髙橋真梨子(29年ぶり3回目(ソロ2回目)/第25回(ソロ第35回)/1973/64)
「for you…」(1982/大津あきら/鈴木キサブロー/初)
~デビュー40周年 29年ぶり紅白ステージへ~

 29年ぶりの紅白で紅組トリですが、時間は相当押しています。やや慌ただしい進行の中での曲紹介で、そのフレーズもやや短めでした。「歌がここにある、いよいよ紅組の締めくくりです。歌手生活40周年を迎えられた高橋真梨子さん、曲は「for you…」」
 スパンコールの光の装飾と、やや短い丈のスカートが印象的な青いドレスの衣装。歌手生活40周年、年齢は紅組最多出場者の和田アキ子よりもわずかに年上。ですが歌い方やロングトーンなどは30年以上前の当時と大きく変わらず、やはりものすごいです。そして名曲であることもずっと変わりありません。
 39年前にペドロ&カプリシャスの一員だった夫のヘンリー広瀬も加わるバックバンドはもちろん生演奏。ラストの「ありがとうございました!」の挨拶、晴れやかな笑顔。やはり絶大な存在感と安心感があります。全く文句なしのステージでした。紅白歌合戦に出場してくれて、そして素晴らしいステージを披露して頂いてありがとうございましたと、こちらから感謝の意を表すべき内容です。(4分14秒)

 

(ウラトーク)
 「すごく感慨深いものがありますねぇ」と、ここで紅白を見た感想を話す壇蜜さん。髙橋さんのステージを見て、また色々としみじみ語るテリーさん。それこそ壇蜜がこうやってテレビに出ることが、「日本もそういう意味では成熟している部分があると思うよ」とも話していて、言われた壇蜜さんも同意します。色々語ったところで壇蜜さんも退席。「この場にいること本当に光栄です支えてくださった皆さまに心から感謝して締めくくりとさせて頂きます」という挨拶もまた、知的かつファンを大事にしていることが頷ける内容でした。

 

(解説)
・第35回(1984年)の「桃色吐息」以来29年ぶりの出場ですが、それ以前にペドロ&カプリシャスのボーカルとして第25回(1974年)に出場しているので、実際は3回目です。夫のヘンリー広瀬も当時バンドメンバーとしてフルート演奏を担当、その後髙橋さんのプロデュースを担当して1993年に結婚します。

・39年前に歌った曲は「ジョニィへの伝言」ですが、元々の台本にはそれを紹介するくだりがあったようです。ところが事前番組で綾瀬さんが練習した時に読んだのは「ペドロ&ガブリシャス、ジョニィへの遺言」…。(嘘みたいな話ですが、記事あり)。なお実際の放送では時間が相当押していたこともあって、カットになったようです。

・「for you…」は1982年3月にシングル発売、翌月リリースのアルバム『Dear』に収録されました。数字的にヒットはしませんでしたが、第11回東京音楽祭金賞を受賞。その後多くの歌手にカバーされるスタンダードナンバーになります。アルバムもオリコン首位を獲得したのは「桃色吐息」が収録された1984年の『Triad』が最初なので、むしろその後多く発売されたベストアルバムで知った人が多いのではないかと推測されます。

・再出場に至った背景は、やはりSONGSが大きいようです。2007年以降10回以上同番組に出演、2020年まで毎年1度は必ずゲストとして登場しています。

・29年ぶりの出場ですが、それまでの実績を買われて紅組トリに抜擢されます。復帰後すぐにトリを務めるのは第60回(2009年)のDREAMS COME TRUE以来、それ以外でも2~3年ぶり復帰でのケースは数組いますが、5年以上ブランクの空いた歌手では史上初でした。

SMAP(9年連続21回目/第42回/1991/36~41)
「Joymap!!」
 「Mistake!」(2013/いしわたり淳治/HIKARI/初)
 「Joy!!」(2013/津野米咲/津野米咲/初)
~SMAPが日本中へ届けるJOY(喜び)の渦!~
踊り:KENTO MORI & Joy!! ダンサーズ

 ここ数年白組歌手も下手側、つまり言うと紅組側からの曲紹介が完全にメインになりました。ただトリだけはまだ昔と変わらず上手側、いわゆるホントの白組側からの曲紹介になります。のメンバー5人が、白組トリのステージを盛り立てます。こちらも時間が押している関係で、タイトルを読み上げる前のやや早いタイミングでイントロが鳴り始めます。
 今回もまた階段上ステージにせり上がりで登場、まずは「Mistake!」をパフォーマンス。サビで赤い羽根が舞い上がる演出、歌唱・ダンスともにアラフォー集団になっても全く衰えを見せないどころか、むしろキレを増しているように見えます。それ故にオーラも、例年通りながらも相当凄いものがあるとあらためて感じさせます。
 そしてSMAPの2013年の代表曲とも言える「Joy!!」に移行。歌舞伎スタイルやピエロスタイル、マイケル・ジャクソンスタイルなど個性豊かな扮装で曲芸をやってるダンサーはやや前衛的な演出にも見えます。1コーラス歌った後はメンバーが、舞台中央に出場歌手をご案内。”みんなでJoy! Joy!”と歌う中居さんを合図に、ラストサビでは「JOY!!」と描かれた飛行船や「S」「M」「A」「P」と型どられた風船も登場する祝祭感溢れるフィナーレを迎えます。ゲスト審査員の岡田准一に木村さんがマイクを向ける場面もありました。大団円です。第54回以降いつの間にか紅白で何度もトリのステージを務める存在になっていますが、やはりこういう賑やかなトリがSMAPには一番合っているような気がしました。(5分6秒)

 

(ウラトーク)
 終わりに近づき、そしてサブちゃんラストステージも近づいて「いい意味でソワソワ」「近づいてきたなぁ」と橋本アナ。ステージに入ると、「SMAPも奇跡のグループだよね」「エンターテイナーなんだなぁって」「いつまでも憧れの存在でいてくれる」と話します。でもゴローちゃんの変わらない髪型は、テリーさん曰く微妙との感想。
 放送が始まる前に振付の練習があったそうですが、その曲が「Joy!!」らしいです。当日の観客だけでなく、出場者に対しても前日に練習していたみたいです。ラストサビでは「祭り気分になってきましたねぇ」「凄いなぁ」。橋本アナはホールの様子を見てかなり興奮気味。

 

(解説)
・4年連続大トリは白組最長記録ですが、この年は直後に白組のステージがあるので「大トリ」と称するには少し違うかもしれません。なおサブちゃんの「まつり」は「究極の大トリ」と当時称されていました。

・「Mistake!」「Joy!!」ともに2013年発表のシングル曲で大ヒットしました。「Mistake!」は元SUPERCARのいしわたり淳治が作詞提供、「Joy!!」はメジャーデビューして間もない頃の赤い公園・津野米咲が楽曲提供でした。赤い公園は時代を代表するガールズバンドとして大きく期待されましたが、2020年に津野さんが急逝。2021年5月を最後に解散します。

・SMAPは次の年以降必ず過去曲を混ぜるようになったので、新曲のみで固めた紅白はこれが最後です。もっとも最終的に23回出場した中で、その年発表もしくはヒットした新曲を歌った確率は100%。メドレーの選曲が多くなった故の記録でもありますが、20回以上紅白に出場した歌手では唯一の記録となっています。

北島三郎(27年連続50回目/第14回/1962/77/北海道出身)
「まつり」(1984/なかにし礼/原 譲二/4年ぶり6回目)

 ゲスト審査員の片岡愛之助にコメントを求めます。「素晴らしい歌をありがとうございました!」そして杉良太郎はこれからサブちゃんを紅白ラストステージに迎えるにあたって、「このステージに立ち合えて本当に良かったです」とひと足先に話します。
 紅組・白組関係なくみんなで盛り上げようという雰囲気が作られる中で、ラストの曲紹介を担当したのは嵐の5名。白組紅組も関係ないということで、綾瀬さんも紅組歌手を盛り上げます。
松本潤「さあ、前人未踏・50回目の紅白です。紅白を、そして日本の歌謡界を引っ張って来られた北島さん。」
相葉雅紀「これが紅白最後のステージです。会場の皆さんもテレビの前の皆さんも一緒に盛り上がりましょう。それでは北島三郎さん、よろしくお願いします!」

 「よっしゃー!」の掛け声と同時に緞帳が上がり、高さ6mのどでかい龍のセットの上で紋付袴姿で登場する北島さん。50回目にして、一番高いところからの歌唱になるでしょうか。イントロは定型からさらに前奏が追加されています。
 1番は竜の頭が自在に動きながら歌う演出で、サブちゃんの姿を追うカメラが大変そうです。もちろん下では出場歌手がノリノリ。間奏から2番の入りにかけて、龍から降りてゴンドラに乗ってステージに立ちます。このシーンはサブちゃんの年齢もあるので若干ハラハラしました。
 その後歌いながら白組歌手に握手、五木ひろしにマイクを向けます。そして紅組の方にも握手、同業の演歌歌手の大半が涙を見せています。全員集合している中で、前にいるのがあくまで演歌歌手であるというところが余計に見る方を感情移入させます。さらに白組の演歌歌手、司会の嵐のメンバーに握手。
 そして最後の歌唱。「これが日本のまつりだよ」、「まーつりだまつりだまつりだ」というコーラス、ラストは大トリらしい大オーラス。賑やかに幕を閉じたと言いたいところでしたが、やはりどうしてもしんみりしちゃう部分が大きかったです。バックも第57回(2006年)や第60回(2009年)みたいな馬鹿騒ぎというよりは、みんなでサブちゃんを見守るという雰囲気の方が大きかったような気がしました。でもやはりこれ以外の終わり方はなかったのだと思います。本当に本当に50回、今までありがとうございました!と紅白歌合戦ファンからも声を大にして伝えたいとともに、次回以降どうなるのかなという思いにもかられてしまいますね。(4分15秒)

 歌い終わって、あらためて櫻井翔がコメントを求めます。「このホールにお集まりの皆さん、そしてテレビでご覧の皆さん、ありがとうございました!そして、歌の仲間たちがこんなに熱く応援していただき、北島はこれで紅白を卒業さしてもらいます!ありがとうございました!ありがとうございました!ありがとうございました!どうも!」

 

(ウラトーク)
 サブちゃんが紅白に初出場した1963年、テリーさんはまだ中学生。緞帳が上がると、まずセットに興奮。ダンサーと一緒に踊るSMAPの気合いにも注目。1コーラス終えて、「目に焼きつけといてくださいよ」と視聴者にも訴えます。
 握手するシーンでは「演歌の人たちは情があるね」と呟き、そしてあらためてキムタクを再評価。そして最後は、「ありがとうございましたと言うけども、俺たちだよね言うのは!」。テリーさんが高校3年の修学旅行で北海道に行った時に歌ったのは「函館の女」だそうで、それだけに思い入れもかなりの物があるようです。

 

(解説)
・50回出場は史上初の記録ですが、第71回(2020年)で五木ひろしが並ぶ形になりました。トリ13回は美空ひばり五木ひろしに並ぶ歴代1位、大トリ11回は白組1位。トリ前が13回でトリ2つ前が9回、したがって50回中35回もラスト3組に入っています。

・「まつり」で大トリ5回は不滅の記録で、同じ曲の大トリは4回どころか3回歌われた例も過去に1つとしてありません。他に大トリで歌われたのは「帰ろかな」「風雪ながれ旅」「年輪」「山」、いずれも紅白で2回以上歌われる楽曲となっています。意外と「函館の女」「与作」辺りはヒット当時しか歌われず、「なみだ船」「北の漁場」は発表後約20年で1度のみ、「兄弟仁義」「橋」「夫婦一生」などヒットしたにも関わらず紅白未歌唱の曲も案外多いです。

・トリの舞台上で出演者やダンサーが踊るステージも、第44回(1993年)の「まつり」が実質的に最初でした。それ以前にも第16回(1965年)の橋幸夫「あの娘と僕」という例はありますが、今考えるとSMAPのステージがトリで成立したのも「まつり」の功績ではないか、と考えられる部分もあります。

・第57回(2006年)と第60回(2009年)の「まつり」は、踊る出場歌手が目立つケースも出てきました。特に木村拓哉はどの回でも非常に目立っていて、ある種恒例になっていた部分もあります。

・紅白歌合戦と言えば北島三郎という図式は未だに根強く、その後第69回(2018年)で特別出演。第71回(2020年)はリモートゲストとして紅白を見守る形になりました。今年で85歳という高齢になりますが、まだ新しい作品は数ヶ月に1作のペースでリリースされています。これは全く今までにないことで、晩年まで精力的な活動を見せていた田端義夫でさえも80代になってからは数年に1回ペースの新曲発売でした。

・白組歌手で一番長寿を記録しているのは青木光一の95歳で現在も更新中。他に3歳年上の菅原洋一は88歳にしてステージに立って歌い続けています。先輩の白組常連歌手はほとんどが60代~70代で亡くなりましたが、そう考えるとサブちゃんはまだまだ現役バリバリ。本当に凄いことであるとともに、一年でも長く現役の歌手活動が続くことを心から願います。

・エンディング

 最終投票。やはり誰がどう見ても白の団扇を上げる人の方が圧倒的に多め。団扇の数を数えるのは麻布大学野鳥研究部。久々の復活です。ステージ上には出場歌手だけでなくくまモンなめこふなっしーその他ゲストとして盛り上げた方々も勢揃い。そして今回はゲスト審査員のボール投票が復活、なぜかそこに大久保佳代子がアシスタントで混じっています。審査員の手の向きでどちらに入れたかは大体判別可能、例えば田中将大は迷わず紅組に入れていました。
 そして今回も最初から映像でステージをダイジェストで振り返ります。ステージだけでなくあまちゃんコーナーや楽屋ロビー中継も含まれています。「潮騒のメモリーズ」の繋ぎ方が凄いことになってました。右下のワイプももちろんあり、後列にいる出場歌手の表情や、サブちゃんが同業の演歌歌手に挨拶している様子が映っています。
 NHKオンデマンド配信のお知らせを挟んで結果発表。まず後半の視聴者審査員は235669 vs 431783で白組圧勝。天野アキちゃんが白組にボール1個入れます。客席審査員も864 vs 1836で白組優勢。
 「あれ?大久保さん?」と嵐が驚きつつ、両軍司会でボールを数えます。白のボールを投げるのはリーダー大野さん。最終的に紅組は4個、白組が9個。やはり白組の勝利でした。出来れば大野さんには全部投げて欲しかった所ですが、このシステム自体久々ということもあってその段取り自体知らなかったものと思われます。6個目のボールを律儀にカゴの中に戻していました。

 優勝旗を嵐のメンバーに渡すのは杉良太郎。杉様はサブちゃんや五木さんにも握手。紅組司会の綾瀬さんも感謝を述べます。そして「蛍の光」。いつものように指揮は平尾昌晃先生、今回は天野アキとツーショット。

 今回の「蛍の光」、気がつけば北島三郎大島優子HIROが卒業する紅白になりました。アキちゃんも一緒に蛍の光を歌唱、能年玲奈はこの紅白ずっと天野アキとしての出演でした。サブちゃんを真ん中にして手を振る司会者の面々。よく見ると綾瀬さんは「良いお年を!」とフライングして明らかに隣りを見てからタイミングを探りつつ手を振り始めます。彼女は本当に最後の最後まで、ある意味で全くブレがありませんでした。ラストの編曲は久々に第九を混ぜる形で、第64回NHK紅白歌合戦もこれにて無事終了。次回の第65回の紅白はどんな内容になるのでしょうか。

 

(ウラトーク)
 「あらためて紅白歌合戦って楽しい」「色んなジャンルの曲が一同に年末に見れるような、こんな歌番組は世界にないですよ!ずっと続けてほしいね」「みんなで楽しんでもらえると嬉しいなぁと思うね」と今回通して見てきた感想を話します。来年は「明るい年にして、皆さんに楽しいものを提供できるようにしたいね」と挨拶して、結果を聞いて「蛍の光」を歌うために舞台に向かうテリーさん。橋本アナは麻布大学野鳥研究部にも触れています。
 ラストは橋本アナが蛍の光が始まるタイミングで感謝の挨拶。都合16人もゲストとして出演していた、例年にもまして豪華な内容だったウラトークチャンネル。次回も是非継続して頂きたいと切に願います。

 

(解説)
・ボール投げで審査発表は第57回(2004年)以来7年ぶり、麻布大学野鳥研究部のカウントは第53回(2002年)以来11年ぶり。よく言われる日本野鳥の会は、実を言うと第44回(1993年)までの出演。これ以降は紅白に一切関わっていません。

・大久保さんがしれっと紛れ込んでいる場面ですが、実は紅白初の試みではありません。今より厳粛な雰囲気でボール投げが行われた第19回(1968年)に、漫才師の獅子てんや・瀬戸わんやが警備員に扮して審査結果のボールが入っている箱を持ってきたことがありました。本放送では一切紹介されていないですが、1999年刊行のムック『紅白50回』で写真とともに触れられています。

・大野さんは最後までボールを投げていませんが、11年前の紅白には出場してないので知らないのも無理はありません。それ以前は勝敗が決まってもある程度もしくは最後まで投げるか、もしくはその瞬間抱きついて喜ぶというケースが多かったです。

・前述した泉谷しげる美輪明宏はエンディング不参加。CDTVスペシャルMCを担当するEXILEは一部メンバーのみ参加でした。一方中居正広は4年ぶりのエンディング参加です。ももいろクローバーZは年齢の制限が無くなった玉井詩織有安杏果が初めての「蛍の光」でした。あまちゃんメンバーを除くゲストは概ね参加していましたが、かなり後半までウラトーク席にいた壇蜜は不参加のようでした。