いよいよ世紀が変わって2001年、21世紀最初の紅白歌合戦は新しい曲をメインとする内容でした。ただ出場歌手はややメインターゲットの年齢層が高い20世紀を感じさせる陣容で、ヒットJ-POP組の不出場も多め。司会陣が全員アナウンサー起用ということもあって、豪華ではあることは間違いないものの、いささか華やかさに欠ける内容でもありました。
演奏時間&構成表 1(第52回・2001年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
1(紅1) 紅前半1 |
LOVE涙色 | 松浦亜弥 | 3分0秒 冒頭+2コーラス |
4分15秒 冒頭+2コーラス+サビ |
2(白1) 白前半1 |
おいらに惚れちゃ怪我するぜ! | えなりかずき | 2分50秒 冒頭+2コーラス+台詞 |
3分26秒 冒頭+2コーラス半+台詞2 |
3(紅2) 紅前半2 |
secret base ~君がくれたもの~ | ZONE | 2分58秒 冒頭+1コーラス半 |
4分57秒 冒頭+2コーラス半 |
4(白2) 白前半2 |
CORAZON | DA PUMP | 3分21秒 1コーラス半 |
4分3秒 2コーラス半 |
5(紅3) 紅前半3 |
三年ぶりの人だから | 原田悠里 | 2分31秒 2コーラス |
3分52秒 3コーラス |
6(白3) 白前半3 |
泣かないで | 山川 豊 | 2分36秒 2コーラス |
3分28秒 2コーラス+サビ |
7(紅4) 紅前半4 |
Feel so right | MAX | 2分43秒 冒頭+1コーラス半 |
3分56秒 冒頭+2コーラス半 |
8(白4) 白前半4 |
ジュリア | 河村隆一 | 3分7秒 1コーラス半 |
4分25秒 2コーラス半 |
9(企1) | Kids Dream | 6分44秒 | ||
ミニモニ。ジャンケンぴょん! | ミニモニ。 | 0分35秒 1コーラス |
3分12秒 1コーラス半 |
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ハム太郎とっとこうた | モーニング娘。 | 0分56秒 2コーラス |
1分31秒 3コーラス(原曲) |
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いつも何度でも | 木村 弓 | 1分22秒 1コーラス半 |
3分35秒 4コーラス |
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さんぽ | 参加メンバー全員 | 1分13秒 1コーラス |
2分45秒 3コーラス(原曲) |
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10(紅5) 紅前半5 |
ふたりの絆 | 藤あや子 | 2分46秒 2コーラス |
4分39秒 3コーラス |
11(白5) 白前半5 |
しあわせの青い鳥 | 山本譲二 | 2分34秒 2コーラス |
3分57秒 3コーラス |
12(紅6) 紅前半6 |
これからがある | 八代亜紀 | 2分52秒 2コーラス |
4分53秒 3コーラス |
13(白6) 白前半6 |
志摩半島 | 鳥羽一郎 | 2分54秒 2コーラス |
4分57秒 3コーラス |
各ステージ・補足
トップバッターはこの年デビューながらヒットしたハロプロの新人・松浦亜弥。メロディアスな3rdシングル「LOVE涙色」を、かわいらしさと切なさと度胸の良さを両立させたような状況で歌います。冒頭+2コーラス、2番はAメロ前半がカット。またサビは2番ではなくラストの歌詞(=1番と同じ)の歌唱でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・松浦亜弥の軌跡)
白組トップバッターはまさかのえなりかずき。確かに『みんなのうた』放送曲でそれ以前からNHKに馴染み深くお年寄りウケする存在の俳優ではありましたが、肝心のCDはつんくプロデュースでありながらオリコン週間最高93位。常識的に考えてあり得ない選出でしたが、ステージも前半はヘッドセットマイク装着でキーボードを弾きながら歌うというまさかのマルチプレイヤーぶり。後半はダンサーを従えて踊りながら歌うという内容で、ステージ自体は結構な完成度の高さで会場も盛り上がりました。冒頭含めた台詞つきの2コーラスで、最初の台詞は一部カット。2番サビは同じメロディー2回繰り返しのラスト部分を採用しています。
ZONEの「secret base ~君がくれたもの~」はこの年の下半期を代表するロングセラー、後年も数多くの女性アーティストにカバーされている名曲です。平均年齢14.7歳の若さでした。ただ歌はカットされる部分が多く、1番Aメロでさえも後半がカット。Cメロ後のサビも畳み掛ける部分全く無しで最後1回のみの歌唱。ところがこれでも演奏時間は3分近くあり、演奏直前にリーダー・TAKAYOのメッセージもありました。長さという点で考えると決して不当な短さではなく、楽曲の構成上の問題といった方が適当でしょう。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史)
DA PUMPは前年に引き続きオリジナルダンスを歌唱前に披露、この時間も計測することとします。クールな激しさを見せるステージは、これまでの3回とまた異なる魅力に満ち溢れていました。歌は1コーラス→KENのラップパート→ラストサビ(2回繰り返し)。前半2番手に出すには勿体ないと思えるクオリティの高さです。
演歌のトップバッターは3年連続の原田悠里、歌はこの年リリースではありますが「三年ぶりの人だから」。花柳糸之社中参加の明るいステージでした。1番と3番の歌唱。
山川豊は白組歌手5名のコーラスで「泣かないで」、これまたいかにも紅白歌合戦というステージ演出です。ご丁寧に振付までついていましたが、明らかに動きを憶えていない人も見受けられました。歌は1番と2番の2コーラス、間奏短め。
MAXは「Feel so right」、クールでダンサブルで格好良いステージを展開。1コーラスからCメロ含むラストまで披露。
4年ぶりソロ活動再開の河村隆一は紅白も4年ぶり、歌はLUNA SEA時代だと考えられない内容のMVが話題になった「ジュリア」。サポートメンバーを引き連れて、自身もギターを弾きながら歌います。1コーラス半歌唱。
この年前半の企画コーナーは子どもたちが主役の内容、モーニング娘。のメンバーが大活躍でした。この年結成、当時のキッズに人気を博したミニモニ。の「ミニモニ。ジャンケンぴょん!」、この4人もミニハムずとして参加している『とっとこハム太郎』の「ハム太郎とっとこうた」。興行収入新記録を更新した『千と千尋の神隠し』は木村弓も呼んで「いつも何度でも」、最後は「さんぽ」をみんなで歌うエンディング。ただ『ハリー・ポッター』の要素を入れたというMr.マリックが先生の魔法の学校は、少々人選に無理がある印象もありました(BGMは「オリーブの首飾り」「魔法使いサリー」「E.T.: Flying Theme」を使用)。
打って変わって演歌が続くステージ、ここからの4つは13年ぶりの歌手席復活です。まずはすっかり後半から前半が定位置になりつつある藤あや子、自ら作詞作曲の「ふたりの絆」を2コーラス(1番と3番)歌唱。
山本譲二は前年に続くヒット曲「しあわせの青い鳥」、2年連続出場は16年ぶりの快挙でした。1番と2番の2コーラス歌唱。後ろではダウンタウンを筆頭とするRe:Japanのメンバーが、歌う譲二さん以上に目立っています。
八代亜紀の「これからがある」は2001年発表、その年発表の新しい曲を紅白で歌うのは11年ぶりです。1番と3番の2コーラス歌唱、間奏がかなり短くなっています。後ろの歌手席では小道具が配られている様子でした。
鳥羽一郎は故郷をテーマにした「志摩半島」。1番と2番の歌唱、イントロとアウトロが一部カットされています。巨大な大漁旗が後ろで掲げられ、歌手席ではなぜかみんなで船を漕ぐ振付つきでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・鳥羽一郎の軌跡)
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