歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第44回・1993年その3)

演奏時間&構成表 3(第44回・1993年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
19(紅9)
紅後半1
go for it!Dreams
Come True

3分54秒
冒頭+2コーラス半
4分19秒
冒頭+2コーラス半
20(白9)
白後半1
うたかたの夢美川憲一2分37秒
2コーラス
3分57秒
2コーラス半
21(紅10)
紅後半2
サルサに国境はないオルケスタ・
デ・ラ・ルス
3分48秒
冒頭+2コーラス
4分30秒
冒頭+3コーラス
22(白10)
白後半2
別れ曲でも歌って前川 清2分37秒
2コーラス
4分2秒
3コーラス
23(紅11)
紅後半3
蜩-ひぐらし-長山洋子
2分53秒
2コーラス
4分26秒
2コーラス半
24(白11)
白後半3
勇気100%光GENJI3分6秒
サビ+1コーラス半
4分13秒
2コーラス半
25(紅12)
紅後半4
私の夏森高千里
3分1秒
2コーラス
4分21秒
2コーラス+サビ
26(白12)
白後半4
MELODY福山雅治2分56秒
1コーラス+サビ
4分30秒
2コーラス+サビ
27(紅13)
紅後半5
ホイッスル森口博子
2分53秒
1コーラス+サビ
4分6秒
2コーラス+サビ
28(白13)
白後半5
恋の酒細川たかし3分3秒
2コーラス
4分37秒
3コーラス
29(紅14)
紅後半6
幸せになるために中山美穂
3分31秒
1コーラス半
4分18秒
2コーラス
30(白14)
白後半6
服部良一メドレー
~紅白バージョン~
少年隊4分24秒
3曲
東京ブギウギ(原曲:笠置シヅ子)1分32秒
1コーラス+ラスト
3分5秒
2コーラス(原曲)
胸の振子(原曲:霧島 昇)1分5秒
1コーラス
3分16秒
2コーラス(原曲)
三味線ブギ(原曲:市丸)1分46秒
1コーラス
3分11秒
4コーラス(原曲)

各ステージ・補足

 ジェット風船が客席に舞うオープニング、第2部トップバッターはDreams Come Trueの「go for it!」。大ヒット曲2曲をパフォーマンスした前年と比べると若干の物足りなさはありましたが、一応はミリオンセラーを記録。フェイドアウトをテレビ仕様にしたアウトロ以外は、例年通り完全フルコーラス。

 白組の後半戦トップバッターはなんと美川憲一。金色を基調とした衣装は相当に派手ですが、早替え後のズボンはかなりノーマルな生地の様子でした。歌は「柳ヶ瀬ブルース」など昔の持ち歌に近いムードたっぷりの歌謡曲。曲は昭和・ステージはまさしく平成という印象だったでしょうか。

 オルケスタ・デ・ラ・ルスは「サルサに国境はない」を、全編スペイン語で明るく生演奏。会場をおおいに盛り上げます。1コーラス終了後は出場歌手のみならずゲスト審査員もステージに大集合。ボーカルのNORAは後半に舞台から降りて歌うシーンあり、これはNHKホールが会場になってから初のパフォーマンスでした。なお楽曲はそれぞれのパートごとにメロディーが全く違うので、間奏の数をもとにした構成を記しています。原曲と比較すると、中盤がカットされている印象でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史

 その後はステージに上げたゲスト審査員20名を巻き込んで、海外からのイリュージョニストによるマジックショーを約6分。正直に申し上げると、ここでチャンネルを変えた視聴者も相当数いたのではないかと思われます。長々と続いたショーコーナー明けは、前川清が「別れ曲でも歌って」を2コーラス(1番と3番)。バックは照明以外の演出は全く無し、先ほどまでの賑やかさとは全く対照的です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・前川清の軌跡

 長山洋子はアイドル時代もユーロビートのカバーを中心にヒットしていましたが、紅白歌合戦は演歌転向1年目に「蜩-ひぐらし-」が大ヒットしての初出場でした。間奏・アウトロ短めの2コーラス歌唱。

 光GENJIは6年連続出場、この年から放送が開始されたアニメ『忍たま乱太郎』の「勇気100%」を歌います。原曲と異なる構成で歌うことの多い彼らですが、この年もサビから始まるアレンジでした。リップシンクではなく生歌歌唱、ただこういう時に限ってマイクトラブル連発。ラストサビ直前に歌う赤坂晃のソロパートが台無し状態になってしまいました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・光GENJIの軌跡

 ヒット曲が前年よりも格段に増えた森高千里、この年の紅白で歌ったのはCMで話題になった「私の夏」でした。2コーラス、2回目の間奏からラストサビに入らずアウトロで締める構成です。ドライアイスを吹く大きなクジラのセットも印象的です。

 この頃から既に歌と演技で大活躍の福山雅治、こちらもCMソングで話題になった「MELODY」で初出場。デビュー4年目ですが、早くも生演奏の専属バンドを従えての登場です。歌は2番がカットの1コーラス半構成。翌年「IT’S ONLY LOVE」、その次は「HELLO」と大ヒットを続出しますが次の紅白出場は16年後。NHKホールで歌うのは実に27年も後になってのことになります。(ステージレビュー→紅白名言集解説・17~福山さんの初登場~

 前年の「スピード」と同様、西脇唯・奥居香コンビの楽曲提供曲を歌うのは森口博子。スポーティーな雰囲気の「ホイッスル」は観客が手にするJリーグフラッグともマッチしていました。早替え演出などもありますが、後年から見ると最大のトピックスはやはりスーパーモンキーズのダンス参加でしょうか。後に独立するMAXは当時と違うメンバー組成、何より安室奈美恵が参加していることが価値を大きく高めています。この年から放送開始した『POP JAM ’93』のレギュラー、曲の方は「愛してマスカット」がリリースされたタイミングの頃です。なおステージの構成は1コーラス半、イントロのリフレインが1回分短くなっています。

 ポップス色の強い森口さんのステージでしたが、なぜか対戦相手は細川たかし。「恋の酒」を持ち前の声量で、1番・3番を歌唱。この年の第2部は、前半・中盤でポップス対演歌の対決が散見されます。

 中山美穂は紅白で初めて歌うバラード、「幸せになるために」を歌います。連続テレビ小説『ええにょぼ』主題歌でしたが、作品に関する話題は一切ありませんでした。曲は2番Aメロがカット、それ以外は原曲通りの進行。演奏時間を考えると、一応朝ドラ主題歌ならではの扱いは考慮されたと言って良いかもしれません。(ステージレビュー→紅白歌合戦・中山美穂の軌跡

 少年隊は1991年~1992年に新曲のリリース無し、この年3年ぶりのシングルが発売されました。ところが歌唱曲はまさかの服部良一メドレー、国民栄誉賞を受賞したこの年逝去の偉大な作曲家の追悼ステージです。曲紹介の際にバックで流れる音楽は「青い山脈」、ここで藤山一郎の追悼もありました。歌は「東京ブギウギ」が第4回の笠置シヅ子本人歌唱以来40年ぶり、「胸の振子」は紅白初歌唱。そして「三味線ブギ」は紅白出場が1度もなかった市丸の「三味線ブギウギ」を大幅にアレンジ、元々少年隊自身がレコードデビュー前にコンサートで披露していた曲だそうです。新たに「お祭りマンボ」から拝借した箇所もあり、ステージでは景気回復の意味を込めて?1番でなく3番を歌っています。

 

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