第72回(2021年)NHK紅白歌合戦~その5~

企画3(全体22):明日への勇気をくれる歌

 後半戦も東京国際フォーラムの空撮から始まります。大泉さんがテンション高く企画コーナーを紹介した後、画面がドット絵に切り替わります。

川口「さぁみなさん! 後半戦は
 今年 私たちの生活を カラフルに彩り
 勇気を与えてくれた音楽を お届けします!」

川口「あれ?
 なんか私たち 小さくなってません?」

和久田「はい。
 どうやら“あのゲーム”の 世界に
 入って しまったようですね!」

 …という感じでセリフもドラクエ風に表示されています。舞台のセットもドット絵で忠実に再現されていました。セリフの前にジャンプのアクションが入り、途中大泉さんが勇者になるくだりでは一瞬で衣装も早替えします。もっとも川口さんの遊び人でしょというツッコミで、すぐに元に戻ってしまいましたが…。

ドラゴンクエスト(東京都交響楽団「序曲」「そして伝説へ」)

・東京都交響楽団…1965年設立
・楽曲1:「序曲」(1986/5/27 ゲーム発売)
・楽曲2:「そして伝説へ ドラゴンクエストⅢより」(1988/2/10 ゲーム発売)
  曲:すぎやまこういち
・演奏中テロップ1:紅白×ドラクエ 開会式の興奮を再び!
・演奏中テロップ2:すぎやまメロディ 永遠に
・演奏時間(序曲):1分8秒
・演奏時間(そして伝説へ):3分5秒
・会場:渋谷・NHKスタジオ

 CGで作られた扉が開かれて、中央のレッドカーペットを挟んで東京都交響楽団の面々が一斉に演奏を開始。「序曲」は1986年の第1シリーズからオープニングテーマとして使用された、ドラクエをプレイしたことのない人でも知っている全ゲーム音楽の代表作です。シャンデリアや蝋燭など、ステージは全体的に格調高い雰囲気。

 「序曲」演奏後、すぎやまさんの偉業を紹介するVTRが流れます。ナレーションを担当しているのは、過去ドラクエシリーズに複数回関わった実績のある俳優の山田孝之。3音しか使えなかった1986年に革命を起こしたすぎやまさんは、2017年のゲーム第11作にも音楽担当として携わっています。空を飛ぶ乗り物で移動する際に流れる「おおぞらをとぶ」が、ここでは映像BGMとして使用されました。

 もう1曲演奏されたのは、第3作でゲームをクリアした時の終曲として流れる「そして伝説へ」。すぎやまさんが手掛けたゲーム音楽は、数百年後にも日本発祥のクラシック音楽として語り継がれるであろうことが、演奏を聴いていてもよく分かります。映像ではスライムの登場を合図に、歴代ドラクエシリーズ11作のゲーム画面が流れます。その後は今回演奏を担当した東京都交響楽団の全メンバーが流れるエンドロール。コンサートマスターの矢部達哉山本友重を筆頭に、演奏を担当した55名の氏名が流れ、大トメで「音楽:すぎやまこういち」がクレジットされました。もちろん、大人数のオーケストラ全員の氏名が紅白歌合戦の場で紹介されるのは史上初の出来事です。

 すぎやまさんとドラクエシリーズ、そして演奏を担当する東京都交響楽団へのリスペクトが最大限に込められた名ステージでした。これまで紅白で組まれたどの追悼企画よりも、力が込められていたかもしれません。このステージ自体も、後々紅白歌合戦において伝説になりそうな内容だったように感じます。

鬼滅の刃(LiSA「炎」)

・2010年デビュー、2011年ソロデビュー 第70回(2019年)初出場
・1987年6月24日生 岐阜県関市出身
・楽曲:「炎」(2020/10/12 配信)…2年連続2回目
  詞:梶浦由記 / LiSA 曲:梶浦由記
・歌唱中テロップ:劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 主題歌
・演奏時間:2分40秒

 続いて紹介される作品は『鬼滅の刃』。VTRで紹介後、竈門炭治郎のマスコットキャラクターが登場します。「紅白歌合戦をご覧の皆さん、こんばんは!竈門炭治郎です」と、声もしっかり担当の花江夏樹が充てています。こういった着ぐるみマスコットが登場するのはそれだけ人気作品になったという証ですが、個人的にはアニメ映像で見慣れているせいか逆に違和感を感じてしまいました。

 ちなみに司会者3人は衣装が変わっています。こちらも前半同様、Twitterで紹介されているので合わせて引用。なお和久田アナは、紅白を担当する女性アナウンサーでは有働由美子以来の肩出しスタイルです。


 前回同様『鬼滅の刃 無限列車編』の映像が大型スクリーンに映し出されるステージです。衣装は黒のドレスに赤く大きな飾り物を入れたような物に仕上がっています。一番の違いはやはり、無観客かそうでないかという部分でしょうか。紅組のステージとこちらのステージ、どちらがメインなのか分からない状況ではありますが、一応演奏時間は前半トップバッターで歌った自身のステージの方が上でした。

新世紀エヴァンゲリオン(高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」)

・1991年メジャーデビュー
・1966年8月28日生 東京都出身
・楽曲:「残酷な天使のテーゼ」(1995/10/25 シングル)…6年ぶり2回目
  詞:及川眠子 曲:佐藤英敏
・歌唱中テロップ:エヴァシリーズ 26年の集大成
・演奏時間:2分30秒

 『鬼滅の刃』ステージに浸る間もなく、謎のブザーが何処からか鳴り始めます。スクリーンには「紅白に使徒襲来!」の警告画面、葛城ミサト(声:三石琴乃)がそれを告げます。「大泉!シンジ君はどこ?」と指示を送りますが、当然大泉さんには分かるはずがありません。「あんたバカぁ?司会なのになんで知らないのよ!」と、惣流・アスカ・ラングレー(声:宮村優子)に言いがかりをつけられます。「こうなったら大泉!あなたがエヴァに乗りなさい!」と、ミサトさんが某水曜どうでしょうみたいな無茶を要求。ステージ脇から、エヴァ初号機のエントリープラグがスタッフ3名によって運び込まれます。当然「無理ですよ!乗ったことないんですからこんなのとクレームを入れますが、「大泉はそうやって、嫌なことから逃げているのね…」綾波レイ(声:林原めぐみ)「また逃げ出すのか、大泉!」碇ゲンドウ(声:立木文彦)も一方的に怒ってます。「逃げるんですか、大泉!」となぜか川口さんもエヴァ側の立場、和久田アナもそれに頷いているので、大泉さんの味方が周りに誰もいない状況です。

 「逃げちゃだめだ…逃げちゃだめだ…」碇シンジ(声:緒方恵美)が呟きます。「大泉さん、逃げちゃだめだ」、本来はシンジが乗るべき場面なので大泉さんも当然乗ってと言います。そこにアスカが目の前に現れます。「いつまでウジウジしてるつもり?大泉はもういいから、バカシンジが乗りなさいよ!」。ミサトもシンジに乗ってくれるよう頼みますが、返答は「やります…。僕が…大泉さんと一緒に乗ります!」

 全力で大泉さんが画面に向かってツッコミますが、結局2人の司会者にも促されてエントリープラグに乗ります。「こんなこと本当に庵野(秀明)さん許可出してるんですか?」「すごい後で怒られそうな気がする…」とボヤきますが、他に選択肢はありません。「ATフィールド、全開!」、その結果カメラが上を向いて、「残酷な天使のテーゼ」の歌い出しとなります。

 

 高橋さんは紫色のドレスにピンクのマントを身につけています。衣装のモデルはエヴァを見ている人ならよく分かる、エヴァンゲリオン初号機です。バックにはダンサーを2人従えています。テロップがないのでよく分からないのですが、調べると2017年からこの曲を歌う時には必ず登場する2人のようです。高橋さんの歌声はとても力強くて格好良く、伸びがあります。楽曲の格好良さにオーラが加わったような状況でした。

 後ろの大型スクリーンは『新世紀エヴァンゲリオン』OP映像から、2021年に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』へと展開されます。ラストは「さようなら、全てのエヴァンゲリオン。」の文字が画面いっぱいに映りました。シリーズ自体は新劇場版4部作で完結しましたが、各キャラクターに新しく声を充てるのはこの紅白のステージが本当のラストということになりそうです。

 1995年TVアニメ放送時に、長い年月をかけた人気シリーズとなり、紅白歌合戦のステージでこれだけ大々的に披露されると想像した人はほぼいなかったと思われます。私自身はエヴァをほぼ見ていないので感動は特に無かったですが、おそらく自分が初期から全シリーズ見ているファンだったら確実に泣いていたと思います。もちろんファンの多いSNSでは、尋常ではない盛り上がり方を見せていました。ある意味では第67回の『シン・ゴジラ』を思い出すような寸劇でもありましたが、見たことない人でも知っているような名台詞も満載でいちいち小出しにもしていなかったので、非常に楽しめる内容に仕上がっていたように感じます。

 ステージ終了後は、「戦ってきたよ!」とハンカチで首を拭きながら大泉さんが報告。「あの小芝居怒られないの?」とボヤいてますが、和久田アナ的には「大丈夫です!」とのこと。スクリーンには「誠にありがとうございました。」の文字が表示されています。

解説

・『ドラゴンクエスト』シリーズを長年手掛けたすぎやまこういちはこの年9月30日に逝去。元々はフジテレビのディレクター、昭和40年代は歌謡曲の作曲家として活躍しましたが、紅白歌唱曲はヒットと比べて6曲と少なめ。なお第24回(1973年)にガロ「学生街の喫茶店」の指揮者としてゲスト出演しています。

・1970年代以降は歌謡曲から特撮・アニメ中心に転向、『ドラゴンクエスト』を初めて担当したのは1986年でした。ゲームのシリーズとしては2017年の第11作『過ぎ去りし時を求めて』、さらに今後発売が予定されている第12作『選ばれし運命の炎』まで作曲担当となっています。

・この年は東京オリンピックの各国選手入場で「序章:ロトのテーマ」が使用されたことで、あらためて脚光を浴びる形となりました。なお生前特に2010年代以降は政治家との繋がりも深く、何人かの議員には応援歌まで制作しています。

LiSA「炎」は結果的に2年連続歌唱という形となりました。2021年度のビルボードランキングは年間4位、集計期間に前年12月が含まれているとは言え年をまたぐロングセラーであることに疑いはありません。

・「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズは1995年のテレビアニメ版に始まり、この年3月公開の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で完結となりました。「残酷な天使のテーゼ」は初代アニメ版のオープニング曲として、アニメファン以外にも長年親しまれています。

高橋洋子はバックコーラスやオムニバス作品参加を経て1991年にソロデビュー。「残酷な天使のテーゼ」「魂のルフラン」が言うまでもなく著名ですが、それ以前からドラマ・アニメなどタイアップ作品は多いです。

 

紅10(全体23):AI(4年ぶり4回目)

・2000年デビュー、第56回(2005年)初出場
・1981年11月2日生 鹿児島県鹿児島市出身
・楽曲:「アルデバラン」(2021/11/
1 配信)
  詞・曲:森山直太朗
・歌前テロップ:コロナが明けたら行きたい場所 カラオケ
・歌唱中テロップ:「カムカムエヴリバディ」主題歌
・演奏時間:2分48秒

 主題歌になっている連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』VTRの後、先ほど渋谷で歌っていたヒロインの上白石萌音が有楽町に移動してきました。「だったら最初からここで歌えれば良かったんですけどねぇ」についつい「ちょっと思いました」と返していますが、大泉さんはともかく上白石さんはこう答えていいのでしょうか。初めてこの曲を聴いたのはクランクアップの時で、「感無量ってこのことか、っていう感じでしたね」と話します。そのまま彼女が曲紹介も担当。

 第56回の初出場で「Story」を歌った時と同様、セットはバンドセットも無く非常にシンプル。その代わりにバックでは大きなスクリーンが用意されて、『カムカムエヴリバディ』のオープニング映像が流れていました。この映像はNHKのYouTubeで元旦から公開されています(現在は非公開)。間奏ではこれまでの作品と同様、ドラマの名場面。上白石さんが涙を目に浮かべながらステージを見守っているのも、ここ最近の紅白歌合戦らしい光景です。

 ”カムカムエヴリバディ”の言葉も入れたラストのスキャットはまさに絶品でした。会場からも大きな拍手、もちろん大泉さんの「ブラヴァー!」も入ります。上白石さんも「この曲と作品に出逢えて本当に幸せだと思ってました。ありがとうございました」と感想を語ります。

解説

・「アルデバラン」の楽曲提供は森山直太朗。『風のハルカ』では主題歌「風花」を提供+第56回紅白出場、『エール』では藤堂清晴役で第71回紅白企画コーナーにて「長崎の鐘」「栄冠は君に輝く」を歌唱。俳優・主題歌・楽曲提供をそれぞれ別の作品で手掛けたケースは史上初です。

・『カムカムエヴリバディ』は母娘孫三代でヒロインをリレーする形で、上白石萌音は1人目のヒロインでした。なお大晦日時点で既に作中のメインは深津絵里に交代、2月半ば以降は川栄李奈がメインの話になっています。

 

白11(全体24):関ジャニ∞(10年連続10回目)

・2002年結成、2004年デビュー 第63回(2012年)初出場
・36歳~40歳・5人組
・楽曲:「Re: LIVE」(2020/8/19 シングル)
  詞:Eight × Eighter 曲:zero-rock
・歌前テロップ:メンバーとファンの想いが詰まった歌詞に注目!
・歌唱中テロップ:ファンと共に作り上げた曲
・演奏時間:2分39秒

 審査員コメント、谷真海AIのパワフルな歌声に勇気をもらうというテロップが新たに付加されています。コメントは「1年分の元気や勇気を頂いてる気持ち」。そして大泉さんに北条政子さんと呼ばれた小池栄子「政子、非常に感動しております」。その後は「生の紅白って素晴らしいですね」とやや早口でまとめてます。細かい部分ですが、この一連の流れにも小池さんのタレント力の強さがよく出ています。

 今作は過去の紅白歌唱曲だと「オモイダマ」「ここに」系統の熱いナンバーです。サビ以外は一人ひとりのソロパートが主で、曲中の振付どころか立ち位置の移動も無し。5人の生の純粋な歌声が直に伝わります。映像演出さえも今回は無しで、照明だけで成立させるシンプルさ。ペンライトも白色で統一されてます。単純な曲の良さもありますが、安田さんや丸山さんを筆頭に一人ひとりの声量も以前と比べてかなり増しています。ファンにとっては伝わる部分が非常に多い、素晴らしいステージでした。

解説

谷真海は東京パラリンピックの競技こそトライアスロン女子10位止まりでしたが、開会式の旗手を担当しています。印象深かったのはやはり2013年IOC総会のスピーチで、その年の紅白にも映像ゲストとして出演しました。

小池栄子は『鎌倉殿の13人』で北条政子役、すっかり主演も務める女優として大成しています。2000年代はグラビアアイドルとしてバラエティ番組中心に活躍、当時は応援で紅白歌合戦に出演しても不思議ではない勢いがありました。

・「Re: LIVE」は前年リリースですが、ファンと作り上げた歌詞ということで歴代の楽曲でも重要な位置を占めています。ファンから募集したエピソードが盛り込まれたのは2番、そのため紅白での歌唱も1番ではなく2番となっています。

紅11(全体25):BiSH(初出場)

・2015年結成・デビュー、2016年メジャーデビュー
・全員年齢非公表・6人組
・楽曲:「プロミスザスター」(2017/3/22 シングル)
  詞:松隈ケンタ × JxSxK 曲:松隈ケンタ
・歌前テロップ:楽屋で一番しゃべるのは無口キャラのリンリン
・歌唱中テロップ:約束の地 紅白へ
・演奏時間:2分45秒

 紅白に出るのが夢だったというBiSH。アイナ・ジ・エンドは昨年初めてライブをしたNHKホール公演で、ファンに「(紅白歌合戦の会場である)絶対ここに戻ってくる」と約束したようですが、「ここは国際フォーラムでした」というオチ。ただ紅白歌合戦であることは事実なので、「今日は目一杯届けようと思います」という話で締めます。なお今回観客の当選数は2年前より少ないですが、ホールのキャパ自体は東京国際フォーラムホールAの方が大きいです。

 本人たちのスタンバイ後、初出場会見で大人をザワつかせたことをわざわざ話題にしています。確かにここで本当にその円陣をやれば清掃員(ファン)以外全員が凍りつく展開も想像できましたが、さすがにそれはありませんでした。なお彼女たちメインのラジオ番組では、ビックリするくらいの下ネタを6人とも常に連発しているようです。

 歌い出しやラストソロなど、メインで歌うことの多いアイナ・ジ・エンドは他アーティストとのコラボも多い実力派歌手でもありますが、本番ではやや音程に苦労した様子で歌詞も一箇所間違いがありました。それでもラスト渾身のロングトーンは、間違いなく聴く人の胸を打つ内容でした。確かに彼女ともう1人ソロパートが多いセントチヒロ・チッチを除く他の4人は決して高い歌唱力ではないですが、格好良いステージは十二分に見せていたと思います。

 個人的にはメジャーデビューした頃に女性アイドルグループのイベントで彼女たちのステージも見ているので、内容よりも紅白のステージに立てたこと自体に感慨深いものが大きいです。ただ前半に出演した出場歌手の歌唱時間と比べてそれがやや長いのは、個人的には良いのですがスタッフの彼女たちに対する思い入れの強さもあったのではないかと、少しだけ思います。

解説

・2015年に結成された当初はメンバー組成も少し異なる5人組、当時解散して間もないBiSの流れを汲んでメジャーデビュー前は過激なプロモーションが多くありました。2016年メジャーデビュー以降はライブや楽曲に力を入れ、その年後半以降に発表された「オーケストラ」「プロミスザスター」辺りから人気が目に見えて上昇し始めます。

・メインボーカルを主に担当するアイナ・ジ・エンドは、2017年以降各アーティストの作品にも多く客演参加。独特のハスキーボイスは、ファン・リスナーだけでなく業界内からも高く評価されていました。

・この一週間前にグループの解散を発表、当時は時期未定ですが最終的には2023年6月29日の東京ドームワンマンに決定しました。翌年の紅白歌合戦には選ばれずでしたが、COUNTDOWN JAPANでは一番大きな舞台・EARTH STAGEのヘッドライナーに選ばれています。

 

白12(全体26):三山ひろし(7年連続7回目)

・2009年デビュー 第66回(2015年)初出場
・1980年9月17日生 高知県南国市出身
・タイトル:「浮世傘 ~第5回 けん玉世界記録への道~」
 楽曲:「浮世傘」(2021/7/28 シングル)
  詞:いではく 曲:影山時則
  けん玉:けん玉ヒーローズ2021、けん玉ちばちゃん、ず~まだんけ
・歌前テロップ:紅白名物!126人連続成功なるか!?
・歌唱中テロップ:世界記録 126人連続成功なるか!?
・演奏時間:2分19秒(126人目までは2分28秒)

 もう完全に風物詩となった紅白歌合戦けん玉ギネス世界記録への挑戦、これは「けん玉プレイヤー 夢の舞台」にまで発展しています。「使命感」「準備万端」、三山さんのコメントにも熱が入っています。そこで畑中ふうのナレーション・Hi-STANDARD「CAN’T HELP FALLING IN LOVE」が流れるBGM・三山さんのけん玉プレイ。「いざ、けん玉の頂点へ!」「さあ、あの感動を、今宵も!」。うっかりこの後エントリーナンバーを読み上げないか、例のごとくFatboy Slim「Because We Can」の出囃子が鳴るんじゃないかと思ってしまう、まさにM-1グランプリそのものという紹介映像でした。ちなみに更に細かく言うと、2019年の内容をパロディー化した物らしいです。

 今回はガラス棟からパフォーマンス、けん玉ヒーローズ2021の皆さんが勢揃いしています。お馴染みDJ KOOは3番。ぺこぱ松陰寺太勇が2番。前々回参加したミルクボーイ同様、シュウペイもついてきています。ポンキッキーズのマスコットキャラクター・ムックが4番で参加。そしてなんと鈴木福が事前アナウンス無しで1番に参加。福くんは第62回の「マル・マル・モリ・モリ!」以来10年ぶりの出演、確かにけん玉得意とは聞いていましたが、当時全く誰も予想しなかった形の紅白復帰です。なお直後のやり取りによると、シュウペイが得意なのはサッカーのようです。ラストを飾る肝心の三山さんは彼らと随分離れた立ち位置で、「2年連続更新を目指します!」と力強く宣言。横に和久田アナとギネス認定員が同伴しています。なお一番ツッコミを入れるべき存在のような気がするムックはスルーでした。

 今回も例のごとくけん玉プレイヤーのワイプが一緒についています。ただ横一列の配置になったため、三山さんにも最後まで状況が全く分からないという大きな違いがあります。もしかすると例年よりけん玉プレイヤーの皆さんもプレッシャーを感じなかったかもしれません。構成はいつもの通り1コーラス半、演奏は118人目で終了。次にまた同じ企画をもしやるとしたら、逆に2コーラスで歌っている最中にギネス達成とかを狙ってもいいかもしれません。

 というわけで無事成功、初の2年連続ギネス世界記録達成という結果になりました。三山さんのガッツポーズが止まりません。もういいという声も非常に多いですが、それも含めて反響が大きいのも確かで、この分だと余程売れなくならない限り次回も継続ではないかと思われます。

 なお放送直後には本人のYouTubeが更新、今回のステージの裏話が披露されています。けん玉ヒーローズの皆さんはTwitterのアカウントを持っている方が多数いるようで、元旦以降三山さんが次々にリツイートしていました。そして今回お笑いから唯一出演となったぺこぱは前説を担当、本番前に会場の観客を和ませていたらしいです。

解説

・歌前の紹介映像はなんとM-1グランプリ決勝のパロディ、Hi-STANDARD「CAN’T HELP FALLING IN LOVE」は2014年~2016年、2019年にコンビ紹介VTRのBGMとして採用されました。なおパロディとなった2019年大会はミルクボーイが優勝、けん玉を得意とする内海崇がそのまま紅白にも出場してギネス記録に挑戦しています。

ぺこぱはその2019年M-1グランプリで3位通過・最終決戦進出。これ以降テレビ出演が激増して一気にブレイクしました。2023年現在も地方局含めたテレビ出演レギュラー・準レギュラー本数は6本、ゲスト出演も多数で引き続き活躍中。

鈴木福は「マル・マル・モリ・モリ!」以来10年ぶり紅白出演ですが、おそらく当時誰も予想しなかった形の復帰ではないかと思われます。2004年生まれなのでもう間もなく成人となりますが、こちらも現在に至るまでテレビ出演が途絶えることなく活躍中。なお10年前一緒に歌った芦田愛菜は翌年にゲスト審査員として紅白復帰となりました。

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