第71回(2020年)NHK紅白歌合戦~その2~

ゲスト審査員紹介

 今回のゲスト審査員は別スタジオからリモート審査を行います。ウラトークチャンネルも同じ場所で進行するようで、山里亮太渡辺直美が進行。今回のゲスト審査員は画面右側からチコちゃん、吉沢 亮、杉咲 花、室伏広治、黒柳徹子、宮本亞門、宮崎美子、染谷将太、富澤たけし、伊達みきおの9組10名。

 お話を伺うのは徹子さん。ウラトークのせいでしょうか、ここまでの感想は「すごくガヤガヤガヤガヤ」していると仰ってます。87歳ですが、テロップによると気になる歌手はNiziUとのことです。

 賑やかである要因の一つにはチコちゃんもあるようです。テロップによると楽しみにしている歌手は松田聖子。折角なので、ねほりんぱほりんの進行役である山里さんが、『チコちゃんに叱られる』の決め文句「ボーっと生きてんじゃねーよ!」を振ります。そんな審査員ルームの様子を、内村さんは「でっかい徹子の部屋みたいな感じですけどね」とこれ以上ない表現で形容。

 ラジオ中継も桑子アナが紹介。田村直之アナと赤木野々花アナが手を振ります。こちらもNHKホールではなさそうな雰囲気です。更にBS4K8K放送の案内と、テレビの投票だけで決まる新しい審査方法の説明を加えます。「長く見て頂けると票が増える、はぁ~。NHK考えましたー」と大泉節が入りました。

 

(ウラトーク)
 審査員ルームからの中継は当然主音声と同じ内容。カメラが引くと、先ほどの注意を受けて一旦ヒソヒソ声。「俺たち、仕事だよね?」「まさか本編の方にまでチクられるとは思わなかった」。事情を話すと、ゲスト審査員は音楽を聴く時にイヤホンをつけるようですが、そこにウラトークの声も入るために耳に響いてしまうのだとか…。

 

(解説)
・ゲスト審査員も紅白史上初、別室の審査員ルームに集まる形になりました。ただウラトークと同席、既にサンドウィッチマンが苦情を入れていますがトークがうるさくて歌に集中できない状況だったみたいです。おそらく今後コロナウイルス以上の流行病が起こらない限り、この演出は採用されないものと思われます。

・ラジオ中継は後ろに壁紙がセットされている状況。実際聴いていないので断定は出来ないですが、少なくともNHKホールとも審査員ルームとも違う場所から放送されていたものと思われます。

紅3(全体5):日向坂46(2年連続2回目)

・2015年結成、2016年デビュー 第70回(2019年)初出場
・16~24歳・22人組
・楽曲:「アザトカワイイ」(2020/9/23 アルバム『ひなたざか』)
  詞:秋元 康 曲:浦島健太 / NIYA / TETTA
・歌唱前テロップ:とにかく「カワイイ」笑顔に注目
・歌唱中テロップ:話題の坂道2グループによるSPステージ

・演奏時間:1分57秒

 前回権之助坂46として参加した内村さんですが、さすがに今回は出ないということ。「今年手抜いてるんじゃないでしょうね?」との言葉には、さすがに「なんてこと言うんだ!」とキツめに返します。そんな2人を横目に、二階堂さんはアクションをつけながら「どうぞー!」とかわいく曲フリ。

 ステージはセンターの佐々木美玲中心に、タイトル通りの”アザトカワイイ”メンバーの表情がポイント。さすがに前回みたいなメンバー全員ソロショットというわけにはいかなかったですが、それでも出来る限り全メンバーの表情をしっかり映そうという意図は十分伝わりました。リハーサルでもあった通り、活動休止から復帰した松田好花もしっかり映っています。表情がポイントと書きましたが、よく見ると手足の細かい動きはかなり複雑でジャンプも相当揃っていて、歌以上にダンスパフォーマンスの難度が高いです。

 演奏時間は前回同様に短め。秋元先生の年齢が高くなり握手会開催も困難でなかなか厳しい状況ですが、日向坂46のメンバーには多様で明るく、見る人を”おひさま”にしてくれるキャラクターが全員に備わっています。おそらく2021年もグループの躍進は間違いないはずで、紅白でももう少し演奏時間が長くなることをあらためて期待したいです。

 

(ウラトーク)
 「地球上で唯一苦痛じゃない坂」「癒しの坂」。一応カンペでは普通の声のボリュームでOKですと指示が入りましたが…、音声を少し絞ったようです。

 見事に釣られましたの歌詞に、「ワタクシ、一本釣られです。土佐のカツオってこんな気持ちなんでしょう」。画面を見てずっとニコニコしている状態で、「良かった声だけで、引いちゃうと思うみんな」「ちょっと見てらんない表情」「直美ちゃん結構傷付くよ俺」。美玲ちゃんのワンショット、投げキッスした後に両手で角を表現してニコニコするポーズには「鬼がいた、鬼滅じゃない方の鬼がいた」。2人ともメンバーのアザトカワイイ表情に釘付け。結局やはりうるさいようで、審査員席のサンドウィッチマンからは睨まれているようです。

 

(解説)
・「アザトカワイイ」は1stアルバム『ひなたざか』のリードナンバー、実はシングル曲ではありません。YouTubeではCD発売前にフルMVが公開されましたが、配信はアルバムと同時でした。配信も含めてシングルに収録されていない曲が紅白で披露されるのは、4846系を通して初の事例です。

前回のステージと比較すると、3期生が3人増えました。また休業中の影山優佳濱岸ひよりにとっても初めての紅白になりましたが、前回カメラに向かって完璧なぶりっ子を決めた宮田愛萌が活動休止中のため不出場となっています。

・センターの佐々木美玲が鬼の角を両指で表現しながらニッコリ笑うシーンがありました。なお冠番組『日向坂であいましょう』で行われたぶりっ子大喜利で、彼女は鬼に○○を「鬼にこにこ」と回答しています。同番組ではアイドル番組とは思えないほど大喜利する機会が多く、そのうち紅白でもウラトーク辺りで披露する場面が出てくるかもしれません。

紅4(全体6):櫻坂46(初出場)

・2020年欅坂46から改名 第67回(2016年)欅坂46として初出場
・15~25歳・26人組
・楽曲:「Nobody’s fault」(2020/12/9 シングル)
  詞:秋元 康 曲:デレク・ターナー
・歌唱前テロップ:欅から櫻へ生まれ変わった
・歌唱中テロップ:話題の坂道2グループによるSPステージ

・演奏時間:2分2秒

 円の模様があしらわれたステージの前方にスタンバイ、日向坂46からスムーズにカメラが移り変わります。紅白に合わせて赤と白の2色で統一されたドレスが目をひきますが、デザインを担当したのはTwitterによると「ケイスケヨシダ」の吉田圭佑さんとのこと。選抜メンバーは14人でセンターは森田ひかる、雰囲気のある表情をしています。名前が変わっても、欅坂46の特性はしっかり受け継がれているようです。Bメロで残りのメンバー12人が全力疾走で加わり、サビ以降は全員が揃って踊ります。

 相変わらず振り付けが楽曲の肉となり血となっているようにも思えるダンス、同じ46グループでも全く異なる好対照な一面を見せる形となりました。今となれば、日向坂46の前身がけやき坂46だったのが、少し不思議な気分にもなります。

 

(ウラトーク)
 メンバーのフォーメーションと、歌詞に注目する2人。サビはかなり刺さっているようです。こちらはカッコ良い振り付けと表情に、釘付けになっていました。

 

(解説)
・この年10月14日に欅坂46から櫻坂46に改名、新しいスタートを切りました。改名後の紅白は初出場扱いで、出場歌手発表の際の記者会見にも出席しています。個人で複数回初出場を果たしている人は多くいますが、グループごと複数回初出場になるのはこれが初めてです。

・「Nobody’s fault」は12月9日にCD発売、出場歌手発表時はMVが公開されたばかりの段階でした。AKB48がこの年落選したことで批判もありましたが、当時LINEでリサーチしたアンケートではAKB48よりはるかに支持が多い結果になっています。

・2020年は平手友梨奈を筆頭に6人がグループから抜けましたが、その後も1期生を中心に少しずつメンバーは卒業しています。2023年の年末時点で在籍しているのは4名、

白3(全体7):Hey! Say! JUMP(4年連続4回目)

・2007年結成、デビュー 第68回(2017年)初出場
・27~30歳・8人組
・タイトル:「紅白SPメドレー ~みんなでエール2020~」
 楽曲1:「Ultra Music Power」(2007/11/14 シングル)…2年ぶり2回目
  詞:MSS 曲:馬飼野康二
 楽曲2:「明日へのYELL」(2014/9/3 シングル)
  詞・曲:Takuya Harada
  踊り:少年忍者/ジャニーズJr.
・歌唱前テロップ:タオルを使って応援しよう!
・歌唱中テロップ:みんなで一緒にタオルで応援!
・演奏時間:2分26秒

 「僕らが変わらないと日本を変えられない、続けよう #僕らにできること を」。中島健人(Sexy Zone)山田涼介(Hey! Say! JUMP)平野紫耀(King&Prince)のメッセージと「Smile up! Project」の映像がVTRで流れます。感染防止のメッセージに取り組む山田さんは、日本赤十字社医療センター救急科救命救急センター医師・鷺坂彰吾さんをリモート取材。

 「これまでよりも厳しい状況と言わざるを得ない」「100人中99人が頑張っていたとしても1人だけ「いいじゃん」と思って感染対策を怠ってしまうっていうのが、いま この社会でコロナが広がってしまっている1つの要因かなと思いますので」。なお大晦日は東京で史上最多の1337人、全国でもこれまでで一番多い4500人超の新規感染者が発生しました。山田さんが話す通りにみんなが気持ちを引き締めるのは難しいとも思いますが、医療従事者が何より逼迫している状況なのを考えると、やはり今の状況が納まるまで出来る限りの予防をするのが人としてあるべき道ではないか、とも個人的に思います。

 歌前は山田涼介知念侑李がトークで登場。山田さんがあらためて感染対策に関するメッセージを話した後に、知念さんが司会者に渡された青いタオルについて話します。決して大泉さんが言ったようなジャニーズさんからのお歳暮ではなく、タオルを使って応援のメッセージを届けたい、とのことのようです。

 楽曲は2年前紅白で歌唱して以来のデビュー曲「Ultra Music Power」と、今回のテーマにバッチリ合った2014年のシングル曲「明日へのYELL」。おそらく本来のライブでもこの曲ではこれが定番なんでしょう、「明日へのYELL」のサビはタオル回しの演出。これまでの紅白では第64回の関ジャニ∞や第69回のいきものがかりといった例があります。一生懸命にタオルを回す司会陣のショットもありました。ラストは、「みんなにエールを!Hey! Say! JUMP」と書かれたタオルを広げてカメラにアピール。

 意義も十二分に伝わって大変良いステージでしたが、やはり重点を置いていたのは後者の曲。1コーラスだとあっという間で曲本来の良さが伝わる前に終わった印象もあるので、わざわざメドレーにしなくても「明日へのYELL」1曲で通すべきだったような気もします。

 

(ウラトーク)
 「色んな表情を持ってるねぇ」と山田涼介に感心。VTRや歌前コメントは見入ってます。それと同時にセットにも注目。

 「Ultra Music Power」は直美さんが好きな曲。感心しつつ見入っています。タオルタイムはこちらでもみんなで回そうと呼びかけ。なおバスタオルは腕がパンパンになるので推奨していないとのことです。こういう時にカッコ良いメンバーに、山里さんはほんの少しだけ嫉妬気味。

 

(解説)
・この年COVID-19感染拡大防止の支援活動「Smile Up! Project」が発足、ジャニーズ事務所所属の15組75名によってTwenty ★Twentyも結成されます。8月には桜井和寿が提供したシングル「smile」も発売されました。

・「明日へのYELL」は2014年9月に発売されたシングル曲で、「ウィークエンダー」との両A面でした。発売当時は中島裕翔・髙木雄也が出演したドラマ『水球ヤンキース』主題歌になっています。

少年忍者はジャニーズJr.内のユニットで、22名が所属しています。このステージで登場したのは17名、中学生は不参加だったようです。なおテロップでは”少年”の部分だけ文字サイズが少しだけ小さく表記されています。

Hey! Say! JUMPは当面の紅白出場も考えられましたが、残念ながら4年連続出場でストップ。結果、その年の楽曲を紅白するケースは無しに終わりました。また2023年に発覚した一連の件で、歌詞にJohnnys’が含まれる「Ultra Music Power」はお蔵入りするとのことです。

紅5(全体8):Little Glee Monster(4年連続4回目)

・2012年結成、2014年デビュー 第68回(2017年)初出場
・19~22歳・5人組
・楽曲:「足跡」(2020/9/2 シングル)
  詞:Little Glee Monster 曲:KODAI IWATSUBO, Carlos. K
・歌唱前テロップ:夏から秋に募集した全国の合唱動画とともに
・歌唱中テロップ:合唱にかける中学生の思いを胸に

・演奏時間:2分43秒

 こちらもVTRから始まります。内容はやはりNコン中止が基調となっている内容でした。司会者による曲紹介はなく、そのままメンバーのメッセージから始まります。代表して話すのはMAYU

 「今年はNコンが中止になってしまって、本来であればこのステージでも中学生の皆さんと歌わせて頂く予定だったんですが、今日は4人ではありますが、今日このステージに立てなかった皆さんの思いも受け取って、歌わせて頂きます」

 アカペラのサビから始まってそのまま1コーラス、2回目のサビからピアノ演奏と中学生の合唱が加わります。Cメロでは光が広がる映像演出、ラストサビでは中学生が合唱している動画と写真が一緒になりました。名ステージですが、それと同時にこのご時世で本来出来ることが実現出来なかった若い学生たちのことを思うと、胸が痛くもなりました。

 Nコン課題曲は2021年も継続、そしてリトグリも芹奈が病気のため今回の紅白ではステージに立てず。2021年には満を持して、みんな揃ってそれぞれが出場するコンクールと、願わくば紅白のステージでも歌えることをただただ祈りたいです。

 

(ウラトーク)
 「なんで疲れてるんだ我々が」の内村さんのセリフに2人とも大爆笑。VTRの間に、ゲスト審査員の吉沢亮がトークに加わります。ここまでの感想は「良い意味での緊張感があって、すごい楽しんでます」。ウラトークの2人の感想は「ちょい声がでかいかな…」。普通はそんなことないと話す場面なので、相当大きいのだろうと焦る山里さん。

 吉沢さんはリトグリのステージをうっとりしながら見ています。「ここはここであれっすね、歌がメチャクチャでかくてこっちの声が聴こえないですね」。今回の紅白、意外と一番苦慮していたのはここに届く音声だったのかもしれません。中学生の気持ちに終始寄り添う2人、直美さんはともかく、山里さんが彼らに対して殊勝なコメントを出すのは結婚以前のことを考えると嘘みたいです。

 

(解説)
・映像でもあった通り、この年のNHK全国学校音楽コンクールも中止になりました。全国の合唱動画をオンライン投稿・11月23日の『Nコン2020みんなのコンサート』開催で代替される形になっています。なお2021年は11月26日~28日に開催、ただNHKホールが使用できないため府中の森芸術劇場での開催になっています。

・したがって課題曲は「足跡」含めて2年連続変わらずという形になりました。紅白でも再演が期待されましたが、残念ながら再生数などの数字が伸びなかった結果もあって不出場という形になっています。

・真ん中の立ち位置でグループを牽引する芹奈は、紅白本番直前の12月20日に休養発表しました。双極性障害とADHDという診断、2021年6月に活動復帰しますが今のところはセーブしている状況でテレビ復帰もまだのようです。ガオラーと呼ばれるファンも、無理のない活動に関しては納得している声が多い様子でしたが、残念ながら2022年7月にグループ卒業。またmanakaも突発性難聴から同時期に卒業、現在は新メンバーを迎えて6人での活動となっています。

白4(全体9):SixTONES(初出場)

・2015年結成、2020年デビュー
・23~26歳・6人組
・楽曲:「Imitation Rain」(2020/1/22 シングル)
  詞・曲:YOSHIKI
・歌唱前テロップ:YOSHIKIプロデュースのデビュー曲
・歌唱中テロップ:YOSHIKIプロデュースのデビュー曲
・演奏時間:2分32秒

 こちらもまずはVTR。Snow Manとの同時リリース、デビュー曲はYOSHIKIプロデュースという内容を端的に紹介していました。曲紹介ではジェシー髙地優吾が代表して登場。ジェシーさんは事前番組でボケまくっていましたがこの場ではマジメに話しています。そして髙地さんは同士であるSnow Manのことを取り上げます。髙地さんは13歳くらいの時に自分の番組(『スクール革命』)でデビューしたということを、内村さんが話します。「Snow Manの分も頑張れ!」、ステージを見守る内村さんの姿は非常に真剣です。

 曲のイメージに合った映像以外は控えめな演出で、ステージに立つ6人をしっかりフィーチャーしている内容でした。一時期のジャニーズ事務所所属のグループはボーカルレッスンをしていないという噂もありましたが、近年デビュー組は歌声も大変良いです。特に金髪の、俳優の京本政樹さんの息子である京本大我、彼のソロには大変痺れました。ボーカリストとしても相当な逸材と考えていいのではないかと思います。堂々の初出場でした。そして勿論、2021年はSnow Manと一緒に晴れて出場出来ることを切に願いたいです。

 

(ウラトーク)
 ジェシーさんにはギャグが出ることを心配していましたが、何とかセーフでした。吉沢さんとの話では、東京事変がファンなので楽しみにしているということ。オープニングの光の演出に感心した後、イントロで「ハイ、きました!」「何が?」「ピアノの音」。カッコ良さと、歌の上手さに2人ともいたく感心していました。京本さんのソロには、「髪の毛あんだけやってもあんだけ艶があるとは相当ケアしているんだろうなぁ」と妙な所に感心していましたが。

 

(解説)
Snow Manも本来「Imitation Rain」とのダブルA面で同時リリースとなった「D.D.」で出場する予定でしたが、宮舘涼太のコロナウイルス感染と濃厚接触者判定で不出場を余儀なくされました。2021年も引き続き大きな結果を残してあらためて初出場、今度こそ紅白のステージ実現が期待されます。

・SixTONESは結成前から意外と紅白に出場したメンバーが多く、髙地優吾松村北斗は第60回(2009年)・NYC boysのメンバーでした。また森本慎太郎も同じ回にスノープリンス合唱団の中心メンバーとして、企画コーナー「こども紅白」に出演しています。田中樹も当初はスノプリのメンバーでした。

・内村さんと髙地優吾の関係は上で書いた通りですが、実は大泉さんも松村北斗からTEAM NACKSのファンとして強く認識されていたようです。ステージ終了後「松村くんも良かったぞ!」と大泉さんが呼びかけましたが、そこにはこういった背景があったようです。

紅6(全体10):水森かおり(18年連続18回目)

・1995年デビュー 第54回(2003年)初出場
・1973年8月31日生 東京都北区出身
・タイトル:「瀬戸内 小豆島 ~2020映えSP~」
 楽曲:「瀬戸内 小豆島」(2020/2/18 シングル)
  詞:たきのえいじ 曲:弦 哲也
・歌唱前テロップ:フワちゃんの実況映像にも注目
・歌唱中テロップ:フワちゃん×篠原ともえによる巨大衣装

・演奏時間:2分25秒

 ギラギラの衣装で主張しまくるフワちゃんがVTRで登場。彼女には一押しの歌手がいる、なぜなら超尊敬リスペクトしているあの人が衣装に携わっているから、というわけで映える衣装を依頼したというデザイナー・篠原ともえが登場。今では大変落ち着いた姿ですが、彼女も25年くらい前は常に高いテンションで奇抜な格好でした。画面ではヒミツとありますが、既に衣装の一部はしっかり映っています。

 というわけで会場にもフワちゃんが登場。こちらでは赤と白で服装をしっかり番組に合わせています。スマートフォンと自撮り棒を装備しながら、自らも水森さんのいるステージに向かいます。果たして大丈夫なんでしょうか。司会者は勿論心配しています。

 今回は史上最大級の巨大衣装。左右の幅は顔が見えないと言われた第44回(1993年)の小林幸子と同じくらいだと思いますが、前後も含めるとやはり過去最大と考えて良さそうです。瀬戸内の波をイメージしたということで、色は海をイメージした青。人力か自動でスカートの中の棒を動かしているどうかは不明ですが、波をイメージした動きを随時入れています。もう1つ衣装替えがあっても良さそうですが、そこはステージに関わる人数がまた増えてしまうので、控えるという形で特に問題はありません。

 間奏でフワちゃんが乱入。自撮り棒ではしゃぐ映像が流れます。映えSPということで、ラストもインスタ映えを意識したセットを作ってツーショット。水森さんに失礼という声がSNS他で多数あがっていますが、過去のステージ以外での挙動なども振り返って考えると…。こういう奇抜な演出を一番楽しんでるのも当の水森さんという印象も強いので、単純に批判する気にはあまりなりません。とは言え「フワちゃんいるんですかねぇ、あれ」とパフォーマンス終了後に話す大泉さんのコメントは、おそらくほとんどの視聴者の気持ちを代弁していたと思います。

 幸子さんとの比較で考えると、演出よりも18年連続で弦哲也氏ばかりが作曲しているというバリエーションの少なさの方が個人的には気になっているところです(完全に番組以外での問題ではありますが)。意外と過去の幸子さん、紅白では衣装だけでなく楽曲も演歌に拘らず全方位的で、かなり攻めていた印象があるので…。

 

(ウラトーク)
 フワちゃんに向かって「心配しかしてないよー」「ずば抜けて明るいねー」「気をつけて」。ワイプでも少し抜かれますが、こちらは薄い反応で静か。「さっきまで頭に年越しそば乗ってたよね」「さすがに取ったんですね」「TPOは分かるんだよね、意外と」。ステージの衣装にはビックリしていますが、吉沢さんは笑いながらも案外冷静。「あなたの落とした斧は?って聞きにくる人みたい」という言葉がつい出てしまいます。

 フワちゃんの実況は「いい!いい!いい!いい!(=いらない!)」「やばい!やめて!やめて!お願い!」、ただ衣装を近くで見られることには感謝。そのシーンが終わると「不必要なシーンでしたね~」とバッサリ。「最後バチッと決めて欲しいですね」、結果は「好きだけどこういう出会い方はしたくなかった」

 

(解説)
フワちゃんはこの年から爆発的にバラエティ番組出演が増加しました。YouTuberからテレビ進出したと言われていますが、元々はワタナベエンターテインメント所属の芸人でお笑いコンビを組んでいた時期もあったそうです。

・フワちゃんの元祖と言われている篠原ともえは、1990年代に奇抜なファッションがシノラーと呼ばれて大きな影響を与えていました。元々多彩な人物で歌手・女優活動も積極的、『LOVE LOVE あいしてる』のコーナー「篠原ともえのプリプリプリティ!!」では、ハリウッド俳優も含めた各界の大物にも臆せず絡む度胸も見せていました。現在もデザイナーの活動中心に、いくつかの番組に出演もこなしています。

・瀬戸内地方のご当地ソングは2009年の「安芸の宮島」、2017年の「早鞆ノ瀬戸」に続く3作目で、細かい場所は違いますが比較的繰り返し歌われています。18回目の出場ですが、四国4県を舞台にしたご当地ソングを紅白で歌うのは初のケースになりました(正確に言うと四国ではないのですが)。ここまで北関東・九州の開拓が遅れている印象があるので、そろそろ2022年以降は今まであまり歌ってない地域を取り上げて欲しいところです。

白5(全体11):GENERATIONS(2年連続2回目)

・2011年結成、2012年デビュー 第70回(2019年)初出場
・24~29歳・7人組
・楽曲:「You & I」(2020/5/11 配信)
  詞:Masaya Wada 曲:ERIK LIDBOM / FAST LANE
・歌唱前テロップ:気持ちをつなぐハンドサインに注目!
・歌唱中テロップ:EXITも参戦!ハンドサインに注目
・演奏時間:1分59秒

 お笑い第7世代のEXITが登場。いや、兼近大樹が言うには第7ジェネレーション。これから歌う「You & I」のリリックビデオ出演の縁がここにいる理由なのだそう。りんたろー。「そこからの絆×絆、それすなわち卍って感じで」、何を言っているのかサッパリ分かりません。兼近さんは大泉さんを”北のパーマ大佐”呼ばわりして、フワちゃん程ではありませんがこちらもなかなか自由です。結論を言うと、曲中に登場するハンドサインの説明に来たとのことでした。

 正直に申し上げるとハンドサインとパフォーマンスに関連性があまりないような印象で、舞台袖ショットでもりんたろー。さんは全然ハンドサインしていません。ただ余計な要素を排除したすっきりとしたステージとそれなりに時間をかけた曲紹介は、前年よりもはるかにパワーアップしていました。ダンスも見せ場をしっかり映していて、大変素晴らしかったです。歌終わりにはEXITも「カッコよすぎた玄白解体新書!」「出版しといてー!」とコメント、相変わらず訳が分かりませんが、こちらも例年紅白でスベることが多かった過去の芸人より良い仕事をしていたような気はします。

 

(ウラトーク)
 先ほどのステージ、吉沢さんは衣装に負けないくらいの歌声に絶賛していました。EXITのシーンは、内村さんの若手への優しさに感心。ハンドサインは本当に一瞬だったので、直美さん以外は気づかなった模様。「自由な場所でやるっぽいですね~」ということで、ちょっと一同どこでやるか分からない状況に困惑気味。

 

(解説)
EXITはコンビ結成4年目ですが、この年にレギュラー番組を4本抱える売れっ子タレントになりました。ただ本業の漫才はM-1準々決勝止まりで、タレント活動と比較するとなかなか順調にはいっていないようです。歌手活動もこの年に開始、スカイピースやDa-iCEとコラボレーションをしています。ちなみにこの年はももいろ歌合戦に白組トップバッターとして出演後本家紅白に移動するスケジュールでした。

GENERATIONSの「You & I」はEP「Loading…」に収録されています。曲紹介でも話題に挙がったLyric Videoは6月17日にYouTubeで公開、EXITに限らず相当数の芸能人やスポーツ選手が参加しています。実はウラトークMCの渡辺直美もその一員で、ハンドサインは曲の流れに関わらず終始登場していました。

 

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