今週のビルボードチャート~6/1(Hey! Say! JUMP、日向坂46、20th Century他)

今週のチャート総評

 Hey! Say! JUMP「a r e a」が今週の1位。CD売上は約23万枚でした。シングルは「恋をするんだ」「春玄鳥」の3曲A面で、いずれもドラマ・アニメのタイアップになっています。YouTubeにもMVが3曲ともアップ、ただフィジカル集計対象の「a r e a」は5月27日配信開始なので今週のビルボードにはほとんど計上されていません。

 4位に=LOVE「あの子コンプレックス」が初登場。こちらも約19万枚のCDセールスが順位を押し上げる形になっています。ポイントの25%分はストリーミングですが、例のごとくLINE MUSICキャンペーンあり(応募要件の再生数は500回・250回・11回)。Spotifyの再生数は現在5万ほどでした。

 9位は桑田佳祐 feat.佐野元春, 世良公則,  Char, 野口五郎「時代遅れのRock’n’Roll Band」。ダウンロードとラジオ指標で1位です。YouTubeはOfficial Audioがアップされていて33位、ただストリーミングは多くないようです(Spotifyで13万、ポイント計上無し)。年代は全員1955年度生まれで67歳、確かにストリーミング世代でないことは明白なのでこればっかりは致し方ない所でしょうか。

 10位の刀剣男士 formation of パライソ「Free Style」はCD売上5.7万枚、根強くファンに支持されています。LINE MUSICキャンペーンといった類はないので、ポイントは9割以上がCD売上でした。CDは各キャラ2種ずつ12種発売・ミュージカルの先行抽選シリアルナンバーつき、基本的には曲がどうこうというより数あるグッズの一つとして購入している人が大半のような気がします。

 28位はMrs.GREEN APPLE「ダンスホール」。7月8日に発売されるミニアルバム『Unity』の先行配信曲です。『めざまし8』テーマソング、ダウンロード11位・ストリーミング44位で初登場となっています。

 31位に日向坂46「僕なんか」が初登場。CDの売上が計上されるのは来週ですが、配信は一足早くダウンロード6位につけました。ストリーミング49位ですが、こちらも一応LINE MUSICキャンペーン有りです。応募要件は46回ですが「聴いた回数が多いほど当選確率アップ」という文言あり、あまり見たことないケースのような印象もあります。

 35位はSuperfly「ダイナマイト」。ボートレースのCMソングとして多くオンエアされている楽曲です。ストリーミングはSpotifyで10万程度という少なさですが、ラジオ2位・ダウンロード9位の実質2要素で2349ポイント計上する形になりました。

 36位はBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE「ラストダンスにBYE BYE」。CDセールス5位ですがストリーミングもそこそこ、そしてラジオオンエア10位が地味に順位を大きく上げる要素の一つになっています。

 47位の20th Century「夢の島セレナーデ」はフィジカルではなく配信限定、ストリーミングも解禁されています。ダウンロード3位で、ポイントの90%近くを占めています。また元キンプリの岩橋玄樹「PAJAMA PARTY」も50位、こちらもソロ転向後はストリーミングありですがポイントはほぼCD売上という状況です(同要素4位)。その他72位にレディー・ガガ「ホールド・マイ・ハンド」、83位にLINE MUSIC勢の原因は自分にある。「545」が初登場となりました。

 先週1位の米津玄師「M八七」はCDセールスが急落して半分以上ポイントが減っていますが、それでも発売の先々週より高い数字で総合2位。カラオケ以外全要素ランクインでやはり強いです。Official髭男dism「ミックスナッツ」も300pt程度の減でキープ、SEKAI NO OWARI「Habit」は600pt上昇で6位→5位。セカオワは動画指標1位でストリーミング3位、場合によっては「silent」どころか2014年「Dragon Night」ばりのヒットになりそうな気配もあります。それ以外のロングセラー組は順位・ポイントともに先週より数字を下げる作品が多め。先週2位のBE:FIRST「Bye-Good-Bye」は7位、ただ先週3位のAKB48「元カレです」は97位まで低下というあまりよろしくない状況になっています。

 JO1「With Us」は62位から17位に大幅アップ。アルバム『KIZUNA』が今週のチャート1位を記録、ストリーミングとラジオ(7位)で大きくポイントを伸ばしました。milet「Walkin’ In My Lane」もCD発売週で25位にランクイン、ただ肝心のセールスは同指標11位で高くなく、70位→13位に上げたラジオオンエアによる物が大きいです。20%の比率でも500ptはあるのでそれが無ければ40位台、Hot50圏内の順位争いはここの影響が如実に大きく出るという分かりやすい事例となっています。

 ここ最近毎週推移を報告している状況のNovelbright「愛とか恋とか」は今週も26位→18位、支持を伸ばしてます。一方きゃない「バニラ」は37位→42位、ポイントも低下でここがピークかもしれません。またケツメイシ「友よ~この先もずっと…」は13位→64位で少し落ち着いたようです。TikTokからの注目作として先週ピックアップした有華「Partner」が99位→76位、こちらも今後どれだけ順位を上げるかチェックする必要がありそうです。

今週のピックアップ曲

Hey!Say!JUMP「a r e a/恋をするんだ/春玄鳥」

 3曲A面、「a r e a」だけというわけにもいかないので今回は3曲と書きます。その分レビューはいつもより簡略な内容でいくことをご了承下さい。

 「a r e a」はドラマ『家政夫のミタゾノ』主題歌、編曲・歌詞ともに大きいテーマを掲げた楽曲で、グループの音楽的成長をあらゆる面で体感できる内容となっています。「恋をするんだ」はこちらもドラマ『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』主題歌、格好良いメンバーが歌うからこそ説得力のあるラブバラードです。「春玄鳥」と書いて”はるつばめ”と読む曲はアニメ『ラブオールプレー』主題歌、こちらは王道ミディアムテンポです。

 3曲ともそれぞれの良さがあって素晴らしいですが、やはり「a r e a」が出色であることは間違いなさそうです。普段彼らの音楽を聴いていない人にとっては特にイメージが覆されるようなナンバーで、一聴する価値が非常に高い楽曲のような気がします。

桑田佳祐 feat.佐野元春, 世良公則,  Char, 野口五郎「時代遅れのRock’n’Roll Band」

 五郎さんはサザンがデビューする前から新御三家として活躍、世良さんとCharさんは同時期のデビュー・ブレイクのロックミュージシャンでした。佐野さんは1980年にデビュー、ヒット曲もありますが基本的には現在までライブ中心に活動するアーティストです。世良さんやCharさんはともかく、この5人全員が同い年というのも少し不思議な印象もあります。なお五郎さんも1979年辺りから歌手だけでなくギタリストとしてもお馴染みの存在でした。

 曲に関しては、特に1950年代~1960年代生まれの人がより共感できる内容に仕上げたという印象です。ある意味では、曲よりもこのメンバーが共演していることが最も大きな意味を持っているというのが正直なところかもしれません。

日向坂46「僕なんか」

 「飛行機雲ができる理由」「恋した魚は空を飛ぶ」「真夜中の懺悔大会」「ゴーフルと君」といったカップリング曲も既にMVがアップ、いずれも書きたいところですが今回はとりあえず表題曲についてのみ記します。先々週は齊藤京子がこの曲を歌うTHE FIRST TAKEも話題になりました。

 活動休止から復帰した小坂菜緒が復帰即センター、楽曲・MVともにそのニュースを大きくクローズアップしたような内容に仕上がっています。ややマイナー調のメロディーに、少しマイナス思考ながらも共感しやすい歌詞が非常にマッチしています。バラエティー寄りで明るいグループというイメージもある日向坂46ですが、実は内面でこの歌詞と同じような葛藤を抱えているのでは…。そう思わせる説得力が備わった楽曲のようにも感じました。

 小坂菜緒が復帰したとともに渡邉美穂が卒業、さらに新メンバー加入も予定されているので、22人体制では今作が最初で最後になるものと思われます。その点では、これまでよりもさらに大きな意味を持つ作品であることは間違いありません。制作側もこの重要さを認識して、リスナーだけでなくメンバーのためにも出来得る限り最高の作品を作り上げたという印象が強いです。2022年を代表する名曲であるとともに、今後も日向坂46の中で重要な位置づけを占める楽曲になるような気がします。

Superfly「ダイナマイト」

 Superflyの越智さんは日本最高クラスのディーヴァで、今後もおそらく揺らぐことはありません。ラジオオンエアの順位が示す通り内部でもその認識だろうと思いますが、そう考えると現在のストリーミングや動画再生の伸びは低すぎる気がします。

 バラードも勿論素晴らしいですが、彼女の真骨頂が特に出るのはやはりガツンとバーンと歌い上げる曲だと思います。結婚出産を経てるということもあって今回の曲は以前と比べるとやや抑えているようにも聴こえますが、それでも断然アガリにアガる会心の楽曲であることに疑いは全くありません。”人類最強の衝撃の1ページ”という歌詞がこれほど似合う歌手は他に存在しないと思います。往年のファンはもちろん、「ハロー・ハロー」「マニフェスト」「愛をこめて花束を」をリアルタイムで経験していない若い人にもその凄さを体感して欲しい1曲です。

20th Century「夢の島セレナーデ」

 V6は解散してもトニセンは継続、ドラマ『特捜』も相変わらずイノッチ主演で続いています。毎年V6が主題歌を担当している『特捜』シリーズの今年の主題歌は、トニセンが歌う形になりました。

 V6の活動初期をリアルタイムで知っている自分にとっては、これまた同時期に活躍したサニーデイ・サービスの曽我部恵一が提供している所が嬉しい部分です。曽我部さんが作る曲は昔も今も割と一貫していて、仮に1997年くらいでもこういった曲になっていた可能性は高いですが…。それでも年を経たトニセンだからこそ、実に実にしっくり来る落ち着いた雰囲気であることは間違いありません。

 往年の女性を中心としたファンもそうですが、この曲はどちらかと言うと同じ世代かその少し下を生きる男性により好まれる楽曲という印象があります。イケメン的な格好良いと言うより自然体の美しさ、MVではよりその雰囲気を感じ取ることが出来ます。映像を見てこういう大人に憧れる、そんな人が多く発生する作品のような気もしました。

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