第70回(2019年)NHK紅白歌合戦~その3~

企画2(全体10):「夢を歌おう」特別企画 Disney Cinema Medley 2019

 実写版『アラジン』『トイ・ストーリー4』『アナと雪の女王2』の映像とともに各歌手を紹介。オーディションで選ばれた中元みずきは、つい先月までスーパーでアルバイトしていたと話しています。「今日はダイヤモンドフユカイじゃなくて、本物のダイヤモンドユカイです」と喋るダイアモンド☆ユカイ、何とも言えない雰囲気です。中村倫也&木下晴香は緊張、楽しみという言葉が印象的でした。

中元みずき「イントゥ・ジ・アンノウン ~心のままに」

・2019年デビュー
・2000年4月28日生 広島県広島市出身
・楽曲:「イントゥ・ジ・アンノウン ~心のままに」(2019/11/22 『Frozen 2』)
  詞・曲:ロバート・ロペス、クリステン・アンダーソン=ロペス
  日本語詞:高橋知伽江
・歌唱中テロップ:アナと雪の女王2
・演奏時間:1分39秒

 第一声から力強く伸びやかな歌声。芯があってカッコ良いボーカルは、ミュージカルでもロック歌手でもアニソン歌手でも間違いなく通用する声質の持ち主だと思いました。素晴らしいステージであったとともに、2020年以降は本職一本で仕事できるように周りも全面協力して欲しいです。ちなみに苗字から何となく想像できましたが、調べたところやはり彼女はアクターズスクール広島出身のようです。

ダイアモンド☆ユカイ「君はともだち」

・1986年RED WARRIORSボーカルとしてデビュー
・1962年3月12日生 東京都出身
・楽曲:「君はともだち」(1996/3/6 シングル)
  詞・曲:ランディ・ニューマン 日本語詞:中川五郎
・歌唱中テロップ:トイ・ストーリー4
・演奏時間:1分28秒

 ジャジーな雰囲気に、なぜかKing & Prince平野紫耀髙橋海人もバックでややコントチックに盛り上げます。ユカイさんは最近バラエティ出演も多いので違和感はあまりないですが、RED WARRIORSを知ってる立場から見るとやや不思議な光景だったのではないでしょうか。途中からは3人揃ってゲスト審査員席の目の前に移動して歌う演出でした。

中村倫也&木下晴香「ホール・ニュー・ワールド」

・中村倫也…2005年俳優デビュー 1986年12月24日生 東京都出身
・木下晴香…2017年俳優デビュー 1999年2月5日生 佐賀県鳥栖市出身
・楽曲:「ホール・ニュー・ワールド」(2019/5/31 配信)
  詞:ティム・ライス 曲:アラン・メンケン 日本語詞:もりちよこ
・歌唱中テロップ:アラジン
・演奏時間:2分29秒

 今となってはJ-POP歌手が英語詞でカバーしてる事例も多い楽曲なので、この曲に限って言うと日本語詞にやや今更感があります(あくまで自分の感想)。2人とも素晴らしい歌声・ルックスですが、個人的には木下さんの声の伸びが印象的でした。

 

(ウラトーク)
 山里さんは中元みずきの歌声に注目。「誰かがあの子にバーコード打ってもらった」という話題に、杉浦アナは「結構な人たちが打っててもらった」と意外と冷静。ユカイさんのコメントについて「おー、やりましたねこれ」、直美さんと杉浦アナがそこにツッコミを入れています。中村さんは「さっき会ったけどさ、トイ・ストーリー4(よん)って呼んだよ」、意外と彼は天然のようです。

 中元さんの歌唱は「月並みな表現ですけど、鳥肌ですよ」。直美さんは本当に鳥肌が立っているようで、「ほぼ鳥みたいになっちゃってる」「聴いてる人もみんな呆然としてますもんね」という会場の様子も同時に伝えてます。山里さんは途中「はいよ!そうだ!そうだ!そうさ!」、意味不明な合いの手を入れる場面がありました。

 ユカイさんのステージは、直美さんが平野紫耀に夢中。「ウラトークが安定してうるさくて最高」というメッセージも読まれました。ユカイさんについては「名前をパソコンで入れるのにさ、真ん中の字が出なくて大変なんだよ。スタッフさんいつも手描きで書いてる」「魔法陣ユカイって書いたらやっぱり出てこなかった」。実際の文字は△と▽を重ねて作った文字で、確かにパソコンでは出ません。当サイトではとりあえず比較的形の近い☆マークで表記しています。

 中村さんと木下さんの美男美女コンビは、直美さんが倒れそうになっています。山里さんが「聴かなきゃダメよ」と分かりやすいフリ、サビで直美さんが「あーあーあー、やだやだ!」と悶えていました。山里さんも木下の歌声で同じようにやられています。”教えてくれた”の歌詞で出てきた一言は「いま俺が教えることって、芸能ゴシップしかない!」。番組開始40分でこのゾーン凄いと連発、「落ち着くために1回どぶろっく挟まない?」ととんでもないことを口走ってます。

 ちなみに山里さん情報によると、中村さんの胸元には、オリジナルでアラジンのお猿さんの刺繍が入っているみたいです。ただ残念ながらそれは映らなかった様子でした。

 

(解説)
・2014年に社会現象になった『アナと雪の女王』の続編は2019年11月に公開。さすがに前作ほど大きな興行収入ではないものの、公開から10日間での40億円突破はディズニー最速記録。高い人気はしっかりキープしていました。

中元みずきはオーディションで勝ち抜いて、主題歌の座を射止めました。ただ2020年以降大きなバックアップを得られたとは言えない状況のようです。今年からはMizkiの名前でソロ活動開始、メイクは当時とかなり変えている様子ですが、高い歌唱力は勿論健在です。

・ ダイアモンド☆ユカイは80年代後半に人気を博したロックバンド・RED WARRIORSのボーカルでした。当時の活動を振り返ると考えられない形の紅白出場ですが、「君はともだち」は1996年以来20年以上にわたって歌い続けています。『トイ・ストーリー』は1995年・1999年・2010年・2019年の4度にわたって映画化、時代や世代を超えた人気作品として全世界に認知されています。

・『アラジン』は1992年にアニメ公開、2019年6月に実写ミュージカル・ファンタジー映画として公開されました。「A Whole New World」はアニメ版が作られた時に制作された楽曲で、全世界で多くの歌手がカバーしています。

中村倫也木下晴香はともに歌手ではなく俳優をメインに活動しています。中村さんは主演級では無いものの、映画ドラマの出演数は非常に多いです。最近はバラエティ番組のMCでも起用され始めました。一方木下さんはミュージカル中心に活躍。2人は『アラジン』のアラジン役とジャスミン役、双方とも初の吹き替え仕事でした。

紅白×LIFE! SPコント

 もうすっかりお馴染み、紅白スーパーバイザー・三津谷寛治。前回のひょっこりひょうたん島に続き、今回も子ども向けコンテンツを並べたいと話します。塚地武雅から「NHKで子ども向けといえばこちらでしょう」とイカ大王の写真を渡しますが、やはり即却下。

 ディズニーの後に相応しい子ども向けコンテンツですが、紅白歌合戦企画本部の社員は全員頭を悩ませています。そんな中で、松山放送局ディレクター・大野諭司(大野智がやや自信なさげにおしりたんていを提案。周りからはブーイングが挙がりますが、大野の力強いアピールに押されて三津谷は感動。そのままこの企画が通る形になりました。最後に秘書役のムロツヨシが一言、「NHKも、変わったなあ…」。他の出演者は中川大志じろう

企画3(全体11):おしりたんてい「ププッとフムッとかいけつダンス」

・楽曲:「ププッとフムッとかいけつダンス」(2018/6/20 シングル)
  詞:藤本記子 曲:小杉保夫
  振付:TEMPURA KIDZ、西田一生
  踊り:かいとうU、すず、すずき、ブラウン、マルチーズしょちょう
・歌唱中テロップ:キッズに大人気「おしりたんてい」登場!
・演奏時間:1分29秒

 紳士っぽく挨拶するおしりたんていですが、方向性はイラストが示す通り。でもこういう方向性、子どもたちは昔から大好きです。そういえば数年前にはうんち漢字ドリルなんてのも流行っていました。歌詞テロップもオレンジ地に字体を変えたオリジナルの物が採用されています。

 ステージに登場している出場歌手はPerfume郷ひろみを筆頭に、GENERATIONSの3人、Hey! Say! JUMPの4人、Little Glee Monster5人全員、AKB48乃木坂46欅坂46の一部メンバー。コミカルなステージを見せてくれました。

 

(ウラトーク)
 「舞台にとんでもないことの準備されてるね、直美ちゃん」「これはヤバいですね」。直後、三津谷氏が子ども向けコンテンツとはっきり口走るシーンに直美さんが大ウケ。コントをやっている人は絶対に出たいと話すLIFE!。なお南海キャンディーズは漫才専門のようで、コントは大根なのだそうです。各出演者にも反応、山里さんはムロツヨシを「カタカナまみれ」と呼んでいます。

 ステージはまず郷さんがいることに大ウケ。踊りがキレキレで笑顔なのにもビックリ。立ち位置がおしりたんていの真後ろなので、郷さんに被害がないか心配しています。他はPerfumeやGENERATIONSにも注目しますが、メインの話題はやはり郷さんでした。

 

(解説)
中川大志とシソンヌのじろうは初の紅白出演です。ともに2017年から出演、2018年にレギュラー出演者となりました。『LIFE!』のレギュラーといえばココリコの田中直樹もいますが、裏番組出演のため紅白に出られない状況がずっと続いています。

・『おしりたんてい』は2018年から断続的にEテレで放送、2021年放送分で第5期に入りました。歌唱は伊勢大貴が担当、ダンス振付はTEMPURA KIDZ。ちなみにこの年から年1回ペースで映画も公開、NHKが力を入れた人気コンテンツであることは間違いなさそうです。

・各グループから複数名参加していますが、全員参加はPerfumeLittle Glee Monsterのみでした。GENERATIONSはパフォーマーの関口メンディー小森隼中務裕太Hey! Say! JUMP知念侑李有岡大貴中島裕翔髙木雄也の4人のみの参加です。

乃木坂46秋元真夏高山一実松村沙友理堀未央奈北野日奈子など8人いますが、数人ほぼ映っていません。欅坂46菅井友香小池美波尾関梨香土生瑞穗原田葵武元唯衣関有美子森田ひかる、こちらは場所が固まっているので8人確認可能。AKB48岡田奈々向井地美音など人数は8人で間違いなさそうですが、後方でカメラも無いため映ってるシーンがほとんどありませんでした。

デビュー9年目で初紅白 Kis-My-Ft2
Matt登場!ピアノ披露

 ローラースケートで颯爽と登場するKis-My-Ft2の面々。来年の五輪でメダルが期待されるスケートボード・四十住さくらを取材した映像も紹介(北山宏光千賀健永横尾渉の3人が取材)。世界ランキングで2位の彼女は、スケボーを彼氏とまで言い切っています。取材したキスマイや綾瀬さんもスケボーは難しいと話していますが、このVTRとその後のコメントでまたそこそこの時間を使っているのが気になります。スタンバイ後、天童よしみのステージでピアノ演奏するMatt(父は元巨人・桑田真澄)も登場。綾瀬さんが彼のプロフィールを軽く紹介します。

白5(全体12):Kis-My-Ft2(初出場)

・2005年結成、2011年デビュー
・28~34歳・7人組
・楽曲:「Everybody Go」(2011/8/10 シングル)
  詞:上中丈弥(THEイナズマ戦隊) 曲:Samuel Waermo / Stefan Aberg / Octobar
・歌唱前テロップ:デビュー曲でローラースケートを!
・歌唱中テロップ:2020年新競技映像も!
・演奏時間:2分25秒

 出場歌手がローラースケートで紅白パフォーマンスするのはおそらく光GENJI以来26年ぶりだと思うのですが、それくらい時間も経てばローラースケートも電飾で光るようになります。パフォーマンスも動き回るだけでなく結構じっとして歌う場面も多く、かなりの運動能力の高さを見せています。パフォーマンスも生歌中心でしょうか、臨場感あって盛り上がるステージでした。新しさを強調している演出も良し、歌詞もスポーティーで良し。惜しみらくは選曲が8年前のデビュー曲だったことくらいでしょうか。

 

(ウラトーク)
 スーッと登場するキスマイに「ビックリした、浮いてるのかと思った」「山里さん、踊ることはできるんですか?」「踊りはあんまり出来ないの、俺」「踊りも」。直美さんの一言に山里さんが直でクレームを入れてます。直美さんの踊りは独学で、みんなで踊るのは難しいみたいです。3年前の紅白でビヨンセを踊った際は、「見に来てくださってるおじいちゃんおばあちゃん、マジポカーンでした」。本家を知らないのでモノマネとみなされてなかったらしいです。

 予告されていた通りここでHey! Say! JUMPのメンバーがゲストに登場。八乙女光伊野尾慧がウラトーク席に加わります。ステージの感想は伊野尾さんが「緊張しますし、あとその流れでいきなりこんなすぐウラトークの本番始まるんだ」、最初は少し構えてる様子でしたがすぐリラックスモードに入ります。八乙女さんは「やっぱり緊張しますね」。キスマイとはジュニアの頃同じ時期を過ごして、北山さんや藤ヶ谷さんは年も上で先輩だと話してます。

 スケート靴が光る演出にはジャニーズの2人もビックリ。ライブでやってるとは聞いたことがあっても、実際に見るのは初めてなのだそうです。やはり同業者から見ても、ローラースケートで踊るのは相当難しいと話しています。

 「ジャニーズの2人がジャニーズに向かってペンライト振ってるんだから今」「ジャニーズの2人とジャニーズのメンバーに挟まれてるんだから、もう基本的に俺もジャニーズということでいいですよね?」「いや全然違いますよ」「ギリギリ吉本坂でございます」。ゲスト2人とも純粋に楽しんでいて、キスマイのメンバーにも呼びかけています。

 「千賀くんね、昔ロケ行ってる時よく中居さんに泣かされてたんだよね」「玉森とは初めて一緒にエロ本買いに行った仲ですから」。伊野尾さんがすごいエピソードトークを放り込んで来ました。「玉森くんもさ、こんな話されてると思ってないだろうね」「どうしよう、俺いまそういう目で見ちゃってる玉森くん」と、山里さんや直美さんも大笑い。

 

(解説)
・四十住選手は2021年、東京五輪の女子パークで見事金メダル獲得を果たしました。スケートボードは東京大会から正式競技となり、4競技のうち3種目で日本選手が金メダル。柔道やレスリングに続くお家芸になりそうです。

Kis-My-Ft2は2011年8月にデビュー、それ以降シングル・アルバムとも全作品オリコン週間1位を獲得しています。デビュー曲「Everybody Go」は発売当時、玉森裕太藤ヶ谷太輔が出演したドラマ『美男ですね』の主題歌でした。

・ジャニーズJr.のローラースケートパフォーマンスは第65回でも見られましたが、出場歌手になるとやはり光GENJI以来です。もっとも一番最初にローラースケートを履いて歌ったのは彼らより前、第31回(1980年)で「南風」を歌う太田裕美でした。

紅5(全体13):天童よしみ(23年連続24回目)

・1970年デビュー 第44回(1993年)初出場
・1954年9月26日生 大阪府八尾市出身
・楽曲:「大阪恋時雨(2019/6/19 シングル)
  詞・曲:半崎美子 ピアノ:Matt
・歌唱前テロップ:Matt ピアノ共演!
・歌唱中テロップ:Matt登場 最後にあの人がMatt化!?

・演奏時間:2分3秒
・TOKYO2020 コレが楽しみ:卓球

 天童さんが紅白で歌うその年の楽曲は、演歌だけでなく案外ポップス色強いバラードもあります。半崎美子が作ったこの曲は後者の代表的な内容で、良い意味で着物が似合わない、聴かせて歌い上げるステージを見せてくれました。ブラスバンドの音がかなり大きめで、メインゲストのMattのピアノの音がやや聴こえにくかったです。また1コーラスで演奏時間が短すぎるのも難点でした。

 ラストはMatt化した天童さんとのツーショットがスクリーンで大画面に映し出されます。歌終わりに戸田恵梨香(TOKYO2020 コレが楽しみ:開会式)のコメントもあり、「楽しませてもらってます」と話します。

 

(ウラトーク)
 開口一番「なめたらあかんで」と口走る山里さん。そんな山里さんは、盟友・上沼恵美子とのエピソードも話しています。「上沼さんがお笑いとしてあそこにいるのは、天童よしみさんがいるからなの。ここ凄い関係性なの」

 「Mattだなー」とあらためて口走る伊野尾さん。上沼さんの表情にも注目しています。ラストのMatt化したツーショットにはやはり大ウケ。「ずっと思ってたんだよ、Matt化しやすい顔とは」。そもそも天童さん自身、自撮り加工すること自体が好きなようで、山里さんも見せてもらったことがあるそうです。それを聴いて「たまんないすねー」と口走った伊野尾さんには、全員がツッコミを入れていました。

 

(解説)
・天童さんが紅白でその年リリースの曲を歌うのは、第64回の「ふるさと銀河」以来6年ぶりでした。ポップス色の強い楽曲は、羽場仁志が提供した第60回の「花筏-Hanaikada-」以来10年ぶりです。

・半崎美子は2017年の「お弁当ばこのうた ~あなたへのお手紙~」が『みんなのうた』で放送されています。この曲が収録されたアルバム『うた弁』はロングセラーになりました。なお「大阪恋時雨」は楽曲提供ではなく、インディーズ時代に2015年に彼女が歌っていた曲を天童さんがカバーした作品です。

Mattは読売ジャイアンツで活躍したエース・桑田真澄選手の息子で、この時期Matt化と呼ばれるメイクが話題になりました。音楽活動はこの5日前に「予想もつかないStory」が配信リリース、YouTubeで現在まで250万回再生されています。

・上沼さんと天童さんはデビュー前に数々ののど自慢で競い合った関係で、ウラトークで山里さんが話した通り天童さんに勝てないと悟ってお笑いに転向したという経歴があります。歌唱中に上沼さんのショットを入れたのも、そのエピソードがあったからではないかと思われます。

・ウラトークで随分と活躍している伊野尾慧は、実はファンの間で伊野尾節と呼ばれるほど適当なトークを持ち味にしているようです。2016年4月から2021年3月までは、『メレンゲの気持ち』唯一の男性MCとしても活躍していました。

紅6(全体14):AKB48(11年連続12回目)

・2006年デビュー 第58回(2007年)初出場
・13~28歳・107人組(うち研究生8人)
・タイトル:「恋するフォーチュンクッキー ~紅白世界選抜SP~」
 楽曲:「恋するフォーチュンクッキー」(2013/8/21 シングル)…2年連続4回目
  詞:秋元 康 曲:伊藤心太郎
  振付:武田舞香 三ツ井裕美
  踊り:埼玉在住タイ人クラブ バーンラバムタイ舞踏団 花柳糸之社中
・歌唱前テロップ:海外8都市エース集結 夢の選抜
・歌唱中テロップ:海外8都市 エース集結!

・演奏時間:1分59秒

 前回はタイの話題でしたが、今回はそれ以上に世界で「恋するフォーチュンクッキー」が盛り上がっているようです。ここの映像にかける時間は前回より短め、集まったのはAKB48, DEL48, MNL48, SGO48, AKB48 Team TP, AKB48 Team SH, BNK48, JKT48, CGM48のセンター、前回印象を残したモバイル(STU48)もいます。歌前の挨拶はリュウネン(AKB48 Team SH)グローリー(DEL48)、日本語と母国語でそれぞれ喋っています。台本という名の通訳は新しい総監督・向井地美音が担当。センターを務めるのは小栗有以です。

 早速イントロがそこそこカットされています。言語は今回タイ語にタガログ語、中国語、ベトナム語にインドネシア語、ヒンディー語が混じってます。国際化、とは言いますが後ろのメンバーを見る限り来日したのは本当にグループのエース1人だけのようです。なんてことを言ってる間に、1コーラスで早くも演奏が終了してしまいました。もしかするとメドレーで歌った第63回や第66回の時より短かったかもしれません。ただここに限っては2019年の動向を振り返ると、やや同情出来ない面もあります。ラストは出演者全員で「48」の人文字、これも第63回以来7年ぶりに見る演出でした。

 

(ウラトーク)
 山里さんの上沼さん情報が詳しいと指摘する杉浦アナ。「尊敬してるもん」「女性芸人さんとして凄い人」まではいいですが、「久保田はなんてことしてくれたんだって思うもん」は余計な一言でした。それはともかく、AKB48は世界選抜。山里さんも中国語を少しだけ喋れるようで、「これは中国の飛行機です」の中国語を披露。国によっておにぎりは違うのか、「何とかこね始めるんじゃないですか」と口走った伊野尾さんは、噛んでしまってここでは不発。

 ここでの山里さんの相手は「恐縮です」。伊野尾さんはAKB好きなようで、変な雄叫びをあげています。この曲は「浜口京子ちゃんが絶対歌うんだってカラオケで」「踊りがおにぎりの所しか知らないから、ずっと踊ってるらしい」。なんだか今回のウラトーク、上沼恵美子さんと浜口京子さんの情報がやたら充実しています。

 

(解説)
・この年の選抜メンバーは小栗有以柏木由紀横山由依向井地美音岡田奈々岡部麟村山彩希倉野尾成美坂口渚沙武藤十夢須田亜香里(SKE48)白間美瑠(NMB48)吉田朱里(NMB48)田中美久(HKT48)本間日陽(NGT48)瀧野由美子(STU48)。今回は40人参加で、峯岸みなみ入山杏奈大家志津香加藤玲奈など前回出られなかったメンバーも多く復帰しています。また系列グループからの参加は他にSTU48石田千穂のみでした。

・海外メンバーの参加はシャニ(JKT48)モバイル(BNK48)アビー(MNL48)リュウネン(AKB48 Team SH)チウ・ピンハン(AKB48 Team TP)アンナ(SGO48)シター(CGM48)グローリー(DEL48)。それぞれジャカルタ・バンコク・マニラ・上海・台北・ホーチミン・チェンマイ・デリーを舞台にしています。タイではBNKとCGMの2組作られています。SGOはホーチミンですが、旧称のサイゴンを由来にしているようです。

・2019年は1月にNGT48で不祥事が発生しました。内容そのものだけでなく運営の対応も良いものではなく、48グループ全体の人気を大きく下げる要因となりました。

・本体のシングルは「ジワるDAYS」「サステナブル」ともにCDは一応100万枚売り上げましたが、2010年代前半と比べて楽曲浸透度はかなり低い印象でした。翌年は3月にCD発売するものの握手会が出来る状況ではなく、最終的には紅白歌合戦連続出場もストップという結果になります。

白6(全体15):山内惠介(5年連続5回目)

・2001年デビュー 第66回(2015年)初出場
・1983年5月31日生 福岡県糸島市出身
・楽曲:「唇スカーレット」(2019/3/6 シングル)
  詞:松井五郎 曲:水森英夫 バイオリン:木嶋真優
  振付:CRE8BOY 踊り:山内惠介ダンサーズ with BLUE TOKYO
・歌唱前テロップ:話題の美人バイオリニスト登場!
・歌唱中テロップ:山内惠介が20人?何かが起きる!
・演奏時間:2分0秒
・TOKYO2020 コレが楽しみ:マラソン

 ヴァイオリニスト・木嶋真優の演奏は見事でしたが、本人の仮面を被った演出はなんだか第52回(2001年)の小林幸子みたいです。彼らはワラワラとゲスト審査員席やラグビー日本代表席にまで浸食。地味に間奏もなんか妙に幸子っぽくアレンジされています。後半に入るとどでかい本人の、目からビームが出る人形まで出てきました。全く企画意図が理解出来ません。

 歌はヒットもしていて大変良く、アクロバティックなダンサーの動きも素晴らしかったです。ですので、そこまで無理して色を加える必要があったのかどうか、個人的にはおおいに疑問が残るステージでした。

 

(ウラトーク)
 八乙女さんは宮城で聖火ランナーを務める予定。「地元が騒いでおります」。また同時に、「仙台はむしろ表参道」が東北流行語大賞にも選ばれたとも話します。そんなトークをしているうちに、山内さんだらけのステージにビックリ。アクロバットにもビックリ。

 木嶋さんについては「この人天才なの。ただ死ぬほど気が強い」と、山里さんが彼女の性格面を力説。おかしな演出に、ウラトーク席が大騒ぎしています。伊野尾さんは「山内さん多すぎちゃって、どれが本物か…」、さすがにそこは「わかるだろ!」のツッコミが入りました。

 

(解説)
・前回坂本冬美のバックに登場したBLUE TOKYOはこの回のステージにも参加、アクロバティックな動きを見せています。ただお面をつけて踊ることになったのは、さすがに想定外ではなかったかと思われます。

木嶋真優は紅白初出演、10代のうちから海外留学を経験した経歴の持ち主です。清塚さんと同様この方もバラエティ番組の出演が比較的多く、特にこの年はかなりの番組にゲスト出演していたようでした。

・東北流行語大賞はwebにおける約5000人の投票で決まる賞らしいです。八乙女さんが話したフレーズはファンの投票が多かったのではないかと思われますが、『踊る!さんま御殿!!』で話したこの言葉が踊るヒット賞に選ばれる辺り、番組内での爪あとは大きかったことは間違いなさそうです。

令和最初の紅白 ラグビー日本代表選手も!

 相葉雅紀がラグビー日本代表をレポート。田中史朗(元気が出る歌「パプリカ」)稲垣啓太にインタビュー。稲垣選手は地元で友達とカラオケに行った時、なぜか「もののけ姫」を絶対歌わされるということを話していました。次いでゲスト審査員・中西麻耶(パラ陸上 走り幅跳び 今年の世界選手権で金)にもコメントを求めます。例年は合宿のスケジュールを組んでいるようで、今回はただただ楽しんでます、とコメント。

白7(全体16):三浦大知(3年連続3回目)

・1997年Folderのメンバーとしてデビュー、2005年ソロデビュー 第68回(2017年)初出場
・1987年8月24日生 沖縄県出身
楽曲:「Blizzard」(2018/12/19 シングル)
  詞:Daichi Miura / Nao’ymt 曲:Nao’ymt
・歌唱前テロップ:紅白だけのSPダンス!
・歌唱中テロップ:紅白だけのSPダンス!
・演奏時間:2分31秒

 上皇さまの天皇御在位三十年記念式典で歌う映像と、過去2回の紅白オリジナルダンスの映像をVTRで紹介して、そのままステージに突入。

 今回は黒を基調とした衣装に、抑えめの照明とシンプルなセットでダンス歌唱パフォーマンス。後半にはCGではなく本物の炎が噴き上がる演出も入りました。ダンサーは6人で、過去2回と比べるとやや少なめです。楽曲は極めてカッコ良く、圧倒的な歌声になおかつ激しい踊りまで魅せるステージで、まさしく「格が違う」内容でした。この言葉が瞬時に出てくるステージは、過去の紅白特に前半では滅多にありません。

 

(ウラトーク)
 ラグビーは八乙女さんも見ていたようですが、インタビュー中にウラトーク席が映り込みます。八乙女さんと伊野尾さんがのぞき込んでアピール、たださすがに「こんな感じなんですか?」と困惑している様子でした。「喫茶店だと思って」、ここで2人は退席します。

 杉浦アナは三浦大知の大ファン、直美さんから見ても世界トップクラスの踊りという位置づけのようです。呼びかけに応じてウラトーク席が手拍子。振付の監修もしていると、杉浦アナはしっかり解説。あの動きで声が一切ぶれていないことに直美さんも驚き。山里さんもペンライトを手にして振っています。

 終始三浦さんを大絶賛するウラトーク席でした。舞台上の照明や炎にも圧倒されています。炎の熱さはウラトーク席にも伝わっています。ただ全ては「演出がどんなにド派手でも、どの演出も三浦大知に勝ててないね。結果三浦大知が主人公なの変わってないもん」の言葉に集約されていました。女性陣2人もパフォーマンス終了後は「カッコ良すぎる」と感激。

 

(解説)
中西麻耶選手は義足の陸上選手で、世界パラ陸上の走幅跳で金メダルを獲得しました。パラリンピックは北京・ロンドン・リオと東京で出場していますが、残念ながら東京大会は6位止まりでした。

・「Blizzard」は映画『ドラゴンボール超 ブロリー』の主題歌として大ヒットしました。前年12月リリースですが、2019年最大のヒット曲として扱われています。YouTubeのMV再生数も現在5500万、三浦さんの作品では最多です。

・パフォーマンスだけでも出場に値する内容ですが、楽曲そのものは大ヒットでないこともあって連続出場は3年でストップ。ただ根強い人気と歌唱・ダンスの凄さは当然変わらず、連続テレビ小説『ちむどんどん』主題歌「燦燦」を歌った2022年は歌唱力の高さで紅白歌合戦のステージに再び立つ形になりました。

紅7(全体17):LiSA(初出場)

・2010年Girls Dead Monsterのメンバーとしてデビュー、2011年ソロデビュー
・1987年6月24日生 岐阜市関市出身
・楽曲:「紅蓮華」(2019/7/3 シングル)…5年ぶり2回目
  詞:LiSA 曲:草野華余子
・歌唱前テロップ:記録的ヒット「鬼滅の刃」アニメ映像も!

・歌唱中テロップ:記録的ヒット「鬼滅の刃」OPテーマ

・演奏時間:1分58秒
・思い出のオリンピック:シドニー高橋尚子

 アニメ化で大ブレイクした『鬼滅の刃』と、海外ツアーも超満員・世界に誇るアニソンロックシンガーである彼女の紹介VTRが流れます。歌前に抱負を述べた後にスタンバイ。LiSAを愛してやまない皆さんとして登場する出場歌手はPerfume(コメントはのっち)、Kis-My-Ft2宮田俊哉Hey!Say!JUMP薮宏太。宮田さんの度が超えた力の入り方に、あ~ちゃんが大笑いしています。

 アニメと紅白のコラボレーションもいまやお馴染みの光景になりましたが、アニメ主題歌を中心に歌うロックシンガーの出場は言うまでもなく今回が初。激しい動きと歌声、迫力のある演奏がものすごく絵になっています。着物をアレンジしたような和を感じさせる衣装も素晴らしいです。1コーラス半で時間が短いのは残念ですが、彼女が紅白で歌うことに対する嬉しさは袖にいるアニヲタ代表・宮田さんと薮さんの抱擁が象徴しています。言うまでもなくLiSAの人気は紅白以前から高く、継続してヒットする可能性も極めて高いので、また続けて選ばれた際にはもう少し演奏時間を長くして欲しいとあらためて切に願います。

 

(ウラトーク)
 山里さんは『鬼滅の刃』大ファンなので、映像でキャラクターが登場するたび大興奮。LiSAについてもライブが楽しいと力説しています。杉浦アナもライジングサンで見たようで、超カッコ良いと話してます。「柱だね。歌柱だ」と呼称しています。そして薮さんと宮田さん、特に宮田さんについては「ヤバいの。ガチヲタよ」と軽く説明。

 「水の呼吸」から始まって、禰豆子や炭治郎など映像に出てくる各キャラクターを山里さんが説明。まだ見ていない直美さんや杉浦アナも興味を持ったようです。もちろんステージについても全集中で楽しんでいる様子、パフォーマンス終了後は大声援でした。

 

(解説)
・キスマイ宮田さんのアニメ好きはジャニーズどころか芸能界でもトップクラスで、エピソードも非常に多いです。特に『ラブライブ!』に関しては尋常ではないラブライバーなのだとか。薮さんもアニメ好きではありますが、宮田さんのせいでアピールができないと嘆いているようです。なおPerfumeののっちもそこそこのアニメ好きとして知られています。

・『鬼滅の刃』は2016年から週刊少年ジャンプで連載開始、2020年に最終回を迎えました。MX他でこの年4月から9月まで『竈門炭治郎 立志編』が放送されましたが、非常に大きな反響を呼びました。主題歌の「紅蓮華」もこれまで以上に大ヒット、紅白初出場に至ります。ただ本当に社会的な大ブームになるのは、むしろこれ以降でした。

LiSAは2012年の「crossing field」の時点でヒット、アニメファンからは早くから有名な存在でした。ロックフェスの出演も多く、2010年代後半には既に知名度は高い状況で、2018年のベストアルバムは2枚同時リリースでオリコン週間1位・2位を独占しています。

・したがって『鬼滅の刃』以前でも『ソードアート・オンライン』などでお馴染みの存在でしたが、やはり彼女を一番大きくした存在は『鬼滅の刃』でした。これは翌年の大ヒット、そして2度目の紅白歌合戦のステージでもバッチリ証明される形になっています。

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