紅白歌合戦の記事の読み方+ホームページ改名のお知らせ

コラム

ホームページについてのお知らせ

 まずは告知です。

 2月1日をもって、ホームページの名前を変えることにしました。

 新しい名前は…

Kerseeの紅白音楽情報局

です。

 「紅白歌合戦のお話。」を除くと「Japanese Music」など横文字にこだわってきましたが、正直検索しにくい・憶えにくいという方も多かったのではないかと思います。ここで本格的に記事作成を始めてほぼ1年経ち、方向性もある程度定まってきたということもあって、少しでも具体性のある名前にしたいと考えて改名に至りました。

 「紅白」はもちろん紅白歌合戦、「音楽」はその名の通り、「情報」は再生数ランキングやビルボードなど、通常の音楽ブログよりデータ面での言及が多いことを指しています。

 今後ともあらためて、よろしくお願いします。

紅白歌合戦の雑誌・web記事の読み方

 さて記事はここからが本題です。

 紅白歌合戦については、本番前も本番後も各媒体で非常に多く取り上げられています。ただその中には、見る価値がある記事とそうでない記事が大きく分かれているように感じます。

 その中で今回は、放送後1ヶ月経った中でも皆さんに見て欲しい記事をいくつか紹介して、最後に見てはいけない記事について書くことにします。

週刊文春「福島明さんインタビュー」

 まずは先日Twitterでも紹介された、1/31付の週刊文春の記事です。今回の総合演出を担当した福島明さんへのインタビューが掲載されています。

 この記事を読むとあらためて、今回の紅白歌合戦は「思い切りの良さ」「細部へのこだわり」「それらに対する上層部の理解」があって成立したことがよく分かります。その一方で、この紅白で出来なかったことや世帯視聴率の低さなど反省点もピックアップされています。

 演出側の意図は、この記事ではっきり明示されています。番組に対する単純な称賛ではなく、制作側の苦労と覚悟が伝わる記事は過去にほとんど見たことがありません。「100人いれば100人の紅白論がある」と語った通り、これを見てどう感じるかは本当に個人の自由だと思いますが、単純に「若者に媚びている」などと批判する人がどれだけ演出側の意図を理解しているかは確かに私から見ても疑問が残ります。

 足掛け60回近くの紅白歌合戦を見ているマニア的な立場から見ると、今回の総合演出は自分の考えに限りなく近い方のように感じました。ときに保守的とも言われることがある紅白歌合戦は、実を言うと時代に合わせた改革の歴史の積み重ねでもあり、その中で歴代のスタッフが苦心して番組を作り上げているわけです。非常に感心出来る内容であるとともに、これを見ると感情的な批判はしにくくなるのではないかと感じました。とりあえずまだ見ていない方は、是非チェックして欲しいです。

東洋経済オンライン「スージー鈴木の「月刊エンタメ大賞」」

 次は評論家・スージー鈴木氏の批評記事です。この方の名前を最初にお見かけしたのはプロ野球関連だったと記憶していますが、音楽も昭和の歌謡曲~現在のJ-POPまで幅広い見識がある上に深味もあり、尊敬しているライターの1人です。

 今回紹介した記事では、タイトル通り今回の紅白歌合戦の意図を推測して、なおかつデータも活用して具体的に書かれています。そこには自身が音楽ファン・紅白ファンであることも明確に記されています。

 紅白歌合戦をテーマにして書くブログやTwitterもいくつかお見かけしていますが、個人的には「紅白という番組だけでなく、もっと音楽そのものを愛して欲しい」と思うことが時々あります。上から目線みたいな形になって申し訳ないですが、例えば出場歌手を予想するにしても本来なら自分の守備範囲以外の楽曲やジャンルにも興味を持って欲しいです。また紅白が好きなら、昔の歌唱曲も今はサブスクで相当数聴けるのだから一度耳にして欲しいとも思っています。私も昨年はネット音楽方面をほぼ予想していなかったので、人のことは言えないですが…。

 したがって、音楽ファン・音楽関係者が書く紅白歌合戦批評は基本的に見る価値があると考えます。ただここで個人の名前は出しませんが、一部そうでない方もいらっしゃいます。「上から目線でない」「偉そうでない」「感情的ではなく具体的」、この3つを満たしていれば信用に値する方ではないかと個人的には考えています。

Yahoo! JAPAN「『紅白歌合戦』全体を見える化してみた!~MISIA・福山雅治・藤井風・マツケンサンバ以外が最高値~」

 視聴率などのデータに関しては、ここ数年鈴木祐司氏の分析が最も具体的で分かりやすい内容で重宝しています。番組全体の世帯視聴率だけで語るのではなく、多くの指標を使って非常に細かい分析がされています。ステージの内容に対する言及は少ないですが、それゆえに数字を分析する上で重要な客観性が徹底されています。これを見てどう感じるかが「読者」の見方で、どう改善に持っていくかが「制作」の見方になるのではないかと思います。元々NHK出身のようですが、おそらく局内でも放送後の資料として活用されているのではないか…と感じます。

拙稿「第72回(2021年)NHK紅白歌合戦~まとめ~」


 個人でも毎年まとめ記事と称して総括を書いてます。第59回以降かれこれ14年になりますが、ここで書いたことがその後の紅白に反映されたのではないかと思える部分も正直あります。まだ見ていない人は、もし良ければこの機会に是非読んで頂ければと考えてます。本編レビューを含めた目次はこちらです。

 

最後に…見てはいけない記事

 媒体を出すのは控えますが、日頃から批判記事メイン・「関係者」の名前が頻繁に記されている会社の記事は個人的にオススメしません。余程内容が優れていれば話は別ですが、基本的にこういったメディアはTwitterで紹介しないようにしています。またそれらのメディアは基本的に書きっぱなしで改善案などは一切書かれてない無責任な内容で、あっても(私から見てですが)的外れのような物が多いです。たまに見るならまだしも、こういった記事ばかりを見ていると自身の感性の貧困・性格の悪化を招きます。ひいてはそれが社会の悪化に繋がりかねない部分もあります。読む人が多ければ当然そういった記事も増えるので、自分としては読まないことを強くお薦めします。

 とはいえ批判が多いのはそれだけ注目されていることの表れでもあって、決して悪いことばかりではありません。また反対意見が全く無く100%賞賛記事ばかり、反対意見を許さないような雰囲気になるとそれは統制社会を意味していて、あまりにも極端で危険な状態です。

 したがって最初のインタビュー記事に戻りますが、「100人いれば100人の紅白論がある」ということです。特に紅白歌合戦は現在でも日本で視聴者が一番多い番組なので、それは当然だと思います。ただあくまで個人的な考えですが、紅白歌合戦を語るなら音楽を好きであって欲しいです。その考えのもと、今後も当ホームページで記事を更新したいと考えています。あらためて今後ともよろしくお願いします。

 

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