第70回(2019年)NHK紅白歌合戦~その2~

2020目前!! 11組の豪華審査員

 ゲスト審査員をさらっと紹介。席順に吉野彰、中西麻耶、瀬戸大也、井上尚弥、渋野日向子、長谷川博己、広瀬すず、田中圭、戸田恵梨香、サンドウィッチマン、上沼恵美子

 まずは櫻井さんが東京オリパラ出場を決めた中西選手・瀬戸選手を紹介。内村さんは去年の紅組司会、広瀬すず(去年の紅組司会)について触れています。「去年ほんと、大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」「今年はちょっと気持ち的に、楽です、正直」とコメント。そして24年・25年前の紅組司会・上沼恵美子(24年前の紅組司会)も紹介。20歳の時に応援団長も務めたと自ら話すとともに、「来年は歌やね」としっかりオチもつけます(若干噛みましたが)。更にウラトーク席、ラジオ中継席、BS4K8Kでの放送もここで一気に紹介。

 

(ウラトーク)
 堀江選手はここで退席。審査員を見て「サンドウィッチマンさんがガチガチよ」。上沼さんについては「出た!審査員といえば」。一方杉浦アナはまだaikoの余韻が抜けないようで、思わず敬称をつけ忘れてしまいます。

 主音声からの紹介後、「最初からこんな感じで持ちますかね4時間」「ロケットスタートね。お店入っていきなり突き出しのテンションでステーキ出された感じ」

 

(解説)
広瀬すずは前回の紅組司会ですが、司会を務めた翌年すぐゲスト審査員に選ばれる例は第61回(2010年)の仲間由紀恵以来2人目。なお司会経験者が後に審査員を務める例は、今回の上沼さんを含めて多数あります。

・上沼さんの応援団長は第26回(1975年)、海原千里・万里として2人で担当する形でした。上沼さんは当時まだ20歳でしたが、先輩相手にも全く臆することない芸風で、意外に現在と比べても大きく変わりはありません。翌年は「大阪ラプソディー」もヒットさせますが、歌手としては残念ながら惜しくも選ばれずという形でした。コンビは1977年に解散しましたが、過去から現在における全ての女性お笑い芸人と比較すると若さ・技術とも伝説的な存在で、令和になった今も多くのリスペクトを集めています。

・なお上沼さんはこの年11月に「時のしおり」を既にリリース、ロングヒットを記録して演歌・歌謡曲チャート1位も獲得しました。ただ残念ながら翌年も出場歌手としては惜しくも選ばれず。もし実現していれば西田敏行以来の歌手・応援・司会・審査員のグランドスラム達成でした。

白2(全体4):GENERATIONS(初出場)

・2011年結成、2012年デビュー
・23~28歳・7人組
・楽曲:「EXPerience Greatness」(2019/9/25 シングル)
  詞:Masaya Wada / VERBAL 曲:KENTZ / FAST LANE / CHRIS HOPE
・歌唱前テロップ:渋野日向子スマイル映像も!
・歌唱中テロップ:渋野日向子も注目のグループ
・演奏時間:1分55秒

 「最初からノリノリで楽しんでます」と話すゲスト審査員の渋野日向子(全英女子オープン優勝・スマイリングシンデレラ)。次の出場歌手ジェネロ・・・GENERATIONSについても楽しみにしているようです。綾瀬さん思いっきり噛んでしまいましたが、そこは「噛んでないですよ」としっかり櫻井さんがフォロー。

 コメントを受けて?渋野選手の名場面が大きなバックの映像で流れます。中高生のダンサーにブラバンなど応援団風の演出があって、ステージに立っている人数はとても多いです。明らかに演奏していないのが分かるブラスバンドの面々は果たして本当に必要だったのでしょうか。イントロも適当にカットされて2分を切る演奏時間、そこまで大ヒット曲ではないとは言え、せめて2分半くらいは欲しいところです。既に確かなキャリアがあるとは言え、初出場らしいコメントや紹介がなかったのも気の毒な印象でした。

 

(ウラトーク)
 渋野選手のショットに「スマイルシンデレラ。駄菓子用意してる?」。綾瀬さんのミスについては「スクラッチですよね今のね、噛んだんじゃないです」。山里さんのワードセンスが徐々に発揮されてきました。ステージ開始直後、杉浦アナが「#ウラトーク」でツイートをお願いしますと案内。

 直美さんは小森隼と一緒に番組をやっていますが、意外にもスポーツがすごく苦手らしいです。旗については「踊ってる子たちがみんな一生懸命巻いて、楽屋に持っていってました」と杉浦アナが取材した裏情報。GENERATIONSについては「とってもいい人でしたね」「優しいの、みんな」「好青年」と、人柄を絶賛していました。

 

(解説)
・渋野選手の全英女子オープン優勝は樋口久子以来、日本人では42年ぶり2人目の海外メジャー大会制覇の快挙になりました。年が明けて2020年はやや苦戦しますが、2021年は10月のスタンレーレディスゴルフトーナメントで勝利を収めています。

・ウラトークで少し触れられた駄菓子は、地元岡山で小さい時に通っていた駄菓子屋のようです。試合で『タラタラしてんじゃねーよ』を口にしている姿も話題になりました。さすがにNHKなので、ウラトークでも具体的な商品名を口にすることはありませんでした。

GENERATIONSは2012年「BRAVE IT OUT」でメジャーデビュー、オリコンではCD・映像作品ともに全て週間10位以内にランクインしています。白濱亜嵐関口メンディーEXILEの2014年新加入メンバーでもあるので、紅白出場は通算4回目。また第63回では他のLDHグループとともに、全員が「Rising Sun」のパフォーマンスに参加しています。

紅白ダンス対決!日向坂46×純烈&DA PUMP

 日向坂46のキュンキュンダンスと純烈のハッピーチョキチョキダンス対決を映像とナレーションで紹介。確かに映像を使った方が視聴者にとっても分かりやすいですが(TikTokのくだりなんかは特に)、なんだかそれによって紅白ならではの両司会のやり取りが少なくなって物足りなさを感じてしまうのは私だけでしょうか…?今回ナレーションを担当するのは声優の梶裕貴花澤香菜

 日向坂は初紅白、乃木坂46・秋元真夏欅坂46・菅井友香の両先輩キャプテンが応援。お尻を左右に動かすのがポイントと話すセンターの小坂菜緒、それに合わせて即座に踊る他のメンバー。「どうしての時に片脚も上げるんですよね」とも話す内村さんの追加情報も入ります。

 一方の純烈はDA PUMPの振付で、指をチョキにして左右に動かして右腕を上から下におろす簡単な内容。というわけでサンドウィッチマン・富澤たけし、現状どちらが優勢かという質問に「まあ日向坂ですよねー」と即答。当然純烈のメンバーは4人してツッコミを入れます。

 

(ウラトーク)
 ウラトークはどちらかと言うと純烈の方にシンパシーを感じている様子でした。

 「吉本坂の兄さん方は来ないんですか?」「吉本坂?直美ちゃん。訳の分からない坂は出しちゃダメだよ。そんな坂はないよ」。前年のサンドと同様、芸人にとって吉本坂46に対する認識はほぼ共通しているようです。

 

(解説)
・この年は初めて司会者以外から専属のナレーターが設けられました。双方とも多数のアニメで主要な役を演じている人気声優です。

日向坂46のメンバーで歌前に登場したのはセンターの小坂菜緒佐々木久美齊藤京子加藤史帆佐々木美玲富田鈴花。いずれもメディア出演が非常に多い人気メンバーです。サンドウィッチマンとは『KEYABINGO!』の縁があるので、純烈よりもこちらに情がいくのは自然なことでしょうか。

・ちなみに吉本坂46は2018年8月に吉本興業所属のタレントで結成されたグループで、男性も多数混じっています。一応元NMB48のメンバーも2人いましたが、人気は推して知るべしといったところ。握手会も全メンバー、完売からはほど遠い状況でした。2020年以降はCD発売も無し、結局2022年2月5日限りで活動休止。一応オリコン週間CDランキングでは最高3位を記録しましたが、お世辞にも成功とは言えないプロジェクトだったというのが正直なところでしょう。

紅3(全体5):日向坂46(初出場)

・2015年結成、2016年デビュー
・15~24歳・20人組
・楽曲:「キュン」(2019/3/27 シングル)
  詞:秋元 康 曲:野村陽一郎
・歌唱前テロップ:SNSで大人気 キュンキュンダンス
・歌唱中テロップ:SNSでも流行!キュンキュンダンス

・演奏時間:1分58秒

 早速冒頭サビの繰り返しが省略。先輩の乃木坂46欅坂46がそうだったように、彼女たちも初出場で相当演奏がカットされています。1番サビも随分短くなっています。ラストもなんだか慌てて演奏を止めたような感じで、そこまでステージに時間を割きたくないのかとツッコミたくなるほどでした。

 ただ、17人全員にソロショットが用意されるカメラワークはミスも全く無しで、完璧な仕事でした。先輩グループと比べて、各メンバーの人気差がそこまで大きく目立たないのは日向坂46の大きな長所です。

 

(ウラトーク)
 「結構このダンス超難しいですよ、脚とか腕とかの動きが」「あのヒールであんな複雑なダンスは、凄いと思います」。直美さんもダンス経験者なので、その立場から彼女たちの凄さを語ります。自身が踊る時は基本上履きか裸足、したがって膝に負担がかなりかかるのだとか。

 「これでキュンキュン言われたら、キュンキュン言っちゃうかもしれない」、この一言で流れが発生します。サビでは何とか耐えたようですが、ラストでやはり倒れてしまったようでした。なおその合間に、「オードリー見てるか?お前らの教え子たちが頑張ってるぞ」の声もありました。

 

(解説)
・メンバーは20名ですが、ステージは17名の出演。井口眞緒影山優佳濱岸ひよりも活動休止中、井口さんは翌年3月にそのまま卒業という形になっています。日向坂46として独立前はけやき坂46という名前での活動で、オリジナルの楽曲は全て欅坂46のシングルのカップリング曲として収録という状況でした。

・秋元康プロデュースの女性アイドルグループは第58回以降紅白でお馴染みになりましたが、全メンバーにソロショットが発生したのは今回が初めてです。人数も前回の欅坂46の方が16人で少なく、このステージが最少人数というわけではありません。2010年代前半と比べると多少絞られる傾向にあるのは確かなようです。

・ウラトークでも言及がありましたが、オードリーとは2018年4月から『ひらがな推し』『日向坂で会いましょう』で共演。業界視聴率がかなり高い番組になっていて、実際この番組で鍛えられたことが日向坂46メンバーの人気上昇・各番組への出演に大きく繋がっています。

白3(全体6):純烈(2年連続2回目)

・2007年結成、2010年デビュー 第69回(2018年)初出場
・33~48歳・4人組
・楽曲:「純烈のハッピーバースデー」(2019/5/15 シングル)
  詞・曲:幸 耕平 振付・踊り:DA PUMP
・歌唱前テロップ:DA PUMP共演 ハッピーチョキチョキダンス
・歌唱中テロップ:DA PUMP登場 リモコンでゲームも!
・演奏時間:2分12秒

 リモコンの決定ボタンを押すとキャラクターが踊りだす、これもまた紅白初の試み。バックの映像は銭湯に入る純烈だけでなくDA PUMPのメンバーも一緒です。親しみやすいサビの振付は、袖にいる司会者3人の動きもバッチリ揃ってます。複雑ではありませんが意外と立ち位置の移動は多く、しっかりとした振付になっていました。

 1コーラスですが、オープニングに時間をとった分歌唱時間はそこそこ。前半の中では、比較的良かった方のステージではないかと思います。

 

(ウラトーク)
 「俺はね、純烈のことをスーパー銭湯アベンジャーズって言ってるんだけどね」。酒井さんはDA PUMPを先生とずっと呼んでるようです。「大体すぐ先生と呼ぶ人は怪しい奴が多いから。くまだまさしさんもすぐ言うもんね」。そんな毒を放った所で、ゲスト審査員の長谷川博己がこちらに合流。

 「本当に華やかで。ドラマの現場とは全く違うから。羨ましいですよね」と話す長谷川さん。ここまでの紅白は「もう既に掴まれてますよ」「(郷ひろみと)ハイタッチ一緒にしちゃいましたもん、興奮しちゃって」「完全にミーハーになってます」「ジャパン言えなかったですね、言っときゃ良かった」「どの方も楽しみですけれども、いま石川さゆりさん、共演させて頂いてて、母上やって頂いてるので、楽しみですね」想像以上に長谷川さん、饒舌に喋っていてテンションが高いです。

 

(解説)
・中間・最終審査以外で視聴者が参加できるステージはこれが史上初になります。純烈は翌年も視聴者参加型ステージを展開、さらには他歌手の演出にも波及。これも紅白歌合戦に定着しつつあります。

DA PUMPは前回の五木ひろしに続いて、2年連続他ステージで踊り・振付に参加する形になりました。メンバーのほとんどが振付師としても活躍、自らのグループ以外の楽曲も多数携わっています。そもそも「純烈のハッピーバースデー」自体、TOMOU-YEAHが共同振付だったようです。

・純烈とDA PUMPの関係はその後も継続。2021年2月発売の「君がそばにいるから」も同様にTOMOとU-YEAHが振付を担当しています。

山里亮太&渡辺直美 副音声ウラトーク放送中!

チコちゃんに叱られる!紅白潜入?

 ウラトーク席にはゲスト審査員、来年の大河ドラマ『麒麟がくる』主演の長谷川博己が座ってます。「ドラマの現場とは違ってとても華やかで、すごく羨ましいです」と話していますが、元にいた席にはなぜか岡村隆史が着席。ウラトーク席にカメラが移る前やや乱入気味に座る場面では、横にいた渋野選手がかなりビックリしていました。なお当の本人も、農民役で来年の大河ドラマに出演します。

 で、そんな岡村を叱りに?チコちゃんも前回に引き続き登場。岡村を連れて帰るついでに、綾瀬さんに「この中で一番、みんなから尊敬されている大御所ってだ~れ?」と質問。「もちろん内村さんです」と答えた後、最終的に「なんで最後の人をトリって言うの?」という質問にたどり着きます。酉の市が最後に出来たお祭りだからそれが由来ではないかと内村さんは答えますが、やはり違うようで「ボーっと生きてんじゃねぇよ!」と例のフレーズ・アニメーション。内村さんが随分オーバーなリアクションを取っています。

 その答えは、「みんなの出演料をまとめて”取る”から」。これには思わずホールの観客も感心、良いリアクションです。寄席から生まれた言葉で、最後の出番の人が全員の出演料をまとめて取って出演者に分けることが理由のようです。ですので「今年は嵐が総取りする」、いやそういうことではありません。

 楽屋にチャーハンを残しているからということでチコちゃんを帰して、粘る岡村も退場させます。番組は言うまでもなく前年に引き続き好評ですが、このくだりで3分以上。明らかに1ステージより時間を使っているのは、歌番組として果たしてどうなのでしょうか。

 

(ウラトーク)
 席を取られた長谷川さんはやはり少し困っている様子。『チコちゃんに叱られる!』には先日出演して、「叱られまくりましたね」という状況だったよう。

 なぜかチコちゃんの質問が直美さんや山里さんから長谷川さんにも聞かれて、ちょっと困ってます。トリの答えに関しては、ウラトークのメンバーも驚き。「嵐が全員のギャラを取るんですか?」と内村さんより前に喋っていて、思わず山里さん謝罪。その後は『麒麟がくる』をこちらでも宣伝、「色々賛否両論あるかもしれませんけれども、お手柔らかに見て頂きたい」と話す長谷川さんでした。

 

(解説)
・『麒麟がくる』は長谷川博己が明智光秀役で主演、岡村さんも農民の菊丸役で出演しました。1月19日放送開始は例年と比べて随分遅いですが、これは濃姫役の女優が麻薬取締法違反で逮捕され、代役による撮り直しが発生したためです。さらにコロナの影響で撮影が中断したため、放送終了は2021年の2月7日になってしまいました。

・明智光秀を主演に据えた大河ドラマは、この『麒麟がくる』が初めてです。過去作では『国盗り物語』『秀吉』で大きくクローズアップされた例がありました。なお長谷川さんは『シン・ゴジラ』で映像出演があるので、紅白出演は2回目です。

名曲「上を向いて歩こう」と1964年 東京オリンピック

 「上を向いて歩こう」が、「SUKIYAKI」のタイトルでアメリカ・ビルボードチャート1位を獲得した坂本九。1964年10月1日オリンピック選手村での写真もカラーで掲載されてます。台湾のコンサートではこの曲で一つになれたと話すHey! Say! JUMP山田涼介、そして今年亡くなったジャニーもですね…やや唐突に話し始める形で松本潤が企画コーナーを紹介。ついでに?島津亜矢のステージもここで紹介。「糸」の、特に歌詞が大好きという吉野彰に話を尋ねます。もっとも、テロップによると楽しみな歌手はDA PUMPのようです。

企画1(全体7):ジャニーズJr. Let’s Go to 2020 Tokyo

・楽曲:「Let’s Go To Earth」「Let’s Go To Tokyo」
・歌唱前テロップ:ジャニーさん夢見た2020ステージ
・歌唱中テロップ:ジャニーさん夢見た2020
・演奏時間:1分27秒

 来年1月にメジャーデビューするSnow ManSixTONESジャニーズJr.のメンバーも大勢加えたスペシャルステージ。もしかするとこの2組とも、次回の紅白に初出場するかもしれません。一応2曲のメドレーですが、その切り替わりは知っている人でないとほとんど分からなかったように思います(一応左上のテロップで判別可能でした)。約1分半であっという間、位置づけとしては直後に出てくる先輩の前座みたいな形でした。作詞作曲含めたクレジットも無しで、企画意図は分からなくもないのですが…。

 

(ウラトーク)
 長谷川さんはここで退席。なぜか長谷川さんが写真を撮影するシチュエーションになっています。

 舞台は「綺麗な顔した子がいっぱいいる」状況。マツジュンを見て「髪の毛のメッシュがきれい」「スタンバイしている時ビシッとされてるんですね」と杉浦アナ。

 「どこ行くの?地球だ!」と冒頭の歌詞を見て山里さんが話してます。「皆さんジュニアのファンの方々、推しは見つかりましたか?」「輝いてるよ!」と、ジュニアを大絶賛するウラトーク席でした。

 

(解説)
・ジャニー喜多川氏はこの年7月9日に87歳で逝去しました。芸能史において様々な評価はありますが、新しいジャンルを作って極めて大きな存在に育て上げたのは間違いない事実です。第16回(1965年)のジャニーズに第21回(1970年)~第27回(1976年)のフォーリーブス、そして第31回(1980年)の田原俊彦以降は40年以上毎年事務所から紅白歌手を送り込んでいます。

・もっとも2023年になって、イギリス・BBCでの特集番組をきっかけに彼による性加害問題が大きくクローズアップされます。報道はそれだけに留まらず事務所の圧力問題などにも発展。とりあえず第74回(2023年)に関して言うと、所属アーティストの出演は極めて難しい状況となっています。

SixTONESSnow Manは翌年1月のデビュー曲も当然大ヒット、紅白歌合戦にも初出場を果たす形になりました。ただSnow Manはメンバーがコロナウイルス感染の為に出られず、初出場は1年遅れてという形となります。

・曲は「Let’s Go To Earth」が2015年発売Sexy Zone『Sexy Power 3』初回限定盤Bのみに収録、「Let’s Go To Tokyo」は少年隊が主演するミュージカル・PLAYZONEの劇中歌として1990年以降長年使われていた楽曲です。

吉野彰はこの年リチウムイオン二次電池の開発でノーベル化学賞を受賞。ノーベル賞を受賞した年にゲスト審査員を務めたのは史上初です。第65回の山中伸弥教授(2012年生理学・医学賞)の例もありますが、エンタメとは全く異なるジャンルなのでやはり出演は少ないです。ただリチウムイオン二次電池は携帯やパソコンに音楽プレイヤーなど多数の電子・電気機器に搭載されているので、100%エンタメと無縁とまでは言えません。

白4(全体8):Hey! Say! JUMP(3年連続3回目)

・2007年結成、デビュー 第68回(2017年)初出場
・26~29歳・8人組
・タイトル:「上を向いて歩こう ~令和スペシャルバージョン~」
 楽曲:「上を向いて歩こう」(1961/10/15 坂本 九)…7年ぶり7回目
  詞:永 六輔 曲:中村八大
・歌唱前テロップ:坂本九の名曲「上を向いて歩こう」
・歌唱中テロップ:1963年 海外でヒット 坂本九の名曲
・演奏時間:2分18秒

 1964年の東京を象徴するようなバック映像(当時のテレビ受像機も再現しているのが良いです)に、手話を交えて歌う前半。そこからカラフルな紙吹雪が舞い、ジュニアが通路に集合する後半。歌声が事前撮りと思われる音声も含めて、まるでプロモーションビデオを見ているかのようなステージでした。

 果たしてどれくらいの人に、彼らが歌うこの曲の良さが伝わったのでしょうか。正直、選曲から演出に至るまで疑問は尽きません。名曲が永遠に歌い継がれるべきであるのはいつの時代も共通ですが、名曲だからとりあえず歌わせるという発想はもう平成の時代で終わりにして良いのではないでしょうか。

 

(ウラトーク)
 ジュニアのメンバーの移動に注目。ウラトーク席の横を走りながら、いい笑顔で退席しているようです。Twitterのメッセージは「今年のウラトーク面白いな」、前年と違って純粋に好評のようです。

 「この後どこかのタイミングで、Hey! Say! JUMPのお二方、出ます」とファン向けにお得情報として予告。ピョンピョン跳ねるジュニアを見て「あの子たちはね、膝の痛みまだ知らないね」。ジュニアに合わせて、山里さんや直美さんも手を動かしています。ハート型の紙吹雪を取ろうとする2人ですが、「反射神経悪すぎて全然取れない!」「井上選手だったらすぐ取れるんだろうね、バッバッて!」

 

(解説)
・「上を向いて歩こう」は通算5回全て別の歌手による歌唱、これは1曲について歌われたアーティスト数最多記録になります。また第51回と第55回で2度全員合唱で披露がありました。意外と元祖は第12回(1961年)の1回のみ、したがって九さんが紅白でこの曲を歌う映像は存在していません。

Hey! Say! JUMPのカバーは現在まで全くリリースはありませんが、この年6月放送のNTV系ドラマ『もみ消して冬 2019夏 ~夏でも寒くて死にそうです~』主題歌として歌唱されました。この年は他の年末番組でも歌われています。

・手話を交えたパフォーマンスは第46回(1995年)の酒井法子「碧いうさぎ」、第58回(2007年)の一青窈「ハナミズキ」などが過去にあります。ジャニーズでも2009年のスノープリンス合唱団「スノープリンス」があって、第60回のこども紅白歌合戦コーナーでも披露されていました。

紅4(全体9):島津亜矢(5年連続6回目)

・1986年デビュー 第52回(2001年)初出場
・1971年3月28日生 熊本県熊本市出身
・楽曲:「糸」(1992/10/7 中島みゆき)…5年ぶり2回目
  詞・曲:中島みゆき ピアノ:清塚信也
・歌唱中テロップ:ノーベル賞 吉野彰さんも好きな1曲

・演奏時間:2分3秒

 清塚信也のピアノと島津亜矢の歌声のみの構成で、派手な演出は美しい星空の映像くらいで実にシンプル。本来なら後半に持っていっても良いステージですがこの曲順、加えて1コーラス半なのでステージ時間はかなり短め。素材を活かせていない料理、という言葉はよく聴きますが、この場合は素材も料理も優れているものの盛付けが絶望的に下手といったところでしょうか。そもそも、与えられた時間=食器の数があまりにも足りていないというのが正直な印象です。

 清塚さんのピアノ演奏と島津さんの歌声は当然素晴らしく、その中でも清塚さんのカメラ目線が印象的でした。なお途中大きな雑音が入るハプニングが発生しています。

 

(ウラトーク)
 歌詞に合わせてフリーに反応する山里さんと直美さん。”知らない”に過剰反応しています。途中雑音がかなり大きく入った場面あり、直後トークが止まって杉浦アナが言及、山里さんが代わりに謝罪。

 

(解説)
・「糸」の選曲は第65回のクリス・ハート以来2回目。「時代」も德永英明が2度歌唱、複数曲が2回以上他の歌手によって紅白で歌われるのは、日本の歌手だと美空ひばり(「川の流れのように」「人生一路」)・坂本九(「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」)・山口百恵(「秋桜」「曼珠沙華」)以来、中島みゆきが4人目になります(「秋桜」はセルフカバーですが)。

・カメラ目線が気になる清塚さんはこの年日本人男性クラシックピアニスト初の日本武道館公演を開催。ドラマ・映画の音楽を担当することも多いです。また、MCにも定評があり、演技の仕事も時折こなしています。

・清塚さんはバラエティーでトークをする機会も多いようで、この時のエピソードは他番組で語られました。やはり時間に関して相当厳しく言われたそうで、1秒の狂いも生じさせない為にかなり苦慮されたとか…。それによるとカメラ目線は、目立とうという意識ではなく島津さんの歌唱に合わせる意図があったようです。エピソード込みで見返すと、両者のプロとしての仕事がしっかり伝わるステージであったことがよく分かります。

コメント

  1. 水色が鮮やかすぎてすごく目が痛いし文字が読みにくいです。
    前のブログだったら、若干は読みやすかった気はしますが、背景色もあるんですかね…
    配慮していただけると助かります。

  2. ご指摘ありましたので色を変更致しました。

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