Youtubeでも3日間配信されたFUJI ROCK FESTIVAL。私もいくつかのステージを配信で見ました。様々なアーティストがそれぞれの想いを、それぞれの形で伝える姿には深く感銘を受けました。全く見ていない人は別として、生で見た人はもちろん、配信でいくつかのステージを見ただけの人でも、やって良かったと考える人が多いと思います。出演者の方々、主催者の方々その他今回のフジロックの運営に関わった人全てにまずは、「ありがとう」と「お疲れ様でした」の二言を伝える必要があります。本当にありがとうございました、そしてお疲れ様でした。

 ただこのフジロック開催をもって諸問題が解決したわけではありません。同時に、そう考えている人もほぼいないのではないかと思います。

・音楽業界・地域への補償制度は?

 政府が悪いというのは、それが全てでないにしても決して間違った意見ではありません。中止になっても十分な補償が現状で得られていないライブ業界の窮状はいかんともし難い面があります。そしてこの「政府が悪い」というのはエンタメに限ったことではありません。とは言え政府がそもそもその全てに対応できるほど万能ではないのも事実ですが…。

 補償制度そのものについては厚生労働省のホームページで詳しく明記されています。問題は実際に申請が通っているかどうか、実際に支払われているかどうか。あとは「要請」ベースで決めた中止が「補償をしない」ための抜け道になっていないかという問題もあります(中止になったフェスはそこが争点になっていることも多いですね)。

 Twitterでは補償の訴えの声が非常に大きいですが、これは当事者ではない自分から確定めいたことは言えません。リスナーの立場からすると、本来は考えなくても良いことだとまで思っています。ただ今は明らかに「本来」という状態ではなく、人によっては足を運ぶ場所さえ奪われている状況です。

 この場所を守るために、立ち上がり声を出していくことが否定される謂れは全くありません。ただ目標を見失わないことは大切です。「コロナ禍以前のライブ・フェス状況に回帰すること」も重要ですが、やはり一番大事なことは「数十年後同じようなことが起きないこと」。コロナとは全く違う、さらに強い伝染病が流行る可能性は当然あります。そのために補償されるべき所に補償されていない状況は、改善されないといけません。現状それが制度化されていないとすれば、すぐに制度化する必要があります。

 アーティストも声を挙げるべき部分でどんどん挙げて良いと思います。ただ全てのアーティストが政治的な意見を表明すべきかと言われると私はそうは思いません。新進気鋭のミュージシャンや若いアイドルがあまり知識のない中で無理して言った所で、リスクの方が大きくなるだけです。もっとも責任を持つ立場・リスクを請け負うべき立場の人は今より積極的に発言しても良いと思います。それは自らだけでなく、周囲を代表して守る立場として必要なことではないでしょうか。

 音楽業界だけではありません。地方経済もそうです。毎年恒例のロックフェスが一年で最大の行事になっている事例は多数あります。会場までのインフラ、飲食やグッズを筆頭とする出店、スポンサーなど多岐にわたります。音楽フェスは、音楽業界だけで起こっている出来事ではないのです。地元にとってそれは大きな祭りとほぼ同じ意味を持ちます。これは声を大にして、フェスに行かない人々にも理解してもらう必要があります。

・今回のフジロックの安全性

 コロナ禍の中で有観客での開催を決めたフジロックは、一つの選択肢を示した形になります。これが本当に正解だったのかどうかは、2週間後の感染状況で決まると思います。とは言えはっきり申し上げると今の状況では、どれだけ主催者側が完璧な対策を講じたとしても数人は絶対に感染する人は出てきます。その意味では中止が最善だったという意見も理解できます。そして開催するには人数を最小限にするためにどれだけ出来るかが、主催者にとって最も大きな仕事と考えても過言ではありません。

 これも実際にその場に足を運んでいないので推測でしか書けません。ただ映像を見る限り、フロントエリアは普段みたいなギュウギュウではないとしても密集はやはりしているように見えました。一方観客のマナーはパフォーマンスに関して言うと全員マスク着用で声も全くなく、その点では十分に守られていたと言えます。ただこれはあくまで、映像で確認できる範囲内でしかありません。

 とは言えフジロックは周囲に宿泊施設は極めて少なく、他のフェスと比べてもテントや自家用車で一夜を過ごす方々が多数を占めます。コロナ禍でなくても高い衛生状況を保つのが難しいイベントです。酒類持ち込み禁止と言えども、どれくらいまでがそれを遵守していたでしょうか。SNSでは違反者が早速炎上している光景も見られました。

 基本的にオーディエンスの自主性に任せるというのがフジロックの文化で、その精神・方針自体は支持できます。当然ガイドラインもしっかり作られていますが、外部から見る限りだと今回に限ってはもっと厳しく管理した方が良かったのかもしれません。ただこれも、答えは2週間待つ必要がありそうです。

・国民の分断化とこれからのSNS対策

 そもそも国会からして自民党と立憲民主党が分断しています。お互い相手の意見を全く受け入れず、ただ反対の声を挙げるだけだったり聞く耳を持たなかったりでどちらも話になりません。そんな状況では国民の分断が起こるのも当然ではないかと思います。コロナ禍でより顕在化していますが、これに関してはそれ以前から気になっていたことです。

 匿名同士でも、特に引用リツイートやリプライは人と人とのやり取りです。普通の人間ならまず最初は年齢の上下・立場に関わらず”です・ます”調で入るのが自然です。仮に見ず知らずの人から乱暴な口調で絡まれたら、少なくとも自分はその人の話など聴きたくありません。「向こうがやってるからこちらも対抗してやる」、これは全く解決手段になっていません。絶対にやってはいけないことです。

 あとはとにかく批判・否定だけを目的にした文章を書かないこと、そしてそういった人からは距離を置くこと。批判をするならせめて向こうの立場も少しは考慮する、実現可能かどうかは別としても対案もしくは希望案を出す、そういったことが必要不可欠ではないでしょうか。そして相手から否定されても腹を立てない、もしされたとしたら自分がそれをやらないように心がけることも大切です。難しいとは思います。そして自分が必ずしもそれが出来るとも断言できません。ただ頭の片隅に入れておく位のことは出来るのではないかと思います。

 

・結論

 色々考えて書いたものの、結局はMISIAさんが叫んだ「コロナのバカヤロー!!」が全てです。これが言ってしまえば全ての元凶です。感染症が流行り社会行動が制限されてしまった中で、それを終わらせるために今すべきことはなんでしょうか。あらためて全ての人々が考える必要があります。ワクチンを早期に打つこと、自身の感染対策を強化すること、頼りにできる医師のSNSを参考にすることなどなど…。その方法は人それぞれではありますが、何も考えなくても良いということだけは間違いなのだろうと感じるところです。