第70回(2019年)NHK紅白歌合戦~その4~

祝!新時代 平成から「令和」へ&70回目の紅白!この人がお祝いに!?

 令和という年号を掲げた発表から、世の中の祝賀モードを挟んでなぜか本日のウラトーク席MCの令和婚の映像で締めるVTR。直後恐縮そうに挨拶する山里さんのワンショットが映り、おめでとうと周りが祝福します。おめでたいといえば、紅白も今年で記念すべき70回目。というわけで、紋付き袴を着たビートたけしが登場。以下全文。当然、各所で内村さんのツッコミが入ります。

「表彰状
令和初、そして記念すべき第70回を迎える紅白歌合戦。
NHKに長年貢献してきたわたくし、ビートたけしから表彰状を贈りたいと思います。
紅白と言えば、曲紹介の時に、司会の加山雄三さんが、
少年隊の「仮面舞踏会」を、思いっきり「仮面ライダー!」と叫んでしまったことや、
北島三郎さんが、鼻の穴に紙吹雪を全部吸い込んでしまったことなど、
数々の名場面を生んできました。
何をかくそう、わたくしも紅白に出場したことがあるのです。
志村のけんちゃんと一緒に、氷川きよしくんの応援に駆けつけたのですが、
若いADに何度もリハーサルをさせられ、
しかも、「絶対に30秒厳守でお願いします、30秒です!」と厳しく言われました。
それにも関わらず、本番で出ていった瞬間に、
いきなり「残り10秒」というカンペを出されてしまい、
私はそのまま闇営業に行こうかと…(ここでさすがに内村さん止めに入る)
最後になりますが、この紅白が令和の時代、
そしてもっともっと先の時代まで続くことを願わずにはいられません。
令和元年十二月三十一日
元NHKアナウンサー
参議院議員になった男・宮田輝」

 

(ウラトーク)
 「令和の柱がきた」「全集中、菅の呼吸」。前のステージにコメントが引っ張られる中で突然結婚記者会見のショットが映る山里さん。笑顔で大変恐縮しておりました。

 たけしさん登場に一同ビックリ。表彰状にツッコミを入れつつ爆笑しています。「さすが、カッケーなぁ」

 

(解説)
・たけしさんの表彰状芸は2010年代から各所で披露しています。この年4月10日にはついに、天皇在位30周年を祝賀する「感謝の集い」にまで祝辞として述べる形となりました。さすがに陛下の前でギャグ満載とまでいかなかったですが、それでもブラックジョークをしっかり入れた所は流石です。

・たけしさんが志村さんと一緒に紅白出演したのは第51回(2000年)と第52回(2001年)。どちらも芸名を名付けた氷川きよしの応援でコントをするという展開でした。

・吉本興業の芸人を主体とした闇営業問題は、この年6月に写真週刊誌『フライデー』で大々的に報道されました。ちなみにたけしさんは自身が出演する番組で、事務所に苦言を呈しています。

・たけしさんは1947年生まれなので、15歳~26歳の頃に宮田輝アナが司会する紅白歌合戦を見ている形になります。ちなみにビートきよしとツービートを結成したのは1972年でした。

紅8(全体18):坂本冬美(17年連続31回目)

・1987年デビュー 第39回(1988年)初出場
・1967年3月30日生 和歌山県西牟婁郡上富田町出身
・タイトル:「祝い酒 ~祝!令和バージョン~」
 楽曲:「祝い酒」(1988/4/6 シングル)…4年ぶり4回目
  詞:たかたかし 曲:猪俣公章
・歌唱前テロップ:King & Prince 岸・神宮寺・永瀬 和太鼓と共演
・歌唱中テロップ:King & Prince 岸・神宮寺・永瀬 和太鼓!

・演奏時間:2分18秒
・歌手名テロップ併記:TOKYO2020 コレが楽しみ・ソフトボール

 King & Princeのメンバー3人(永瀬廉・神宮寺勇太・岸優太)が和太鼓演奏、岸さんのソロから演奏が始まります。ただ全体的には和太鼓よりも雅楽の色が圧倒的強め、3人の太鼓の音は思ったより目立っていません。ウラトーク席ではついでに?という感じで山里亮太をライスシャワーで祝福していました。紅白では4回目の歌唱ですがアレンジは今までにない内容、良かったのではないでしょうか。なおかなりの人数が演奏しているように見えますが、ひな壇に立つ人以外はほぼ実物ではないLEDビジョンでの登場でした。

 

(ウラトーク)
 「私への祝いも込められてると思ってます」と自分で言ってしまう山里さん。ここで世界の宝と彼が称する井上尚弥選手が登場。近い距離で見るとまだ、先日の試合での傷が残っているようです。

 「そんな中なんですが、今から山里さんをお祝いします私達」。ライスシャワー演出は井上選手の手伝いもありました。「めちゃくちゃ楽しいですね」「僕も普段この時期は試合だったりするので、割と忙しくしてる時期で…」ここでステージ終了、主音声との中継に繋がります。

 

(解説)
・山里さんと蒼井優の結婚が発表されたのはこの年6月5日。なお闇営業が報道されたのは、結婚発表があってから数日後でした。

・「祝い酒」は昭和63年・第39回で初出場した時に歌われた楽曲です。令和元年に歌われたことで、「津軽海峡・冬景色」とともに昭和・平成・令和をまたいで歌われた最初の紅白歌唱曲になりました。

・太鼓や三味線・琴の演奏は過去の紅白でもいくつか存在しますが、雅楽は意外と例がなく確認できる限りこのステージが史上初となります。テロップ紹介はなかったですが、参加したのは國學院大學青葉雅楽会の学生だったようです(Twitterより)。

白8(全体19):King Gnu(初出場)

・2013年結成、デビュー 2019年メジャーデビュー
・26~27歳・4人組
・楽曲:「白日」(2019/2/22 配信)
  詞・曲:Daiki Tsuneta
・歌唱前テロップ:動画・ストリーミング1億再生超え大ヒット
・歌唱中テロップ:動画・ストリーミング1億再生超えの大ヒット
・演奏時間:3分4秒

 ウラトーク席にはゲスト審査員の井上尚弥(WBAスーパー・IBF世界バンダム級統一王者)が登場。カラオケ好きだそうで、浜田省吾や長渕剛に交流のあるC & K辺りをよく歌うそうです。

 舞台袖には広瀬すず(TOKYO2020 コレが楽しみ・バスケットボール)菅田将暉GENERATIONS片寄涼太(2名ともTOKYO2020 コレが楽しみ・サッカー)が登場。菅田さんと片寄さんはドラマ『3年A組』の先生役と生徒役、左上のテロップでも紹介されています。VTRを使ってバンドと楽曲についても紹介。菅田さんと広瀬さんが彼らの魅力をコメントする場面もあります。曲紹介、間違ってキングアンドニューと言ってしまう櫻井さんですが、直後サラリと訂正。

 フルコーラスとまではいかないですが間奏からサビまでしっかり残す構成、余計な仕掛けのない生の歌と演奏をまっさらに見せる演出。演者に対するリスペクトがしっかり表れています。それと同時にここまでの紅白をステージ見る限りかなり異質な内容であり、もしかすると多少出場交渉が難航していたのかもしれないと想像させる内容でもありました。前半のベストアクトは、個人的に言えば三浦大知かこのKing Gnuを選びたいです。

 

(ウラトーク)
 井上選手が好きな長渕さんの曲は「Myself」、これはフットボールアワーの後藤さんと同じなのだそうです。ジョギングなどでは必需品なのだとか。試合は「やりきった感はありました」と話しています。

 「優しい声聴こえてきたね」「なんだなんだ?」「King Gnuですね」「川を群れで渡らない方のヌーでしょ、これ?」。山里さんはNHKの社食で昨日会ったらしいです。井口さんのラジオの話題もありました。

 「この裏番組でもボクシングの世界戦あったりとか、割と格闘技が試合が増える時期なんで、ここにいることが不思議ですね」と話す井上選手。「服とかが着飾らない感じがまたカッコ良い」「あとすごい背が高いっていうね、意外と」「あわよくばさ、コンビニに足りないジュース買いに来るカッコだよ?」など、King Gnuについてもじっくり話していました。

 彼らのような若い世代の台頭は、ボクシングの世界でもかなりある様子。自身もそうだったように、オリンピックからプロ転向する選手もいるので東京五輪も気になっていると話す井上選手でした。

 

(解説)
井上尚弥選手は11月7日にノニト・ドネア選手と対戦、右目や鼻を負傷しながらも判定勝ち。当日はフジテレビで生中継がありました。

・大晦日に格闘技が放送される例は多く、この年もフジテレビでRIZINが生中継されました。2003年にK-1中継が瞬間最高視聴率で紅白歌合戦を超えた事例があり、それ以降大晦日の格闘技も毎年のように開催されるようになります。

・「白日」は『3年A組』…ではなく坂口健太郎主演のドラマ『イノセンス冤罪弁護士』の主題歌でした。ちなみに『3年A組』の主題歌はザ・クロマニヨンズ「生きる」です。放送局はどちらも日本テレビ、放送時期も同じ1月~3月でした。

・出演後は井口さんが自身のラジオ番組で舞台裏を話してくれましたが、その後の雑誌ではあくまで紅白歌合戦出場を目的として活動しているわけではないというインタビューもありました。これを辞退宣言と取るかどうかは微妙ですが、とりあえず続けてヒットしていた2020年の紅白は不出場。NHKタイアップのあった2022年は事前収録という形で出場しましたが、それ以外の年には出場していません。

三津谷寛治 ”生”ダメ出し!

 お馴染み紅白スーパーバイザー・三津谷寛治の生ダメ出し。今回は姪であるNHK国際放送局局員・三津谷・エンシーナス・シャーロット・はるかも呼び出しています。彼女の母親はアメリカ人のようです。呼び出されたのは初出場のOfficial髭男dismのメンバー4人とチョコレートプラネットの2人。

 Officialの髭の男dism氏の音楽はすんばらしい、ミーにはその中で特に世界へ届けたいフレーズがあるという…「ルネッサ~ンス!」。明らかに10年くらい前に紅白の応援にも出てきた髭男爵の言葉ですが、三津谷氏は「間違っていません!」「ビコーズ、NHK!」、ということで無理矢理髭男のメンバーに「ルネッサ~ンス!」と言わせます。直後「はるかカッター!」と芸人ばりにフレームイン。その後ろでひそかに、ボーカル・藤原聡もそのポーズをしています。

 チョコレートプラネットは、明らかにやったことがないエディ・マーフィのモノマネを無茶ブリされます。無理矢理やった上にはるかカッターで被せられるという、非常に気の毒な形で退場。

 今回の本題は、白組に問題を抱えた歌手がいるという話。最新CGで横浜にいるはずの福山雅治を呼び出します。目の前で福山雅治のモノマネをするはるか氏。「あやちんは、強いよね…下半身が。」。これは『いだてん』で彼女が自転車の並走シーンを演じていた時の感想なのだそうで。しょうがないので「雅治カッター!」とまさかの福山さんが被せます。毎年紅白には出場していいますがずっとパシフィコなので、「NHKがお嫌いですか!」と例のフレーズが飛び出します。とりあえず来年出場が決まったら必ずNHKホールに来てくださいと約束します。

 2人がアドリブで好き勝手にやったりそもそもの台本がおかしかったりするので「ここにカオスがありました」と思わず話す三津谷氏。締めは櫻井さんが次のステージを紹介しますが、その後のセリフでまた盛大に噛むはるか氏に「ちゃんとやってくれ!」とつい本音が出てしまいます。最後も曲フリの締めに「音出までとお秒前、5、4、トーン!」「はるかカッター!」「まともなのが一人もいない!」と嘆く櫻井の翔氏でした。

 なおネタにされた髭男爵ですが、ちょうど大晦日にこんな文章が山田ルイ53世によって書かれています。まさしく名文です。Twitterでもこのシーンを見て大感激の様子でした。

 

(ウラトーク)
 井上選手はここで退席。ゲストを見送った後、綾瀬さんに爆笑。そしてチョコレートプラネットがいることに違和感を憶えます。彼らは直美さんにとって1年先輩、ここにきてブレイクしていることに感動と話しています。一方山里さんは、櫻井さんのツッコミを絶賛しています。

 さすがに綾瀬さんのモノマネには「いい加減にしてください、いくらなんでも」のツッコミが入りました。雅治カッターについては「ひぐち君の一生分ぐらいウケてますね」。そして「内村さんがいるとさ、みんなどんな人でもさ、楽しくコントできちゃうってのは、内村さんの凄さだよね」としみじみ。なおパシフィコ横浜は収録ではなく、本当に生で召喚しているという杉浦アナの解説もありました。終盤の綾瀬さんは「生の醍醐味だね」「はるかカッター、これ多分トレンドワードなってるぞ」

 

(解説)
・元祖?髭男爵は第59回の紅白にゲスト出演、当時は”ルネッサン~ス!”で一世を風靡しました。現在山田ルイ53世は芸人としてより文筆家として活躍、ひぐち君はワインエキスパートの資格を取得して日本ソムリエ協会の名誉ソムリエになっています。

・この年も例のごとくパシフィコ横浜展示ホールからの中継になった福山雅治ですが、出演は初の前半・21時よりも前になりました。なお開演時間は例年と同様21時半、当日はWOWOWでも生放送されています。

紅9(全体20):丘みどり(3年連続3回目)

・2005年デビュー 第68回(2017年)初出場
・1984年7月26日生 兵庫県姫路市出身
・楽曲:「紙の鶴」(2019/2/13 シングル)
  詞:さいとう大三 曲:弦 哲也
  振付:花柳糸之 踊り:花柳糸之社中、Kis-My-Ft2
・歌唱前テロップ:Kis-My-Ft2 日舞で共演
・歌唱中テロップ:Kis-My-Ft2 日舞&ステージの鶴がなんと…

・演奏時間:1分45秒
・思い出のオリンピック:ソチ・浅田真央

 和服姿のKis-My-Ft2メンバーが日舞で踊ります。紅白ではお馴染みの花柳糸之社中に、CGの紙の鶴が何羽も登場します。丘さんについては母親が成人式に着た着物に偶然鶴の模様があしらわれていて、今回はその衣装で借りて歌っているというエピソードがあります。

 それにしても演奏時間1分45秒…。本番のステージでこの短さは、昭和でも滅多にないレベルではないでしょうか。

 

(ウラトーク)
 山里さんは丘さんと地方のロケに一緒に行ったことがあるそうですが、お年寄りの方が垂れ幕を作っていて待っていたことがあったようです。「この歌のために、折り鶴をいかに早く折れるかの練習をしているそうです、キャンペーンで」、今回は杉浦アナの情報が非常に充実しています。

 鶴が飛ぶ演出にビックリする2人、こちらは杉浦アナによると「飛んでおります、折鶴が」「テレビ見てくださってる方には、実際に飛んでる折鶴と、会場にも」、そんな中でゲストに中村倫也木下晴香が登場します。

 

(解説)
・作曲家の紅白歌唱曲数第1位は1980年代後半以降筒美京平が長らく1位をキープしていましたが、第68回(2017年)で弦哲也がそれを抜いて1位となりました。水森さんと丘さんの紅白歌唱曲は全て彼によるもので、第41回(1990年)以降第71回(2020年)まで31年連続新しい曲を送り込んでいます。

・平成以降は第63回のナオト・インティライミで1分43秒、第66回のμ’sで1分30秒がありました。ただ前者は歌前にゲスト出演&トーク、後者はオリジナルアニメ追加でしっかり配慮されていたので、実質的にはこれが平成以降で一番短いステージなのかもしれません。

・昭和の紅白は2分を切るステージも多く、例えば第14回(1963年)では50組中12組が1分台でした。ただそれでも最短は2組が1分44秒、第25回(1974年)でも1分53秒が最短です。

・女性演歌では期待の星でしたが売上は思った以上に伸びず、結果翌年は落選になりました。2021年は「明日へのメロディ」がオリコン週間4位を獲得してますが、選出はされていません。最近はバラエティ番組などで当時より確実に知名度は増加、いずれはまた紅白で見られるのではないかと思われます。

白9(全体21):福山雅治(11年連続12回目)

・1990年デビュー 第44回(1993年)初出場
・1969年2月6日生 長崎県長崎市出身
・タイトル:「デビュー30周年直前SPメドレー」
 楽曲1:「HELLO」(1995/2/6 シングル)…4年ぶり2回目
 楽曲2:「虹」(2003/8/27 シングル)…4年ぶり2回目
 楽曲3:「零 -ZERO-」(2018/4/7 配信)…2年連続2回目
  詞・曲:福山雅治
  Key:井上 鑑 Dr:山木秀夫 Ba:高水健司 Gt:今 剛、小倉博和 Per:三沢またろう Sax:山本拓夫 Tp:西村浩二 Tb:村田陽一 Vn:金原千恵子 Cho:松本英子、田中雪子
・歌唱中テロップ:来年デビュー30周年 大ヒット曲メドレー
・演奏時間:4分28秒
・TOKYO2020 コレが楽しみ:陸上男子100m

 4年前の出場は当時の新曲「I am a HERO」と「HELLO」「虹」「桜坂」のメドレーでしたが、今回そこからの2曲に前回も歌ったコナン主題歌「零 ~ZERO~」の3曲。代表曲は代表曲ですが、他にも人気曲は多数あるので紅白における選曲という点ではいささか微妙。「零 ~ZERO~」に至っては2年連続歌う必然性が低く、今回なぜこういう選曲に至ったのか理由を知りたくなるセットリストでした。

 ステージそのものは例年通り、ライブならではの臨場感抜群の盛り上がる内容。時間もしっかり取ってあります。今年で10年連続、2010年代の紅白歌合戦は全てパシフィコ横浜のライブで通しましたが、果たして2020年代はどうなるでしょうか。中継スタイルを続けるかNHKホールに足を運ぶか、はたまた出場しなくなるのか…。

 

(ウラトーク)
 ディズニー企画ステージの感動を2人に伝える山里さんと直美さん。見つめ合って歌うシーンには「胃袋出るかと思いましたね」と中村さん。ただ木下さんと一緒に歌い出してからは楽しかったとも話しています。一方木下さんは思ったより緊張せず楽しんで歌えたそうで、「自分でもビックリです」と振り返っていました。

 「虹」のタイミングでなんと中村さんが生でモノマネを披露、似ています。福山さんのカッコ良さには、木下さんもウットリの様子。

 炎の演出を見て「あれやっぱちょっと熱いんですかね」、他の面々が曲や歌声に惚れているモードだったので中村さんナイスボケでした。意外と本人と距離があるので、「心配する火の大きさじゃないんじゃない」と山里さんがツッコミ。

 

(解説)
・サポートメンバーはこの年トランペットがルイス・バジェから西村浩二に変わりました。井上さんや山木さんなどの主要メンバーは、第58回(2007年)の寺尾聰「ルビーの指環」とも共通しています。

・この3曲は本編でもセットリストに入っていたようで、当日の観客は同じ曲を2回聴く形になっています。もちろん本編はフルコーラスだと思われますが…。ちなみに「HELLO」はカウントダウン直前に演奏した曲でもありました。

・翌年もパシフィコ横浜でカウントダウンライブを開催する予定だった…かどうかは分かりませんが、結果的には27年ぶりにNHKホールで紅白歌合戦を迎える形になりました。

楽屋ロビーから中継

 岡村隆史チコちゃんがまた会場内に迷い込んでます。よく見ると岡村さんはなぜか山内さんのお面を頭に装着しています。櫻井さんと和久田アナだけでなく、ゲスト審査員の田中圭とラグビー日本代表の5人もここに呼んでいます。中間投票もここで呼びかけ。

 直後、唐突にKK兄弟(チョコレートプラネットが”K! K! KK KK!”と歌いながら登場。BS4K8K放送を宣伝した後、田中圭さんをいじってます。ちなみにこの場に呼んだラグビー日本代表は、全員イニシャルにKが入っているみたいです。

 チョコレートプラネットのネタは本来KKではなくTT。次に登場するTWICEの紹介とともにシールを剥がして、”T, T, TT, TT!”と踊るオチでした。ラグビーの方々も一緒にTポーズ、結構ノリノリです。

紅10(全体22):TWICE(3年連続3回目)

・2015年結成、デビュー 第68回(2017年)初出場
・20~24歳・9人組 韓国・台湾・日本出身
・タイトル:「Let’s Dance Medley 2019」
 楽曲1:「TT -Japanese ver.-」(2017/6/28 アルバム『#TWICE』)…2年ぶり2回目
  詞:Sam Lewis / Shoko Fujibayashi 曲:Black eyed pilseung
 楽曲2:「FANCY -Japanese ver.-」(2019/7/25 シングル「Breakthrough」)
  詞:B.E.P / Jeon Goon / Eri Osanai 曲:B.E.P / Jeon Goon
・歌唱前テロップ:「TT」からのSPメドレー
・歌唱中テロップ:踊れるSPメドレー

・演奏時間:2分30秒

 初出場以来早くも紅白で2回目歌唱となる「TT」。確かに誰もが知っている代表曲ですが、普通に今年発表の曲が全てYouTube1000万回以上再生されてる中でこの選曲はどうなのでしょう。1コーラス歌ってファンシーな雰囲気からダンサブルモードに変わって「FANCY -Japanese ver.-」に入りますが、歌はサビのみでかなり短め。本来のパフォーマンスの凄さを堪能する前に終わってしまった印象が強いです。

 間違いないヒット曲が量産されているアーティストである以上は、どう考えても「FANCY」あるいはそれ以外の2019年に発表された1曲か、百歩譲ってメドレーだとしても他に多くある今年の楽曲、更に譲っても紅白で歌っていない楽曲を入れるべきではないでしょうか。もしTT兄弟が流行ったからこの選曲になったとしたら、あまりに本末転倒でどうしようもないと思うのですが…。

 

(ウラトーク)
 アラジンのコンビは今後も色々な形で見てみたいと話す山里さん。中村さんも「ちょっと寂しいくらいです」「役者の共演とは種類が違うので」と話しています。

 チョコレートプラネットのKK兄弟、田中さんを見て中村さんがひと足先に「3兄弟みたいになっている」。一方山里さんはラグビー代表を見て「稲垣さん笑ってないなぁ」「吉野さんの真顔が一緒に映ってる」「稲垣さん、あの表情のままTやった」

 木下さんはTWICEの大ファン。踊りだけでなく歌も一緒に歌っているようです。フレミングの法則になっている山里さんにTポーズを指導しますが、上手いこといかず。「思ったより手首が硬い!」「幽霊みたいになってました」「自分が思っているより手首痛い」。結果「手首をやってしまった可能性があります!」

 

(解説)
チョコレートプラネットは2008年、2014年、2018年にキングオブコントのファイナリストになった実力派。モノマネやTT兄弟でメディア露出が増えたのは2018年でした。

田中圭は第62回に連続テレビ小説『おひさま』から応援ゲストで出演しているので、8年ぶりの紅白出演。その間にも多数映画・ドラマに出演、特に主演作品となった『おっさんずラブ』が話題になりました。

TWICEは9人組ですが、この年7月にミナが不安障害で休養します。大晦日時点ではテレビ出演可能な所まで漕ぎつけましたが歌番組の披露はまだの状況で、紅白は8人でのステージとなりました。完全復帰は翌年の6月頃になっています。

・日本での人気は現在も非常に高いですが、翌年は同事務所のNiziUを優先させるという面もあって不出場。韓国でも同日『MBC歌謡大祭典』の生放送が恒例で2020年はそちらに生出演。紅白復帰まで3年待つ形となっています。

・「FANCY」は2019年4月の韓国リリースミニアルバム『FANCY YOU』収録曲、日本語版は7月発売のシングル「Breakthrough」カップリングで初収録でした。SpotifyではTWICE全楽曲の中で一番再生されている楽曲で、その数は現在4.3億。YouTubeでは「What is Love?」の7.5億回が最多で「FANCY」は4位、こちらでは6億回再生されています。

・したがって日本ではシングル曲の「HAPPY HAPPY」「Breakthrough」がヒット曲ということになりますが、韓国も含めて考えるとこの年の代表曲は「FANCY」、という結論で間違いなさそうです。

白10(全体23):五木ひろし(49年連続49回目)

・1964年デビュー、1971年再デビュー 第22回(1971年)初出場
・1948年3月14日生 福井県三方郡美浜町出身
・楽曲:「VIVA・LA・VIDA! ~生きてるっていいね!~」(2018/8/28 シングル)…2年連続2回目
  詞:なかにし礼 曲:杉本眞人
  振付:EBATO 踊り:紅白有志、紅白サンバフラメンコ隊
  Sax:武田真治、岡村隆史 Dr:チコちゃん
・歌唱前テロップ:チコちゃんに叱られる!紅白潜入?あの大御所歌手が登場!
・歌唱中テロップ:武田真治Sax & 何かが起きる!
・演奏時間:2分45秒
・思い出のオリンピック:1964年 東洋の魔女

 またまたチコちゃん岡村隆史が、綾瀬さんと内村さんがいない隙を突いて舞台袖に登場。勝手に司会として中間投票の結果をアナウンス。86837 vs 114499でやはり白組優勢、どう考えてもここまでの演奏時間で差があり過ぎます。

 前回に引き続き「みんなで筋肉体操」でおなじみ、武田真治がしれっと登場。「筋肉少なめサックス多めで盛り上げたいと思います」と話しますが、岡村さんも彼から頂いたサックスでステージに立とうとしています。さすがに櫻井さんやチコちゃんから止められますが…。

 出場歌手が相当数ステージに立ってます。日向坂46Hey! Say! JUMPLiSA天童よしみ島津亜矢純烈山内惠介三山ひろし、さらにダイアモンド☆ユカイTT兄弟Mattも加わっています。それだけでも十分多いですが、なぜかサンバやフラメンコのダンサーまで多数加わっています。

 Aメロから武田真治がスクワットしながらサックスという不可思議な光景が繰り広げられますが、サビの途中で岡村隆史もサックスで乱入。そこからめちゃイケばりのミニコントが五木さんの歌う横で展開されます。間奏いよいよ武田真治の見せ場かと思いきや、まさかのチコちゃんドラムソロが始まります。

 そして武田真治が、腕立て伏せの末に歌う大御所五木ひろしの前でポーズを取るという大暴走。そんな中でひそかにスクワットを始めるHey! Say! JUMPの知念侑李もなかなかのインパクト。紅白49回目の出場となった五木さんですが、カオス度は間違いなく過去最高でした。色々となんだかアレなステージですが、全ては五木さんの懐の大きさということでここは一つ。なおチコちゃんが出てきた理由は「そこにドラムがあったから」なのだそうです。

 制御室には紅白スーパーバイザー・三津谷寛治と、先程登場した松山放送局ディレクター・大野諭司がいます。後半の見どころ、三津谷氏が大野さんの一言にブチ切れた後、スタッフ含めてVTR切り替えのフリ。今回のニュース担当は瀧川剛史アナ、主なニュースはカルロス・ゴーンの脱出劇でした。

 

(ウラトーク)
 武田真治を筋肉太郎呼ばわりする山里さん。岡村さんとのツーショット、「いろんな奇跡なのよ、実は」「パンプアップしてるなぁ」と、中村さんも感心。前回のウラトークで大変な目にあった直美さん、これを聞いた山里さんは「何て言うんだろう、来なくていいかな~」。実際お会いした時も「パンプアップし過ぎて熱持ってる」「オイルひいたくらい熱いのよ」。前回同様、今回も始まる直前にステージを煽っている様子です。

 「この中で誰よりも派手な衣装、真治さんですよね」と、中村さんにまで言われてます。「真治さん、取りにいってるなぁ~」「(加藤)浩次見てる?」。そして腕立て伏せする武田さんについては「真治、良くないよ!」「あ~だめだ、ああいうことやっちゃうんだよ。良くない」「夢の世界ですね」「多国籍ですよね、もう」「笑うしかないよね」。一方サックスまで披露する岡村さんについては器用さを感心していました。

 中村さんの感想は「すごい豪華で、五木さんの歌をもっと集中して聴きたかった」「要素が多すぎて」。というわけで前半終了。ゲスト2人はここで退席します。

 

(解説)
Hey! Say! JUMP純烈などグループはメンバー全員参加でした。引きの映像で確認する限り日向坂46のみ1人欠員の様子ですが、これは当時15歳なので年齢的に出演が難しい上村ひなので間違いないです(後方であまり映っていない人もいますが…)。

・五木さんが紅白で複数の出場歌手を従えて歌うステージは48グループを除くと、第23回(1972年)以来なんと47年ぶりでした。

・作詞家のなかにし礼は翌年12月に逝去、この曲が紅白で歌われる最後の新曲になっています。

武田真治がステージで腕立て伏せをする光景は前代未聞、と言いたいところでしたが、第53回(2002年)の天童よしみ「あんたの花道」ではその腕立て伏せがダンサーの振付に取り入れられています。紅白のダンサーは1960年代の時点で既に登場していますが、振付や小芝居などで笑いを狙うようになったのは1990年代中盤以降に見られるようになった傾向です。

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