2022年アルバム~Awesome City Club『Get Set』

アルバム概要


リリース:2022年3月9日
前作:『Grower』(2021年2月10日)
通算枚数:4枚目
楽曲数:10曲
うち先行配信済:9曲
レーベル:cutting edge

楽曲解説

On Your Mark

先行配信:2022年2月21日
MV:あり(YouTube
タイアップ:アニメ『アニ×パラ~あなたのヒーローは誰ですか~ 第13弾 パラアルペンスキー』主題歌
演奏時間:3分55秒

 冒頭から迫力のあるグルーヴィーな演奏で、希望の夜明けをイメージしたようなサビは音の広がりが極めて爽快。全編聴きどころのカッコ良い楽曲は、デビュー当時にはないパワフルさも兼ね備えています。大ヒットを経験してパワーアップしたAwesome City Clubを猛アピールしているような、珠玉の一曲。

 

雪どけ

先行配信:2021年11月24日
MV:リリックビデオ(YouTube
演奏時間:4分42秒

 この曲は何といってもサビのメロディー。PORINのパートとatagiのパートは、どちらが主旋律・ハモリとも取れる極めてレアなケースになっています。ソロパートも良いですが、絶妙なメロディーを並行させるサビのハモリは、これ以上ないくらいの聴き心地の良さ。既に聴いている人も多いとは思いますが、もし聴いていない人がいたら是非体験して欲しいです。

夏の午後はコバルト

先行配信:2021年7月6日
MV:あり(YouTube
タイアップ:関西テレビ制作ドラマ『彼女はキレイだった』OPテーマ
演奏時間:3分10秒

 ポップなメロディーが心地良い楽曲。YouTubeで230万・Spotifyで280万再生ですが、もっと多く再生されても不思議ではない楽曲です。間奏のモリシーのギターも聴きどころの一つになっています。

 

you

先行配信:2021年11月3日
MV:リリックビデオ(YouTube
演奏時間:4分45秒

 終始atagiのボーカルをメインにして構成されている、スケールの大きな楽曲です。彼の持つ柔らかい声質と高いテクニックを堪能するには、これ以上ないくらいの構成ではないかと感じました。

 

Life still goes on

先行配信:2022年1月12日
MV:リリックビデオ(YouTube
演奏時間:3分29秒

 この曲もリズミカルな作品です。ミニアルバムを多くリリースしていた5~6年前のシティポップ的な流れに、所謂J-POPらしいエッセンスを加えたような内容になっています。こちらもボーカルはatagi中心、PORINはコーラスとハモリに徹するような状況になっています。

color

先行配信:2021年6月29日
MV:special session(YouTube
タイアップ:ハーゲンダッツwebCMソング
演奏時間:3分56秒

 「Life still goes on」と似た傾向の楽曲ですが、この曲は2人一緒にボーカルを担当する部分が多いです。サビ後半で畳み掛けるメロディーが非常に完成度高く、大きな聴きどころの一つになっています。

 

息させて

先行配信:2021年12月15日
MV:リリックビデオ(YouTube
演奏時間:2分58秒

 軽快なサウンドで聴かせる楽曲。演奏時間2分58秒は今回のアルバムで最も短め。

 

楽園

先行配信:2022年2月28日
MV:リリックビデオ(YouTube
演奏時間:4分2秒

 ミディアムテンポでじっくり、かつグルーヴィーに聴かせる楽曲。この曲もatagiボーカルがメインの構成。

ランブル

先行配信:なし(新曲)
MV:リリックビデオ(YouTube
演奏時間:4分2秒

 今回の作品では唯一、先行配信無しの新曲になっています。アコースティックに浮遊感・ヨナ抜き音階に代表される和の雰囲気などを詰め込んだ作品。3人それぞれソロの見せ場もしっかり用意されています。

 

またたき

先行配信:2021年4月21日
MV:あり(YouTube
演奏時間:4分36秒

 配信シングルとしてリリースされた時期が早い関係もあって、Spotifyの再生数はこの曲が一番多いです。「勿忘」がヒットしている最中に配信シングルとしてリリースされた作品ですが、楽曲構成や曲調も後半を除くとそれに寄せているかのような内容になっています。良い曲ですが、「勿忘」の後に出すというのは戦略的にどうたったのかという印象も若干あります。このアルバムにおいては「またたき」に似た雰囲気の曲はないので、良いアクセントとして十二分に作用しているように感じました。

全体の感想

 非常によく出来た作品です。特に前半の完成度は極めて高く、個人的に今年の中では上位に入る作品になると思います。

 デビュー当時はシティポップ色強めのイメージでしたが、2019年のビバラロックでステージを見た時は意外とそれだけに留まらない音楽性を持ったグループという印象を持ちました。はっきりとした代表曲が無い当時はステージングの良さと同時に「軸の不在」を感じた面もありましたが、「勿忘」の大ヒットと今回のアルバムでその悩みは完全に解消されたと考えて良いと思います。

 今作は「シティポップよりも一つ前進した音楽」が全編にわたって表現されている作品です。この「シティポップ」というのはハイセンスな音楽である反面、敷居の高さも存在するというのが自分の持論です。渋谷系と呼称された音楽は現在のJ-POPにまで様々な影響を与えていますが、実を言うとCD売上などの数字はそれほど高くありません。そこまで細かいデータを見たことがないので断言は出来ませんが、都会と地方ではかなり印象が異なる音楽ではないかと個人的には考えています。

 今回のアルバムは高いセンスを感じさせる部分を保持しながら、J-POP的な馴染みやすさ・聴きやすさも兼ね備えた内容に仕上がっています。「勿忘」で彼らを知った人、デビュー初期から聴いていた人、逆に大ヒットしてから聴かなくなった人…そういった全ての人々におっ、と思わせるような音楽が詰まっています。是非皆さんに聴いて欲しいと同時に、2年連続紅白歌合戦に出場できるくらい話題になってほしいとあらためて思います。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました