第75回(2024年)NHK紅白歌合戦~その1~

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 第59回(2008年)以来、紅白歌合戦の予想~本編レビューまで手掛けるのは今回で17回目。もう年始は紅白歌合戦を見返して内容を書くのがライフワークと化していますが、今回も全9記事+まとめという形で振り返ります。

 というわけで、年始に大晦日放送されたばかりの紅白歌合戦本編をレビューします。NHKプラスで1月7日まで見ることが出来るので、そちらを見ながら、8日以降はアーカイブスとして当記事を是非楽しんでご覧ください。

 

オープニング

 客席エリアに立つ有吉弘行橋本環奈伊藤沙莉のスリーショットから始まる今回の紅白歌合戦。後ろにはステージが見えますが、前説が終わって舞台袖にはける鈴木奈穂子アナの動きが番組開始早々見切れています。グレーのスーツ姿の有吉さん、黄色い服の伊藤さんはノーマルですが、赤い花柄のドレスを着た橋本さんの衣装はなかなかファンシーで目立っています。今回もFASHIONSNAPのXアカウントで出演者の衣装情報実況あり、つい先ほどだけでなく後年あらためて調べるにあたっても非常にありがたい資料になっています。バックで流れる音楽はオリジナル、<オープニングテーマ>小西 遼というテロップが画面左下に表示されています。

 最初は橋本さんが進行、今回はとにかくダンスで気合入っていると話す有吉さん。伊藤さんはかなり緊張している様子、その中で楽しみたいとコメント。一方橋本さんは3回目なので余裕…というわけでなく、ワクワクしているとのこと。というわけで3人による「第75回NHK紅白歌合戦!」と開会宣言。「切手のないおくりもの」の演奏に乗せて、オープニングのアニメーションが画面に映ります。

 前回は段取りの多いグランドオープニングでしたが、今回の出場歌手は第63回(2012年)以来久々となる階段から降りての登場。ベテラン陣が目立つ先頭、THE ALFEEの3人が目立っています。画面左側には6年ぶりテレビ復帰となる西野カナが見えます。赤いドレスに金髪の椎名林檎とももは、視覚的にものすごく目立ってギラギラしています。王冠のような髪飾りをつけるイルカも若々しい格好、若手は舞台袖から左端もしくは右端エリアに陣取る方々が多いようです。全員揃った所で「切手のないおくりもの」大合唱、2年ぶりテレビ復帰の氷川きよしも参加している様子。前日2年連続レコ大制覇のMrs. GREEN APPLEの3人も前方エリアでかなり良い位置、後ろの階段上はJO1櫻坂46BE:FIRSTの3組が陣取っています。ほぼ全員が歌っている中、Creepy NutsDJ松永はじっとその様子を見ている模様。今年のテーマは「あなたへの歌」、画面左上にもテロップがありますが、それを象徴するかのようなオープニングセレモニーとなりました。

 舞台中央には鈴木アナも含めた司会者4名が集結、それぞれ自己紹介とテーマを伝えます。ここまで3分45秒、いよいよトップバッターのステージ紹介に移ります。

 

ウラトーク

 今回MCを担当するのはロッチコカドケンタロウ中岡創一)の2人。お相手は『うたコン』司会の赤木野々花アナウンサー。配信は本番5分前から始まりました。まずはおおまかな自己紹介と内容紹介をオープニングの間に繰り広げます。ハッシュタグは「#紅白ウラトーク」とのこと。

 昨日から突撃取材も含めて情報を集めた中岡さん、本当にアポのない突撃状態だったので「何人かマネージャーさんはざわついてた」とのこと。画面を見て衣装で目に入ったのはやはりイルカ椎名林檎。ステップ踏みながら移動する有吉さんにも「ノリノリや~ん」とコメントしています。

 サプライズを全く知られていないと話すロッチの2人。リハーサルは赤木アナでも締め出されることが多かったそう。ウラトークは出演者だけでなくスタッフも何も聞かされていない方ばかりで、信用されてないのではないかと嘆いています。

 今回司会の鈴木アナは前回ウラトーク担当。ですのでやはり「そういうことは、来年ってことやね」と言われる赤木アナ、タジタジになっておりました。

 

紅1(全体1):ME:I(初出場)

・2023年結成、2024年デビュー
・17歳~24歳・11人組
・楽曲:「Click」(2024/3/25 配信先行シングル)
  詞:Rose Blueming, 柿沼雅美 (Relic Lylic, inc.)
  曲:Timothy Tan, Daniel Roughley, Ciara Muscat, JAR (153/Joombas)
・歌唱中テロップ:みんなで”Click”ポーズ
・演奏時間:2分0秒

 「Click! ME:Iでーす!」と11人揃って元気よく挨拶する彼女たち。「本当に夢のまた夢だった舞台にこうして立たせて頂けて本当に緊張しているのですが、紅白歌合戦のトップバッターに相応しいエネルギッシュなパフォーマンスをお届けします、宜しくお願いします!」と力強く宣言するのはリーダー・MOMONA。彼女は元々2016年から2021年までアンジュルムに所属、グループデビュー1年目とは言え経験は豊富です。そのままここ数年多い3曲同時紹介、画面右下に表示される3組のテロップについては曲名表記のみで紹介文はありませんでした。

 11人グループで後ろに多数の出場歌手、画面の情報量が多くて色々追うのが大変です。次に歌う天童よしみが準備中、若干挙動不審にも見えるTHE ALFEE桜井賢に自然に目がいく視聴者も多かったのではないかと思われます。全員集合なのでILLIT乃木坂46などがメインで映る場面もあり、そのためメンバーのソロショットは全員分揃っていなかったようにも見えます。間奏のフォーメーションはアクション・カメラワークともに決まっていて、MISIAや司会陣などと一緒に踊るシーンも大変良かったです。

 ただ2分45秒の曲なのに2分ジャストに短縮される尺、どうしてもメンバーに全てが割かれないカメラワークを考えると…。ファンにとってはまた次回も紅白に出て欲しいとあらためて強く望むステージだったようにも見えました。もっとも2024年になって日本人女性ダンスグループ界隈は路線が異なるグループの中で結構な混戦模様、2年連続に向けてのハードルは決して低くは無さそうな予感がしています。

ウラトーク

 正確にはデビューから8ヶ月で紅白、それくらいの期間だとロッチに限らず芸人は全く何も無し。「ネタまともに出来てなかった」「中岡くんがメチャクチャ声小さかった」という具合で、あり得ないことだと話しています。

 緊張するだろうと見守るウラトーク席ですが、目に入ったのはME:Iではなく高見沢さん。「いい若手出てきたなぁ~」と勝手に妄想しております。Clickのフリを見て「2024年、コカドさんは何をClickされましたか~?」と勝手にリクエストを作る中岡さん。全体的にステージを見守るウラトーク席、その中でaikoについては後で来てくださると赤木アナが予告していました。


紅2(全体2):天童よしみ(28年連続29回目)

・1970年デビュー 第44回(1993年)初出場
・1954年9月26日生 大阪府八尾市出身
・楽曲:「あんたの花道」(2002/1/23 CDシングル)…3年ぶり5回目
  詞:木下龍太郎 曲:安藤実親
・歌唱中テロップ:紅白歌手が”かけ声”で盛りあげる
・演奏時間:2分15秒

 ME:Iが踊っている後ろで準備する姿が映りましたが、演奏が始まるとセリ上がりの演出で高所から歌う舞台になります。もっともイントロは前半パートがまるまるカット、最初からちょっとした忙しなさを感じる編曲になっています。両手を挙げて左右に動く振り付けは誰の発案なのでしょうか、それを察してか椎名林檎などあまり手を動かしていない様子の方もチラホラ。一方でカメラに向けてソイヤ!とアピールするNumber_iの3人は流石の盛り上げ役です。あとピンクのハッピを着て盛り上げる女性2人が誰なのかも謎です。審査員席のショットあり、客席は総立ち演出の模様。

 後半はセリが降りて、舞台上で歌います。今年でついに70歳になりますが声は全く衰え無し、相変わらずバリバリの存在感を歌で見せつけていました。次回の紅白も期待したいです。

 

ウラトーク

 結構の高さまで上がるセットに驚いています。紅白歌合戦という感じを、ロッチの2人も楽しんでいます。中岡さんがウロチョロした結果得た天童さんの情報は、「本番までに歯を磨いてはりました」。ちなみに彼らの楽屋は天童さんの隣り、並びは「レオンくん、ロッチ、天童さん」。これにはコカドさんもツッコミ倒しておりました。

 

白1(全体3):こっちのけんと(初出場)

・2019年YouTubeデビュー、2022年歌手デビュー
・1996年6月13日生 大阪府箕面市出身
・楽曲:「はいよろこんで」(2024/5/27 配信シングル)
  詞:こっちのけんと
  曲:こっちのけんと GRP
・歌唱中テロップ:今年みんなを踊らせた”ギリギリダンス”
・演奏時間:1分56秒

 天童さんの歌唱後、伊藤さんの紹介を挟んで演奏開始。ステージは客席エリアから始まります。冒頭で”紅白を見ている” “はい楽しんで” “2024年の”と挿入&歌詞変更、走りながらメインステージに移動する様子はさながらライブバージョン。臨場感抜群です。

 例のギリギリダンスは実を言うとかなり難しいので、出場歌手のアクションは人それぞれ。全く踊らない椎名林檎、着物姿なのでとりあえずリズムだけは乗る石川さゆり、それなりに踊れているaiko、本人通り踊ろうとすごく頑張ってくださるTHE ALFEE(特に桜井さんが顕著)、バンドなのに3人とも完璧に動きをマスターしているMrs. GREEN APPLE…といった具合。しっかりリズムに乗って踊る郷ひろみのショットもありました。さすがに階段に陣取るJO1櫻坂46辺りは踊りのプロフェッショナルなので、ほぼ完璧に振り付けをこなしています。

 したがって情報量非常に多く内容は濃いですが、体感時間以上に演奏時間は短め。せっかくの2024年を代表するヒット曲、フルが2分42秒なので本来ならカット無しでも良いくらいだと思うのですが…。ここ最近どころか昭和期から続く傾向なので仕方ないのですが、どうも最初の方のステージはどうしても演奏時間が短くなりがちで悩ましいところ。

 初めての紅白の感想は「本当に幸せものです、本当にありがとうございました!」とコメント。この曲が生まれた背景はかなりヘビーな部分もありますが、今となれば本当に苦労が報われたというのが実際のところだと思います。年が明けてしばらくは休むとのことですが、また復帰した際には新曲・パフォーマンスともども楽しみにしたいです。

ウラトーク

 ウラトーク恒例の募集倍率報告、今回は150倍。相変わらずの高さです。意外と難しいギリギリダンスを見守ります。取材情報は大晦日の定番の過ごし方、「家族でカラオケで歌いまくる」「父からのリクエストに応えて兄弟3人で歌う」。彼の兄弟の職業を考えるとあまりに豪華、驚きと感心の感想を浮かべていました。「今日はだからもしかしたら、こっちのけんとさん抜きで家族で今見て…」「やってへんやろ!」「みんなでね、ギリギリダンス…」。なんとか赤木アナがフォローしておりましたが、とりあえずはこの後来るみたいなので聞いてみましょうという流れに帰着します。

 

審査員紹介など

 審査員は鈴木アナが担当、まずは挨拶。話を振られたのは横浜流星河合優実内村光良。内村さんは「最後に勝つのは紅か白かですよ!」「我々は厳正な審査でいきますからね!」、ややかかっている様子の喋りです。

 審査方法を案内した後、ウラトークの方は今回「有吉さーん!」と呼びかけて割り込むような形で案内。早くも歌い終わったばかりのこっちのけんとがゲストで呼ばれています。「ゲストに招いて、他では聞けない紅白の裏側を…」と叫びながら話す、中岡さんのテンションがおかしなことになっていました。

 

ウラトーク

 紹介のくだりがあるので、椅子からテーブルに移動して中継の準備。歴代の担当と同様、まあまあ緊張している様子です。コカドさんは「1回噛むくらいは許して!」と相当なもの。その間にこっちのけんとも到着。彼もやはりステージについては緊張していたようです。

 

白2(全体4):Omoinotake(初出場)

・2012年結成、2015年デビュー
・1992年生/32歳・3人組 島根県松江市出身
・楽曲:「幾億光年」(2024/1/24 配信先行シングル)
  詞:福島智朗 曲:藤井怜央
・歌唱前テロップ:紅白初出場 念願の舞台へ
・歌唱中テロップ:今年大ヒット! ”あなた”を想う歌
・演奏時間:2分3秒

 「ここ渋谷でストリートライブをずっとやってたんですけど、その頃からこのステージに立つのを夢見てやってきました」「今夜はこの曲を聴いて共感してくださった皆さんに寄り添えるように歌いたいと思います」、歌う前にコメントしたのはボーカルの藤井怜央。スタンバイ後、伊藤さんがこの曲に寄せられたメッセージを紹介。24歳の女性から寄せられたその内容は、辛い時に支えてくれた大切な曲とのことでした。

 2回歌われるサビはどちらもハーフサイズ、予想されていたことではありますが他の番組と比べてもカットされた部分はかなり多め。一応ビルボード年間3位の大ヒットですが、それよりもバンドとしてのキャリアがあまり良くない意味で優先されたような構成に見えました。ステージそのものは高音の響きも大変良く素晴らしかったですが、紅白19時台特有の課題はなかなか解決されそうにありません。

ウラトーク

 中継終了してホッと一息、裏のテンションで表にいくとなるとやはり切り替えが大変なようです。というわけでゲストトーク、「もうやってらんない」くらいにけんとさんは緊張していた模様。天童さんが2番を歌い始めた辺りで準備開始、客席に手を振り返しているうちに緊張が高まったのだとか。踊りながらチラッと振り向くと郷ひろみ「ちょっとさすがにさすがに」と言いつつも感謝を述べています。

 この後はゆっくりで大丈夫とのことでリラックスモード、あと赤木アナは前日の最優秀新人賞受賞を祝福。年末は「頑張り過ぎたかもしれない」「ワクワクしたままのモチベーションで頑張れた気はしてます」、その一方で前日を除いて睡眠は取れていたこと。「訳分かんな過ぎてちょっと今日髪の毛つけてきちゃって」OmoinotakeDa-iCEME:Iは年末ずっと一緒、Omoinotakeはずっと紅白を目指しててという話もしていました。


 

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