演奏時間&構成表 4(第46回・1995年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
37(紅19) 紅後半9 |
あの頃にとどけ | 島倉千代子 | 2分42秒 1コーラス+サビ |
4分13秒 2コーラス+サビ |
38(白20) 白後半9 |
腕に虹だけ | 小林 旭 | 3分19秒 2コーラス |
4分45秒 2コーラス+サビ |
39(紅20) 紅後半10 |
ふるさと | 由紀さおり・ 安田祥子 |
2分39秒 3コーラス |
2分2秒 3コーラス |
40(白23) 白後半10 |
そして、神戸 | 前川 清 | 2分43秒 2コーラス+サビ |
2分55秒 2コーラス+サビ |
41(紅21) 紅後半11 |
ゆずれない願い | 田村直美 | 2分52秒 冒頭+2コーラス |
3分52秒 冒頭+2コーラス半 |
42(白21) 白後半11 |
上を向いて歩こう | 南こうせつ | 3分17秒 1コーラス半 |
3分8秒 1コーラス半(原曲) |
43(紅22) 紅後半12 |
あばれ太鼓 | 坂本冬美 | 2分41秒 2コーラス |
4分22秒 3コーラス |
44(白22) 白後半12 |
酒 尽尽 | 五木ひろし | 3分17秒 3コーラス |
3分59秒 3コーラス半 |
45(紅23) 紅後半13 |
北の女房 | 石川さゆり | 3分17秒 2コーラス+サビ |
4分56秒 3コーラス+サビ |
46(白23) 白後半13 |
谷 | 北島三郎 | 3分23秒 2コーラス |
5分24秒 3コーラス |
47(紅24) 紅後半14 |
草枕 | 都はるみ | 3分27秒 2コーラス |
4分55秒 3コーラス |
48(白24) 白後半14 |
悲しみの器 | 森 進一 | 3分56秒 1コーラス半 |
5分37秒 2コーラス+サビ |
49(紅25) 紅後半15 |
もう一度ふたりで歌いたい | 和田アキ子 | 4分43秒 2コーラス+サビ |
4分55秒 2コーラス+サビ |
50(白25) 白後半15 |
望郷じょんから | 細川たかし | 5分1秒 2コーラス |
4分15秒 2コーラス |
各ステージ・補足
島倉千代子の「あの頃にとどけ」は小田和正の楽曲提供。着物姿ではありますが、曲は完全にポップスそのものです。したがってステージも2コーラスではなく、1コーラス+ラストサビの歌唱。(ステージレビュー→紅白歌合戦・島倉千代子の軌跡)
小林旭の「腕に虹だけ」は、「熱き心に」以来10年ぶりのオリコン週間50位以内に入るヒット曲でした。2コーラス歌唱ですが、2回目のサビは半音高くなったラストサビの披露になります。その部分で転調するのは原曲通りですが、全体的にテンポが速くなっていました。
阪神淡路大震災が起こった1995年、ここからの4ステージは復興の祈りを込める演出で、勝敗と関係なく聴いて頂きたいというアナウンスが事前にありました。由紀さおり・安田祥子の「故郷」は、日本でもっとも有名な童謡の一つです。美しいハーモニーで聴かせる名唱、もちろんフルコーラス披露でした。3番が半音高くなるとともに、最後の”水は清き…”の部分が2回繰り返しになっています。
前川清の「そして、神戸」は4年前に歌われたばかりですが、こういう年なので状況は大きく異なります。復興に向けて前に進んでいる神戸の夜景が、イントロと2番前半に中継で映りました。元々が短い曲ということもあって完全フルコーラス、この年の紅白を振り返るにあたって絶対に欠かすことのできない名演です。(ステージレビュー→紅白歌合戦・前川清の軌跡)
『魔法騎士レイアース』のOPテーマとして名高い田村直美「ゆずれない願い」ですが、紅白では復興ソングというやや意外な扱いでした。確かにこういうテーマに選ばれても前向きな未来志向の歌詞ではありますが、言うまでもなくレイアースの話題は一言も出てきません。2コーラス、2回目サビはラストサビの歌唱でした。
南こうせつは「上を向いて歩こう」のカバー、紅白でこの曲が歌われたのはオリジナル歌手・坂本九が初出場した第12回(1961年)以来34年ぶりのことでした。テレビでこうせつさんがカバー曲を歌うのは、かなり珍しい光景ではないかと思われます。多少アレンジは入りましたが、比較的原曲に近い構成でのフルコーラス。
坂本冬美は1987年のデビュー曲「あばれ太鼓」を歌唱。紅白初出場はその翌年の「祝い酒」、以降も毎年ヒットしていたので、この機会にようやくの初歌唱となりました。1番と3番の歌唱、間奏じっくりアウトロあっさり。テンポも若干速めです。
五木ひろしはタイトル部の歌唱が印象的な「酒 尽尽」。堂々の3コーラス、3番は原曲と異なる半音上げの歌唱でした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・五木ひろしの軌跡)
石川さゆりは大迫力の演歌「北の女房」、せり上がりの登場シーンからしてオーラたっぷりです。1990年代女性演歌のヒットトレンドから外れる作風のため、CDセールスがあまり高く無かったのは非常に惜しまれますが…。1番と2番とラストサビ、これでもかという程にさゆり節全開の名演でした。
北島三郎の「谷」も、アコースティックギターと尺八と男声合唱のアレンジが実にしっくり来るサブちゃん節全開。意外と1コーラスのラストで歌い上げないメロディーも特徴的です。1番と3番の歌唱でした。
都はるみも当時の若手ヒット女性演歌と対極を行く侘び寂び演歌「草枕」。昭和のはるみさんでも、当時の紅白ではあまり歌わないタイプの曲でした。1番と3番の歌唱。(ステージレビュー→紅白歌合戦・都はるみの軌跡)
定期的にフォーク・ニューミュージック系からの楽曲提供を受ける森進一、「悲しみの器」は谷村新司が提供。1番と2番の間にCメロが挟まる、少し変わった楽曲構成です。ステージは1番とCメロ、間奏を経て2番Bメロ~サビの歌唱。ラストの繰り返しは無しでした。
和田アキ子は4年ぶりの紅組トリ、歌唱曲は「あの鐘を鳴らすのはあなた」と同じ作詞作曲・9年前の紅白復帰曲でもある「もう一度ふたりで歌いたい」。力強さと優しさが両立した歌唱でフルコーラス、特に2番Aメロ前半を紅白で歌ったのはこの時のみでした。ラストは原曲のフェイドアウトと異なる形、最後は伸びのある”Let’s sing a song”を大迫力で聴かせる終わり方です。
大トリは「矢切の渡し」以来12年ぶり、デビュー20周年の細川たかし「望郷じょんから」です。大量の津軽三味線演奏に細川さんにしか表現できないような歌声、尺八の演奏のみがバックのAメロはほとんど自らメロディーを作り上げているような状況でした。1番サビ2回目がカットなのでフルコーラスではないですが、伸ばし多めのAメロは原曲と比べて大幅に尺を取っています。そのためフルコーラスで無いにも関わらず演奏時間が大幅に原曲超えという、大変珍しい記録が生まれました。ステージは言うまでもなく伝説も伝説、歴代の大トリでも間違いなく上位に入る超名演です。
第46回(1995年)・まとめ
演奏時間ランキング(企画コーナーは除外)
順位 | 曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 |
1 | 22(紅11) 紅後半1 |
LOVE LOVE LOVE ~紅白バージョン~ |
Dreams Come True |
6分52秒 |
2 | 24(紅12) 紅後半2 |
松田聖子ヒット・メドレー ~SEIKO Chan to La La La~ |
松田聖子 |
5分32秒 |
3 | 23(白12) 白後半2 |
米米CLUBヒット・メドレー ~DYNAMITE DIGEST SHOW~ |
米米CLUB | 5分28秒 |
4 | 21(白11) 白後半1 |
WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント~ |
H jungle with t | 5分7秒 |
5 | 50(白25) 白後半15 |
望郷じょんから | 細川たかし | 5分1秒 |
6 | 20(白10) 白前半10 |
精霊流し | さだまさし | 4分51秒 |
7 | 49(紅25) 紅後半15 |
もう一度ふたりで歌いたい | 和田アキ子 | 4分43秒 |
8 | 16(白8) 白前半8 |
胸さわぎ ’96 | SMAP | 4分33秒 |
9 | 48(白24) 白後半14 |
悲しみの器 | 森 進一 | 3分56秒 |
10 | 18(白9) 白前半9 |
ラブリー | 小沢健二 | 3分46秒 |
41 | 43(紅22) 紅後半12 |
あばれ太鼓 | 坂本冬美 | 2分41秒 |
42 | 14(白7) 白前半7 |
GET UP BOY | 藤井フミヤ | 2分40秒 |
43 | 39(紅22) 紅後半10 |
ふるさと | 由紀さおり・ 安田祥子 |
2分39秒 |
44 | 8(紅4) 紅前半4 |
ごむたいな | 香西かおり |
2分38秒 |
44 | 30(紅15) 紅後半5 |
河内おとこ節 | 中村美律子 | 2分38秒 |
46 | 6(紅3) 紅前半3 |
捨てられて | 長山洋子 |
2分31秒 |
47 | 33(白17) 白後半7 |
男の慕情 | 加門 亮 | 2分30秒 |
48 | 35(白18) 白後半8 |
幸せになりたい | 美川憲一 | 2分26秒 |
49 | 31(白16) 白後半6 |
兄弟船 | 鳥羽一郎 | 2分20秒 |
50 | 34(紅17) 紅後半7 |
だんな様 | 三船和子 | 2分16秒 |
第2部前半の各2組が上位を占めてます。両組トリ、さらに第1部トリのさだまさしも上位。J-POPは大半が3分台で、下位に入ったのは藤井フミヤのみ。短い方は基本的に第1部が多くなるのですが、この年に限っては第2部中盤の方が演奏時間下位のステージが多いです。全ステージ平均は第1部が3分18秒(6秒増加)、第2部が3分28秒(1秒減少)、50ステージの平均は3分24秒(2秒増加)。前回の最長記録をさらに更新する結果になりました。
複数曲歌唱のステージ
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 曲数 |
10(白5) 白前半5 |
風になって LOVE YOU ONLY うわさのキッス |
TOKIO | 3分26秒 3曲 |
16(白8) 白前半8 |
がんばりましょう 俺たちに明日はある どんないいこと |
SMAP | 4分33秒 3曲 |
22(紅11) 紅後半1 |
LOVE LOVE LOVE ROMANCE 恋の罠しかけましょ |
Dreams Come True |
5分30秒 3曲 |
23(白12) 白後半2 |
JUST MY FRIEND sure danse I・CAN・BE 愛はふしぎさ ア・ブラ・カダ・ブラ 浪漫飛行 KOME KOME WAR 君がいるだけで ワンダブルSUNでぃ Shake Hip! |
米米CLUB | 5分28秒 10曲 |
24(紅12) 紅後半2 |
青い珊瑚礁 時間の国のアリス 素敵にOnce Again |
松田聖子 | 5分32秒 3曲 |
前回のメドレーが好評だったこともあって、この年はDreams Come True、米米CLUBに加えて3組追加。ただ翌年は1組もメドレー・複数曲歌唱は組まれていません。
過去曲/カバー曲のステージ(新曲が含まれるメドレー除外)
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 発表年 | 演奏時間 構成 |
19(紅10) 紅前半10 |
花 | 石嶺聡子 | 1980年 (喜納昌吉) |
2分56秒 2コーラス |
20(白10) 白前半10 |
精霊流し | さだまさし | 1974年 (グレープ) |
3分7秒 2コーラス |
29(白15) 白後半5 |
YOUNG MAN (Y.M.C.A.) |
西城秀樹 | 1979年 2年連続3回目 |
3分11秒 2コーラス半 |
30(紅15) 紅後半5 |
河内おとこ節 | 中村美律子 | 1989年 3年ぶり2回目 |
2分38秒 2コーラス |
31(白16) 白後半6 |
兄弟船 | 鳥羽一郎 | 1983年 3年ぶり3回目 |
2分20秒 2コーラス |
34(紅17) 紅後半7 |
だんな様 | 三船和子 | 1982年 | 2分16秒 2コーラス |
39(紅20) 紅後半10 |
ふるさと | 由紀さおり・ 安田祥子 |
1914年 | 2分39秒 3コーラス |
40(白23) 白後半10 |
そして、神戸 | 前川 清 | 1972年 4年ぶり2回目 |
2分43秒 2コーラス+サビ |
42(白21) 白後半11 |
上を向いて歩こう | 南こうせつ | 1961年 (坂本 九) |
3分17秒 1コーラス半 |
43(紅22) 紅後半12 |
あばれ太鼓 | 坂本冬美 | 1987年 | 2分41秒 2コーラス |
49(紅25) 紅後半15 |
もう一度ふたりで歌いたい | 和田アキ子 | 1986年 9年ぶり2回目 |
4分43秒 2コーラス+サビ |
50(白24) 白後半15 |
望郷じょんから | 細川たかし | 1985年 10年ぶり2回目 |
5分1秒 2コーラス |
50ステージ中過去曲オンリーは12、前回より1増。ただ第1部はほぼ新曲、第2部もトリと一部コーナー以外は新曲メインの回でした。
フルコーラス歌唱(間奏・アウトロ・フェイドアウトは除く)
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
2(紅1) 紅前半1 |
碧いうさぎ | 酒井法子 | 3分29秒 2コーラス+サビ2 |
3分47秒 2コーラス+サビ2 |
20(白10) 白前半10 |
精霊流し | さだまさし | 4分51秒 2コーラス |
4分48秒 2コーラス(原曲) |
21(紅11) 紅後半1 |
LOVE LOVE LOVE | Dreams Come True |
3分26秒 1コーラス+ラスト |
3分24秒 1コーラス+ラスト |
25(白13) 白後半3 |
君のそばにいる | 谷村新司 | 3分31秒 冒頭+2コーラス+サビ2 |
3分36秒 冒頭+2コーラス+サビ2 |
39(紅20) 紅後半10 |
ふるさと | 由紀さおり・ 安田祥子 |
2分39秒 3コーラス |
2分2秒 3コーラス |
40(白23) 白後半10 |
そして、神戸 | 前川 清 | 2分43秒 2コーラス+サビ |
2分55秒 2コーラス+サビ |
42(白21) 白後半11 |
上を向いて歩こう | 南こうせつ | 3分17秒 1コーラス半 |
3分8秒 1コーラス半(原曲) |
49(紅25) 紅後半15 |
もう一度ふたりで歌いたい | 和田アキ子 | 4分43秒 2コーラス+サビ |
4分55秒 2コーラス+サビ |
フルコーラスは7→8で前年同様、「LOVE LOVE LOVE」はメドレー中の1曲で分割されていますが一応フルコーラスとみなします。過去曲といつものメンバー中心の中で、初出場の酒井法子がひときわ目立っています。
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