第67回(2016年)NHK紅白歌合戦~まとめ~

 皆さん、今回の紅白歌合戦はいかがだったでしょうか?

 今回の紅白歌合戦は本当に色々な面で変わった内容でした。SNSで見ても賛否両論の声が非常に多かったです。
というわけで今回はまとめを作るにあたって、事前に座談会を開いて意見を聞く形にしました。座談会メンバーは紅白マニアだけでなく、個人的に繋がりのある紅白ファン以外にも参加して頂いてます。
 ですので今回のまとめは、いつも通り私が感想・講評を述べた後に(Aさん/紅白ファン/40代)みたいな形でそれぞれの意見を取り上げることにしました。イニシャルにしたのは、紅白ファン以外の参加もあることで個人情報を保護する意図もありますが、何より参加して頂いた方が多いので紹介するとそれだけで長文になるのが大きな理由です。その点ご理解をお願いします。あと本文中は全て敬称略にしていますので、そちらもご了承ください。

・司会

 有村架純の司会は第63回(2012年)の堀北真希と近いタイプと言えるでしょうか。つまり言うと”凛とした佇まい””あくまで台本通りに””かわいい”、といったところ。彼女の良さはしっかり出ていたように思います。むしろ良くも悪くも、進行や周りに引っ張られた部分が大きかったかもしれません。大変ではありましたが初司会よく頑張りました、というのが率直な感想です。今年の連続テレビ小説『ひよっこ』次第では2年連続紅組司会の可能性もおおいにあります。前回もゲスト審査員、もしかすると2010年代後半の紅白歌合戦の顔になるかもしれません。
・まさかの安定感(Aさん/紅白ファン/40代)
・1曲ごとの紹介の仕方は決して悪くなかった、2年連続でやればかなり上達するんじゃないかと(Bさん/紅白ファン/40代)
・予想以上にドシっとしていて良かった(Fさん/紅白ファン/10代)
・思いの外安定してたのが好印象(Gさん/紅白ファン/20代)

 相葉雅紀は過去5回、での経験を活かしてといったところだったと思いますが、結果的には相当重荷だったようでした。滑舌に関しては想定済みだとしても、予想以上に進行に詰まる場面が多かったという印象はどうしても否めなかったです。ただオープニングのトークや本番後のコメントなど、責任感の強さは非常に伝わりました。ひとまずはお疲れ様でした、といったところです。『グッと!スポーツ』MCという縁から次回も白組司会として起用されるのか、あるいは嵐の他のメンバーから起用になるのかそれとも全く別方向からの起用になるのか。これに関しては全く断言できないですが、世の中何が起こるか分からないという点で考えると5年間のメンバーで回すという発想は少し危険だと思います。10年前は3年共通のテーマでうまくいきましたが、それは中居正広の存在がものすごく大きかったことを留意すべき部分ではないかと…。
・あまりにも噛みすぎ、「変な間」が妙に多かった印象、中居君が有能すぎてそれを引き継がされてる嵐が気の毒(Cさん/一般/40代)
・司会の先輩なので、フォローしなきゃって気負いすぎた感も(Aさん/紅白ファン/40代)
・結構バタバタしていた印象。下手に中居くんを引き合いに出された相葉くんのプレッシャーも察しますね…(Fさん/紅白ファン/10代)
・一杯一杯感が強かったですが、あんなに企画詰め込んだら回すの大変すぎるよな…っていう感じ。曲コメントの登場時だけでマツジュンか櫻井翔司会で良かったんじゃね?とも…(笑)(Iさん/一般/20代)
・台本にないようなアドリブ的なことも相葉くんに求められていたのではないかと勝手に思っています(Dさん/紅白ファン/30代)
・相葉くん頑張ってって応援して見てるところはありました(Kさん/一般/20代)
・今年以降、嵐の5人で持ち回りするという噂もありますが、今の状態ではやめてほしいしNHKに再考を強く求めたいです。司会は他の人で嵐はサポート役でちょくちょく出るではダメなんでしょうかね。。。(Bさん/紅白ファン/40代)
・相葉ちゃんでぐだった感は正直ありました。ゴジラとかハーフタイムショーとか、ワチャワチャする場面では相葉ちゃん相性良かったと思うんですけど、それ以外の場面で噛みすぎたりカンペ読み間違えたり…。申し訳ないですけどその時点で白組に投票できないなぁと思ってしまいました(Gさん/紅白ファン/20代)

 武田真一アナは普段報道を担当するという面から見ると間違いなく新鮮で悪くはなかったですが、横で両司会が上手くいかなかった際もフォローせずに笑顔で見守るだけというのは評価が分かれるところ。PPAPはどちらかと言うと高評価だったと思います。阿部渉アナや有働由美子アナと比べてやはりこういう番組での経験の差は感じますが、好感度の高さという点では間違いないところ。何か問題が起こらない限り、局側もおそらく2019年まで続投させる考えではないでしょうか。
・総合司会の仕事出来てなかった感、正直不満(Cさん/一般/40代)
・緊張からか、あんまりフォローに回っていなかった気がします。もっと喋る場面作っても良かったのになという感じです。(Fさん/紅白ファン/10代)
・相葉くんが「なんですか?」とか聞き返す前に、やさしくフォローしてほしかった(Aさん/紅白ファン/40代)
・ほとんどしゃべらなかったのが残念ですが、人柄の良さがにじみ出てたなぁと思ってます(Gさん/紅白ファン/20代)

~その他メンバーの感想~
・悪くはなかったですが、やはり前回との経験の差が…(Eさん/紅白ファン/20代)
・リハ不足とも言われてますが、そもそも台本からして隙間が有りすぎたのではないか(Dさん/紅白ファン/30代)
・やはり、ひな壇を回せるレベルの司会力がないと難しいのかなと思いました。そろそろジャニーズ以外の白組司会を期待したいですが、考えてみると、やはりジャニーズ以外あまりパッと浮かばないんですよね(Fさん/紅白ファン/10代)
・司会は専門の方に任せた方が、と思います。歌手としてのプレッシャーもあるのに、さらに司会もやるのは荷が重いです。昭和50年代は番組通しての応援ゲストがいたり、出場歌手からキャプテン出したりしたので、その枠で嵐を使って、司会は別の方で。(Aさん/紅白ファン/40代)
・アナウンサー司会だと視聴率が取れないとNHKが躊躇しているんじゃないかと思ったり。やはり司会はちゃんと台本を練った上で覚えてほしい(Bさん/紅白ファン/40代)

・出場歌手選考、ステージ他の演出(特に演奏時間について)

 出場歌手は、今回紅白各23組ずつで総勢46組、前回より5組減でした。和田アキ子細川たかし森進一伍代夏子藤あや子徳永英明といった常連が一気にいなくなり、かなりドラスティックな入れ替えが行われた印象です(SMAPEXILEもいなくなりましたが、これはまた違う理由と考えた方が良さそうです)。ただその年のヒット曲でない選曲が多いのと、前半を中心に演奏時間がカットされ気味なのは相変わらず。後半はフルコーラスあるいはそれに準ずるステージがやや目立つようになったようにも見えますが…。
・SMAPの影響もあり減らしたようなもんですけど、今回減らしても歌唱時間増やさなかったこと考えるとね。。。(Bさん/紅白ファン/40代)
・ジャニーズの数を考えると、もう少し増やしたほうがバランス良くなる気がします。白組だけで見ると、演歌歌手よりジャニーズが多い。紅白各23組、全46組だったら、9時放送開始でいいんじゃないの?と思ったり(Aさん/紅白ファン/40代)
・46~48組くらいでちょうどいいなあと思いました。50組を超えるとちょっとせわしなくなってくる気がします(Gさん/紅白ファン/20代)
・組数は多くて50組ですかね。前半の歌尺をもうちょっと伸ばしてほしいです(Fさん/紅白ファン/10代)
・個人的には2016年の組数は少なかったと思います。今後もこの組数にするならば1コーラスだけで曲が終わる歌手を減らして欲しい(Jさん/一般/30代)
・正直言うと僕は足りなかった気がします…今の音楽業界は多様化してるので絶対何か足りない気がするんですよね…だから、無理だと思うんですけど、もう少し時間を延ばす必要があるかなーと…(Lさん/紅白ファン/10代)

 今回はRed and White Song Festivalに掲載されている演奏時間についてのコラムで非常に詳しい分析がされています。私があれこれ書くよりそっちを見てもらった方が早いので、ご覧ください。
・やはり後半登場歌手の優遇は否定できないですね。欅坂46も明らかにぶつ切りだったのが気になりましたね。ヒット曲なんだからせめてもう少しゆったりと。誰かの後に~ってあたり(Bさん/紅白ファン/40代)
・フルコーラスが多かったので実際以上にゆったり感じました。去年は乃木坂とかめちゃくちゃだったので…(Iさん/一般/20代)
・やっぱり前半と後半の扱いの差は、計らなくても歴然(Dさん/紅白ファン/30代)
・やっぱり前半の歌手は短いと感じましたね。AAAの「ハリケーン・リリ、ボストン・マリ」とか大好きな曲なんですけど、せっかくタオル回しで盛り上がってるのにもう終わり?って感じで。これがフェス系ライブならフルコーラスでたっぷり盛り上がって、これぞクライマックスとなっただろうにと(Jさん/一般/30代)
・前半の椎名林檎は長かったので空気が変わったような気はしましたけど、その後の前半はどんどん次の人に変わっていくなって思いました(Kさん/一般/30代)
・あんまりひとりひとり短いと「紅白出演目指して漸く実現したのにこんなあっという間の出演でいいの」って思っちゃいますね(Cさん/一般/30代)

 個人的には歌唱時間もそうですが、セットの入れ替え他の事情があるとは言え曲紹介が丁寧すぎる印象がありました。楽曲にゆかりのある方を歌手が訪れて話を聴く、ということ自体は大変素晴らしいことです。ただ時間がなくてその映像をワイプで済ます場面もあったり、場合によってはその長さでかえって演奏時間が削られ気味になったり。後半だと、そこで時間使うならもっと西野カナの歌唱時間を増やしてあげて欲しいという場面も正直ありました。色々意見があると思うのですが、視聴者が見たいのは曲紹介ではなく曲である、色々な要素を持った番組であるとは言え根本は歌番組である、この大前提は守って欲しいと思います。演奏時間より曲紹介が長いというのはあまりにも本末転倒なので…。
 選曲については、もう少しその年の曲を増やしてもいいかなという程度で、大きな破綻はなかったと思います。最近は”懐メロばかり”との声もありますが、新曲が多ければ多いで”知らない曲ばかり”と書かれるのがオチなので、今くらいでちょうどいいのではないでしょうか。
・出場歌手自体と絡めた企画が多かったので、その説明としてVTRが長く多くなってしまったんでしょうね。事前番組でも、同じVTR流してました。福田こうへいと島津亜矢は、選曲の理由付けとして使われた感じでしたね(Fさん/紅白ファン/10代)
・2階ステージとかもあった訳ですからわざわざ映像を無理にはさめなくてもとは思いました。ワイプだけならいらないですね。逆に具体的にどう話したの?って見ていなかった人は気になる。紅白特番見ている人が分かるかもしれませんが(Bさん/紅白ファン/40代)
・お客さんに相当「穴が空いた」のでは(Eさん/紅白ファン/20代)
・歌で十分メッセージは伝わるんだからあんまり余計な情報付けて欲しくない。最近のNHK民放問わずテレビ番組全てに言えることですが(Cさん/一般/30代)
・誤解を恐れず言えばやはり司会が経験浅くてうまく紹介できない面があるから、背景映像で補足紹介するしかない側面もあるんでしょうね(Bさん/紅白ファン/40代)
・不慣れな司会への映像での補足もあるでしょうし、SMAP用に確保していた時間を、曲の尺ではなく説明のテンポを落とすために使ったんでしょうね。曲紹介は概ねよかったと思います。時間に余裕があった分丁寧だったかと思います。司会が下手だったからグダグダになっただけ(Gさん/紅白ファン/20代)

 ステージの使い方は今回大きく変わりました。まずはルーフステージですが、これは良かったと思います。舞台を大きく広く使うことが出来た関ジャニ∞AI三代目J Soul Brothersなどで見られた演出は間違いなく今回大きなプラス要素になりました。ただ島津亜矢石川さゆりなど、2階からメインに降りずにそのまま通すステージに関しては意見が分かれる部分になりそうです。
 それに伴い、従来1階席に設けられたゲスト審査員席もステージ下手に設けられる形になりました。第20回(1969年)では、NHKホールでいうパイプオルガンの下っぽい所(当時は東京宝塚劇場での開催でしたが)に審査員席が設けられましたが、それ以来でしょうか。ステージに近い大谷翔平新垣結衣が特に多く歌手に絡まれたり、コメントを求められた印象がありました。視聴者が一番求めているのはこの2人の表情とコメント、というのは容易に推測できるので自然ではありますが、他のゲスト審査員と比べてこちらも少し不平等感が否めなかったです。
 あと生演奏は文句なしに良かったです。これは座談会メンバーも一致した意見でした。今後も出来る限り続けて欲しいと願います。
・床に液晶は良かったと思いますよ!横の大きなスクリーンの存在で、二階席が見れない人の分もカバーしてたのではないのかなーと思いました(Lさん/紅白ファン/10代)
・液晶はきれいだったと思います。ルーフステージはどうなんでしょう。1階席からは見えないし、松田聖子みたいに正面見て歌われると、2階席の人も見られない。ダンサーやコーラス隊がいると、2階席の前列の方の人は邪魔じゃないんですかね。ゲスト審査員は正面から見てほしいし、審査員をステージに呼ぶと移動の間の歌手見られないので、普通に座っていてほしいです(Aさん/紅白ファン/40代)
・あの客席の合間のステージの存在は、その奥の客席の人には相当ストレスだったんではw 使ってない時間は結構視界の邪魔なんじゃないですかね(Cさん/一般/40代)
・床に液晶は良かったですが、2階ステージはちょっと…。どうしても見劣りしちゃいますね、1階と比べると。石川さゆりのようにトリはサブステージというのはちょっと抵抗感ありますね(Bさん/紅白ファン/40代)
・ルーフステージは、テレビで見る分にはメリハリがあって楽しめました。ホールの2階席の人にとっても嬉しい演出だったんじゃないでしょうか。この配置でもっといろいろ試してほしいなと思います。2つのステージをうまく使えば、舞台の転換もやりやすくなるはずで、そうなると生演奏楽曲もさらに増やせるはずですし。石川さゆりがルーフステージだったのは割と前向きに捉えてます。2階席のお客さんにとってはトリが目の前で見れるなんてサプライズだと思うんですよね(Gさん/紅白ファン/20代)
・大きなセットはあまり動かさずに、液晶の演出で見せてましたね。ルーフステージはあまり生かしきれてない気はしましたね(Fさん/紅白ファン/10代)
・ルーフステージはテレビで見ている分には見栄えがしました。前回これより小規模なものをやった時は第2ステージ感がありありすぎて否定的でしたが、今回は良かったと思います。(Dさん/紅白ファン/30代)
・MステSUPERLIVEっぽくて良かったです(Iさん/一般/20代)

 中継のステージも今回多く計5組。いずれもその特性を活かしたステージで素晴らしい内容でしたが、これもまた出場歌手の中で若干の不平等感は否めないところ。
・やはり、トリ前に中継は微妙でしたね。流れが途切れちゃうと言いますか。椎名林檎は相変わらずめちゃくちゃ良かったですが、そのあとにTOKIOを観ちゃうと手抜き感は否めなかったです…。熊本城からの中継ステージは良かったと思いますが、なぜ氷川きよしとは思いました。熊本出身の歌手がいるのになと。正直、次回からは都庁前と福山雅治だけで中継はいいかなと思います(Fさん/紅白ファン/10代)
・ステージ自体には違和感はないですが、やはり中継が多いので流れが切れましたね。氷川宇多田は対戦形式で当てずに分散させてもよかった(Eさん/紅白ファン/20代)
・終盤に中継が氷川きよし、宇多田ヒカルと続いて、会場の熱が冷めたんじゃないかと。Twitterで氷川きよしファンの方から、最近きよしくん紅白で居場所ないから、中継でよかったというコメントをいただきました。当分、毎年のように日本の何処かで大きな自然災害は起きると思うので、わざわざ紅白に絡めなくてもよいと思います(Aさん/紅白ファン/40代)
・中継でも椎名林檎さんやTOKIOの時のステージ演出がとてもよかったと思いました!(Lさん/紅白ファン/10代)
・TOKIOの時、曲始まりに「変な間」があったのが気になったこと以外は、中継には大満足です(Gさん/紅白ファン/20代)
・氷川きよしのステージ自体は感動しました。前回の白雲の城はかがんだときに画面から消えちゃったんですよね。そこもフォローできていて良かったです(Dさん/紅白ファン/30代)
・都庁前の中継は終了後に椎名林檎がホールにちゃんと戻って来ているのが良かったです。氷川きよしはあの場の中継にする意味はあったと思いますしステージも良かったですが、その前のVが余計に思えました(Cさん/一般/40代)
・個人的には紅白で中継を使うのは、中継でしかできないような特別な演出をする場合だけにして欲しいと思うんですよね。(Jさん/一般/30代)

 都庁前からの中継が2020年まで続くのではないかという話題については、
・え、2020年までやるんですか?さすがにひっぱり過ぎでは。。。4年計画は紅白の改善をメインにやってほしいですね、オリンピックに無理に絡ませるより(Bさん/紅白ファン/40代)
・今回限りでいいと思うんですけどね…(Fさん/紅白ファン/10代)
・都庁前やライブ会場からの中継は別になくてもいいのではと思ってます。東京五輪音頭は2020年まで毎年やるつもりなんでしょうか…(Jさん/一般/30代)
・オリンピック競技でその年に活躍したスポーツ選手の好きな歌手でしょうか?例えば吉田沙保里が好きな西野カナが中継になるってことはないような気はします(Kさん/一般/30代)
・来年もし都庁前の中継が続いたら視聴者から「もう飽きた」とかいう声が出て来そう(Cさん/一般/40代)

・企画コーナーの演出

 今回は『シン・ゴジラ』映像挿入と、タモリとマツコの『ブラ・タモリ』的アプローチが大きな話題になりました。まずは座談会のコメントから。

・タモリ・マツコは個人的には話にならない。蛍の光からゆく年くる年の流れを壊したのは許せない…。シンゴジラはまあいいと思います(Eさん/紅白ファン/20代)
・ゴジラは映画見てなかったので、のめり込む要素がありませんでした。武田アナの呼びかけは、津波警報発令中の避難の呼びかけみたいで、あれ聞いてしんどい人いなかったのかなと心配でした。タモリとマツコ・デラックスは時間とって紅白について語ってもらうとかできなかったのかな(Aさん/紅白ファン/40代)
・「無理に冒険し過ぎ」な感じありました。「見た人でないと付いていけない企画」は別に構わないんですけど、あまちゃんみたいにNHK内輪ネタでもないのにあんだけ時間使うのには若干違和感。タモリ・マツコデラックスの企画はある意味NHKとしては炎上上等な実験企画だったんでは、と今になっては思ったり(Cさん/一般/40代)
・タモリ・マツコの寸劇、あれはラストに絶対入れるべきではなかったですね。シンゴジラのあのL字画面(緊急時画面で実際に使われている)はちょっとやり過ぎかなと(苦笑)やはりSMAPのためにあけた15分枠を埋めるためにやった感がかなり感じるんですね。ギリギリまで決断を伸ばした、伸ばさせたNHK会長・ジャニーズの責任は重い(Bさん/紅白ファン/40代)
・両企画も、面白かったですが、浮いてましたね…。タモリマツコは結構シュールで面白かったですが、シンゴジラは間延び感が否めなかったですね。司会ガン無視の脚本はないだろうと思いました(Fさん/紅白ファン/10代)
・タモリとマツコはブラタモリ見てた人ならわかる感じの演出だったと思いますが、紅白ではどうかとも思いました(Dさん/紅白ファン/30代)
・タモリマツコが特に、「突然進行を中断してコント挿入→コント終了後数秒無言のちにガン無視して進行再開」ってのがぎこちなさすぎに感じました。コント自体は2人のダラダラした感じが面白かったです。シン・ゴジラは雰囲気で楽しめました。相葉くんの慌てふためく演技は微妙でしたが…。(Iさん/一般/20代)
・どちらも斬新なアイデアで、チャレンジ精神は素晴らしかったとは思います。今回は生演奏やバンドセット転換などいろいろあったのでVTRを多用するのも間違いではないと思います。シンゴジラは特に見てませんが、何となく雰囲気は掴めたのでそれなりに楽しめました。タモリ・マツコもシュールな感じが出てて、それはそれで楽しめました。ただ、どちらか一つだけでよかったような気がします。サブ企画を二つも同時並行でやっちゃうと、間延び感がどうしても出ますよね(Gさん/紅白ファン/20代)
・ゴジラは面白かったです。ピコ太郎のコーラス隊無駄遣いで笑わせてくれた後に、一転してX JAPANが素晴らしいステージを見せてくれたので。タモリマツコはいらないと思いました。最後にスタジオに戻ってくるのかなと思いきやそれも無しで、結局番組の中で浮いたまま終わった感が(Jさん/一般/30代)
・ゴジラを知っているだけはダメで「シン・ゴジラ」をそのまま再現したので見てないと分からない演出でしたね(Hさん/一般/30代)
・シン・ゴジラは映画館に観に行ったので紅白で紅白用に新しく撮ってるところが見れたのはうれしかったです。タモリとマツコがさまよってたけど客席に着いて座ったとして、この歌手の人には間に合わなくてこの歌手の時は間に合うんだって思いそうな気がします。間に合うのがSMAPの時だったら良かったのかもしれないですが(Kさん/一般/30代)
ゴジラはまあまあかなーと思ったんですけど、タモさんとかの演出が謎すぎましたw(Lさん/紅白ファン/10代)

 両方とも今回ならではの企画なので、おそらく次回以降も恒例になることはないと思います。インターネットや週刊誌なども概ね否定的評価が多く、SMAPの穴を埋めるための苦肉の策という説も見られて尚更。映像を小出しにする形は第64回のあまちゃんや第65回の妖怪ウォッチ同様、視聴率を下げないための策ではないかという声もありました。確かに先が読めないという点では面白かったと思いますが、紅白本来のメインが出場歌手のステージであることを考えると…。
 ちなみに『シン・ゴジラ』演出は個人的にワンシーンで少し出てくるだけと予想していましたので、ここまで本格的にやるのは意外でした。タモリとマツコに関しては台本ほぼアドリブで、場合によっては結末もその日の雰囲気で決めていたのかもしれないと想像。少なくともマツコさんはかなり楽しんでいたようで、そういう意味では悪くなかったかもしれないと思ってます。後年は黒歴史というより、”こういうこともありました”という形で振り返られる企画になりそうな気がします。

 これ以外だと、今回は芸人をはじめとするゲストの出演がかなり多かったです。一部を除いてほぼ違和感のない形でしたが、もう少し厳選してもいいかもしれません。あとPPAPのピコ太郎の使い方は少し出番多すぎるかもしれないという面もありましたが、全体的にはすごく良かったと思います。芸人としては非常においしく、ステージとしてもうまく使われましたが、それ以上に楽曲の使い勝手の良さが印象に残りました。どの使い方でも違和感がないというのは凄いことだと思います。そういう意味では、売れるべくして売れる曲だったのかもしれません。
 渡辺直美もビヨンセでしっかり爪痕を残しましたが、紅白楽屋トークの方は生以外残念ながら配信されてない模様(ファン有志が非公式でアップしている物はいくつかありますが)。私のリサーチ不足かもしれませんが、放送後も何日かは無料あるいは有料でもいいので配信してくれるとありがたいです。特に紅白本番をメインに見ている人はまずこちらを見ることはないので…。ただウラトーク含めてこれだけ展開を増やしていると、実のところNHKは報道ほど視聴率を気にしていないのではないでしょうか。そんなことも少し感じるところです。
 全員合唱については以下のような形で意見が出ました。
・嵐をフロントに出すためには、「ふるさと」なんでしょうね(Aさん/紅白ファン/40代)
・「ふるさと」は正直また??と思ってしまいました。ふるさとの時間を削って他の歌手の歌唱時間増やしてほしかったですね(Bさん/紅白ファン/40代)
・「花は咲く」にしてほしかった…熊本地震的にも(Eさん/紅白ファン/20代)
・個人的には「ふるさと」より「花は咲く」がいいです…「ふるさと」絡みの企画も、あんまりよく分からなかったですし(Fさん/紅白ファン/10代)
・あの時間は正直「トイレタイム」だなーと思いましたw(Cさん/一般/40代)

・審査方法

 以前から議論はされていましたが、今回一番あってはならない結果になったような気がします。ただそれ以前の問題もかなりありました。まずは視聴者審査について、座談会メンバーのコメント。

・ほとんど投票できませんでしたw 対戦終わったら、すぐ締め切っちゃうんですよね。ずっとアプリに張り付いてないと無理でした…(Fさん/紅白ファン/10代)
・参加しましたよ。頑張って対戦ごとにアプリで。あれ、歌が終わるとしばらくしたら投票できなくなるんですね(Bさん/紅白ファン/40代)
・最初は、出来なかったんですけど、中盤くらいから投票しました(Lさん/紅白ファン/10代)
・最初まじめに審査してたんですけど、白組が圧倒的に優勢になってから紅組に投票し続けましたw(Aさん/紅白ファン/40代)
・見るだけで精一杯ですw(Cさん/一般/40代)
・投票し損ねた時もあったんですが、概ね参加しました。自分は白組投票が多かったです(Iさん/一般/20代)
・全組ではないのですが、一部しました。しかし、どちらも甲乙つけがたいときに投票がしづらいこともありました。ちなみにデジタルテレビです(Dさん/紅白ファン/30代)
・投票するつもりでスタンバイしてたんですけど、ついつい見入ってしまって投票し忘れてしまう場面が何回も(Gさん/紅白ファン/20代)
・普通に中間と最終だけでいいなと思いました(Fさん/紅白ファン/10代)
・毎回投票を呼び掛けてくれないと忘れますw(Gさん/紅白ファン/20代)
・組織票を分散させるために講じたとすれば、奏功しなかったなあという感じです。かえって差がついてしまいました(Dさん/紅白ファン/30代)

 個人的には楽しめましたが、少なくとも万人が楽しめるシステムではなかったようです。事前告知が欲しかったところ。ギリギリまで悩んだ結果とは言え、いくらなんでも遅すぎるような気がしました。組織票に関してはあれこれ対策を考えたとは思いますが、前半の中間発表時に嵐ファンきっかけで白組への集中投票呼びかけが起こる辺り、成功とは言い難い面があったかもしれません。

 視聴者審査の結果が大きくくつがえり、ボール審査に戻した点についても、まずは座談会メンバーのコメント。

・ボール審査に戻したのは決して悪くなかったように思います。事前に配分は説明すべきだとは感じましたが(Bさん/紅白ファン/40代)
・過去に視聴者投票で白組しか勝たなかった時期が続いてて、その原因もハッキリしてるので、今回みたいな票数の比重の与え方になったのは仕方ないと思います。ジャニーズファンに対しては、今回の票数の比重設定でこういう結果になったのは「お前らがこれまで何年間もやってきた事がこういう形になったんですよ」としかかける言葉がない(Cさん/一般/40代)
・ボール採点自体はいいんですが、正直わかりづらいというか、説明不足でした。事前説明が無かったのは、完全にNHKの落ち度ではあると思います。アプリに張っついて投票していた人にとっては、納得いかないかも知れないですけど、そんな目くじら立てることでもないと思います(Fさん/紅白ファン/10代)
・ボール配分は理解できたんですが、ゲスト権限の強さを知らなかったのでいきなり大逆転されても納得いかなかったです。毎年09年の仲間さんみたいに「歌は勝敗じゃないですから!」と勝敗決定後にコメント付け加えればいいのでは…(Iさん/一般/20代)
・やはり紅組勝利に納得していない人が多かったようですね。審査方法が変わったともっと宣伝すれば、騒動になっていなかったと思います(Lさん/紅白ファン/10代)
・対戦ごとに投票とかやって視聴者投票中心みたいに見せていたのに最後にいきなりボール審査になった(実際には昔の方法に戻った)から視聴者もパニックになったのでは?(Hさん/一般/30代)
・今回の件で気づいたんですけど、若い人は視聴者審査や客席審査の票とゲスト審査員の票が同じと思っている世代なんですよね。私は視聴者審査なんてなかった頃から見ているので、「今は実質白組に最初からボール4個入った状態でスタートしてるんだよ」と思ってしまいます。「頑張って投票してもボール2個かよ」とチャンネル変えられないためにあえて説明しなかったんじゃないですかね(Aさん/紅白ファン/40代)
・ゲスト審査員と視聴者投票、客席投票の比重は、昔から違いがあるので、それは別に取り立てて怒り狂う必要はないと思います。曲紹介長くするなら、もうちょっと審査方法説明すれば良かったと思います(Fさん/紅白ファン/10代)
・ただ、NHKが批判に流されてまた審査方法をコロコロまた前の方法に変える必要はないし、安易にやってはいけないと思います(Bさん/紅白ファン/40代)
・視聴者投票の比重を減らしたのはジャニーズファンの組織票対策のためには良かったと思います。そもそも紅組が勝つか白組が勝つかなんてのはおまけみたいなものだと思ってるので、そこまで結果に怒り狂う人がいるというのが分からない…(Jさん/一般/30代)

 審査そのものに対する意見以上に、事前の説明不足に対する批判が多くを占める形でした。私も同感です。特に今回の審査は変化が多い割に何もかも直前で、視聴者にとっては急に決まったという印象があります。ラストのボールを数えるシーンに至っては全くリハーサルしてなかったのではないかという印象も持ってしまいました。あとはここ10年の傾向が今回の結果に集約されたという意見も。こうなった以上、次回はあえて視聴者審査を投票に加えず、ゲスト審査員と会場審査のみで勝敗を決める選択肢もありかもしれません。

 改善案としては、こういった意見が出ました。
・視聴者投票は1万ごとに1ボール、会場は1000票で1ボールとか?(Fさん/紅白ファン/10代)
・会場投票と審査員投票だけ、という昔の形に戻すのが究極じゃないですかw まぁお客様は神様ですの意味を勘違いしてる人は無視してもいいんじゃないですか(Cさん/一般/40代)
・もっと究極にするなら、昭和40年代前半みたいに会場のゲスト審査員とふるさと審査員だけ、男女の比率1:1(Aさん/紅白ファン/40代)
・視聴者投票は会場の結果関係無しに、アプリで各々楽しむ形にした方が平和なんじゃないですかね?(Iさん/一般/20代)
・審査方法…また前に戻す必要はないですよね。説明の問題でしょう(Bさん/紅白ファン/40代)

 ただ出場歌手に関して言うと、
・RADの洋次郎さんは、負けたのは悔しいけど視聴者投票では白だったから嬉しい、という旨のツイートをしてました。大人だなあと思いました(Gさん/紅白ファン/20代)
・視聴者は怒り狂ってなくても、出場歌手は落ち込む人いたそうです。中間審査で勝ってたのに、最後負けたのは後半に歌った自分のせいだと(Aさん/紅白ファン/40代)

といった反応もあったようです。

 あとはふるさと審査員についても、
・どうやって選出したのか説明がほしかったです。もし次回もやるのであれば、年齢層や地域に偏らずに選んでほしい(Bさん/紅白ファン/40代)
・タモリとマツコってどこのふるさと審査員だったのか(Kさん/一般/30代)

という意見あり。実名テロップが出なかった辺り、もしかすると芸能事務所のエキストラか俳優の卵だったのかもしれないと私は推測していますが。

・最後に

 今回の紅白の感想、座談会メンバーにとっては以下の形に映ったようです。

・一番良かったステージはTHE YELLOW MONKEYKinKi Kidsがもっと時間長かったら悩んだところですけど、予想外に短くて。(Aさん/紅白ファン/40代)
・面白かったです。…が、今年は名ステージもありましたが「新しい試み」や間の悪さが混在していて悪目立ちしてる部分が多かったような気がします。全てがひっぱり過ぎだった気がします。MVPはステージの演出面で椎名林檎、ドキドキ感という意味ではAKB48。(Bさん/紅白ファン/40代)
・伊集院光がコメントしてたのが結構腑に落ちた。自分はTHE YELLOW MONKEYが一番良かったです(Cさん/一般/40代)
・生で見てる分には展開が早かったり唐突感のあるところがあって、後味が悪い感じでしたが、見直したらそうでもないじゃんという感想。私は土屋太鳳のダンスが想像以上に良くて涙しました。(Dさん/紅白ファン/30代)
・評価が難しい。第64回にしようとしてなりきれなかった紅白、タモリとマツコの部分はぶっちぎりで紅白見てきて不快な演出だった。ベストアクトはRADWIMPS。98年のラルク以上。(Eさん/紅白ファン/20代)
・一個一個のステージや企画は面白いものもありましたが、上手くまとめきれていなかった印象です。個人的にはうたコン超拡大版みたいな感じが、ちょっとしました。雑多な年であった2016年の象徴としては、非常にその年らしい紅白だった気もします。ベストアクトは椎名林檎。オリンピックへの並々ならぬ思いが、一旦結ばれた感じがしました。東京事変の復活も嬉しかったです。どこかSMAPへの餞にも感じました(Fさん/紅白ファン/10代)
・面白いかどうかは一言では言えない感じですね。一人でじっくり見返す分には面白かったですけど、家族と一緒に見てた時は空気が微妙だった場面もあったような印象です。(Gさん/紅白ファン/20代)
・去年よりはゆったり聞けた気がするので良かったかなとは思いました。曲は知らなかったですが椎名林檎は解散していくSMAPへの思いとどこか重なるところがあってグッときましたね(Hさん/一般/30代)
・歌がゆっくり楽しめて面白かったと思います。ベストアクトはTHE YELLOW MONKEY高橋真梨子。あと天童よしみのバックにいる本田望結ちゃん(Iさん/一般/20代)
・面白い部分とそうでない部分がありました。全体的に間延びした印象がありました。ベストアクトは個人的に好きなステージという点ではX JAPAN、期待よりも遥かにスゴいものを見せてくれたという点では大竹しのぶさんですね。三山ひろしさんのけん玉を駆使したステージもベストアクトに入れていいぐらい面白かったです(Jさん/一般/30代)
・今回の紅白、いつも以上に時間が過ぎるのが早かった気がします。MVPは決められないですが、演出としてはAKB48三代目J Soul Brothers市川由紀乃がよかったですかね?(Lさん/紅白ファン/10代)

 また、紅白らしさとは何かという話題も私から問いかけてみました。ちなみに個人的には、”紅白は音楽番組の枠だけに収まらない大きい番組””ドキュメンタリー番組的な要素に近い””普段音楽を聴かない人でもチャンネルを合わせる総合番組”と考えています。

・紅白らしさって、見る人それぞれですからね。最近のジャニーズファンなら白組圧勝じゃないと紅白らしくないと言うかもしれませんし。(Aさん/紅白ファン/40代)
・紅白って1年の総決算を歌や演出で表現することも一つの側面だと思うんです。あとは家族でツッコミを入れながら紅白を見るのも一つの醍醐味かと。何だこの演出はと毒吐きながら見るのも含めて(Bさん/紅白ファン/40代)
・紅白っていつも同じベテラン歌手が出ていて、ていうイメージがあるんじゃないですかね、一般層にとっては。今年その傾向一気に変えてきた印象はあります(Cさん/一般/40代)
・家族みんなで年末に団欒して楽しめる歌番組ってのがらしさなんでしょうが,もうそんな時代でもないでしょうからね。変わっていくのはしょうがないです。(Dさん/紅白ファン/30代)
・一年間のエンタメの総決算的なお祭りでありながら、きちんとある程度洗練もされているって感じですかね。あと、様式美というのはありますね(Fさん/紅白ファン/10代)
・音楽だけではなくカルチャーも紹介する番組だなぁとは思いますね。音楽番組にとどまらないと言うのはその辺だと思います。家族団欒で楽しむ番組から、TwitterのTLが盛り上がればそれでいいという番組へシフトして行っているのかな、と今回の紅白見て思いました(Gさん/紅白ファン/20代)
・家族で楽しんで見れる紅白がこれからも観たいです(Iさん/一般/20代)
・ジャンルや年代の壁を超えた、歌番組の最高峰であることが紅白らしさだと思ってます(Jさん/一般/30代)
・紅白は一年の音楽業界のまとめみたいな感じかなーと思うんですよね。だから、正直言うとあまり過去曲歌うことに肯定できないんですよね…。根本的な紅白の意義は、変えてはいけない気がしますね(Lさん/紅白ファン/10代)

 普段より読みにくい部分もあるかとは思いますが、いかがだったでしょうか。こんな感じで少しずつ移り変わっていくわけです…。それはともかく、どんなに番組の内容が大きく変わろうとも大晦日にNHKで紅白歌合戦が放送される、この文化は戦後日本の伝統として永く続いて欲しいと切に願います。

 

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