歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第37回・1986年その3)

演奏時間&構成表 3(第37回・1986年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

 その1はこちらその2はこちらを参照してください。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
31(紅16)演歌みち松原のぶえ2分43秒
2コーラス
4分39秒
3コーラス
32(白16)望郷旅鴉千 昌夫2分49秒
2コーラス
4分5秒
3コーラス
33(紅17)港町純情八代亜紀2分37秒
2コーラス
4分22秒
3コーラス
34(白17)さだめ川細川たかし2分34秒
2コーラス
3分57秒
3コーラス
35(紅18)くちべに挽歌島倉千代子2分39秒
2コーラス
3分57秒
3コーラス
36(白18)男吉良常村田英雄2分39秒
2コーラス
3分57秒
3コーラス
37(紅19)別離小林幸子3分4秒
2コーラス
4分18秒
3コーラス
38(白19)浪花盃五木ひろし2分59秒
2コーラス
4分20秒
3コーラス
39(紅20)天城越え石川さゆり3分18秒
1コーラス半
4分48秒
2コーラス半
40(白20)ゆうすげの恋森 進一2分46秒
2コーラス
4分3秒
3コーラス

各ステージ・補足

 松原のぶえは当時北島音楽事務所所属、この年は北島三郎山本譲二の出場辞退が発生しました。1番と2番の歌唱ですが、本人の苦境と歌詞の内容がマッチしていたこともあってでしょうか、終盤は涙を堪えてのステージになっています。

 千昌夫は得意の望郷演歌ですが、曲調は過去の紅白で歌っていないリズミカルな歌謡曲でした。1番と2番の歌唱、演奏は原曲より若干重めの雰囲気もあります。なおこの頃から歌手よりも不動産を主体とする実業家の活動がメイン、次の新曲発表はバブル崩壊後の1991年になりました。

 八代亜紀はこの年新興のセンチュリーレコードから日本コロムビアに移籍、サブスクの配信曲は再レコーディングを除くとこの時期以降の楽曲がメインです。1970年代のヒット曲に近い雰囲気の「港町純情」は、レーベル移籍後第一弾のシングルでした。1番と2番の歌唱。

 細川たかしは「矢切の渡し」に続くちあきなおみのカバー、こちらは11年前の第26回紅白で紅組トリ前として歌われた曲でした。声量は間違いなく細川さんの方が上ですが、細やかな表現や深みはちあきさんの方に軍配を挙げたいです。1番と3番の歌唱。

 島倉千代子は当時史上初となる30年連続紅白出場、純白の着物で「くちべに挽歌」を噛みしめるように歌います。1番と2番の歌唱。(ステージレビュー→紅白歌合戦・島倉千代子の軌跡

 村田英雄はお得意の男歌、この年の歌唱曲は本人作詞の「男吉良常」でした。1番と3番の歌唱、味のあるステージです。

 「別離」を歌う小林幸子はクレオパトラと孔雀をミックスしたような衣装、別れをイメージした歌の世界とは全くかけ離れた状況です。1番と3番の歌唱は最後の”ラララ…”から早テンポのアウトロで締めるトリ仕様、演奏時間もその分多少長くなっています。

 五木ひろしは石本美由起×市川昭介コンビ・演歌色強めの「浪花盃」。したがって衣装も和服で決めています。1番と3番の歌唱でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・五木ひろしの軌跡

 石川さゆりは9回目の出場で初の紅組トリ、歌は近年の紅白でも何度となく披露されている「天城越え」です。万感の思いを込めて歌うさゆりさんは、リアルタイムならではの魅力を感じさせるステージでした。1番とBメロから始まる3番の歌唱、”走り水…”から始まるくだりを紅白で歌ったのは現在もこの第37回が唯一です。アウトロの後に派手なファンファーレもあり、涙を堪えながらの決めポーズもまた10回以上歌った紅白で唯一のシーンでした。

 2年連続大トリの森進一は「ゆうすげの恋」、この年の古賀政男記念音楽大賞受賞作品でした。女性コーラスも加わって盛り上げますが、歌は真っ暗な照明がしっくり来る暗めの曲調。森さんの歌声とはよく合っているものの、大トリとしては少し地味な印象もあります。したがって1番・3番歌唱後のファンファーレは、楽曲と比較してかなり派手な内容に仕上がっていました。

第37回(1986年)・まとめ

演奏時間ランキング(企画コーナーは除外)

順位曲順楽曲アーティスト演奏時間
126(紅13)瑠璃色の地球松田聖子3分33秒
212(白6)女神沢田研二3分23秒
339(紅20)天城越え石川さゆり3分18秒
418(白9)熱き心に小林 旭3分16秒
517(紅9)時の流れに~鳥になれ~五輪真弓3分11秒
361(紅1)ダンシング・ヒーロー荻野目洋子2分28秒
3628(紅14)好きにならずにいられない岩崎宏美2分28秒
3816(白8)トラ!トラ!トラ!シブがき隊2分25秒
397(紅4)悲しみよこんにちは斉藤由貴2分15秒
4027(白14)波止場シャンソン角川 博2分5秒

 登場シーン含めての数字なので解釈は分かれますが、とりあえず1番長い演奏時間を記録したのは注目度も高かった松田聖子でした。短い方は代役2組がやはりランクイン、そして紅組キャプテン・斉藤由貴が初出場とは言え思いのほか短めでした。全ステージ平均は2分48秒。4分台は無かったものの、2分30秒を切るステージはかなり少なくなっています。

テンポアップが目立ったステージ

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
9(紅5)小柳ルミ子2分41秒
1コーラス+サビ2
3分49秒
2コーラス+サビ2
25(白13)今は別れの時 フェアウェル加山雄三2分51秒
2コーラス
3分38秒
2コーラス

 この年はテンポアップと言うより、アレンジを大きく変えたと言った方が正確でしょうか。あとは久々に紅組白組とオケを分けたことで、片方の演奏が終わらないうちに次の演奏が始まるという場面も何回かありました。

バンドスタイルのステージ

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
11(紅6)DESIRE中森明菜2分43秒
1コーラス半
4分24秒
2コーラス+ラスト
12(白6)女神沢田研二3分23秒
2コーラス
4分50秒
2コーラス
17(紅9)時の流れに~鳥になれ~五輪真弓3分11秒
2コーラス
4分55秒
2コーラス+サビ
23(白12)小雨降る径菅原洋一2分59秒
1コーラス半
(演奏時間不明)

 安全地帯C-C-Bの落選だけでなくトシちゃんやマッチもこの年は常設オケ、前年8組と比べて大幅に減っています。ちなみに菅原洋一は弦楽器主体の海外オーケストラ、オルケスタ・ホセ・コランジェロが招待される形でした。

 

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