今週のビルボードチャート~5/4(なにわ男子、BE:FIRST、aiko他)

今週のチャート総評

 なにわ男子の2ndシングル「The Answer」が今週の1位です。「サチアレ」との両A面でCD初動売上53万枚、さすがに「初心LOVE」ほどではないものの高い数字を記録しています。その「初心LOVE」も63位に再ランクイン。CD売上16位ですがリッピング2位というまさかの結果となっています。ちなみにCDリッピングについては、1位から5位まで全てジャニーズのグループが占める形でした。

 3位にBE:FIRSTの新曲「Betrayal Game」が初登場。読売テレビ制作の深夜ドラマ『探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~』主題歌になっています。ダウンロード1位・ストリーミング4位(LINE MUSICキャンペーンあり)・YouTube1位など各要素で上位にランクインしました。GWはテレビ番組『CDTVライブ!ライブ!』やビバラロックの出演がありましたが、この期間を通してどれだけ新しいファンを獲得できるかが今後のポイントになりそうです。

 17位はaiko「ねがう夜」。先行配信開始時にHot100入りはしましたが、CD発売週で上位にランクインとなりました。CD売上4位ですが、それ以上にポイントの半分を1位のラジオオンエアが占めているのが特徴的です。なおダウンロードやストリーミングといったデジタル要素では3週目ということもあって伸びがなく、ポイントも計上されていません。

 29位のUru「それを愛と呼ぶなら」はTBSの日曜劇場『マイファミリー』主題歌。この時間のタイアップは『テセウスの船』の「あなたがいることで」以来2作目、ドラマ主題歌は今作で通算7作目。ドラマ好きにとってはすっかりお馴染みの存在です。ダウンロード3位。CDリリースは6月1日なので先行配信、ただ4/24配信開始でストリーミング80位はもう少し伸びて欲しかった所かもしれません。

 33位は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会「夢がボクらの太陽さ」、「Colorful Dreams! Colorful Smiles!」に続く2週連続リリースです。CDセールスは約2万枚売上の3位でした。先週発売のシングルもセールスは13位、このタイミングで2枚同時購入したファンもいたのではないかと思われます。

 46位はSEKAI NO OWARI「Habit」。映画『ホリック xxxHOLiC』主題歌に起用されています。こちらも6月22日にCDシングル発売予定、28日木曜から先行配信が始まりました。ダウンロード6位、ただストリーミングはまだ100位圏外という状況です(計上はされているので少なくはないですが)。なお今週はMAN WITH A MISSION「More Than Words」milet「Walkin’ In My Lane」Perfume「さよならプラスティックワールド」と配信開始の新曲が多くダウンロードランキングで上位に入っていますが、いずれもHot100では圏外でした。

 65位はちゃんみな「美人」。なんとYouTubeで4位になっています。THE FIRST TAKEで4/22に公開された歌唱シーンが大きな反響を呼んでいるようで、本日付で人気急上昇中の音楽6位にランクインしています。なお楽曲は昨年4月にリリース、MVとダンスパフォーマンスビデオを合算した再生数は現時点で1300万超で既にかなり多いです。その他72位にジミン、ハ・ソンウン「With You」、76位にウマ娘1周年記念曲の「We are DREAMERS!!」、98位にZOT on the WAVE & Fuji Taito「Crayon」が初登場を果たしています。

 Official髭男dism「ミックスナッツ」は先週より少し順位を下げたものの、今週も2位をキープ。ストリーミング1位・ダウンロード2位だけでなくラジオも2位で非常に強いです。EP発売は6月22日でしばらく先、こちらのCDもそこそこの売上を計上するはずなので、その意味ではロングセラーは約束されたような物と言って良いかもしれません。

 先週1位のINI「CALL 119」は4位。多少ストリーミングの順位は下がりましたがそれでも9位、CD売上も4.4万枚で2位なのでまだ強いです。Tani Yuuki「W / X / Y」は3位→5位ですが、総合ポイント数はまた自己最高を更新しています。星野源「喜劇」は7位→8位、少ない下げ幅であることを考えるともうロングセラーコースに入ったと考えて良いかもしれません。IVE「LOVE DIVE」BUMP OF CHICKEN「クロノスタシス」NiziU「ASOBO」も、ポイントの下がり方はやや緩やかで落ち着いています。またTWICE「The Feels」が400ポイントアップ・順位も10ランクアップとなりました。

 Eve「Bubble feat.Uta」は99位から41位。LINE MUSICキャンペーンは5月19日まで実施なので、まだしばらくはHot100に残りそうです。ただダウンロードやYouTube他の各要素でも100位圏内にいるのは重要な要素と考えるべきでしょう。緑黄色社会「陽はまた昇る」も順位を下げていますが、ラジオ6位・ダウンロード13位でなんとか最小限のランクダウンに留めてます。一方デジタル要素がYouTubeしかないKing & Prince「Lovin’ you」は、16位から55位に大幅ダウンとなりました。先週ピックアップしたNovelbright「愛とか恋とか」きゃない「バニラ」は多少順位がアップ、逆にマカロニえんぴつ「星が泳ぐ」は早々に100位以内から姿を消しています。

今週のピックアップ曲

なにわ男子「The Answer」

 YouTubeのMV公開は4月5日とやや早く、再生回数は既に1000万超。人気の高さを数字でしっかり見せつけています。「初心LOVE」は昭和期から受け継がれている王道ジャニーズ歌謡という趣でしたが、「The Answer」は嵐の「Monster」「Face Down」辺りの路線に近い作品のようです。ジャニーズ一番人気のSnow Manは既存のグループと違う新しい路線という印象もあるので、その意味で考えるとキンプリ以外で正当なジャニーズ魂を受け継ぐとしたら、案外関西系のなにわ男子と考えて良いのかもしれません。

 なお「サチアレ」も既にMVがアップ、700万再生を記録しています。色彩豊かな映像や明るいメロディーなど、こちらは爽やかさが勝る路線に仕上げています。「The Answer」とは違う魅力が存在していて、1枚で2度おいしい作品になっているのではないでしょうか。

BE:FIRST「Betrayal Game」

 今作はダンスミュージックよりも、はっきりとしたメロディーで熱唱する歌声が聴きどころだと思います。曲が進むにつれて映像はダンスパートが多くなりますが、個人的にもっとも印象に残ったのはソロパートの高音の歌唱でした。ライブなどを通して生で聴いたら、おそらく完全に魅了されるタイプの歌声です。作る側がそれを意識していて、表現する側もその期待に応えるという信頼が成立している証でもあるように感じました。

 音だけでいうとJ-POPより完全に海外の方がしっくりくるイメージ、この辺りはプロデュース時点で強く意識しているものと思われます。そろそろ来年の今頃辺り海外のステージに立つことも想像できる段階に入ったような気がしますが、果たしてどうなるでしょうか。

aiko「ねがう夜」

 メジャーデビュー25年目、安定と信頼のaikoさんらしさは今作も健在。サビに至るまで展開されるあえてツボを外すようなメロディーは、20年前の時点で彼女しか書けない特技みたいなものですが、今作はこれを感じさせる部分が通常よりマシマシ。これだけ宙に浮いているような感覚を体験できる楽曲は、歴代のaikoさんでもあまりなかったような気がします。

 MVはこのキャリアにして一番のセクシーさを感じさせる内容です。芯は昔も今も変わりありませんが、その中で「攻め」の部分をかなり感じさせる楽曲でもあるように思いました。長いキャリアなのでファンの年齢層は当然昔より高いですが、だからこそ過去の曲をあまり知らない若い人にも聴いてほしい作品です。それ以前にもそれ以後にも一切登場していないaikoさん独自の凄さが、もっとも表れている作品ではないでしょうか。

Uru「それを愛と呼ぶなら」

 ピアノやストリングスの音を基調とした、安定の美声バラードです。これまでの曲と比べると胸に迫るようなメロディーで、聴かせるというより感情豊かに畳み掛ける箇所が多いという印象があります。日曜劇場というタイアップにはよく合っている楽曲のような気はしますが、そろそろ全く予想を裏切る作品を聴いてみたいという希望もあります。楽曲の再生回数は多いですが、個人的にはメジャーデビュー以降ずっと現状維持という印象も少しあるので…。

SEKAI NO OWARI「Habit」

 歌い出しの歌詞の共感性が非常に強いです。かつてFukaseさんもSNSで炎上したことがあったと記憶していますが、確かに事態は当時よりもはるかに深刻になっているのが正直なところです。セカオワのシングル・先行配信曲でこういったガツンと来る歌詞は以前だともう少し多かったような印象ですが、久々に聴いたような気がしました。

 映像も本来のキャラクターを逆手に取ったような弾けた作品で、楽曲とのミスマッチがかえってクセになっています。YouTubeの再生回数は1週間で190万、ここ最近の中ではかなり伸びが速い印象もあります。また何ヶ月後に再生回数ランキングも更新しますが、これまでの大ヒット曲にどこまで迫ることが出来るかも非常に楽しみです。

 

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