歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間＆構成表（第23回・1972年その1）

　今年の紅白歌合戦企画は、歴代各ステージの演奏時間と構成・フル尺比較をメインに更新していきたいと思います。対象ステージはカラー映像が全編残っている第23回（1972年）から第73回（2022年）まで51年分。1番古い第23回から順番に1年分を2～4回に分ける形で、出来る限り毎日更新したいと考えていますが、もしかすると年を越す形になるかもしれません。その際はご了承ください。

　まずは1972年・第23回から歌唱順に更新します。とりあえず最初は3部構成で、この年出場の紅白各23組中各7組・全14組のステージについて振り返ります。

演奏時間＆構成表 1（第23回・1972年）

　演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

各ステージ・補足

　トップバッターの森進一は演歌らしい演歌をじっくり2コーラス。前年まで3年連続白組トリなので、演奏時間も必然的に長めです。

　紅組トップバッターの天地真理はこの年のトップアイドル。大ヒット曲「ひとりじゃないの」を、かなり速めのテンポで2コーラス歌い切りました。

　フォーリーブスは曲調が変わるほどの超速いテンポ。間奏で北公次が前年に続いてバク転を披露、これは紅白歌合戦始まって以来のアクロバティック演技でした。

　和田アキ子は原曲に近いリズムで「孤独」を歌唱。間奏大幅カットのフルコーラス、この年は「あの鐘を鳴らすのはあなた」で日本レコード大賞最優秀歌唱賞を受賞しています。

　堺正章は2回目出場ながらフルコーラス（テンポはかなり速め）、歌唱前の寸劇タイムもある厚遇。この年は白組応援団長も兼任、ドラマ『時間ですよ』で大人気の時期でした。

　朱里エイコはこの年初出場。大ヒット曲を若干速めのテンポ、吹奏楽器とエレキギターが目立つアレンジでダイナミックに歌います。2番ラストはアカペラで締める編曲でした。

　にしきのあきらは曲調が変わるほどの超速テンポ。バックにポピーズ8名のダンスがついていました。

　渚ゆう子は歌謡曲調の楽曲を、ゆったり情緒豊かに和服姿で歌います。

　鶴岡雅義と東京ロマンチカもかなり速いテンポのステージです。鶴岡さんのフラメンコギターの演奏が聴き応えありました。

　奥村チヨも原曲より若干テンポを速めています。フルコーラスでも問題ないほど大ヒットした名曲ですが、ステージは1コーラス半でした。

　石橋正次は演奏テンポこそ原曲に近いものの、アウトロまでバッサリ切られての1コーラス半。内容もややあっさりで、司会の宮田輝からは一瞬下の名前を忘れられる気の毒な初出場でした。

　由紀さおりは原曲に近いリズムでバラードを歌唱。童謡の「故郷」とは同名異曲の関係にあります。

　村田英雄は「皆の衆」に似た曲を2コーラス。白組歌手全員が総出で応援する賑やかなステージですが、1コーラスが短いので演奏時間は2分を切っています。ヒットしていない曲なのでベストアルバムにはほぼ未収録でサブスクも未解禁、YouTubeでも有志による音源は今のところアップされていません。

　佐良直美は紅組司会としての喋りからそのまま「オー・シャンゼリゼ」を歌い始める、歴代の紅白で唯一の歌い出し。2番のサビは3回繰り返しに加えて、アンコール風の演出でさらにスローテンポのもう1回。紅組歌手全員がバックで応援する、大変華やかなステージでした。おそらくオリジナルの音源は無し、特にオリジナルの日本語詞に関してはこの年の紅白歌合戦のみの披露だったのではないかと思われます。