2022年アルバム~[Alexandros]『But wait. Cats?』

アルバム概要

リリース:2022年7月13日
前作:『Sleepless in Brooklyn』(2018年11月21日)
通算枚数(フルアルバム):8枚目
楽曲数:11曲
うち先行配信済:5曲
レーベル:ユニバーサルミュージック

楽曲解説

Aleatoric

先行配信:なし(新曲)
MV:無し
演奏時間:1分11秒

 迫力ある演奏で聴かせるオープニングインスト。インストから入るのは2012年の『Schwarzenegger』以来5作ぶりです。

 

Baby’s Alright

先行配信:2022年7月7日
MV:あり(YouTube
タイアップ:テレビ朝日系ドラマ『六本木クラス』主題歌
演奏時間:2分43秒

 イントロのギターソロから最後まで完全ノンストップの疾走感。2分43秒の短い曲ですが、体感的には1分もしくはそれ以下と感じる人も多いのではないでしょうか。この曲のイントロが鳴った瞬間に、今回のアルバム全体が名盤だと確信できるくらいの超絶名曲。令和4年現在の、生演奏ロックバンドが奏でる最高峰に立つナンバーと言って良いかもしれません。

閃光

先行配信:2021年4月28日
MV:あり(YouTube
タイアップ:松竹ODS事業室配給アニメ映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』主題歌
演奏時間:4分22秒
レビュー:2021/5/5ビルボードチャート

 ドロスの代表曲と言えば「ワタリドリ」ですが、この「閃光」から彼らのファンになった人も多くいるのではないかと思われます。2021年を代表するロック曲かつアニメソングの名曲。個人的にはイントロや演奏もそうですが、サビ後半における半音の心地良さが大きな肝だと思っています。

 

どーでもいいから

先行配信:なし(新曲)
MV:無し

演奏時間:3分5秒

 思わずクラップしたくなる音が終始鳴り響く楽曲です。全体的に遊び心を優先したような編曲ですが、そこにゴリゴリのベースが入り込んでいるのが一番の面白味ではないかと感じました。

日々、織々

先行配信:2022年2月16日
MV:あり(YouTube
タイアップ:Panasonic×花王アタック「『#センタク』プロジェクト」テーマソング
演奏時間:3分25秒

 タイアップに合わせて作ったと言われる楽曲。ゆらゆらとした雰囲気のリズムは、ロックよりヒップホップの方が近いです。1コーラス終了後にはラップパートまで入り、2番Bメロも1番とは全く異なる雰囲気です。MVも不思議なファッションが気になるサイケな内容、そこには[Alexandros]の音楽表現がかつてと比べても大きく広がっていることを示しています。

 

空と青

先行配信:なし(新曲)
MV:無し

演奏時間:4分37秒

 アコースティックな雰囲気に近い聴かせるナンバー。空からイメージして書いたと思われる、川上さんの歌詞と歌声が聴きどころです。

Rock The World

先行配信:2022年2月11日
MV:あり(YouTube
タイアップ:KADOKAWA配給劇場アニメ『グッバイ、ドン・グリーズ!』主題歌
演奏時間:4分28秒
レビュー:2022/2/23ビルボードチャート

 イントロ無しでサビから入る歌い出しも良いですが、1度聴いただけでも難度が高いと分かる直後のギター演奏が見事です。AメロからBメロに移行する際の自然な転調、細かいドラム捌きなど、技術職人[Alexandros]の匠を隅から隅まで感じさせる作品。芸術作品で使うべきフレーズをバンドサウンドを評する際に使いたくなる楽曲は、今後もそうそう出て来ないような気がします。

 

無心拍数

先行配信:2022年6月3日
MV:あり(YouTube
タイアップ:NHK Eテレアニメ『アオアシ』オープニングテーマ
演奏時間:3分30秒

 「閃光」に近い雰囲気もあるストレートなロックナンバー。サビ後半のコーラスの入り方が、[Alexandros]らしさをよく表しています。

 

we are still kids & stray cats

先行配信:なし(新曲)
MV:無し
演奏時間:3分12秒

 一定のリズムを刻みながら重低音をボーカル含めて響かせている、アルバムならではの楽曲です。ライブだと完全暗転の中から、徐々に明るくなっていく演出が個人的にはしっくり来ます。

クラッシュ

先行配信:なし(新曲)
MV:無し
演奏時間:3分26秒

 一音一音、特に轟音のようなギターがはっきり響くヘヴィー級のナンバー。なお7/23現在、新録曲で一番再生数が多いのはこの曲です。

awkward

先行配信:なし(新曲)
MV:無し
演奏時間:4分9秒

 全編英語詞。ライブの終幕をイメージしたような楽曲、という印象を持ちました。

アルバム全体の感想

 2022年トップクラスの名盤です。「閃光」「Rock The World」など先行曲の出来が良かったので必然ではありますが、それ以上に「Baby’s Alright」の完成度が極めて高いです。全体を通しても本来の彼ららしさに進化もミックスされ、4年待った甲斐があったと言える作品です。

 川上さんは近年ドラマ出演あり、最近は『太田上田』にハマったことに乗じてそちらにも楽曲提供しようというトピックがあります(動画)。以前はもっと硬派なミュージシャンというイメージがありましたが、そういった意外性も新たなファン獲得に繋がっているような気がします。既に国内のロックフェスでは一番大きいステージでヘッドライナーを張る大物ミュージシャンですが、このアルバムが彼らのみならず、ジャパニーズロックというジャンルの成長にも大きく貢献しそうな気がします。ロックファンは勿論、それ以外にも是非聴いて欲しい作品です。

 

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