2023.7.23 Negicco 20th Anniversary Live ~MY LIFE is Negicco~ in 新潟県民会館

ライブレポ

 Negiccoは今年7月20日に結成20周年を迎えました。当初はやわ肌ねぎPRを目的とした1ヶ月限定の活動だったはずが、いまや地域に欠かせない存在にまで成長しています。4人組だったグループは2008年以降3人組となりましたが、以降新メンバーの加入・脱退は一切無し。それどころか順々に結婚を発表後、同じ年に3人とも出産を経験。この5年くらいで公私ともに大きな変化があったNegiccoにとって、久々となる大きな会場でのライブ。それはやはり地元である新潟でした。

 10年間で何度も足を運んだ彼女たちの現場も、気がつけば2019年11月の箕面スパーガーデンが最後。3年8ヶ月のブランクはもちろん過去最長記録。新潟県民会館は初ツアーの最終公演以来8年ぶりの来訪、その様子を書いていきます。

ライブ前~古町散策・グッズ購入

 Negiccoのホームグラウンドと言えば新潟市の古町商店街。デビュー以来、古町どんどんを筆頭とした商店街のイベントに多く出演しています。7番町商店街から県民会館のある白山公園まで歩きましたが、道中でメンバーのサイン入りポスターが掲げられている店もいくつか。先日MVが公開された「お久しぶりです・お元気ですか」は古町を筆頭とした地元の店に、3人がサイン入りポスターを各所に配る内容。町全体が、Negiccoとアルビレックス新潟を応援していることがよく分かる光景でした。

 グッズの先行販売開始30分前に会場に到着。県民会館に来たのは2015年の初ツアー以来8年ぶり。当時もかなり長蛇の列だったという記憶でしたが、今回も入り口から既に折り返しの列が作られるほどの長さ。14時45分販売開始で購入できたのは15時25分、結果待ち時間は1時間超えでした。リュック・名刺入れ・カードケースにネギライト、さらに100円の思い出チケットに先行発売の20周年公式ブックをここでは購入します。

開演前の様子

 一旦ホテルに戻った後、17時半に再入場。グッズ先行販売の時点で既にありましたが、入場口には多くの花とサトウ食品からの応援が届いています。

サトウ食品とは2014年以来10年近くの関係

公式キャラクター・サトウくんもお出迎え

同じ新潟を支えるRYUTistも結成10年以上

同じ新潟からはこのアイドルグループからも

長年の同志・りんご娘だった2人は現在ソロでも大活躍

ダイニチ工業とコラボした加湿器の展示も

 今回は2階席後方真ん中から観覧。ステージからは遠いものの、観客の盛り上がりや客入りをウォッチするには絶好の位置。当日券販売もありましたが、席は2階席後方まで埋まっている様子。ホールで3人が揃う有観客ライブは2019年の年末以来、ムードが高まります。

開演~オープニング

 場内が消灯した瞬間に大きな歓声が挙がります。20年の軌跡を振り返った映像を経て、オープニングはNEGiBANDの生演奏。2015年の日比谷野外大音楽堂単独ワンマン以来節目のライブではバンドの生演奏が恒例ですが、今回も同様。幕の向こうにはバンドメンバーと3人のシルエット、客席には無数のネギライトが点灯。Negiccoのコンサートではお馴染みの光景ですが、これだけ多く照らされるのもおよそ4年ぶりになります。

 メンバー・観客全てが待ちわびたコンサート、記念すべき1曲目は「トリプル!WONDERLAND」。手の動きだけでなくコールも長年通っていた時と同様いわゆる”いつも通りの風景”、最初から演者だけでなく観客もブランクを全く感じさせません。「ネガティヴ・ガールズ!」は2013年の10周年のアルバム『Melody Palette』が初収録ですが、年々歌詞の説得力が上がっています。”奇跡さえ起こすんだ!”のフレーズ、これは20周年を迎えた現在のNegiccoが歌うにもっとも相応しいと言って良いかもしれません。

 「お久しぶりです・お元気ですか」は、10年前に「アイドルばかり聴かないで」を提供した小西康陽氏の楽曲提供。初めてNegiccoを生で見たのは2013年のTOKYO IDOL FESTIVALですが、イベントの真逆をいくような「アイドルばかり聴かないで」の歌詞に衝撃を受けました。そんな内容なのに支配するのは圧倒的なユルさと多幸感、そして何より音楽的なセンスの良さ。リリイベに行きワンマンに行き、気がつけば新潟を中心に各地へ遠征までするようになりました。「お久しぶりです・お元気ですか」はそれ以来10年ぶりの小西さんプロデュース、続けざまに「アイドルばかり聴かないで」も演奏。予想通りでかつ期待通り、会場では「お久しぶりです。お元気ですか」と書かれたグッズのタオルを掲げているファンも多く見受けられました。

相変わらずユルすぎるMC

 3人とも一児の母親になったNegiccoですが、MCは相変わらずしっかりしていません。活動初期のエピソードは良いのですが、観客への無茶振り・あちこちに飛ぶ話題・モノを知らない・ウケを狙うつもりが大スベリなど盛り沢山でした。もう年齢も年齢なので観客にもMC中に着席を促すNao☆さん、ドラゴンボールを全く知らないKaedeさん、それを説明するつもりが自分も7つ集める玉の名前をドラゴンボールであることを知らないMeguさん。相変わらず「今でしょ!」「ダメよ~ダメダメ」とのたまうNao☆姉さん。自分が喋るパートで、バンドメンバー含めて一斉に水分補給タイムにされるぽんちゃ。相変わらずというよりパワーアップしています。年齢を増すとそれだけ体力の消耗度も上がるはずで、そうなると今後もまとまりのないMCはかなり見る機会が多くなりそうです。

新しい曲のパフォーマンス

 ミディアムテンポの「それって魔法かも?」はOKAMOTO’Sのオカモトコウキが楽曲提供。20周年を迎えたNegiccoへのプレゼントとも解釈できる歌詞で、ファンの心をくすぐる内容でもあります。直後に演奏された「くちびるにメロディ」ともよく合っていました。

 「サークルゲームのなかで」はこれまでのNegiccoにありそうでなかったダウナーなラップ調のメロディー。歌の部分はハーモニーで聴かせる内容で、新しい魅力とこれからの音楽にあらためて期待できそうなナンバーです。

 「ル・ルーラは愛の言葉」はお馴染みconnie氏の提供。直前のMCでは彼への感謝を述べる場面もありました。エフェクトを多く使う編曲もまた新鮮で、Negiccoの音楽がまだ進化中であることをこの曲をもって証明できる内容です。後ろの映像効果はかなり謎演出でしたが…。

 また、2020年リリースの「午前0時のシンパシー」も、有観客ライブでは今回が初披露でした。夜のドライブで聴きたくなるサウンドと複雑なリズムは、『Rice & Snow』収録の「BLUE, GREEN, RED AND GONE」を思い出させる部分があります。

相変わらず圧巻の終盤~アンコール

 「Negiccoから君へ」で早くも大団円が生まれた終盤、MCを挟んで「光のシュプール」以降はいよいよ終盤戦。活動初期から名曲として名高い「Falling Stars」に聴き惚れ、「さよならMusic」になるといよいよ終了の合図。この10年間様々なアーティストのライブを見てきましたが、「さよならMusic」ほどライブが終わる寂しさを感じさせる曲は他にありません。3人の思いが伝わるMC(内容はナタリーの記事を参照)を経て、ラストは「愛の光」。3人の人柄がそのまま美しい歌声として表れていて、感動的な締めくくりになりました。

 アンコールは4年前の有観客ライブで軸だったシングル曲「I LOVE YOUR LOVE」からスタート、多幸感がホールを埋め尽くします。21世紀アイドル史に燦然と輝く稀代の名曲「ねぇバーディア」を経て、MCでは重大発表。なんと、なんと…。今シーズンもサトウ食品の鏡餅コマーシャルに起用が決定!



 というわけで、しばし本邦初披露となる新CMとメイキングの上映会になりました。新曲発表やツアー発表でなく、あくまで地元スポンサー企業のCM出演を大きく告知するところがNegiccoらしくて微笑ましいです。

 まだやっていなかった外せない一曲、ラストはやはり「圧倒的なスタイル」になりました。観客全員が肩を組んでラインダンスをするのも4年ぶり。この光景が永遠であって欲しいとともに、もう2度とこれが気軽に出来ない状況には戻って欲しくないとあらためて思わせる空間でした。

おわりに


 Negiccoのワンマンを見るたびにこの上ない多幸感を味わう形になるのですが、今回はとりわけ格別でした。この4年でSNS界隈だけでなく国のムードも荒れ模様になる一方で、信じられない光景を目にする機会が多くなっています。その点で言うと10年間で解散もせずグループ組成もそのまま、特にここ5年くらいは無茶な活動もせず、出産や活動休止などがあってもこうやって3人揃って素晴らしいワンマンライブが出来るNegiccoは、本当に心から全面的に信じられる存在と化しています。私としては本当に何があってもついていくという気持ちですが、同時に運営側もファンを全面的に信じているような気もします。それでありながら、大きなトラブルやスキャンダルはこれまで起きていません。そんな素晴らしい関係性を築き続けられるグループも、他になかなかいないように感じます。

 育児のこと、あるいは新しい子どもが出来る可能性も考えると、以前みたいな活動はなかなか実現しにくいように思います。実際今回のMCでも、今後グループがどうなるか3人とも分からないというコメントがありました。ただ10年前に全く想像できなかった光景が今です。全国ツアーはおそらく大規模な内容では出来ないはず、新曲の発表ペースも出来る時に少しずつという形になることでしょう。ただそれでも25周年・30周年と活動は続きそうな気がしますし、楽曲もこれまでにない魅力に溢れた作品が生まれそうな予感がします。40周年になると子どもたちも揃って成人、なんだか色々想像のつかない未来になりそうです。ただここまでの活動をもってしてもNegiccoの軌跡は奇跡が多くありました。これからの20年、果たしてどういったことが起きるのでしょうか。今後もファンの立場から、彼女たちの活動を追っていくつもりです。

当日のセットリスト

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