歴代紅白歌合戦歌唱曲・演奏時間&構成表(第38回・1987年その2)

演奏時間&構成表 2(第38回・1987年)

 演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。

曲順楽曲アーティスト演奏時間
構成
フル再生時間
構成
15(白8)愚か者近藤真彦3分19秒
2コーラス
4分31秒
2コーラス半
16(紅8)木枯しに抱かれて小泉今日子2分30秒
2コーラス
3分43秒
3コーラス
17(白9)海 その愛加山雄三3分1秒
1コーラス+サビ2
7分50秒
2コーラス半
18(紅9)Strawberry Time松田聖子2分45秒
2コーラス
4分0秒
2コーラス半
19(白10)八木節イントロデュース竜童組3分45秒
2コーラス
3分36秒
3コーラス
20(紅10)オンブラ・マイ・フ
ラルゴ「なつかしい木陰」
佐藤しのぶ3分43秒
1コーラス
3分9秒
1コーラス
21(紅11)心の友五輪真弓2分57秒
2コーラス+サビ
3分16秒
2コーラス+サビ
22(白11)窓の外の女チョー・ヨンピル2分29秒
1コーラス半
3分26秒
1コーラス半
23(紅12)六本木純情派荻野目洋子2分8秒
1コーラス半
3分29秒
2コーラス半
24(白12)君だけに少年隊3分23秒
1コーラス半
4分45秒
2コーラス半
25(紅13)おお我が人生金子由香利2分6秒
1コーラス半
2分16秒
1コーラス半
26(白13)チャンス沢田研二3分22秒
2コーラス
4分22秒?
2コーラス+サビ
27(紅14)浪花そだち神野美伽2分23秒
2コーラス
3分46秒
3コーラス
28(白14)男の花吹雪村田英雄3分0秒
2コーラス
5分0秒
3コーラス
29(紅15)ヒーロー小柳ルミ子3分8秒
2コーラス
5分48秒
3コーラス+サビ(原曲)
30(白15)ラ・バンバ菅原洋一2分13秒
2コーラス
1分59秒
2コーラス(原曲)

各ステージ・補足

 近藤真彦は専属バンドをステージに呼び込んで、日本レコード大賞受賞曲「愚か者」を披露。1番から間奏を経て2番サビ、最後は”愚か者よ”から始まる後半部分とアウトロで締め。大熱唱のステージでした。

 小泉今日子はどでかい花をドレスにあしらった衣装が目を引くステージ。「木枯しに抱かれて」の1番と3番を歌唱。なお3番はAメロの前にCメロあり、やや変則的な展開の曲になっています。アウトロ後半カット、演奏時間はこの年の紅白では短い方でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・小泉今日子の軌跡

 白組司会の加山雄三は大河ドラマ『独眼竜政宗』キャストの応援を受けて、「海 その愛」を歌唱。イントロ無し、自身のピアノ演奏から歌い始める演出になっていました。ピアノを弾きながら歌うのは1番のみ、以降は舞台に降りてサビ2回繰り返し歌唱に移行します。紅白で歌うのは9年ぶり、演奏時間は当時より37秒長くなっています。(ステージレビュー→紅白歌合戦・加山雄三の軌跡

 松田聖子も専属バンドを従えてのライブスタイル、大ヒット曲「Strawberry Time」を歌唱。臨場感溢れるステージを終始展開していました。ただこの日は声の調子が良くなく、高音がやや掠れ気味です。1番と2番の2コーラス歌唱、間奏が原曲より長くなっています。ここ数年と比べると演奏時間は若干短め。

 竜童組はロック&民謡代表として出場、宇崎竜童は12年ぶりの紅白でした。「八木節イントロデュース」は1985年のデビューアルバム『竜童組』1曲目に収録されています。ステージは2コーラス、間奏でコール&レスポンスが取り入れられました。おそらく観客参加型のステージは、紅白だとこれが初めてではないかと思われます。したがって、アレンジは原曲とかなり異なっています。ラストも観客と一緒に三本締め、結果原曲より長い演奏時間となりました。(ステージレビュー→紅白歌合戦・バンド出場歌手の歴史(怒涛の1980年代編)

 初期の紅白以来、オペラから相当久々に出場となった佐藤しのぶ。「オンブラ・マイ・フ」はこの年ニッカウヰスキーのCMで使用されて話題になりました。アルバム『ESSENCE』収録版では3分9秒、したがって相当長い演奏時間になっています。

 ハーフタイムショー後に攻守交代、後半トップバッターは五輪真弓。「心の友」は日本よりもインドネシアでよく知られている楽曲です。3分16秒の曲なので、この紅白基準では堂々のフルコーラスでした。1982年のアルバム『潮騒』収録曲、テンポは音源より若干速めです。

 チョー・ヨンピルは日本と韓国でヒットした「窓の外の女」を選曲。1番を日本語、2番にあたるラストサビは韓国語での歌唱でした。原曲よりテンポ速め、さらに間奏カットなので、史上初となる韓国からの出場に関わらず演奏時間は思いのほか短いです。

 荻野目洋子の「六本木純情派」はこの年を代表するヒット曲ですが、こちらもテンポがやけに速いです。1コーラス半、後半は1番繰り返しではなく2番の歌詞を歌いました。演奏時間は今回の紅白において屈指の短さ。「湾岸太陽族」「さよならの果実たち」などヒット曲を連発している割に、曲順以外の扱いが悪過ぎます。

 少年隊は大ヒット曲「君だけに」、1番Bメロ後のAメロは2番の歌詞でした。そこから間奏を経てラストのクライマックス。荻野目さんとの対決は2年連続2回目ですが、こちらはヒットアーティストに相応しい待遇でした。前年の件もあったからかもしれないですが…。

 金子由香利はおそらく越路吹雪岸洋子以来となるシャンソンからの紅白出場。かなり短い演奏時間ですが、そもそもの原曲が2分16秒の短さ。フルコーラス歌唱、会場からは大きな拍手が起こっています。

 沢田研二はシングル曲「チャンス」、この年は派手なパフォーマンス抜きの純粋な2コーラス歌唱でした。1986年以降のシングルはアルバム未収録曲に関して言うと配信無し、原曲の正確な演奏時間は不明ですがおよそ4分20秒と推定されます。(ステージレビュー→紅白歌合戦・沢田研二の軌跡

 神野美伽は若手演歌の期待株として初出場、当時まだ22歳でした。ここで歌った「浪花そだち」だけでなく既に「男船」などのヒットもあり、今後の連続出場も期待されましたが、出場はこの年と第54回のみに留まります。1番と2番の歌唱でした。

 お千代さんと三波先生の辞退で、この回は村田英雄が最多出場歌手となっていました。「男の花吹雪」を村田節全開で歌います。1番と3番の歌唱、間奏は2小節のみでおそらくカット多めです。

 小柳ルミ子は17回目の出場にして初めて、持ち歌ではなくアメリカの大ヒット曲「ヒーロー」を歌います。『スクール☆ウォーズ』の原曲カバーとは違う日本語詞、ミュージカル仕様のステージなどトピックスの多いステージですが、これはもうリンク先を見て頂きましょう。度肝を抜かれる衝撃的な内容でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・小柳ルミ子の軌跡

 菅原洋一が歌う「ラ・バンバ」は日本でも知らない人はいないであろう有名なメキシコ民謡で、この年ロス・ロボスの録音が大ヒットしました。原曲のリッチー・ヴァレンスが1分59秒、ロス・ロボスは2分54秒の演奏時間です。『夜のヒットスタジオ』によく出演していたDee-Deeの踊り、間奏はMALTAのテナーサックスで繋ぐ構成でした。22年連続出場した菅原さんの中では極めて異質な内容ですが、後年80歳になってからアルバムでカバーしています。なおこの年は英語・韓国語・イタリア語が訳詞も無しでテロップ表示されましたが、「ラ・バンバ」は終始歌詞テロップ無しでした。

 

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