歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第35回・1984年その1)

 出場歌手各20組、1984年は第6回以来29年ぶりの少数精鋭になりました。前年から見られた現象としてはやはり、1ステージごとの演奏時間増加が挙げられます。この年は都はるみ引退の話題一色で、瞬間最高視聴率84%というとてつもない記録を樹立した年ですが、それ以外でも注目のステージが多い紅白でした。

 

演奏時間&構成表 1(第35回・1984年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
1(紅1)誘惑光線・クラッ!早見 優2分34秒
2コーラス
3分18秒
2コーラス+サビ
2(白1)アッパレ!フジヤマシブがき隊2分31秒
1コーラス半
4分9秒
2コーラス+サビ
3(紅2)東京Sugar Town堀ちえみ2分15秒
1コーラス半
3分55秒
2コーラス+サビ
4(白2)泣かないで舘ひろし3分12秒
2コーラス
4分42秒
2コーラス
5(紅3)秋冬高田みづえ2分47秒
2コーラス
3分31秒
2コーラス+サビ
6(白3)津軽平野千 昌夫2分21秒
2コーラス
4分9秒
3コーラス
7(紅4)唇のプライバシー河合奈保子2分21秒
1コーラス半
3分43秒
2コーラス半
8(白4)抱きしめてジルバ西城秀樹2分43秒
1コーラス半
4分25秒
2コーラス半
9(紅5)名画座研ナオコ2分21秒
1コーラス+サビ
4分18秒
2コーラス+サビ
10(白5)奥州路山本譲二2分36秒
1コーラス半
4分27秒
2コーラス
11(企1)豊年こいこい節出場歌手全員3分40秒

各ステージ・補足

 トップバッターは2年連続出場の早見優。紅組先攻・出場歌手が全員で応援するスタイルはもう4年連続です。カット無しの2コーラス、その後は一気にコーラス&アウトロまで飛びました。

 シブがき隊は通算2回目のトップバッター、この年は「アッパレ!フジヤマ」を歌唱。歌唱力が高くないからこそ余計に感じる、ひたむきさが印象的なステージでした。1コーラス歌唱後、タメありのラストサビに飛ぶ構成。そのままアウトロまで突っ走ります。

 堀ちえみは「東京Sugar Town」で初出場。アイドルとして以上に、『スチュワーデス物語』における主演女優としての活躍が評価された一年でした。音程が拙いゆえのかわいらしさがこちらも印象的。ただイントロはカット多め・1コーラス後は間奏無しの2番Bメロ移行なので扱いは軽めです。

 舘ひろしは2コーラスですが、2回ある1番のAメロのうち後半の1回はカットでした。とは言えこの時点で既に人気俳優、2コーラス歌唱で演奏時間は3分台です。

 公式発表前ではありましたが、「秋冬」を歌う高田みづえはこの時点で引退を決意していたようです。2コーラス、涙を流しながらの熱唱でした。2番はAメロ前半がカットされています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・高田みづえの軌跡

 感動をぶち壊すかのようなピンクシャツ・虹柄の腹巻きと鉢巻姿で登場した千昌夫は、ブレイク前の吉幾三が楽曲提供した「津軽平野」を歌唱。1番と3番を、千さんらしい節回しで聴かせるステージでした。

 河合奈保子の「唇のプライバシー」は演奏時間こそやや短め、テンポ速めの1コーラス+Cメロ・ラストサビですが、歌唱・楽曲・衣装ともに内容は大変濃いものがありました。細かくはリンク先のステージレビューを参照してください。(ステージレビュー→紅白歌合戦・河合奈保子の軌跡

 西城秀樹はワム!「ケアレス・ウィスパー」の日本語カバー曲、「抱きしめてジルバ」。こちらは専属バンドの生演奏とゆったりとしたテンポでの熱唱が心地良いステージでした。1コーラス後、後半カットの間奏を経てCメロ~ラストサビに移行する構成です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・西城秀樹の軌跡

 研ナオコは1コーラスとサビ繰り返しのラストを歌唱。若干テンポ速めでした。

 山本譲二は1コーラス歌唱後、間奏無しで2番Bメロ~サビ。2番は同じメロディーのサビが異なる歌詞で繰り返しですが、こちらは後半パートのみ歌唱でした。

 前回の「紅白俵積み合戦」の効果があったかどうかは不明ですが、この年はお米が豊作だったらしいです。というわけでこの年も、出場歌手全員で「豊年こいこい節」を歌い踊るコーナーが設けられました。歌は石川さゆり森昌子髙橋真梨子。太鼓を叩きながら登場するのは白組人気歌手、早乙女は若い女性アイドル勢メイン、農家の夫婦は両軍キャプテン。かかしの腹踊りをするシブがき隊、花笠を被っての刈り取りは紅組ベテラン陣、神主に扮するは三波春夫先生と村田英雄先生、神輿を担ぐのはその他の白組歌手。牛を曳く研ナオコもなかなかですが、極めつけはやはり力士の着ぐるみみたいな衣装で登場した芦屋雁之助だったでしょうか…。

 

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