あの笑顔が戻って来ました、紅白初出場です。新潟のおばあちゃん、見ていらっしゃるでしょうか。コルセットはまだ取れないのよ、お辞儀もまだ上手にはできません。でもこんなに元気になりました、本当に良かった、河合奈保子さんです、「スマイル・フォー・ミー」!(第32回・黒柳徹子)
— 昭和の紅白名言集 (@kouhakumeigen1) February 2, 2021
一昨日昨日辺りから少しずつアクセスが増えているので、今日も紅白の名言集から。
今回ピックアップしたのは1981年紅白歌合戦のトップバッター・河合奈保子「スマイル・フォー・ミー」の曲紹介。当時の司会は『ザ・ベストテン』でもお馴染みの黒柳徹子さん。
紅白には71のトップバッターが存在しますが、個人的に史上最高のトップバッターのステージを1つ選ぶとしたら間違いなくこれを選びますね。
まず曲が良いです。明るく快活で分かりやすくて耳に残ります。もちろん1981年を代表するヒット曲です。そして歌手が良いです。ものすごく美人で笑顔がかわいく、声も通りの良いソプラノで発声も良く極めて爽やか。更に言うと性格も明るくて頭も良くて見る人を元気にしてくれるような。私がもしこの時代に青春を過ごしていたとしたら、間違いなくファンになってコンサートに何度も足を運ぶくらいになっていたでしょう。それほどの魅力があります。
次にこの年彼女に起こった事象としては、番組収録時の事故。テレビ出演復帰はこの日より少し前の夜のヒットスタジオで、曲紹介にもある通り完治はしていないのですが、それでも微塵も苦しさ・悲しさを感じさせないプロフェッショナルさ。2コーラスとびっきりの笑顔で歌い切り、最後にこれまた笑顔で「どうもありがとうございました!」と挨拶するシーン。感動する曲では決してないのですが、そうならざるを得ない心境になります。”スマイル・フォー・ミー”とは、まさにこの時の彼女の向かって言っているかのようでした。
そしてこの年の紅白の雰囲気。前年までとはセットがガラリと変わり、出場歌手は全員それぞれ赤(白組歌手は白)のブレザーを着て入場する形を取りました。新しい紅白のスタートを切るステージとして、初出場の彼女を抜擢する人選がそもそも完璧なんですね。また常設歌手席が撤廃されたのもこの年。ただトップバッターということもあって、このステージでは紅組歌手が全員お揃いの衣装で彼女を応援して、サビでは一緒に振り付けも行う形。それがかえって、それまでの紅白よりも温かさを感じる部分でもありました。
最後に冒頭紹介した、非常に情のこもった徹子さんの曲紹介。文面でも十分わかるかと思いますが、テレビを通して見ると更にそれが伝わります。この頃になると奈保子さんは『ザ・ベストテン』でも常連出演、徹子さんから見ても思い入れのある歌手であることがよく分かります。
とりあえずは以上になるでしょうか。歴代素晴らしいトップバッターのステージは他にも色々ありますが、当時のストーリー性なども含めるとやはりこの時の奈保子さんが一番のように感じます。この年の紅白は大がかりな演出が本格化して当時としてはこれまでにない迫力の紅白が見られたのではないかと思います。大トリが後に伝説化した、大量の紙吹雪でステージが埋まる「風雪ながれ旅」でしたね。「哀しみ本線日本海」も含めたこの年のトリ対決も歴代最高レベルですが、これはまた後々書く機会が出来るかと思います。
彼女の楽曲は比較的早期からストリーミング解禁されていて、レッツゴーヤングと込みで紅白全ステージも収録されたDVDも発売されています。紅白の出場回数は全部で6回ですが、内容は紅白史の中でも重要なステージが多くてかなり濃いです。それらの紹介もまた後々やっていく予定にしていますので、是非ご期待ください。
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