紅白名言集解説・4~かんだやぶそば~

 今回取り上げたのは1968年、第19回紅白歌合戦における江利チエミのセリフ。

 紅白歌合戦で中継出演はもうお馴染みの光景ですが、本番中に会場外を飛び出して登場するというシーンは非常に少ないです。近年だと出場歌手がNHKホール外の中継で歌い、エンディングで戻ってきて合流するというケースもありますが、大晦日の東京の様子をリポートするために司会や出場歌手が飛び出したというケースはおそらくこの時だけだったのではないでしょうか。

 有楽町の東京宝塚劇場で行われた当時の紅白、年越しで賑わう神田淡路町のそば屋から総合司会の宮田輝アナが移動してリポートという形で登場。お客さんにインタビューした後に、北島三郎が蕎麦を運んだり、江利チエミが呼び込みを行ったりする設定の軽いコントが行われていました。冒頭で紹介した名言は、その江利さんが注文を受け付けて呼び込むという設定のセリフ。美声にリズムもついて聴き心地は大変良く、本人もそのセリフはお気に入りだった様子。

 なお舞台になったお店はかんだやぶそば。東京では江戸時代末期から続く有名な老舗で、今年で140年目を迎えるお店なのだそうです。2014年に新築されたそうなので当時と雰囲気は変わっているかもしれないですが…。

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