紅白名言集解説・41~出川さんとチェン~


 昨年大晦日の紅白歌合戦にサプライズ出演したスモール3。そこでユーミンと一緒に歌った「きみのためにSuperman」が、先月27日にようやく配信解禁されました。アニメーションのPVも制作されて、Youtubeでも公開開始されてます。

 スモール3のメンバーは岡村隆史さん、田中裕二さん、出川哲朗さん。岡村さんはめちゃイケドッキリ企画の一環で2006年の紅白歌合戦にサプライズ出演、近年は『チコちゃんに叱られる』で普通にレギュラーゲストと化しています。田中さんは近年あまりNHKとの縁はなかったですが、かつては『ポップジャム』司会の絡みで1998年から6年連続、爆笑問題として太田光さんとともに出演していました。コンビで6年連続紅白出場は他に例がなく、17年ぶりの紅白と言っても違和感はそこまでありません。ただ出川さんとなると、少し事情は変わります。

 あくまで個人的な話ですが、出川さんを最初にテレビで見たのは1994年の『タモリのSuperボキャブラ天国』。芸人キャブラー初期の頃で、いつも10組中9位にランクインという具合でネタが面白い印象は全くなかったのですが、気がつけばリアクション芸人として各所に呼ばれてよく出演していました。独特の声とリアクションの大きさ。決して万人に好かれる存在ではないどころか、嫌いなタレントランキングや抱かれたくないランキングで必ず上位に入る常連でした。正直当時のイメージは、とてもじゃないですが紅白の審査員どころかゲストに出演する姿さえも想像できなかったです。事実NHK出演も、Wikipediaの過去の出演を見る限りですが2011年が最初のようです。

 イッテQなどで好感度を上げて2018年に紅白初出演になりましたが、ゲスト審査員での出演ということに個人的には驚きました。というのも、バラエティタレントの審査員抜擢はあまり例がないのです。

・バラエティタレントの紅白ゲスト審査員

 あくまでバラエティタレントは個人的なカテゴライズになりますが、とりあえずまた表にしてみました。

第56回(2005年)眞鍋かをりブログの女王として当時話題に
第58回(2007年)陣内智則この年結婚した藤原紀香と一緒に出演
第65回(2014年)タモリ『笑っていいとも』ラストイヤー
第66回(2015年)所ジョージ
第66回(2015年)又吉直樹『火花』で芥川賞受賞
第69回(2018年)出川哲朗
第70回(2019年)上沼恵美子
第70回(2019年)、第71回(2020年)サンドウィッチマン史上初のコンビでの審査員

 司会業中心の黒柳徹子や翌年の大河ドラマ出演を控えた2003年の優香、あるいは落語家をここに入れるかどうか迷う所ではありますが…。ただトピックが非常に多かった2018年紅白において出川さんが審査員に選ばれたことも、極めて大きくはないにしても重要なトピックであることは間違いないと思っています。

・審査員紹介でのやり取り

 この年からゲスト審査員の紹介は時間を設けて1人ずつではなく、一括でまとめてという形になりました。その中で数人ピックアップして触れる中で生まれたのが上のやり取りです。もしかすると出川さんは、総合司会が内村さんだからゲスト審査員に選ばれたという部分も大きかったかもしれません。仮に2000年代前半のアナウンサー司会時代だったとしたら、まず選ばれていなかっただろうな…という気はしています。

 内村さんがチェンと呼ばれている理由は、本番で出川さんが言った通りジャッキー・チェンに似ているから。彼以外にチェンと言っている人を見た記憶はないですが…。そういう独特の感性に業界内だけでなく視聴者からも支持を得られるのが今の出川さんなのだと思います。

 この年の出川さんは審査員として以外にも少し出番はありましたが、それはまた別個で触れる機会が出来る…かもしれません。その時をご期待ください。

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