紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(平成の再結成組編)

 紅白バンド史は1990年代後半に差し掛かりますが、この辺りになると再結成組の初出場も増えてきます。これからいよいよ平成編も本番といきたいところですが、今回はその前に再結成組について取り上げていきます。

RATS & STAR

第47回(1996年)「夢で逢えたら」

作詞・作曲:大瀧詠一
前歌手:吉 幾三、DREAMS COME TRUE
後歌手:森高千里、郷ひろみ
曲紹介:古舘伊知郎(白組司会)

 シャネルズ→RATS & STARで1980年代前半は「ランナウェイ」「街角トワイライト」「ハリケーン」「め組のひと」と大ヒット連発でしたが、当時の紅白歌合戦には出場歌手の候補にさえも挙げられませんでした。おそらくデビュー直後の不祥事が影響していたものと思われますが、この辺りはリアルタイムでないので分からない面もあります。ねずみ年の1996年に11年ぶりの再集結、「夢で逢えたら」のロングセラーで待望の紅白歌合戦初出場となりました。

古舘「さあ。ここが映し出される直前に、この5人が意思を確かめ合うようにガッチリと握手を交わしましたけども。さあ、お馴染み。この日本のリヴァプール・京浜工業地帯が産んだビッグスター・RATS & STAR 11年ぶりの復活ということなんですけども。これは我々の世代としては特に堪らない物ありますが、リーダーとしてはいま気分どうですか?」
鈴木「そうですねあの、久々に集まった年に、このステージに立ててとても光栄に思ってます」
古舘「いやーだって、例えば田代さんね。車の中で昔ラッツの曲を聴いてたカップルがいま子どもがいて一緒に見てたり、また別れちゃったカップルが別々に見てたりとか、色んなことがあるでしょうからねぇ」
田代「(喋ろうとしたらマイクではなくコケシで)あーいやいや」桑野「おーい、これコケシだし!」田代「すいませんでした」
古舘「それが狙いとは思わなかったですすいません。もうちょっと早く気づくべきでした」田代「すいません。えぇ申し訳ございません」
古舘「それじゃひとつ。コケシ私が持っときましょうか、大丈夫ですか?」
田代「すみません。あの、オンエアの時カットしといてください」
古舘「わかりました。生放送ですすみません、はい。」桑野「生だし!」

古舘「あの…皆さん。歌っていうのは思い出のしおりという所があると思いますよね。まあ本当にラッツによりまして11年ぶりに思い出のページをめくってみて頂きたいと思います。「夢で逢えたら」、どうぞ」

 田代まさし桑野信義は当時多数のバラエティ番組に出演するタレントとして活躍、特に田代さんは毎回毎回何かしらの小ネタを仕込んでいました。紅白でもしっかりこういったお約束を披露、テンポの良さもあって会場の笑いは十分に取れていました。

 メンバーは4人のボーカル&コーラスが例の黒塗りメイク、トランペット演奏がないので桑野さんもメイク無しですがコーラスを担当。バンド演奏もギター・出雲亮一とドラムス・新保清孝は正式メンバーなので他の5人同様白の正装姿、他のサポートは黒い衣装で明確に区別しています。

 「あれからそう、君に逢えるまで、ずっと伝えておきたいことがあったんだ…そう、あの紅白に出場すること。デビュー16年、紅白初出場RATS & STARです。この曲を、ラッツのファンの方たちと、大瀧さんに捧げます」田代さんのセリフが、紅白用にアレンジされています。そこから転調としてラストのサビ、見事なコーラスワークで聴かせる最高のステージでした。

 ステージ以外の出演も多いですが、全員揃うオープニングとエンディング以外は田代さんと桑野さんの出演がやはり中心です。藤子・F・不二雄先生の追悼コーナーでは桑野さんがジャイアンの格好で登場、本物のキャラクターにツッコミを入れられて「39歳のヒゲ生やした小学生なんかいねぇよな」と自白する場面がありました。また『恋のマカレナ』ダンスにも参加しています。田代さんはこの年大ヒットした映画『Shall we ダンス?』をテーマにしたショーに出演、長山洋子とペアになって踊る場面が用意されています。なお4人の顔のメイクは、本番3時間45分の間全く落とさずそのままでした。

 鈴木さんは既に第42回(1991年)・第43回(1992年)にソロで出演していましたが、歌唱曲こそ違うものの第71回(2020年)以降もヒット歌手の一員として復帰しています。第71回の歌唱曲は「夢で逢えたら」、24年ぶりにあらためて歌われる形になりました(本編レビュー)。また第72回はついにオリジナルの「め組のひと」「ランナウェイ」が紅白で初歌唱、桑野さんや佐藤善雄とも共演で可能な限り再結成に近い形のステージが実現しています(本編レビュー)。

Sans Filtre

第50回(1999年)「Yei Yei」

作詞・作曲:Sans Filtre
前歌手:SMAP、安室奈美恵
後歌手:globe、(ショーコーナー)、八代亜紀
曲紹介:中村勘九郎(白組司会)

 Sans Filtreは1999年に結成されたバンドですが、メンバーはザ・スパイダースの堺正章井上堯之ムッシュかまやつの3名。したがって限りなく再結成に近いと考えて良いと思います。もっとも出場が発表された時点でオリジナル曲は1曲も無し、「Yei Yei」は実質紅白歌合戦のために作られた楽曲でした。ザ・スパイダースはGS長髪禁止令の煽りを受けて現役時代は紅白に出られず、堺さんはソロ歌手で6回・司会で3回出場経験あり、井上さんは沢田研二のバックバンドで複数回出演、かまやつさんは意外にも完全に初の紅白でした。元々仲間内で作られたバンドなのでおそらく紅白出場など想定外、そのため井上順や大野克夫に田邊昭知といったメンバーは不参加です(さすがに芸能事務所を仕切る側の田邊さん参加は難しいでしょうか)。

 3人(というか堺さん)の軽妙なやり取りは、ステージに立つ前のトークでおおいに発揮されました。

勘九郎「いやー、堺さん井上さんかまやつさん。こんな所でこうやってお目にかかるのは不思議ですけども。3人、あのー…ソン・フィルトルって言うんでしょ?どういう意味なんです?」
堺「えっ、どういう意味って、かまやつさん?」
かまやつ「フランス語で両切りタバコっていう…」
堺「そうなんですよ。だから名前が難しいんで憶えられない。わたしメンバーの顔も名前も…。お名前なんておっしゃいましたっけ?」
井上「何を言ってるの。仲間の名前…」
勘九郎「(大笑いしながら)じゃあご準備願います」
堺「かまやつさん歌詞も憶えてませんから」

勘九郎「それでは歌って頂きます。あの懐かしいスパイダースのメロディーも登場してきます。Sans Filtreの皆さんで、「Yei Yei」」。

 井上さんにかまやつさんという超一流のギタリストなので、当然アテブリではなく生演奏です。2人はコーラスの他にギター演奏も担当、ドラム・ベース・キーボードにもう1人のリズムギターはサポートメンバーも入りました。楽曲は確かに「バン・バン・バン」やら「フリフリ」やら「ノー・ノー・ボーイ」やらを織り交ぜた内容の歌詞ですが、それならば素直に昔の曲を歌ってもらった方がいいという意見もありそうでやや難しいところです。

 間奏では3人が前に出てステップを踏む踊りを披露します。井上さんのギターソロに入ると堺さん・かまやつさんはさらに両腕を開閉させる動きも追加しますが、53歳(堺さん)・60歳(かまやつさん)の年齢を考えるとかなりの運動量です。特にボーカルを担当する堺さんは歌パートに戻るとかなり息があがり気味で、伸ばしても良さそうな最後の”Mind”の歌詞は限界と言わんばかりにすぐ締めるオチがつきました。

 堺さんは当時大晦日で放送された日本レコード大賞の司会を担当、そのためNHKホール合流は21時半以降です。井上さんとかまやつさんは前半から出演、かまやつさんは山川豊「アメリカ橋」のギター演奏にも参加しています。堺さんは歌唱後、歴史司会経験者の一員として登場する場面もありました。エンディングは後ろの方ですが3人とも参加、この年限りのカウントダウンイベントまで一応残っています。

かぐや姫

第50回(1999年)「神田川」

作詞:喜多條忠 作曲:南こうせつ
前歌手:globe、(ショーコーナー)、八代亜紀
後歌手:長山洋子、細川たかし
曲紹介:中村勘九郎(白組司会)

 この年8月にこうせつさんのソロコンサートで再結成、第43回(1992年)以降ソロで5回出場していることもあって紅白歌合戦も期待されましたが、結果その通りの形になりました。「神田川」自体は第43回で既に歌唱済みですが、グループとなるとまた大きく違います。1973年にヒットしましたが、既にガロの項で書いた通り歌詞のクレパスで揉めて出場辞退となった経緯がありました。彼らも喋りに定評があるグループなので、ステージ前にしっかりトークが用意されます。

勘九郎「21年ぶりに復活なさったかぐや姫の皆さんです。どうぞ、あのメンバーの紹介を…」
こうせつ「ご紹介いたしましょう。私の隣がベース、当時は広報委員をやっておりました山田パンダさんでございます」パンダ「よろしくお願いします」
こうせつ「それからその隣がギター・ボーカルで、当時はかぐや姫の風紀委員をやっておりました、伊勢正三さんでございます」伊勢「どうも」
パンダ「そして我がかぐや姫の宴会部長南こうせつです!よろしくお願いします」こうせつ「行ってきます。行きましょう」

勘九郎「いやー僕はあのー、うちあのー、神田川の上に住んでおりまして、下にお風呂屋さんもございまして入りに行ったりしてました。昭和48年はわたくし18歳、本当に若かったんです。いまこの歌を聴くと胸が本当にその当時のことを思い出してジーンとします。いま聴いてらっしゃる方でジーンとなさってる方がいらっしゃるかと思います。白組が贈る最大のプレゼント、かぐや姫の皆さんで「神田川」、お聴きください」

 真ん中のこうせつさんがメインボーカル&ギター、画面左側の伊勢さんもギター、右側のパンダさんはコントラバスを演奏します。サポートはキーボード・ヴァイオリン・マンドリンの3名、マンドリンはこの時期さだまさしのステージでよく出演していた石川鷹彦です。

 第43回でもヴァイオリンの参加はありましたが、かぐや姫本体のステージになると音の厚さがやはり違います。2番では伊勢さんやパンダさんがソロパートを歌うサービスもありました。曲紹介にある”歌のプレゼント”という言葉はまさしくその通りで、特に当時青春時代を過ごした40代~(2022年現在だと70歳前後でしょうか)くらいには非常に心に響くステージだったのではないかと思います。リアルタイムを知らない当時の自分でも「神田川」は名曲としてインプットされていたので、非常に印象に残る内容でした。

 ステージ以外でもこの年は3人揃って出演、Something ELseの応援や全員合唱などで顔を見せています。エンディングやカウントダウンイベントにも参加しました。

アリス

第51回(2000年)「アリス・ミレニアム・スペシャル」

歌唱曲1:「冬の稲妻」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
歌唱曲2:「ジョニーの子守唄」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
歌唱曲3:「チャンピオン」(作詞・作曲:谷村新司)
前歌手:前川 清、ピンク・レディー
後歌手:川中美幸、森 進一
曲紹介:和泉元彌(白組司会)

 1970年代後半多くのヒット曲を残したアリスも、ライブ中心の活動ということもあって現役時代の紅白歌合戦は辞退を続けていました。1981年に解散後この年2度目の再結成、翌年から全国ツアーが開催されますが、紅白出場はその前哨戦的な意味合いもありました。既に谷村新司が第38回(1987年)、堀内孝雄が第39回(1988年)からそれぞれソロで連続出場。再結成となると、紅白歌合戦も出場になるのは自然の流れでした。

「来年1月には思い出の街・神戸でもコンサートを開かれるそうです。そのステージに先駆けて、今夜はこの紅白の舞台で歌って頂けます。平均年齢51.3歳のダンディズムは、わたくし26歳の若者にとっても見習いたいところです。それでは歌って頂きましょう。「アリス・ミレニアム・スペシャル」!」

 矢沢さんのドラム演奏からステージが始まります。「冬の稲妻」「ジョニーの子守唄」は紅白初歌唱、「チャンピオン」は一昨年に谷村さんがソロで歌っていますがアリスとしてはもちろん初。谷村さん・堀内さんともにギターを弾きながら歌い、谷村さんはアリスの「A」が描かれた帽子を着用しています。サポートはギター・ベース・キーボードの3名、もちろん生演奏です。3曲で合計6分近いステージ、非常に贅沢な内容を満喫できる時間になりました。なおいずれ谷村さん、堀内さんそれぞれソロ記事として書く予定もあるので、応援での出演シーン記述は割愛します。

第56回(2005年)「アリス プレミアム 2005」

歌唱曲1:「狂った果実」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
歌唱曲2:「遠くで汽笛を聞きながら」(作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄)
前歌手:森 進一、AI
後歌手:夏川りみ、Def Tech
曲紹介:みのもんた(総合司会)、山根基世(総合司会)

 曲紹介は団塊世代の青春と中国での活動をピックアップ。1981年に開催された天安門広場・北京工人体育館のライブ映像も同時に流れました。

 「狂った果実」は1980年、当時の東芝EMIからポリスターにレーベル移籍してからのヒット曲です。そのため後年のベストアルバムに収録される機会もやや少ないので、意外かつ嬉しい選曲でした。「遠くで汽笛を聞きながら」は第47回で堀内さんが歌っていますが、こちらもアリスとしては初歌唱になります。構成は「狂った果実」1コーラスで「遠くで汽笛を聞きながら」3コーラス、メドレーと言うよりは「遠くで汽笛を聞きながら~プレミアムバージョン~」というタイトルの方が相応しい内容だったかもしれません。

 衣装は谷村さんが黒い帽子着用、堀内さんはソロでまず見せることのないカジュアルな服装でした。サポートメンバーは5年前と同じ構成ですが、暗転状態だった当時と比べると顔がはっきり映るようになっています。「遠くで汽笛を聞きながら」は間違いなく日本を代表する名曲ですが、構成を考えると第51回の方が良いステージだったかもしれません。

第60回(2009年)「チャンピオン」

作詞・作曲:谷村新司
前歌手:五木ひろし、(企画ステージ)、木村カエラ
後歌手:中島美嘉、ゆず
曲紹介:阿部 渉(総合司会)、嵐

 この年初出場を果たしたのメンバーに、「絆」をテーマにしたメッセージを話してもらいます。本編レビューで既に記載済みですが、メッセージは当時飛ばしたので今回あらためて掲載します。

櫻井 翔「何かをしようと思った時そしてし続ける時、同じ思いを持つ仲間は何よりも大切なのではないでしょうか。アリスの皆さんを見ていると、そう思います」
相葉雅紀「嵐を結成した時は、慣れないことばかりで戸惑うばかりでした。そんな中いつも一緒にいたのは、この5人でした」
大野 智「この先どうしていくべきか、話し合った時期もありました。でも次第に気持ちが一つになり、状況が変わり始めました」
松本 潤「一人ひとりの仕事をしていても、帰る場所はやっぱりこの5人の所だと思います。10年経った今、それぞれが無くてはならない大切な存在です」
二宮和也「そして、僕らの絆は5人だけではなく、応援してくれる人たちとも繋がってます。30年経っても40年経っても、アリスさんたちのような深い絆で繋がり続けていきたいと思っております」

阿部 渉「ありがとうございました!時が経っても揺るがない3人の絆。メンバー全員が還暦になった今年、アリスは活動を再開しました。アラ還世代の皆さん、お聴きいただきましょう!曲は「チャンピオン」!」

チンペイ「さあみんな、一回立ち上がろうか!そのまんま、手拍子いくよー!そう、もっと!」

 この年は「チャンピオン」1曲、谷村さんが促す形でスタンディングのコンサートになりました(着席したままの方も結構いらっしゃいましたが)。既に谷村さん・堀内さんともに連続出場ではなく、谷村さんは完全に白髪姿となっていましたが、現役ミュージシャンとしてのカッコ良さは間違いなく健在でした。ソロ歌手時代は余興の出演も多かった2人ですが、さすがにこの頃になるとそういった物は少なくなり、オープニングエンディングと後半最初の全員合唱くらいの出演に留まっています。

プリンセス・プリンセス

第63回(2012年)「Diamonds」

作詞:中山美奈子 作曲:奥居 香
前歌手:YUKI、福山雅治
後歌手:石川さゆり、北島三郎
曲紹介:堀北真希(紅組司会)、嵐(白組司会)

 東日本大震災の復興を目的にこの年限りで再結成、夏フェス出演と全国ツアー開催もありましたが、紅白歌合戦の出場も引き受ける形になりました。その後も演奏は2016年3月のツアーがあるのみで、テレビ出演は現在でもこれが最後になっています。奥居さんは結婚して岸谷と苗字を変えていますが、曲に込められた想いの変化について以下のように語っています。

「昔、現役時代にずっと歌っていた頃は、分かりやすく目に見える大きな幸せがダイアモンドだなって思ってましたけど、16年間それぞれ日常生活を送ってく中で、日常…ちょっとしたありふれたなんか小さなこと、それが本当のダイヤモンドなんじゃないかなって、今回の再結成で歌ってて思いました」

 曲紹介は以下の通りです。もうこの頃になると、司会者は紅組も白組もあまり区別はつけられていません。

二宮「復興支援を目的に16年ぶりに再結成した5人のメンバー、いま声を揃えておっしゃいます。「やってよかった」」
堀北「さあ、それでは、プリンセス・プリンセスとしてこれが本当に最後のステージです。「Diamonds」!」

 ステージは本編レビューで書いた通りです。正直当時は再結成でも出場してくれるとは思っていなかったので、それだけで嬉しい気持ちの方が強かったです。今もこれは変わりありませんが、実は生演奏じゃなかったりスイッチングのミス(ジャンプする所で別の歌手を映すのは失敗だと思ってます)があったりで完璧な内容でなかったのは惜しいところでした。とは言え楽曲はカット無しのフルコーラス、素晴らしいステージであったことは間違いありません。

 歌手総出の演出が無い年だったので、オープニングとエンディング以外は出番がありません。オープニングは黒いカジュアルな衣装での登場でした。エンディングは結果発表前に時間が余り、総合司会の有働アナから岸谷さんに突然コメントを求められてビックリする場面があります(こちらも一応記載済)。

レベッカ

第66回(2015年)「フレンズ」

作詞:NOKKO 作曲:土橋安騎夫
前歌手:MISIA、美輪明宏
後歌手:今井美樹、SMAP
曲紹介:綾瀬はるか(紅組司会)、井ノ原快彦(白組司会)

「これまで長い長い間、たくさんの方に応援して頂いてやって参りましたので、今年再結成して、そのお礼が届けられてることをとても嬉しいと思っているのと、あと会場に来れなかった皆さんがたくさんいらっしゃったので、この場をお借りして歌を届けられたらいいなと思っております。本当にありがとうございます」

 メンバーを代表して、ボーカル・NOKKOが今の心境を話します。「フレンズ」は1999年に一度リメイク、その時に一応の再結成もありましたが、この年の再結成は25年ぶりにコンサートも開催する本格的な活動でした(1995年に2日間限定のライブはあり)。「人魚」「ライブがはねたら」「ナチュラル」などNOKKOはソロでもヒット曲やNHKタイアップ曲が1990年代にありましたが、それらを含めてもこれが初出場となります。

「今年20年の時を経てメンバーがステージに集まると、時間が経った気がしなかったとか。音楽は時を超えて、絆を呼び覚まします。4人の友情の歌です。レベッカで、「フレンズ」」。紅組司会・綾瀬はるかの曲紹介でした。ステージは本編レビューで記載した通り、当時の時代も反映した演出の生演奏です。

 3年前と違ってこの年は全員参加の演出が多かったですが、さすがに請われて出場だったであろうレベッカとなるとマストではなく。オープニングとエンディング以外は、「花は咲く」の全員合唱にNOKKOが参加したのみとなっています。

THE YELLOW MONKEY

第67回(2016年)「JAM」

作詞・作曲:吉井和哉
前歌手:X JAPAN、髙橋真梨子
後歌手:氷川きよし、宇多田ヒカル
曲紹介:相葉雅紀(白組司会)、有村架純(紅組司会)、櫻井 翔

 1990年代後半ブレイク組なのでここに書くのは少し違うかもしれませんが、一応再結成後の出場なので記すこととします。15年ぶりの再結成はドラマ主題歌の新曲「砂の塔」もヒットする現役ミュージシャンとしての形でしたが、紅白では往年の名曲「JAM」のフルコーラス歌唱でした(アウトロだけ僅かにカットあり)。本編レビューはこちらに記載済。この年の紅白歌合戦を代表する名ステージでした。

 「解散する前の、この紅白に出ることが夢の一つだったんで、今日ようやく、叶います。再集結して良かったです」と、曲前トークで吉井さんが話しています。スタンバイ後のやり取りは以下の通り。相葉さんが白組司会を務めた年ですが、この場面を支配していたのは完全に櫻井さんでした。

相葉「皆さんには名曲「JAM」を披露して頂きますが、この曲はメッセージソングなんですね」
櫻井「吉井さんにお話おうかがいしました。この曲1995年に作られてるんですけれども、当時吉井さんご自身が感じた世の中の不条理というのを、この曲にぶつけるようにして作ったということなんですね。95年というと阪神・淡路大震災、そして地下鉄サリン事件起きまして、世の中が大きな不安に包まれていた時代だったわけです。吉井さんは愛するご家族・仲間のために、未来に繋がる希望の歌を作りたいということでした。それから20年経ちまして同じように不安を抱える今だからこそ、歌だからこそ届けられる希望のメッセージがあるんじゃないかという風に思っております。皆さんのパフォーマンス、とても楽しみです」
相葉「はい、じゃあ曲紹介お願いします」
櫻井「THE YELLOW MONKEYの皆さんで、「JAM」」

 基本的にメンバーは紅白にノリノリの様子で、前半では楽屋からの中継で欅坂46のシングルをアピールしていました(本編レビューあり)。全員合唱のステージにも出演しています。一方年が明けてから幕張のCOUNTDOWN JAPAN出演もあり、そちらへの移動のためエンディングは不参加でした。

 

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