第73回(2022年)NHK紅白歌合戦~その9~

特別7(全体50):桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎

・66歳~67歳・5人組
楽曲1:「夜空の星」(1965/12/5 加山雄三)…12年ぶり3回目
  詞:岩谷時子 曲:弾 厚作
・楽曲2:「時代遅れのRock’n’Roll Band」(2022/5/23 配信)
  詞・曲:桑田佳祐
・歌唱前テロップ:夢の同級生バンド
・歌唱中テロップ1:加山雄三へリスペクトを込めて
・演奏時間1:2分28秒
・演奏時間2:4分10秒

 VTRが始まると、そこは軽音楽部の部室。Char野口五郎世良公則がギターを弾いています。そこに「おじゃまします」と入っているのは桑田佳祐”ドア開けたら 渋いオッサンたちが ブルースを弾いていた” ”ドア開けたら Charさん 五郎ちゃん 公則ちゃんがギターを弾いていた”というセリフを、わざわざ節をつけて歌詞テロップにしています。“少年のようなこの人たちが 本当は結構な年だということを 言わないでおこう”。それに「言うてるやん」とツッコむ世良さん、さらに「広島だな!」と返す桑田さん。

 「加山雄三さんが、今日ラストステージをやられたということで」「(野口)大好き」「(世良)船長がいらっしゃってこそのジャパニーズポップスですから」、その流れで「夜空の星」をサプライズでセッションします。ちなみに桑田さん、五郎さん、世良さんはいずれも第30回(1979年)白組出場歌手、その年は若大将も歌手として出場。ちょうど「真夏の夜の夢」のギターテクが話題になった頃の五郎さんは、若大将の横で「旅人よ」のギター演奏にも参加しています。間奏もたっぷりの贅沢な2コーラス、これは紅白だと過去2回メドレーで歌った本人よりも長く歌っています。

 演奏終了後、女学生姿の桑子真帆「素晴らしかったです~」と拍手しながら入ってきます。先日このユニットを特集した『クローズアップ現代』のMCで、桑田さんとの対談もありました。今回のユニットは4人ではなく5人、もう1人の佐野元春は向こうでスタンバイしていることを桑子アナが案内。「佐野くんだ」「いってみようか」「一生ついていきます」

 「5人が揃ってのテレビ出演は史上初となります。そして今回は、同級生の大友康平さん、そして原由子さん、ハマ・オカモトさんも駆けつけてくださいました」「はい、今年も色んなことがありましたけど皆さん本当にお疲れ様でございました。来年も我々オジさんたちは明るく楽しく、遊び心を忘れずに、時代遅れのメッセージを発信したいと思っておりますので宜しくお願い申し上げます。それではこのメンバーで心を込めて歌います。いつも素敵なトラックに乗っている大友くん、カウントをお願いしまーす!」

 まさかの紹介方法に思わず笑ってしまいましたが、今回ドラムを演奏する大友さんのカウントで演奏がスタート。桑田さんや原さんはここ最近サザンで特別出演もありますが、五郎さんは39年ぶりの出演で世良さんは43年ぶり。Charさんはゲストでギター演奏があっても不思議ではないですが意外と紅白の出演は過去に無し、佐野さんはそもそも大晦日に紅白ではなく幕張にいることが多い人。大友さんに至っては、一度出場歌手に選ばれながらNHKと揉めて断ったという前歴があります。ハマさんは星野源のバックで出演歴ありますが、今回は桑田さん直々の指名があったようです。

 10分近い時間になりましたが、歌のメッセージ性も含めて「出演することそのものに意義があった」、そんなコーナーだったように思います。そして、これが実現できることそのものが紅白歌合戦の凄さです。なお桑田さんは大晦日恒例の年越しライブ、コンサート終了後にこの映像がビジョンに流されたとのことでした。

ウラトーク

 映像を見て素直な反応を連発しています。同学年たちのバンドについては、郷ひろみも同学年というフォローがありました。「元気ですよね。信じられないんですけども。(自分は)42で本当にもうクタクタなんですけども。なんでこんなに元気でいられるんだろう」「わかります。39の私ももう、毎日がメチャクチャしんどいです」。「夜空の星」を見て「俺らもこういうネタ作らないと」「どういうネタだよ!?」、というわけでTT兄弟ネタを「夜空の星」のメロディーに乗せて歌う2人でした。

 さりげなく貼られている猪木さんのポスターを発見。普段どういう話をするのかなという疑問も。楽曲にしては3人ともしみじみ。「俺らもこんな年齢になって、シソンヌと一緒にね、コントやりたいですね本当に」「学ランのコントやりたいよな」「体育館の裏に来たら、シソンヌがネタ合わせしててさー!」「横にそっと俺がいて、向井がいて」「で、有吉さん入ってきて」。そんな妄想トークも繰り広げています。

 今回のステージは奇跡的に全員のスケジュールが合って実現したことも説明。こうなるともはや合っただけでやらなくてもいいじゃないか、くらいの話になっていました。

紅22(全体51):MISIA(5年連続7回目)

・1998年デビュー 第63回(2012年)初出場
・1978年7月7日生 長崎県対馬市出身
・楽曲:「希望のうた」(2022/10/21 配信)
  詞・曲:矢野顕子
  Key:大林武司 Flamenco Gt:沖 仁 A. Gt:石成正人 Ba:種子田健 Dr:菅野知明 Cho:ギラ・ジルカ、渡辺磨裕美 Cho, Org:佐々木久美 Str:弦一徹ストリングス
  Dance:辻本知彦&兎組、菅原小春
・歌唱前テロップ:2023年へ”祈り”を込めて「希望のうた」
・歌唱中テロップ:2023年への”祈り”を込めて
・演奏時間:5分33秒

 「世界では紛争が絶えず、長びくコロナ禍に不安な日々が続いた2022年。愛と平和への強い祈りを込めて、MISIAさんが紅白だけのスペシャルステージをお届けします」「もう間もなく訪れる2023年。来年こそは希望に満ち溢れた一年になりますように。祈りを込めて、MISIAさんが歌います。「希望のうた」」

 MISIAさんの頭には、兎を模した飾り物がついています。バックでは赤い衣装を着た2人と、白い兎を模した多くの仮面ダンサーが舞っています。来年の干支をイメージした物ですが、月見で餅をついている兎をイメージしているようにも見えます。中央に鎮座しているのは特大のダルマ、いずれにしてもかなりアート感強めな舞台演出です。

 楽曲はシンガーソングライターの矢野顕子が提供、ワルツの心地良いリズムにらしさを感じるナンバーです。年が明けた時点での再生数はSpotifyで13万程度、決してヒット曲とは言えない数字ですが、圧倒的な歌唱パフォーマンスは例年と同様でした。思えば10年連続紅組トリを務めた美空ひばりも、当時の歌唱曲は1968年オリコン発足後で見ると週間40位が最高で100位に入らない曲もあり、レコード売上は決して芳しくありません。4年連続紅組トリはひばりさん以来の快挙ですが、選曲も似始めて来たのでしょうか。その点では2023年の紅組トリも、今からどうなるか気になる所です。

ウラトーク

 残り2曲という事実にビックリのチョコプラ2人。「なんか寂しいなあ」「あっという間だなぁ」、誰か引っ張り出したい所ですが、エンディング出演のためウラトーク席の目の前は人でいっぱいのようです。そのザワザワした様子は、副音声でもはっきりと音で入っています。待機中の方々に、みかん食べませんかと営業。

 「MISIAさんの歌を聴きながら蜜柑を食べるなんて、年末ならではですからね」「皆さんも蜜柑やお蕎麦食べながら」、日本の大晦日らしさを味わっています。「食べ紅白なんか言いますから」。Twitterでもチョコプラのウラトークは好評、氷川さんのステージにおける「黒柳さん凍っちゃうよ」がネットニュースでネタになったみたみたいです。

 赤い衣装の2人が辻本知彦と菅原小春、ということも杉浦アナが補足説明。歌声に圧倒されています。「それこそ私たちが10代の頃からMISIAさんいて、ずっとこの声量ですよね。凄いですよね」。周りは更にザワザワ状態、現在の閲覧者数は2.5万。ピークが4万なので「ちょっと減ったということですね」、一応本編に行ったか初詣の準備とかカウントダウンしに行くとかもう寝ちゃうとか、という分析はしています。

 

白22(全体52):福山雅治(14年連続15回目)

・1990年デビュー 第44回(1993年)初出場
・1969年2月6日生 長崎県長崎市出身
・楽曲:「桜坂」(2000/4/26 シングル)…7年ぶり2回目
  詞・曲:福山雅治
  Pf.Key:井上 鑑 Dr.:山木秀夫 Gt.:今 剛、小倉博和 Per:三沢またろう Cho:松本英子、田中雪子 Str:金原千恵子Strings
・歌唱前テロップ:愛と平和を願って「桜坂」
・歌唱中テロップ:愛と平和を願って
・演奏時間:4分43秒

 「本当に素晴らしいです。歌詞もメロディーも素晴らしいですけど、MISIAさんの美しい歌声と力強い歌声で、また素晴らしい形となり、日本でそして世界で苦しみ傷ついてる人たちが癒しをもらえた、感動できた素晴らしい歌だったと思います」。先ほどのステージについて、森保一監督が心から感銘を受けています。櫻井さんは「さあ審査員の松本潤さん、いよいよ最後の曲が次となりますけど…」松本潤にコメントを求めます。2年前までのことを振り返るとかなり不思議な光景ですが、マツジュンも「歌手の皆さん、そしてアーティストの皆さんの音楽に対する想いを間近に最前列で聴かせて頂いて、本当にパワーをもらいました。そしてここまで司会の皆さんも、長丁場ご案内頂きありがとうございました」。かつての白組司会者、そして白組歌手・大トリ経験者ならではのコメントをしっかり話します。「ありがとう」「お疲れ様でした、櫻井くんも」「マツジュン、くれぐれも体には気をつけて、心の底から大河楽しみにしてます。頑張ってください」。豪華共演が非常に多かった紅白ですが、この2人の共演もの活動休止中である点を考えると、ここ以外でなかなか見れない場面になっています。

 「本当に一瞬たりとも見逃せない、豪華なステージで、すごいずっと感銘を受けていて、やっぱり終わってしまうのがすごく寂しいなという感じがします。もうずっとずっといたいなという気持ちなんですけど、本当にありがとうございます楽しかったです、ありがとうございます」、環奈さんが感想を話した後に、大泉さんの紹介でいよいよ大トリ福山さん登場。曲に合わせたようなピンクのスーツが目をひきます。「桜というのは日本人にとってとても身近で、当たり前のように咲いて散ってゆくんですけれども、でも当たり前にあるような身近な人・物・こと、それはもう自分が今日ここに、生きていることも含めて、そのことに感謝をしながら歌わせて頂きたいと思っております、よろしくお願いします」。福山さんが歌前の抱負を話します。後ろではソロアーティスト中心に出場歌手が既に集結、これもまた前回・前々回で見られなかった3年ぶりの光景です。ラストの曲紹介は大泉さんが担当。「大切な人の幸せを願うこの歌が、世界中の皆さんの心に届きますように。2022年の歌い納めです。福山雅治さんで、「桜坂」」、途中年号を喋る所で噛む場面があったのが惜しい所でした。

 22年前と比べてストリングスのアレンジ強め、本人のコーラス入りの打ち込み音も入っていますが、基本的には例年通り生演奏主体のステージです。初の大トリということもあって歌唱はやはり緊張気味でしょうか、歌い出しの声やブレスの音は過去2回と比べてもかなり大きいです。それがサラッと歌っている印象の原曲以上に、生のライブらしさ・人間味を強く感じる内容になりました。

 曲に合わせて円型の照明に映し出される風景はやはり桜の風景、後半はハートの形をした桜色の紙吹雪が無数に降り注ぎます。最後はやはり紅白歌合戦らしい演出で締める形になりました。昔と違うとすれば、やはり演歌でないことと大げさなアウトロ演奏がないことくらいでしょうか…。しんみり終わる紅白歌合戦も良いですが、個人的にはそろそろ、久々にサブちゃんの「まつり」や第69回のサザンばりの賑やかな大トリも期待したいところです。

ウラトーク

 今回のウラトークの反省点を、杉浦アナがチョコプラに尋ねます。松尾さんは天城越えが実現しなかった悪意あるカメラワークを挙げています。あとは鈴木雅之の登場にアタフタし過ぎたことも挙げていました。一番楽しかったことはゲストとのトーク、工藤静香に来て頂いたこと、有吉さんの歌を聴けたことを挙げています。逆に杉浦アナは、みんなでタオルを回せたこと、JO1とディズニーを見たこと、佐久間大介のヲタ芸を挙げています。

 チョコプラの2人はエンディングで壇上に立ってもらうようです。「エンディング出て帰って来て、配信はもう3時まで」、ただこれには松尾さんだけでなく杉浦アナも「続かない!帰りたい!帰して!」「3時はきつい」と拒否。ただ「ゆく年くる年の裏配信もやろうよ」にはちょっとだけノリ気でした。というわけで、チョコプラの2人はステージに移動。杉浦アナが1人で繋ぐ形に移行します。その後は時々「桜坂」を口ずさみながら、色々喋っていました。

 

エンディング

 「素晴らしかった!来年はもう絶対いい年だ!」「素敵でしたね~本当に」。舞台に出演者がどんどん集まりますが歌手の立ち位置は一応決まっているようで、予定とは違う場所に移動したあいみょんが画面外にすっ飛んで戻るハプニングが発生しています。最終投票開始ですが、この場面で視聴者への操作方法の説明は無し。データ放送の視聴者投票に一部不具合もあったそうで、本番後にオフィシャルサイトで謝罪文が出る結果になっています。会場はペンライトの色で判断、集計はお馴染み麻布大学野鳥研究部。乱入演出はありませんが、横にはプロの取り巻きが鎮座している様子です。画面で見る限り客席は白のペンライトが多め、ステージからもどうやらそう見えている様子です。

 いつものように今回の全ステージ振り返り、左下と右下のワイプには出場歌手の表情が映ります。エンディングは特別出演の歌手だと加山雄三氷川きよしTHE LAST ROCKSTARSの面々が見えます。この後の移動を控えているジャニーズも、今回はKinKi Kidsの2人が残ってくれています。

 桑子アナがNHKプラスの案内後、なんと櫻井さんが結果発表前に「蛍の光」の曲紹介。アナウンサー以外が「蛍の光」を紹介を担当するのも珍しいですが、それより結果発表前に「蛍の光」を歌うのが異例です。少なくとも第16回以降、こういった事例は一度も見たことがありません。指揮者はいつも通り都倉俊一、画面左上に結果発表まで0:50とカウントダウンのテロップが表示されています。

 MISIAがマイクを持って一緒に歌うのは氷川きよし、後ろにback numberの3人、さらに後ろは東京スカパラダイスオーケストラのメンバー。司会者の真後ろには藤井風Vaundyが歌唱時と同じ衣装で参加、その後ろにコラボしたmiletAimerがいます。山内惠介TWICEのメンバーがカメラに手を振ります。年齢の関係でBE:FIRSTが6人、LE SSERAFIMが4人参加。様々な顔が見える中、第九の音楽をバックにいよいよ最終結果が発表されます。

 審査員は7対3で紅組リード、会場は821対1561で白組。最後は視聴者、1586214対2685356で白組。というわけで今回は3年ぶりに白組優勝となりました。大喜びの白組歌手ですが、特別出演の加山雄三がガッツポーズしていたのはやはり白組司会も経験した性でしょうか。あとはなぜかback numberの清水さんも、横にいる藤井風Official髭男dismのメンバーと喜び合っています。

 「やったよ洋ちゃん!本当に嬉しいね!」と福山さんは大喜び。清水さんがMISIAの後ろでなんか突き飛ばされています。あとあいみょんも両隣がプロの取り巻きと審査員の吉田都(一応後ろはPerfumeの3人でしたが)という変な立ち位置でした。そんな感じで締めに入ります。

 「さあ紅白歌合戦、お別れの時間です!」「2023年が、みんなで愛と平和を分かち合える一年になりますように!」「それでは皆さま!」「良いお年を!」。恒例の紙テープに驚いて声を挙げる環奈さんでした。

 

ウラトーク

 「今日はたくさんのTwitterもお寄せ頂きまして。”を「天城越え」天城越えられず、オフィシャルで拾っちゃうの笑った。副音声あってのだと思うので、来年も是非” ”こちらこそありがとうございました、杉浦アナ、チョコプラのお2人、長い時間の生配信お疲れ様でした楽しすぎました” 」。ちなみに松尾さんはステージにミカンを持参したそうです。

 ウラトークでも審査方法・NHKプラスでの配信を杉浦アナが案内。NHKプラスでもこのウラトークを聴けるとのことですが、本人は「ここでワチャワチャし過ぎてたので、ゆっくり聴きたいのをもう1回見ようと思います」とはっきり仰ってました。

 「蛍の光」を見て一旦しみじみ、ただ中盤からはチョコプラの2人を探します。ただ「本当に上がった?」と言うような状況で全く見つかりません。「白組優勝してるし!」「back numberとかいじられてるけど後ろで」と見たまま色々話しますが、とりあえずウラトークも所定の締めで終了させます。いるとすればおそらく最後の引きを除いてカメラが一切映していない、パイプオルガン下のエリアではないかと思いますが…。

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