第72回(2021年)NHK紅白歌合戦~その2~

白3(全体5):山内惠介(7年連続7回目)

・2001年デビュー、第66回(2015年)初出場
・1983年5月31日生 福岡県糸島市出身
・楽曲:「有楽町で逢いましょう」(1957年7月 フランク永井)…40年ぶり3回目
  詞:佐伯孝夫 曲:吉田 正
・歌前テロップ:最近 ガラケーからスマホに変更
・歌唱中テロップ:有楽町の街から贈る大人の恋の歌
・演奏時間:1分58秒

 ホールは次のステージの準備中。次の2組はガラス棟からパフォーマンスするという和久田麻由子アナのアナウンス。大泉洋がガラス棟に移動して、3600枚のガラスに囲まれた場所であるとレポート。そのまま次の2曲を曲紹介。「最近ガラケーからスマホに変更」という紹介文は、もはやアナログタロウが披露する「どうでもいい情報を教えてくれる80年代歌番組の曲紹介」状態と化しています。

 演奏はベース音がやや強いアレンジです。スパンコールの入った紫色の熱唱で歌う山内さんは甘い歌声。決して低音ではありませんが、やはり演歌をメインにしている歌手は発声がしっかりしているので安心して聴けます。1コーラス歌唱後にYeahと呟いたり、2番後半の”いついつまでも”の伸ばしで音程を上げるというアレンジもありました。

 1950年代の流行歌は今の演歌よりも1コーラスがはるかに短く、2コーラスでアウトロが長くなったにも関わらず演奏時間は2分を切りました。過去2回フランクさんが歌った時も同様の2コーラスで、2分前後の演奏時間です。ただテンポは歌い直すたびに、ほんの少しですが速くなっています。本人のヒットした持ち歌が選曲されないのは非常に複雑ですが、なかなか振り返られない過去のヒット曲を発掘するのも近年の紅白の役割としては大きいので、何とも言えない面はあります(「川の流れのように」「時代」「糸」辺りは当分歌わなくていいと思いますが…)。

解説

・今回の紅白歌合戦の会場は有楽町にある東京国際フォーラムですが、NHKホール落成前の第23回(1972年)までは同じ有楽町の東京宝塚劇場を舞台にしていました。その東京宝塚劇場は1997年に一旦閉場、2000年に東京宝塚ビルが落成してそこに新たな劇場も作られています。

・「有楽町で逢いましょう」は1957年にフランク永井が歌って大ヒット、当時開店したばかりの有楽町そごうのキャンペーンソングでした。なお店は2000年9月に閉店しています。

・もっとも「有楽町で逢いましょう」はヒット当時の紅白で選曲されず、初歌唱はNHKホール1年目の第24回(1973年)。したがって有楽町の紅白歌合戦でこの曲が歌われるのは、今回が初めてとなります。

・なお山内さんの「有楽町で逢いましょう」は、2022年のツアーで再び東京国際フォーラムにて歌われています。2023年2月発売のライブアルバムに収録、サブスクでも聴くことが可能。アレンジもこの時の紅白とほぼ同じでした。

 

紅3(全体6):櫻坂46(2年連続2回目)

2020年欅坂46から改名 第67回(2016年)欅坂46として初出場
・16歳~26歳・23人組
・楽曲:「流れ弾」(2021/10/13 シングル・配信)
  詞:秋元 康 曲:デレク・ターナー
・歌前テロップ:メンバーが選ぶ彼女にしたいNo.1はセンターの田村
・歌唱中テロップ:センター田村の”不敵な表情”にも注目
・演奏時間:2分10秒

 田村保乃がセンターを務めるこの曲は選抜制で、普段は14人で歌います。ただ紅白歌合戦は原則全員参加ということもあって、23人全員揃ってのパフォーマンスです。先ほどの山内さんは2階の建物と建物を繋ぐ通路のような場所から歌いましたが、そこから彼女たちを上から映すショットを採用。歌い出しの大まかなフォーメーション・人数が非常に分かりやすいです。

 ただ冒頭から最初のサビがカット、それ以外も全体的に細かくカットされた部分が多く、短い時間内に収めるため必死としか思えない編曲でした。歌だけならまだしも、ダンスグループはこれだけで動きが変わるのでかえって手間が増えてしまいます。ただでさえ激しいダンスなので、体力どころか神経も余計に消費したのではないでしょうか。あとは音響もここはやや上手くいってない様子でした。田村さんも見せ場のセリフに力が入り過ぎていて、完璧に決まってはいないように聴こえます。

 とは言え迫力は抜群で、マイクにもしっかり声や息遣いも入っていたので臨場感は普段の歌番組以上にありました。ラストの表情とマイクに入る呼吸音、そしてすぐさま丁寧に深々と挨拶する上品さが印象的です。これは両親が軽井沢に別荘を持つ菅井友香様を筆頭に、他の坂道系とはまた違う櫻坂46の大きな個性であり長所です。あまり良くない環境でも彼女たちの良さはしっかり出ていたので、その意味では2022年のさらなる伸びが期待できる内容でした。

解説

・「流れ弾」は櫻坂46にとって3枚目のシングル、ただ再生数は「BAN」の方がやや多めです。センター・田村保乃は、2年前の「不協和音」で平手友梨奈とWセンターを務めたメンバーです。

・メンバーは当時12月に守屋茜渡辺梨加が抜けたばかりで1期生は9名、この時点で既に主力は2期生となっています。2023年12月現在で1期生は4名、いよいよ2期生・3期生主体のユニットとなりつつあるようです。

・再生数と人気の伸びが鈍化して翌年第73回はついに落選。ただそこから盛り返して、第74回は2年ぶりの紅白復帰を果たします。報道でもいくつか挙がっていますが、女性ボーカルグループの紅白再出場は非常に事例が少なく4組のみ。うち2組は再結成、TWICEは辞退だった可能性あり、AKB48は初出場がブレイク前だったことを考えると、このケースは極めて異例と言い切って良いでしょう。

 

企画1(全体7):YOASOBI with ミドリーズ

・2021年結成、デビュー
・小学1年生~5年生・5人組
・楽曲:「ツバメ」(2021/10/25 配信)
  詞・曲:Ayase 振付:MIKIKO
・歌前テロップ:カラフル特別企画 みんなで一緒にツバメダンス
・歌唱中テロップ:みんなで踊ってSDGsを学ぼう!
・演奏時間:2分24秒

 「カラフル特別企画 川口春奈×SDGs」と題して、川口春奈が故郷・長崎県五島列島を訪れた映像が流れます。ナレーションは大泉さん、右下にはワイプで川口さんや出場歌手の表情が映ります。

 SDGsとは国際連合が定めた「17の持続可能な開発目標」。環境を守るために人々が色々なことに取り組もう、という説明がされています。

 とりあえず川口さんに漁をしてもらいます。アイゴという魚がいっぱい取れますが、こういった魚は食害魚と呼ばれていて、「海藻を食い荒らし”海の砂漠化”を進めている」のだそうです。その後川口さんは鮮魚店に移動して、アイゴを調理します。臭いが強いため、丁寧な下処理が必要なようです。味そのものは良いですがこういった手間がかかるため、醤油の原料や地元農家の肥料に使って資源を有効活用しているのが現状のようです。映像終了後は川口さんが訪れた時の感想を話します。大泉さんも「弁当を引くほど持って帰る」と自らが日常に取り組んでいるSDGsについて話しますが、ここは後ろのマスコットにツッコミを入れる形でサクッと切り上げました。

 この映像で3分半の時間を使っています。ガラス棟のパフォーマンス間で、ホール内のセット転換は既に出来ています。SDGsを視聴率の高い番組でじっくり紹介すること自体は意義あることですが、やはりじっくり見ても3分半でうまく説明するのは非常に難しいことがよく分かりました。

 ドキュメンタリーで3分半は短いですが紅白歌合戦で3分半は非常に長く、少なくとも3ステージは1分ずつ伸ばせる内容です。次のステージの前振りとしては必要不可欠だとは思いますが、いっそのことSDGsとは何かという和久田アナの簡単な説明だけで良かったかもしれないという気もしています。少なくとも歌のパフォーマンスを見ることが目的の視聴者は大半が、「こんなことここでやられても…」という状況で、内容も頭に入らなかったのではないでしょうか。

 なお「魚醤」と紹介された醤油の原料は2020年10月に開発されたばかりで、磯焼け対策はこのPDFファイルにしっかりまとめられています。実際五島列島に限らず磯焼け被害はかなり深刻なようで、これによって本来獲るべき魚が獲れずに漁師のなり手も減っているようです。映像だけで見ると昔から地元でやっていることではないかとも思いましたが、調べると決してそういうことでは無いようです。詳しくはこちらをご覧ください…というように、番組きっかけで興味を持った人はインターネットでもう少し詳しく調べられるので決して無駄ではありませんが、やはり紅白歌合戦というコンテンツを考えると時間を意識して欲しいという気持ちになります。いずれにしても3分半ではちょっと調べただけでも説明できていないことが多く出てきたので、特集するとしたらやはり時間が足りません。正直申し上げると、ここのパートは今回の紅白で一番上手くいかなかった部分だと思います。

 

 さて肝心のパフォーマンスですが、まずはマスコットキャラクターである水の妖精:アオ光の妖精:キイを紹介。キイの中の人は前回の紅組司会ですが、これについては特に言及ありませんでした。続いて、YOASOBI with ミドリーズとしてあらためて和久田アナが全体を紹介。ikuraさんが、中学生から物語を募集してグランプリになった乙月ななさんの「小さなツバメの大きな夢」を原作にした作品ですとしっかり説明。YOASOBIの2人は虹をイメージしたカラフルな衣装、今回の紅白と企画にしっかり合わせています。

 ステージはみんなで踊ろうということで、司会者や出場歌手もミドリーズと一緒に踊ります。川口さんがダンスを踊る姿は珍しいですが、今後自身のYouTubeでやる可能性もあるのでそこまで貴重な光景にならない可能性もあります。むしろ普段ニュースキャスターをやっている和久田アナの踊る姿の方が貴重です。なお大泉さんがダンスしているシーンは、前回の紅白でも見たことある光景なので珍しくも何ともありません。

 参加した出場歌手は郷ひろみ鈴木雅之BiSH乃木坂46のメンバー7名、三山ひろし。乃木坂からの選抜は秋元真夏生田絵梨花齋藤飛鳥山下美月梅澤美波遠藤さくら賀喜遥香でした。なお三山さんは最初普通に踊ってましたが、途中から仕事放棄してけん玉のもしかめをひたすら披露。けん玉はあくまで特技の一つのはずですが、近年はもはやけん玉に支配されている歌手と化しています。カメラもバッチリ映しているので、おそらくNHKも黙認、いやしっかり公式認定している様子です。

解説

・SDGsが国連総会で採択されたのは2015年9月25日ですが、日本で多く言われるようになったのはこの年辺りからです。

ミドリーズはNHKにおけるSDGsこどもユニットとして結成されました。この年の「ツバメ」でデビューですが、翌年にも「あおきいろ」など新しい曲を発表しています。

・さらにSDGsキャラクターとしてアオとキイが登場しますが、キイの声を担当するのは前回紅組司会の二階堂ふみ。思わぬ形で2年連続出演?となりました。なおアオの声は神木隆之介が担当しています。

紅4(全体8):Awesome City Club(初出場)

・2013年結成、2015年デビュー
・31歳~34歳(atagiは未公表)・3人組
・楽曲:「勿忘」(2021/1/27 配信)
  詞:atagi / PORIN 曲:atagi / RYO NAGANO
・歌前テロップ:PORINの青髪 染めて2か月がベストコンディション
・歌唱中テロップ:「花束みたいな恋をした」から生まれた曲
・演奏時間:2分30秒
・会場:渋谷・NHKスタジオ

 Awesome City Clubは渋谷のスタジオから登場。代表してPORINが挨拶。「この華やかな祭典に花を添えられるよう、精一杯愛を込めて歌いたいと思います、どうぞよろしくお願い致します」。こちらも2曲続けて曲紹介のようです。

 各音楽番組で披露する「勿忘」は2コーラス歌唱が多かったですが、紅白では歌割りがやや細かくカットされています。その代わりに他番組でほとんどカットされているモリシーのギターソロがバッチリ入りました。過去の紅白は酷い場合だとバンドの演奏メンバーはソロショットさえもない時があるので、大変粋な構成です。夜景をバックにしたスタジオ歌唱ですが、メインステージと同様花のセットもしっかり加わっています。そもそもインスパイアソングとなった映画のタイトルが『花束みたいな恋をした』、ですのでやはりセットには何かしら花が欲しい所だったので、好判断です。

 ヒットの実績を考えると演奏時間はもう少し長く、曲順はもう少し後でも良さそうですが、本来の持ち味はしっかり出ていたステージでした。ファッションに定評のあるPORINさんの衣装も良かったです。デザイナーは先ほどの櫻坂46と共通、どちらも赤色を前面に押し出しています。なおatagiさんは紫一色、モリシーさんは黒一色の衣装で、色彩的な対比をうまく作っていました。

解説

Awesome City Clubは男女3人組ですが、2015年メジャーデビュー時点では5人組。ビクターの新レーベル内からデビューして非常に注目されましたが、2020年にエイベックス系のcutting edgeに移籍。ほぼ同時期にメンバーも1人ずつ脱退、3人編成に移行します。

・「勿忘」は菅田将暉・有村架純が主演の恋愛映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソングとして注目されました。映画の高評価とともに歌もヒットしたという図式で、興行収入は6週連続で動員数1位を記録。国内での受賞数も多いです。

・本来作詞作曲を担当、メインボーカルも多い中心メンバーはatagiですが、この曲については映画にも出演した女性ボーカル・PORINが多く注目されました。同年から彼女はソロユニット・Piiとしての活動も開始しています。

 

白4(全体9):GENERATIONS(3年連続3回目)

・2011年結成、2012年デビュー 第70回(2019年)初出場
・25歳~30歳・7人組
・楽曲:「Make It Better」(2021/7/14 アルバム『Up & Down』)
  詞:KM-MARKIT 曲:Justin Reinstein
・歌前テロップ:中務 来年は青髪からラベンダーにする予定
・歌唱中テロップ:みんなで踊れるダンスで日本中に元気を!
・演奏時間:2分2秒

 曲紹介無し・イントロ無しで間髪入れず始まるステージになりました。テロップには”みんなで踊れるダンス”とありますが、シャープで速い手脚の動きはどう考えても簡単に踊れる振付ではありません。これはサビで両手を擦り合わせる動きを指していて、確かに事前番組やSNSで多くアピールはしていました。ただそれらを全く見ずに本番を見る人が極めて多い番組であることを考えると、曲紹介でのアナウンスは軽めでもやはりあった方が良かったような気がします。

 3回目ということもあって、内容は安定しています。見応えのあるステージでした。演奏時間は相変わらず短いですが、これでも徐々に伸びてはいます。

解説

・「雨のち晴れ」「Unchained World」とCDシングルが2枚リリースされていますが、紅白で選曲されたのはそれと異なる曲でした。もう配信限定に対するCDシングルの優位性は低くなっている時代で、実際自分も予想の時点でこの曲が選曲されると考えています。

三代目J Soul Brothersと交代する形で紅白出場になった彼らですが、他事務所の新鋭グループに押される形で翌年は落選。第58回のEXILE以降長らく続いたLDHからの出場はここで途切れます。

 

紅5(全体10):日向坂46(3年連続3回目)

2015年結成、2016年デビュー 第70回(2019年)初出場
・17歳~25歳・22人組(1人活動休止中)
・楽曲:「君しか勝たん」(2021/5/26 シングル)
  詞:秋元 康 曲:デレク・ターナー
・歌前テロップ:メンバーで取り合いになる楽屋のお菓子は「チョコパイ」
・歌唱中テロップ:一体感のあるダンスでカラフルを表現
・演奏時間:2分2秒

 突如始まった「はーちゃんの楽屋レポート」。確かに事前アナウンスはされていませんが、サプライズとしては些か弱めです。なお川口さんの公式YouTubeは”はーちゃんねる”というタイトルで運営されています。ステージ裏側のレポートは第58回以降何度もやっているので、お馴染みの企画です。

 川口さんが向かった先は、よりにもよってけん玉ヒーローズ2021の楽屋。皆さんゼッケンをつけてけん玉を真剣に練習、大泉さんに「怪しい集団ですよ」と呼ばれています。当然入れる様子がないので外からレポート、その中で一人無駄に派手な格好をしているDJ KOOは座りながらけん玉を磨いてます。当然ながら大泉さんは終始映像にツッコミ、「なんであんなにピリピリする楽屋選んだんですか」という感想でした。使った時間は約1分20秒、当然その目的は次のステージに立つ人数が多いことによるスタンバイ時間の穴埋めです。

 なおDJ KOOはギネス世界記録に毎回欠かさず参加、その前の第67回でもゲスト出演しているので6年連続紅白出演。TRFの出場回数が3回なので、ついにゲスト出演回数が本来の活動の倍になってしまいました。この人も紅白歌合戦単位で見ると、すっかりけん玉に支配されているDJです。

 

 さてステージですが、カラフルなMVに反して白に薄い金色を混ぜたような衣装が意外とシック。ただサビ前で全員が1回転するとスカートがメンバーごとに違う色へ早替わり。カラフルかつ鮮やかな演出です。スカート回転早替え演出は第64回の水樹奈々も採用していますが、21人一遍にとなると第65回のSKE48以来の多さ。全員成功した瞬間はまさに壮観という一言がしっくり来る内容でした。紅白の早替えは昭和の時代から長く続く定番中の定番ですが、これだけ鮮やかに決まる例はなかなかありません。

 全体的にセンターの加藤史帆以外引きの絵がやや多めですが、今回のカメラアピールは早替え直前の影山優佳が両手のポーズとウィンクをしっかり決めていたのが一番良かったです。その後の高瀬愛奈もハートのマークを作りましたが、ちょうどここで引きになってしまったのが惜しかったです。なおステージ終了直後にあった客席ショットには、「日向坂しか勝たん」という女性ファンの手作りボードがしっかり映りました。ジェンダーレス社会が進んでいるとは言え、同性からのファンを一定数獲得しているのは今でも十分な強味ではないかと思っています。

 なお演奏時間は3回目にしてようやく2分超え。次こそは3分とまでは言わなくても2分半くらいは確保してあげて欲しいと願います。

解説

川口春奈のYouTube「はーちゃんねる」は2020年1月に開設、2023年12月現在で登録者数187万人。100万超えの動画も多く、現在も比較的更新は多め。どんなに少なくとも10万は必ず再生されるくらいの人気を誇っています。

日向坂46はこの年加入・卒業ともにメンバーの変動無し、振り返るともっとも安定した人気を獲得していた時期でした。翌年は渡邉美穂宮田愛萌が卒業、結果的にこの2人にとってはラスト紅白となっています。

 

白5(全体11):純烈(4年連続4回目)

・2010年デビュー、第69回(2018年)初出場
・35歳~50歳・4人組
・楽曲:「君がそばにいるから」(2021/2/3 CD)
  詞・曲:幸 耕平
・歌前テロップ:「ファンとのふれあいの新しい形」に注目!
・歌唱中テロップ:純烈が考える「新しいふれあいの形」って?
・演奏時間:2分2秒

 カメラが切り替わった先は1階席中央、ゲスト審査員席の目の前にあるステージからサビを歌います。その後リーダーの酒井一圭「世界中の皆さん!純烈マジックコミュニケーション!」と宣言。客席・司会担当の白川・小田井と審査員担当の酒井・後上の2チームに分かれ、消毒スプレーとマジックハンドを駆使して観客や審査員に司会者とコミュニケーションを取ります。

 業務的な坂口さん、苦笑いを隠せない清原さん、真顔を作る三谷さん、無駄に動きの大きい大泉さん、立場上乗るもののやはり困り顔の川口さんと言った具合で、それぞれリアクションにうまく個性が出ていました。求められる側の客席はマスク越しの表情を見る限り、乗り気の人は多くなさそうでカメラもあまり振られません。少なくとも自身のホームと違い、観客をうまく巻き込むことは出来なかったようです。ラストはメインステージに移動、歌声と一緒にDA PUMPTOMOさんU-YEAHさん振付の簡単なダンスも披露しました。

 純烈の皆さんの紅白歌合戦に賭ける思いは間違いなく本物で、衣装は「純烈」「じゅんれつ」「ジュンレツ」「Junretsu」とひたすら印字されている柄、紫赤青緑のカラーも今回のテーマにピッタリでした。この演出自体もスタッフ考案ではなくメンバーの発案の可能性が高そうで、何よりどんなおかしな企画でも必ずノリノリでやってくれる所に好感を持てます。番組側として大変ありがたい存在であることは間違いなく、これだけのことを毎回現場でやっていると人気もなかなか落ちることはなさそうで、歌声やハーモニーも確か。そう考えるとまだしばらくは、紅白で欠かせない存在なのかなという気がします。同時に、昨年の今頃よりは前進したとは言え、やはり一日でも早く普通にマスク無しで握手会が出来る状況になってほしいと心から願うステージでもありました。

 

解説

・マジックハンド握手会は女性アイドルグループで採用された実績が一応あるらしいです。ただ純烈に関して言うとこの紅白以外ネット記事で見る限りは現在に至るまでやっていないようです。除菌は彼らに限らず各地至る場所でやっていたと思われます。

・演出もそうですが、グループ名表記をひたすらあしらった衣装デザインもかなり強烈なものがありました。前回のハート柄髪型もそうですが、彼らのステージで紅白初採用になった事例は振り返るとかなり多め。一種の実験ステージとして作用している部分もありそうです。

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