今回は1973年・第24回のステージ演奏時間・構成の一覧を作成します。
NHKホール落成後初めての紅白は、過去の名曲が多く歌われた回でした。そのため過去曲に関しては、発表年も楽曲欄に記載しています。
演奏時間&構成表 1(第24回・1973年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
1(紅1) | 漁火恋唄 | 小柳ルミ子 | 3分22秒 2コーラス |
3分26秒 2コーラス |
2(白1) | 甘い十字架 | 布施 明 | 1分59秒 1コーラス半 |
2分55秒 2コーラス |
3(紅2) | ブルー・ライト・ヨコハマ (1968年) |
いしだあゆみ | 2分44秒 1コーラス半 |
3分5秒 1コーラス半 |
4(白2) | 星のフラメンコ (1966年) |
西郷輝彦 | 2分33秒 1コーラス半 |
3分7秒 2コーラス |
5(紅3) | せんせい | 森 昌子 | 1分55秒 2コーラス |
3分20秒 2コーラス半 |
6(白3) | 君が美しすぎて | 野口五郎 | 2分2秒 1コーラス半 |
3分46秒 2コーラス半 |
7(紅4) | 色づく街 | 南 沙織 | 1分40秒 変則1コーラス半 |
2分52秒 変則2コーラス |
8(白4) | 街の灯り | 堺 正章 | 2分58秒 1コーラス半 |
3分36秒 1コーラス半 |
9(紅5) | ジェット最終便 | 朱里エイコ | 2分40秒 2コーラス |
3分22秒 2コーラス |
10(白5) | さそり座の女 | 美川憲一 | 2分0秒 2コーラス |
3分15秒 2コーラス半 |
11(紅6) | 笑って許して (1970年) |
和田アキ子 | 2分17秒 2コーラス |
2分42秒 2コーラス |
12(白6) | 潮来笠 (1960年) |
橋 幸夫 | 2分7秒 2コーラス |
3分37秒 3コーラス |
13(白7) | 若いふたりに何が起る | フォーリーブス | 2分30秒 1コーラス半 |
3分18秒 2コーラス |
14(紅7) | 他人の関係 | 金井克子 | 2分33秒 1コーラス半 |
3分48秒 2コーラス |
15(白8) | 今日でお別れ (1967年) |
菅原洋一 | 2分43秒 2コーラス |
3分53秒 3コーラス |
16(紅8) | なみだ恋 | 八代亜紀 | 2分3秒 2コーラス |
3分9秒 3コーラス |
各ステージ・補足
記念すべきNHKホールの紅白トップバッターは小柳ルミ子。「漁火恋唄」を情緒たっぷりに歌います。イントロの尺八ソロはオリジナルよりもたっぷり、アウトロ以外完全フルコーラス。前年の紅白で無かった3分超えのステージになりました。(ステージレビュー→紅白名言集解説・27)
布施明はオリジナルのイントロが加わります。ただかなり速めの演奏+間奏完全カットのアレンジ。合唱もふんだんに加わってアウトロもゴージャス、本人も大熱唱のステージでしたが、演奏時間そのものはかなり短めでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・布施明の軌跡)
いしだあゆみの「ブルー・ライト・ヨコハマ」は初出場の第20回以来4年ぶりの紅白歌唱。やや速めだった当時より原曲に近いテンポで、イントロも長くなっています。
西郷輝彦の「星のフラメンコ」は第17回以来7年ぶりの歌唱。1コーラス半の構成は当時と同様ですが、間奏にオリジナルの演奏とダンスが加わりました。ラストのロングトーンとアウトロも、オリジナルより長い見応えのあるステージです。テンポは若干速めでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・西郷輝彦の軌跡)
初出場の森昌子は当時15歳。やや速めのテンポで「せんせい」を歌います。1番と2番の歌唱、間奏短めでアウトロはほぼ無しでした。
野口五郎は体全体を使ったアクションで「君が美しすぎて」を熱唱。1コーラスとサビ繰り返し、若干速めのテンポ。こちらもアウトロほぼ無しで、歌唱終了後すぐ次の曲紹介に移ります。(ステージレビュー→紅白歌合戦・野口五郎の軌跡)
南沙織の「色づく街」はAメロ2回+サビの1番、間奏Aメロ、サビ+Aメロの2番というやや不規則なフルコーラス構成。紅白では若干速めのテンポでカットされ気味なイントロ+1番+間奏無しの2番Aメロ+さっさと終わるアウトロという具合で、演奏時間も極めて短いというこの回の紅白屈指の扱いの悪さでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・南沙織の軌跡)
堺正章は『時間ですよ』で大ヒットの「街の灯り」。ほぼ原曲通りのテンポで、間奏全カットであるものの堂々のフルコーラス。イントロやアウトロで小ボケも入る、印象的なステージを展開しています。
朱里エイコは「ジェット最終便」をフルコーラス。速いテンポもほぼ原曲通りです。ただ間奏が本来の曲と全く異なる南国風の演奏(紅組歌手が沖縄から届いた花を客席に配る演出)。2番の入りも若干難儀した様子で、そこだけかなり違和感のある編曲でした。
美川憲一は名曲「さそり座の女」を歌唱。原曲より速いテンポで2コーラス歌います。間奏も若干カット気味で演奏時間も短めです。なおコロッケは当時中学生で勿論テレビには出ておらず、オペラバージョンやパラパラバージョンで歌うことなど誰も想像していません。
和田アキ子はこの年紅組応援団長、23歳ながら20歳年上の大先輩・三波伸介相手に互角の立ち回りを演じていました。歌の方は3年前の初出場曲「笑って許して」をフルコーラス、ややテンポアップ気味の演奏です。
橋幸夫は初出場以来、13年ぶりの「潮来笠」でした。歌唱前にちょっとした寸劇が入っていますが、これは演奏時間の対象外とします。(ステージレビュー→紅白歌合戦・橋幸夫の軌跡)
中間発表後に攻守交代、フォーリーブスは当時では珍しいレコードB面曲の歌唱。イントロが原曲と大きく異なる内容で、紅白オリジナルと思われるダンスパフォーマンスが繰り広げられています。歌の方は間奏無しの1コーラス半、テンポも特段速くはなっていませんでした。
金井克子は「他人の関係」の1番と2番後半を歌唱。原曲通りのリズムで、ザ・フラッシャーズを筆頭にコーラスも充実。1960年代後半はNHKでレギュラー番組を持っていて、紅白は歌手だけでなく応援も複数回出演。大ヒット曲で出場となると、扱いが良くなるのも当然でしょうか。
菅原洋一は1970年の日本レコード大賞受賞曲「今日でお別れ」を歌唱。1番と3番を、原曲より遅いリズムでじっくり聴かせます。
八代亜紀はこの年紅白初出場。「なみだ恋」の1番と3番を原曲通りのリズムで歌唱します。
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