演奏時間&構成表 2(第49回・1998年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
13(紅7) 紅前半7 |
Time goes by | Every Little Thing |
2分49秒 1コーラス半 |
5分12秒 2コーラス半 |
14(白7) 白前半7 |
傷だらけのローラ | 西城秀樹 | 2分58秒 2コーラス半 |
3分7秒 2コーラス半 |
15(紅8) 紅前半8 |
浮雲 | 香西かおり | 2分50秒 2コーラス |
4分29秒 3コーラス |
16(白8) 白前半8 |
冬鴎 | 吉 幾三 | 3分1秒 2コーラス |
4分19秒 2コーラス+サビ2 |
17(紅9) 紅前半9 |
きらら | 工藤静香 | 3分44秒 1コーラス+サビ |
4分56秒 1コーラス半 |
18(白9) 白前半9 |
神戸 | 前川 清 | 3分17秒 2コーラス |
3分42秒 2コーラス+サビ |
19(紅10) 紅前半10 |
港恋唄 | 伍代夏子 | 3分18秒 2コーラス |
4分59秒 3コーラス |
20(白10) 白前半10 |
いつでも夢を | 橋 幸夫 | 2分56秒 2コーラス |
3分49秒 2コーラス半 |
21(紅11) 紅後半1 |
POWER & Timing 大晦日MIX |
ポケットビスケッツ& ブラックビスケッツ スペシャルバンド |
4分21秒 2曲 |
|
POWER | 2分13秒 冒頭+1コーラス+サビ2 |
4分54秒 冒頭+2コーラス半+サビ |
||
Timing ~タイミング~ | 2分6秒 1コーラス半+サビ |
4分9秒 2コーラス半+サビ2 |
||
22(白11) 白後半1 |
HONEY | L’Arc~en~Ciel | 2分47秒 1コーラス半 |
3分47秒 2コーラス半 |
23(紅12) 紅後半2 |
Ride on time | MAX | 2分53秒 冒頭+1コーラス+サビ |
4分25秒 冒頭+2コーラス半 |
24(白12) 白後半2 |
I for You | LUNA SEA | 3分32秒 1コーラス+サビ |
5分30秒 2コーラス+サビ |
25(紅12) 紅後半2 |
daily news | 華原朋美 | 2分58秒 2コーラス |
4分18秒 3コーラス |
26(白13) 白後半3 |
別れの旅路 | 美川憲一 | 3分7秒 2コーラス |
4分28秒 3コーラス |
27(紅14) 紅後半4 |
wanna Be A Dreammaker | globe | 3分48秒 1コーラス+サビ2+ラップ |
5分34秒 2コーラス+サビ2+ラップ2 |
28(白14) 白後半4 |
誘惑 | GLAY | 3分43秒 冒頭+1コーラス半 |
4分21秒 冒頭+1コーラス半+サビ |
各ステージ・補足
Every Little Thingはミリオンセラーの「Time goes by」を歌唱。この曲が収録されているアルバムはCD売上300万枚以上の大ヒットでしたが、紅組の層の厚さもあって前半の歌唱に回りました。1コーラス半、1番はAメロ後半がカット。最後のwow wow wowもカットで演奏時間も3分に届かず。ヒットの割に扱いがすこぶる悪い状況でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・Every Little Thingの軌跡)
西城秀樹は24年ぶり、初出場の第25回以来久々に「傷だらけのローラ」を歌唱。サビ前のタメが大幅に長くなるアレンジで、演奏もギターやドラム強めのバンド仕様。3分7秒の曲なのでフルコーラスと言いたい所ですが、サビの繰り返しは1回少なめ。12秒演奏時間が長くなったものの、構成自体は第25回と同様です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・西城秀樹の軌跡)
香西かおりはこの年ヒットの「浮雲」を2コーラス、1番と3番の披露。今いくよ・くるよ師匠と山田花子の騒がしい応援を受けての登場でしたが、しっかり雰囲気を自分色に変えていました。
吉幾三の「冬鴎」はコロッケのものまねショー直後のステージです。2コーラス歌唱、ラストサビだけでなく間奏もカットでした。
工藤静香の「きらら」は葉加瀬太郎がヴァイオリン演奏で参加。ただ聴かせどころであるイントロは大幅カットになっています。ドラマ『神様、もう少しだけ』挿入歌ですが、同じドラマから主題歌・挿入歌双方が紅白で歌われる例はかなり珍しいのではないかと思います。2回同じメロディーを繰り返すラストサビは後半のみの歌唱。また間奏は葉加瀬さんの演奏を引き立たせるため、アレンジが大きく変わっています。
前川清は「そして、神戸」ではなく、この年発表の「神戸」を歌唱。直立不動で聴かせるステージでした。なお2番からは当時一緒に番組をやっていた梅沢富美男が女形の舞を披露、歌唱後はその格好のまま漫才のようなやり取りも見せています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・前川清の軌跡)
第1部紅組トリは伍代夏子「港恋唄」。1番と3番をじっくり聴かせるステージでした。アウトロもカット無し、歌の部分以外でもしっかり時間を取っています。
橋幸夫が歌う「いつでも夢を」は4回目の歌唱ですが、NHKホールの紅白で歌ったのはこれが唯一です。作曲者の吉田正が逝去したことによる追悼ステージ、吉永小百合が歌う2番ソロパートは紅組歌手4名が交代で歌う演出です。2コーラスに加えて、最後はラストフレーズを高らかに歌うエンディングでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・橋幸夫の軌跡)
第2部トップバッターはポケットビスケッツとブラックビスケッツのスペシャルユニット、番組内では対立しているという設定だったので完全にこの紅白歌合戦限りのステージでした。「POWER」冒頭~1番(歌以外の演奏は半分くらいカット)→「Timing」間奏(南々見狂也サックス演奏&マジック演出)~イントロ後半~1番→「POWER」ラストサビ前半→「Timing」3番Bメロ→「POWER」ラストサビ後半(ホワイティ登場)→「Timing」ラストサビ2回繰り返し~アウトロラストと目まぐるしく入れ替わる構成です。
L’Arc~en~Cielはこの年7枚のシングル全てが大ヒット、一気に時代を代表するアーティストとして台頭した一年でした。その中でもっともヒットした「HONEY」を1コーラス半。色気を感じさせるHYDEの歌声と表情だけでなく、演奏中の大掛かりなセット移動も印象的でした。ただ短い曲をテレビサイズにしているので、演奏時間としては意外なほどの短さです。
MAXの「Ride on time」は曲調に合わせてサンバ風のダンサーが登場、1階席の通路にまで進出しています。構成は冒頭+1コーラス+間奏+ラストサビ前半~lalalalala。カット部分が多い印象もありますが、演奏時間はそれなりにまとまっています。
LUNA SEAは1994年・1995年の時点で大ヒットしていましたが、紅白は前年RYUICHIソロを経て再始動後の出場でした。「きらら」と同様ドラマ『神様、もう少しだけ』のタイアップ、こちらは主題歌の「I for You」を歌います。1番からサビで2番に飛び、間奏を経てラストサビに至る構成です。最後のサビ終盤は省略、アウトロもやや短くなっていました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史)
華原朋美はこの年精神的にかなり大変な年だったと言われていますが、なんとか紅白歌合戦は3年連続出場。音源よりもはるかに安定した歌唱の「daily news」、武富士のコマーシャルに出てきそうなエアロビ風のダンサーをバックに1番と2番を歌唱。(ステージレビュー→紅白歌合戦・華原朋美の軌跡)
美川憲一は例年より少し早い出番、バロック風の編曲は「別れの旅路」という本来の旅情演歌と全く異なる雰囲気になっていました。真っ暗な照明の中で衣装が巨大化、そこから蝶もしくは蛾のように舞う宙吊り演出。1998年は実際20世紀の終わりまであと少しですが、紅白でこれほど世紀末を感じさせたステージは過去にありません。一応歌は1番と3番の2コーラスです。
globeは日本レコード大賞受賞曲「wanna Be A Dreammaker」。CD売上を元にした予想的にはかなり意外な結果でしたが、作品としては間違いなく革命作でそれに相応しい出来でした。1コーラス~ラップから、KEIKOとMARCのボーカル&ラップが同時進行するラストサビは圧巻。フェイドアウトで終わるラストは、音源にない演奏で締める形になっています。
GLAYは1998年最大のヒット曲「誘惑」。ラストサビ前半こそカットでしたが、それ以外は逆に言うと歌以外の部分含めてカット無し。時代を代表するアーティストに相応しいパフォーマンスを終始繰り広げました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史)
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