集結、全国を回る夏フェスとツアーが開催されました。私も福岡のHIGHER GROUNDとサマソニ大阪で彼女たちのステージを当時生で見て、大感激した記憶があります。

・「Diamond」は1989年を代表する大ヒット曲ですが、当時スケジュールの都合のため紅白出場はありませんでした。逆に言うと、当時のJ-POP界は紅白でスケジュールを空けるほどの価値がなかったとも言えます。実際1980年代後半~1990年代前半にかけて、大ヒットして紅白に出場していないアーティストはものすごく多いです。

・その後2016年3月11日~13日にもう1度だけ集まって、仙台PITのこけら落とし公演が開催されます。ただこれは当時あくまでも再々結成ではなく再結成の締めくくりという位置づけで、以降のパフォーマンスは実現していません。

・過去曲は既にストリーミング解禁、今年はYoutubeチャンネルでMVもフルで公開開始されています。「Diamonds」以外にも後世に受け継がれる名曲は多数、本来ならおそらく5, 6回は紅白に出ていたのだろうと推測できます。