紅白名言集解説・12~津軽海峡・冬景色の紅白史~

 とりあえず今回取り上げたツイートは、2011年紅白歌合戦で紅組トリを飾った時の曲紹介。

 今年も紅白歌合戦で歌われる可能性が高い「津軽海峡・冬景色」。先日ふと気付いたのですが、この曲には今後絶対破られそうにない記録があります。まずは、これまでの「津軽海峡・冬景色」を表で振り返ってみましょう。

年度該当回年齢曲順内容
1977年第28回1919/24初出場、白いドレス
1982年第33回2419/22名曲紅白による選曲、ドレス姿
1993年第44回3526/26紅組トリ、デビュー20周年による選曲
2000年第51回4225/28 
2007年第58回4927/27紅組トリ(2/5)、阿久悠追悼
2009年第60回5123/25 
2011年第62回5325/25紅組トリ(3/6)
2013年第64回5521/26島倉千代子追悼
2015年第66回5720/26歌い出しでアカペラサビ&2コーラス
2017年第68回5923/23紅組トリ(4/8)、富嶽三十六景バック
2019年第70回6117/21オーケストラアレンジ、2コーラス

 現時点での記録は以下の通りです。

・同じ歌手の同じ曲による歌唱数歴代2位(1位は「天城越え」の12回)

・同じ歌手の同じ曲によるトリ回数紅組歴代1位タイ(「天城越え」と同数の4回)

・昭和・平成・令和全ての年代で歌われた楽曲(これも「天城越え」が同様)

・1970年代~2010年代まで5つの年代の紅白で歌唱(紅組唯一、5つの年代歌唱は他に「帰ろかな」があり)

・10代~60代全ての年代で同じ曲を歌唱(今回のテーマ。これがおそらくもう破られないであろう唯一の記録です)

 

 ちなみに2021年の紅白でもこの曲が歌唱されると、歌唱回数歴代1位タイ、史上初となる6つの年代での歌唱という記録が達成されます。恐ろしい話です。

 それにしても10代~60代全ての年代での歌唱、2019年の選曲時点で気がついた人は既に気がついていると思いますが、考えてみるとこれまであまり言及されていないような気がします。1982年はたまたま名曲紅白をテーマにしたために「津軽海峡・冬景色」を唄う形になりましたが、おそらくこの企画がなければその年発売の「漁火挽歌」辺りを歌っていたはず。まさか40年近く経ってこれだけ重要な意味をもたらすとは、当時誰も考えていなかったのではないでしょうか。

 そして初出場が19歳、演歌に限らず10代のうちにソロで紅白初出場すること自体が大変難しいこと。特に今の演歌ではほとんど不可能と言って良いかもしれません。そもそも10代で初出場して10年以上連続出場が大変難しく、そこでコンスタントに選曲するということは一般的にみてまず考えられないこと。今後出る可能性はゼロとまではいいませんが限りなくそれに近く、おそらく私が生きているうちに見ることは出来ない記録ですね。紅白歌合戦の記録は本当に様々ありますが、おそらくこれが一番達成不可能ではないかと、思っているところです。

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