演奏時間&構成表 3(第42回・1991年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
23(紅11) 紅後半1 |
どうにもとまらない ~狙いうち |
山本リンダ | 3分24秒 | |
どうにもとまらない | 1分35秒 1コーラス |
2分47秒 2コーラス |
||
狙いうち | 1分35秒 1コーラス+サビ |
2分20秒 2コーラス |
||
24(白11) 白後半1 |
情けねえ | とんねるず | 3分38秒 1コーラス+サビ |
5分32秒 2コーラス+サビ |
25(紅12) 紅後半2 |
想い出の九十九里浜 | Mi-Ke | 2分38秒 2コーラス |
2分48秒 2コーラス |
26(白12) 白後半2 |
さそり座の女 | 美川憲一 | 2分16秒 2コーラス |
3分15秒 2コーラス半 |
27(紅13) 紅後半3 |
Eyes to me | Dreams Come True | 3分40秒 3コーラス+サビ |
4分1秒 3コーラス+サビ |
28(白13) 白後半3 |
WINNING RUN | 光GENJI | 3分2秒 1コーラス半 |
4分45秒 2コーラス半 |
29(紅14) 紅後半4 |
花咲く旅路 | 原 由子 | 3分31秒 3コーラス |
3分51秒 3コーラス |
30(白14) 白後半4 |
Silent Jealousy | X | 4分0秒 1コーラス半 |
7分19秒 1コーラス半 |
31(紅15) 紅後半5 |
色づく街 | 南 沙織 | 2分53秒 1コーラス半 |
2分53秒 1コーラス半 |
32(白15) 白後半5 |
愛は勝つ | KAN | 3分45秒 1コーラス半 |
4分7秒 1コーラス半 |
33(紅16) 紅後半6 |
オペラ座の怪人 | サラ・ブライトマン | 4分21秒 2コーラス |
5分25秒 3コーラス |
34(白16) 白後半6 |
MASK ’91 | 少年隊 | 4分4秒 1コーラス |
3分46秒 2コーラス(原曲) |
35(企3) | (カントリーミュージック) | ケンタッキー・カントリー | 4分7秒 |
各ステージ・補足
『ちびまる子ちゃん』をきっかけにリバイバルブームでブレイクした山本リンダは、17年ぶりの紅白出場。「どうにもとまらない」「狙いうち」の2曲を披露します。ヒット当時よりも更にセクシーな衣装で、”ワーオ!”の叫びを連発するパフォーマンス。当時19歳・20歳だった審査員・若貴兄弟の目の前に移動して誘惑する一幕もありました。
「情けねえ」を大ヒットさせて念願の初出場となったとんねるずは、前身を白と赤に塗ったパンツ1枚の衣装?で視聴者の度肝を抜きます。出てくるや否や曲紹介の白組司会・堺正章と応援の桂三枝が大笑い、紅組司会の浅野ゆう子はツボに入って歌唱後すぐ曲紹介出来ないほどでした。ただ演奏はバンド持ち込み・コーラスありの本格的な内容。そのパフォーマンスには、サポートメンバーも笑いを堪えられない様子です。歌は1コーラス+サビ、演奏時間は3分30秒台で案外長め。曲も当時の自身最大ヒットかつ名曲で歌唱力も抜群、奇抜なパフォーマンスの礎にはしっかりとした実力がありました。
グループサウンズのパロディー「想い出の九十九里浜」が大ヒットしたMi-Keは、デビュー1年目ながら念願の紅白初出場。元は前年大ヒットしたB.B.クィーンズのコーラス3人組、したがって実際は2年連続の出場です。GS時代の名曲をこれでもかというくらいに盛り込んだ歌詞ですが、歌そのものも当時のヒット曲同様2分台という短さ。したがってイントロから最後まで、デビュー1年目の初出場としては非常に珍しい完全フルコーラスです。テンポは誤差程度に紅白の方が速く、約6秒の差がありました。
1975年の紅白落選後苦しい時代が長かった美川憲一は、コロッケのモノマネと番組でのご本人登場をきっかけに大復活。紅白も17年ぶりの復帰になりました。ヒット当時よりも若干速いテンポで2コーラス、間奏では自転車に乗ったコロッケとコントみたいなやり取り。2番Bメロ途中からは横でコロッケが一緒に歌うという、モノマネ番組とは逆の展開になってしまいました。歌唱後も数秒ミニコント、演奏時間は去り際の”ア~ン”まで含むこととします。
生演奏バンドのステージ前、繋ぎとしてショー・コスギ、ケイン・コスギ親子のアクションパフォーマンスが2分半ほど繰り広げられた後にDreams Come Trueのステージ。フジカラーのCMで大ヒットした「Eyes to me」。前回舞台に立ったのは3人のみでしたが、この年はコーラス含めたサポートが多数加わっています。歌もフェイドアウトのアウトロがライブバージョンで短くなっているだけ、イントロから歌終わりまでほぼ完全フルコーラスでした。既にアルバムはミリオンセラー達成、何よりこのステージにおける吉田美和の類稀な歌唱を見るとこの扱いも納得というものです。
光GENJIはセールスこそデビュー期ほどの数字で無くなりましたが、ファンの声援は4回目の紅白でも大きいです。歌い出しから一緒に歌う女性ファンの歌声が、放送にも入っていました。この年から歌手として初出場を果たしたSMAPもダンスに参加。歌は1コーラス半、Cメロは原曲だと2番終わってすぐですが、このステージでは間奏の後に挿入されました。その間奏は原曲と聴き比べるとメロディーが大きく異なり、時間も5秒短くなっています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・光GENJIの軌跡)
原由子は着物姿で、ピアノを弾きながら「花咲く旅路」を歌います。3分台の曲ということもあって、フルコーラス歌唱でした(間奏のみ半分にカット)。なお大晦日はサザンオールスターズの年越しライブとダブルヘッダー、歌唱後はそのまま横浜アリーナに移動しています。
Xはこの年初出場、こちらも観客席からの女性ファンが絶え間なく声援を贈っています。大ヒットした「Silent Jealousy」のパフォーマンス(少なくともストリングスは事前録音)ですが、7分近い曲なのでカット部分は必然的に多くなります。イントロのYOSHIKIピアノソロ一部、1番Aメロの中盤、間奏のセリフが入る箇所、終盤ラストサビなどありますが、それでも演奏時間は4分ちょうどで紅白としては長め。なおJAPANの冠が入らない時代の出場はこの時のみ、ベースのTAIJIは翌年にバンドから脱退します。
相撲力士と行司の格好で登場したコント55号も、当時は特に欽ちゃんが大物司会になっていたのでなかなか見られない光景でした。昭和40年代は常連ゲストだったものの、紅白でコントを披露するのは19年ぶり。
そして第28回以来の紅白出場となる南沙織は引退からの復活、テレビで歌うのは1978年以来13年ぶり。細かい内容はリンク先のレビューを見て頂く形になりますが、18年前の紅白でひどくカットされた「色づく街」はあらためての完全フルコーラス歌唱。アウトロが付加されているので、演奏された時間は原曲よりも長いです。なお登場前に波音と「17才」の音源バックで渡辺美佐子が阿久悠からのメッセージを朗読、ちょうど1分の時間でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・南沙織の軌跡)
この年大ヒットで日本レコード大賞も受賞したKANは、もちろん「愛は勝つ」を歌唱。ウィッグを含めてモーツァルトを完全に模した衣装で、テレビの前で驚いた視聴者も多かったのではないかと思われます。1番終盤から子どもたちを中心にした音羽ゆりかご会の面々が大量に登場、童話のような世界観を表現しています。この曲も堂々のフルコーラスで、アウトロ以外はイントロ・間奏もカット無し。1991年の紅白21時台はフルコーラスとピアノを弾きながら歌うステージが他の年よりもかなり目立ちます。
直後に「クイズ百点満点」の輪島直幸による満点体操ならぬ採点体操の時間になりましたが、表からは対象外とします。一応演奏時間は34秒。なお紅白の本番中で体操の時間が発生したのは第17回の砂川啓介以来25年ぶり、川口幹夫会長の就任もあってこの年の紅白は曲間に在りし日の紅白を感じさせる演出がここ2年と比べて多いです。
第38回以降ミュージカルのナンバーが紅白で披露される機会が増えましたが、海外からの来訪はサラ・ブライトマンが初でした。『オペラ座の怪人』の「The Music Of The Night」を、圧倒的な声量で歌い上げます。中盤の2コーラス目がカットされていましたが、こちらも演奏時間は4分台。本場の凄さを堪能できるステージでした。なおその後彼女は「Time to say good bye」がさらに大ヒット、紅白もYOSHIKIとのコラボで27年後に再出場します。
少年隊の「MASK ’91」は、「仮面舞踏会」をミュージカル仕様にアレンジしたステージです。曲名クレジットの作曲には、ポール・シュトラウスの名前も表記されています。ミュージカル『PLAYZONE』は1986年から2006年まで毎年恒例でしたが、それとの関連性は調査中です。なお「仮面舞踏会」は1コーラス歌唱、極めて速いテンポでの演奏でした。
7組目を前にアメリカからケンタッキー・カントリー4兄弟のヴァイオリンパフォーマンス。曲目は不明ですが、10代(最年少は小学生低学年の年齢?)のメンバーによる演奏と動きは全米を席巻していたことがよく分かるレベルの高さでした。ただ前年海外から来日したイリュージョニストやパフォーマーもそうですが、ググっても一切情報がありません。出場歌手についてはまだ何とかなるのですが、こういったゲストとなるとさすがに紅白好きでも追う人はなかなかいないというのが現状です。
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