企画3(全体36):僕たちのふるさと ニッポン
・楽曲:「ふるさと」
・詞:小山薫堂 曲:youth case
・演奏時間:2分32秒
櫻井翔「皆さんの故郷はどこですか?そこは自分にとってどんな場所ですか?僕たち5人はカメラを携え、ふるさと探しの小さな旅に出ました。」
二宮和也「吐く息さえ凍える北海道。僕はそこで、農業を学ぶ高校生に出会いました。日本で唯一、授業でサラブレッドを育てている彼ら。大地をしっかりと踏みしめ、仲間とともに命と向き合うその姿は、とても輝いて見えました。」
松本潤「時間がゆっくりと流れる沖縄。僕はそこで、紅型という染物の職人に出会いました。戦争で一度はすべての道具を失いながらも、大切な色や模様を受け継ぐという思い。人生のバトンタッチをしながら伝統を重ねていくことの尊さを知りました。」
相葉雅紀「僕が訪れた京都には、伝統を受け継ぐ家族がいました。親子三代で守り続けるのは宇治茶の畑。日々自然と闘いながら誇りを持ってお茶を作り続ける、家族の絆の強さに未来の光を見ました。」
櫻井翔「僕は歴史ある鎌倉の街で宮大工の職人さんに出会いました。形に見えない技という財産を伝えたいと思う師匠、そして学びたいと思う弟子たち。若者の夢は、実は大人の優しさに支えられているのだと強く感じました。」
大野智「僕が訪れたのは佐賀で300年続く日本酒の蔵元です。酒造りの全ての工程を少し体験しただけなのに、何故だかとても誇らしい気分になりました。自分の手でこの国の文化を守りたい。一人でも多くの人がふるさとをより深く思うことができたら、日本はもっと素敵になるのかもしれません。」
相葉雅紀「どれもが本当に小さな旅でしたが、そこで出会った笑顔は僕たちのふるさと ニッポン、そのもののように見えました。それでは聴いてください。「ふるさと」。」
嵐の5人が各地を訪れて、そこで感じた様々なことをスピーチにして披露。バックには5人が旅で触れ合った写真が映し出されています。「ふるさと」は嵐の5人が歌い、曲の途中から紅白出場歌手(TOKIO、AKB48、いきものがかり、Perfume、flumpool、西野カナ、水樹奈々、FUNKY MONKEY BABYS、HY、遊助)が加わって大合唱という流れ。全体的にコンパクトにまとめられたコーナーでした。
企画・発想そのものは決して悪くなく、番組のテーマにもよく合っていますが、短い時間でその想いが視聴者にどれだけ伝わったのでしょうか。次の嵐のシングル曲を「ふるさと」にして、初回特典映像として今回の旅の様子を収めたDVDをつける、というのが最も効率的な回収方法かな、とは思いましたが。いずれにしてもあらためて別に番組を設けるなどして、じっくりこの旅の様子をより多くの人に伝える形にしても良いのではないかな、というのが個人的な感想でした。
ゲスト審査員の岩崎夏海にコメントを求めます。「歌手の皆さんの乾坤一擲のパフォーマンスに深く深くインスパイアされて、僕も刺激されて負けちゃいられないという形でですね、早く家に帰って原稿を書きたくなりました」ということ。”早く家に帰って”という部分が少し気になります。たびたび映る審査員席のショットでは、仏頂面になっていることが多い印象もありました。同じく湊かなえにもコメント。「歌の持つパワーに感動しています。来年も頑張ります」とコンパクトにまとめました。
(ウラトーク)
はるなさんも舞台裏の慌ただしさを話します。嵐のメンバーが、横で緊張をほぐしてくれたということ。紅白は特別、ということも喋ります。
嵐の誰がタイプか?という質問にはるなさんが暴走し始めます。「結婚するなら大野くん、遊園地デートなら相葉くん、オシャレなレストランに行くならやっぱり翔くん、スキーとか一緒に行っちゃうならやっぱりマツジュン?それぞれ盛り上がっちゃうよね、これねー」と話します。「…放送しているとは思えない」と思わず松本アナがツッコミ。やはりイケメンの皆さんに会うのは楽しみと話します。
「はるなさんが舞台に出ると華やかになりますよね」と一応松本アナもはるなさんを立てます。「言うよねー、表音声で言ってよ」と、大喜びでした。ついでにテリーさんと顔が大きいと話していたとも報告。
多くの歌手が参加する「ふるさと」は、はるなさんも感激していました。後ろの写真を見て、「地元の皆さんと馴染んでますよね」とも話しています。
(解説)
・嵐が白組司会を務めている間、この「ふるさと」企画は恒例となりました。第65回(2014年)まで毎年歌われ、第67回(2016年)でも全員合唱の曲目となります。この時点ではまだ1コーラスのみの披露でした。音源は2015年のアルバム『Japonism』に初収録なので、まだかなり後の話です。
・「ふるさと」の歌唱で集まった歌手は全員J-POPで固まっています。紅白と言えば演歌、というイメージもまだあった中でこういった顔ぶれのみを集める演出は、過去にほとんどなかったことです。嵐を白組司会に抜擢したことも含めて、この年の紅白スタッフの未来志向を象徴している場面でもありました。
紅16(全体37):和田アキ子(25年連続34回目)
・1968年デビュー 第21回(1970年)初出場
・1950年4月10日生 大阪府大阪市出身
・タイトル:「AKKOイイッ!紅白2010スペシャル」
・楽曲1:「人生はこれから」(2010/10/20 シングル)
・詞:松井五郎 曲:森田公一
・楽曲2:「笑って許して」(1970/3/25 シングル)…37年ぶり3回目
・詞:阿久 悠 曲:羽根田武邦
・楽曲3:「古い日記」(1974/2/25 シングル)…7年ぶり2回目
・詞:安井かずみ 曲:馬飼野康二
・歌唱前テロップ:紅組最多出場更新!
・演奏時間:3分29秒
(メッセージ)紅白歌合戦をご覧の皆様の心に届くように魂込めて歌います。
紅組最多出場更新!とテロップの一言紹介にありますが、今回の時点ではまだ島倉千代子の35回出場の方が多いはずです。
「人生はこれから」でオープニング。紅白で彼女が新曲を歌うのは第48回(1997年)の「夢」以来13年ぶり。チャイコフスキーのクラシックに歌詞を付加した内容ですが、この曲はほんの一節のみですぐに「笑って許して」に入ります。初出場の時にも歌われた定番曲ですが、紅白で歌われるのは意外にも37年ぶり。
バックには紅組出場歌手が大勢、紅白応援隊の関根麻里やテリー伊藤の姿もあります。「笑って許して」では勿論「アッコー!」のコールが入ります。基本的にはほぼ全員ノリノリで応援していましたが、いきものがかりの山下穂尊だけは若干真顔のシーンもあったような…。
ラストは「古い日記」。この曲も第54回以来7年ぶりで、リアルタイムでは披露されておらず紅白ではまだ2回目。右手の拳を曲に合わせて突き上げて、もう完全にノリノリです。バックの歌手、観客、そして歌う本人。全員が非常に楽しんでいる様子でした。
ブラスバンド中心の編曲も新鮮でノリが良く、本人の歌唱もリハ前の追突事故で首や腰を痛めているとは思えないパワフルなもの。「声が出なかった」という本人のコメントもあり、確かに数十年前と比べると多少出にくくはなっているものの、それでもやはり全体としては言うことなしの素晴らしいステージでした。
(ウラトーク)
ゲスト審査員が話す間は、やはり舞台上の出演者の動きに注目します。アッコさんは、紅白が終わってから毎年お手製のお雑煮とお年玉を振る舞っているそうです。あとは本番直前の怪我・体調に気をかけていました。
はるなさんはパンツスタイルの衣装に注目。確かに言われてみると、過去の紅白でもドレス姿が多かったです。紅白はいつも緊張しているとのことですが、意外と初出場の時はそうでもなかったとは松本アナが聞いたエピソード。
ステージ・会場と同じようにはるなさんも掛け声をあげます。ステージの出演者のやり取りにも注目しているようです。”ハッ!”の掛声は本来裏拍で入るのだそうで、松本アナはかなり気になるようです。あとは歌った後に「アッコ!」と合いの手を入れるのは、ヒデキより早かったという談も伝えます。
(解説)
・出場回数や出身地表記など、この回はテロップのデータミスが他の年と比較しても群を抜いて多いです。こういうスタッフのミスも紅白にはつき物ですが、3つや4つも見つかるとなるとやはりどうしたものか…とは思うわけです。
・参加した紅組歌手は川中美幸、天童よしみ、伍代夏子、中村美律子、水森かおり、クミコ、倖田來未、平原綾香、アンジェラ・アキ、Perfume、いきものがかり、西野カナ、AKB48、水樹奈々。人数的にはAKB48が約半分を占めていて、引きの映像で見る限りメンバーは約25名参加しています。
・「あの鐘を鳴らすのはあなた」など、1990年代特に終盤を任されるようになってからはバラードの選曲が多かったので、こういったアップテンポの選曲は紅白だとかなり少なめ。「笑って許して」が第24回(1973年)以来37年ぶり、「古い日記」は1974年の曲ですが初めて歌われたのは第54回(2003年)でかなり後、しかも当時はリミックスが施されていました。出場歌手が一緒に「ハッ!」と盛り上げる「古い日記」は意外にも、紅白ではこの時が初めてです。
・第42回(1991年)では出場歌手発表時に骨折するハプニングがありましたが、この年も本番2日前の移動で追突事故に遭って首と腰を痛めています。本番だけを見ると何ごともなくこなしているように感じるのは、流石プロフェッショナルといったところです。
・ウラトーク席でパンツルックへの言及がありました。白組で出た第56回(2005年)以来5年ぶり、紅組歌手としては第39回(1988年)以来22年ぶりの衣装で、確かに振り返ると紅白のアッコさんはドレス姿の方が目立ちます。
白16(全体38):加山雄三(9年ぶり17回目)
・1960年俳優デビュー 1961年歌手デビュー 第17回(1966年)初出場
・1937年4月11日生 神奈川県茅ヶ崎市出身
・タイトル:「若大将50年!スペシャルメドレー」
・楽曲1:「夜空の星」(1965/12/5 シングル「君といつまでも」B面)…13年ぶり2回目
・詞:岩谷時子 曲:弾 厚作
・楽曲2:「座・ロンリーハーツ親父バンド」(2010/4/7 シングル)
・詞:さだまさし 曲:弾 厚作
・演奏:湘南オールスターズ
・歌唱前テロップ:デビュー50周年!!シンガーソングライターはこの人から始まった!
・演奏時間:3分26秒
(メッセージ)50周年という大きな節目に紅白の大舞台で歌える事に感謝しています。大変な時代ですが一緒に乗り越え頑張って生きていこう!
歌前トークあり。14歳の時に初めて作曲、最初はピアノの練習曲のつもりがいつのまにかエレキギターメインの曲になった「夜空の星」と、508番目に作った一番新しい曲「座・ロンリーハーツ親父バンド」のメドレーを披露します。
「夜空の星」は1コーラスのみでメインは新曲、そのタイミングで白組出場歌手と紅白応援隊(水樹奈々もいます)が加わります。バックバンドも非常に豪華で、一人一人のテロップはなかったですが、キーボード担当は間違いなく武部聡志のようです。ウラトークによると、ザ・ワイルドワンズのメンバーも参加しているとのこと。
「座・ロンリーハーツ親父バンド」は森山良子や南こうせつ、さだまさしなどがコーラスとして加わっている曲ですが、さすがに紅白ではそうもいかず、氷川きよしが代わりにハモリを担当します。白組出場歌手も基本的に手拍子しつつ踊りつつ、特に同郷の後輩である遊助はかなりノリノリで一際目立っていました。ただ参加している人は他に細川たかし、flumpool、FUNKY MONKEY BABYS、北島三郎のみで、紅組と比べると参加者がやや少ないような気がします。
若大将は相変わらずサブちゃんと一つ違いとは思えない若々しさ。実に格好いいステージングを見せていました。ラストには紙吹雪演出あり。今回の紅白は例年以上に、降らせ物の演出が目立ちます。
(ウラトーク)
松本アナが演奏メンバーに注目、ワイルド・ワンズとはっきり紹介しています。後ろに映る若き日の若大将の写真についても言及。今の芸能人には誰にも当てはまらないと話してます。
はるなさんもステージを見てウットリしています。ウラトーク席では双眼鏡でステージを見ている観客席にも注目。若い人がいっぱいカバーしているという、はるなさんの話もありました。
(解説)
・「夜空の星」は第48回(1997年)、60歳の時に出演した「若大将 ’97 スペシャル」の1曲として紅白初披露されます。シングル「君といつまでも」のB面曲ですが、双方とも映画『エレキの若大将』きっかけに後年まで名曲として伝わっています。
・「座・ロンリーハーツ親父バンド」は加山雄三とザ・ヤンチャーズ名義でリリース。50周年記念作品で、森山良子、さだまさし、谷村新司、南こうせつ、高見沢俊彦、坂崎幸之助が一緒に参加しています。
・若大将は当時御年73歳。紅白では様々な伝説を残した人ですが、73歳でその年発表されたオリジナルの新曲を紅白で歌った例は他にありません。70代に限定しても第69回(2018年)・「VIVA・LA・VIDA!~生きてるっていいね!~」の五木ひろしのみ。この年以前の最年長記録は68歳の時に歌った第55回(2004年)・北島三郎「峠」でした。
・デビュー50周年・70代を過ぎてもなお音楽活動は精力的。2014年にはTHE King ALL STARSというバンドを新しく作って、全国のロックフェス出演も果たしています。ヒップホップMC・PUNPEEの「お嫁においで」サンプリングカバーも話題になりました。近年体調不良が報じられましたが、2022年の第73回に特別出演。紅白に85歳で歌手としてステージに立ったただ一人の人物です。
・ザ・ワイルドワンズは「想い出の渚」など多くのヒット曲がありますが、グループサウンズ時代に紅白出場する機会はこれまた1度もありませんでした。
白17(全体39):福山雅治(2年連続3回目)
・1990年デビュー 第44回(1993年)初出場
・1969年2月6日生 長崎県長崎市出身
・楽曲:「道標」(2009/5/20 シングル)
・詞・曲:福山雅治
・バイオリン:宮本笑里
・歌唱前テロップ:歴代No.1龍馬の称号はこの人に!!
・演奏時間:5分5秒
(メッセージ)坂本龍馬を演じ人との繋(つな)がり絆をより強く感じられた年でした。支えてくれた皆様への感謝の気持ちを歌でお返し出来ればと思ってます。
続いてはパシフィコ横浜展示ホールから中継。開場時間が過ぎて会場はもう満員です。今回はゲストの方に斬られてしまうということで「えーーー」というブーイング。ただこれは暗殺されるわけではなく、1年間つき合ってきた龍馬にお別れを告げる意味でも髪を切ってライブに挑もうと思っていたらしく。しかしせめて年末まで待ってくれとある人に言われて、その方に髪を切ってもらうということになったらしいです。
その人とは、龍馬とともに1年間岩崎弥太郎役を演じた香川照之。龍馬伝で見せた濃い弥太郎とは違って、非常に爽やかな出で立ちです。「光栄な役を指名させていただいたので切らさせて頂きます!」と言ってハサミを握ります。しかしこれは凄く緊張感のある場面。ハサミを持つ右手が物凄く震えていました。紅白歌合戦という番組で生で髪を切るシーンはおそらく過去に一度もなく、そして今後もかなりの確率で有り得ない、文字通り前代未聞の名場面と言えます。
髪を切られた気持ちとしては、「やっぱり寂しいもんですね…」の一言。ワイプには龍馬の姉、乙女役の寺島しのぶの表情も映し出されていました。笑いながら、香川さんと熱い抱擁を交わします。
スタンバイした後、香川さんにコメントを求めます。彼自身も歯を汚したメイクを、福山さんの「寂しいから取らないでくれ」という一言でそれを落とすタイミングが延びたという逸話を披露。「絆が深まって家族になれたような気がします」というコメントで締めます。『坂の上の雲』の正岡子規役も楽しみです。
今回歌う「道標」は故郷・長崎に住む祖母をテーマにしたバラード。人と人との繋がりを感じさせるには十分な曲で、ライブ会場から見事な熱唱でした。2番終わりの、繋がれた手のアップから彼を映すショットは今回の紅白歌合戦の象徴的な場面と言えるでしょう。61回の紅白の歴史の中で考えても、間違いなくトップクラスのベストショットでした。
ラストは彼が右手を挙げて、オーディエンスがウェーブ状に次々に手を挙げるというアングルで終了。過去にも中継で紅白歌合戦に出演したアーティストは多くいましたが、これより上のステージは非常に少ないのではないでしょうか。
(ウラトーク)
今回の松下さんは6ポーズ衣装が用意されているという話から、イケメンの福山さんが登場した途端はるなさんが壊れます。「何でもいいんですか」と松本アナが完全に呆れています。「別会場にしたのは私がいたから?」「切っちゃうの?ワタシ長いのも好きよ!」「やだー」という具合で、相手するのも大変です。髪を切る場面は、松本アナも知らないサプライズ演出。髪が切られる瞬間、こちらでは「やだー!」「ちょっとー!」「あー!」という具合。「副音声をお聴きの皆さん、はるな愛さんが叫んでおります」と松本アナは冷静に状況報告。その後も突然「イヤー!」と叫び、「今はるな愛さんのイヤー!の声がNHKホールに響きました」とアナウンス。限りなく放送事故に近いです。
香川さんが話している間に関根さんとテリーさんがようやく復帰。はるなさんが2人に状況報告、髪の毛の行方が大変気になっているようです。断髪した髪を欲しいとずっと話していました。
歌っている間は4人で福山さんについての話。色々魅力的だという内容です。はるなさんを前に、テリーさんがまた顔の大きさイジリをしています。
歌い出しの歌詞に関しては、2回も「私も好きです」と反応。ラストで次々に手を掲げる場面では、驚きの声を挙げていました。
(解説)
・「道標」は前年5月のシングル「化身」のカップリングに収録された楽曲。2010年のベストアルバム『THE BEST BANG!!』で、「道標2010」としてリテイクされました。『NEWS ZERO』のエンディングテーマで、宮本笑里のヴァイオリン演奏はリテイク版で新たに収録される形となっています。
・前年は長崎グラバー園からの中継でしたが、この年から10年連続でパシフィコ横浜展示ホールからの中継出演となります。もちろんこれだけ連続しての中継出演は紅白歌合戦最長連続および最多記録です。
・香川さんはこの年『龍馬伝』で1年間福山さんと共演します。2009年から3年間放送されたスペシャルドラマ『坂の上の雲』にも正岡子規役で出演、当時NHKとトップクラスに縁深い俳優でした。ただ大河ドラマには意外にも、『龍馬伝』以降10年以上出演がありません。それまでは3, 4年に1回ペースで出演する常連俳優でした。
・当然ながら紅白の放送中に断髪式を行ったのは史上初。今後も絶対こんな演出は出てこないだろう…と思われましたが、早くも4年後紅白の本番中に髪を切るアーティストが出現します。
紅17(全体40):小林幸子(32年連続32回目)
・1964年デビュー 第30回(1979年)初出場
・1953年12月5日生 新潟県新潟市出身
・楽曲:「母ちゃんのひとり言」(2009/6/24 シングル)
・詞:さわだすずこ 曲:小六禮次郎
・歌唱前テロップ:今年の幸子は空を飛ぶ!?
・演奏時間:3分1秒
(メッセージ)61年目の紅白!!今年こそは紅組勝利を勝ち取るため、精一杯歌います。ぜひ、紅組への応援を宜しくお願いします。紅組に幸あれ!!
この人のステージもさることながら、脇で誰が見てどういうリアクションを取るのかも隠れた見所になりました。今回はもちろん、AKB48の面々がその役目を担います。ここでは10名が登場。
今回はもう最初の衣装の時点で派手です。銀色の着物姿は羽根をイメージした装飾物も多数ついていて、この時点で億単位の金がかかっていそうな雰囲気です。1コーラス終了後に装置がオープン、180度回転して大きな羽根が開き、完成されたのは幅13メートル、翼の高さは8メートルに及ぶ巨大な鶴。
今回は驚きや笑いではなく、曲の内容に合わせた美しさ・優雅さをアピールした内容(とは言うものの審査員の湊かなえは見た瞬間に大笑いしてました)。2番を歌っている間にもずっと羽根を羽ばたかせているのが今回の大きなポイントと言えるでしょう。欲を言えばその装置のまま飛んで舞台袖に行けば完璧でしたが、総重量1トンであることを考えるとさすがにそれは厳しいでしょうか。今回も非常に印象に残るステージを展開していました。
このタイミングでゲスト審査員にコメント。野口聡一となぜか木村拓哉(SMAP)とのツーショット。野口さん左手でポーズを決めてます。「飛びましたね~。鳥が出て来た所でてっきり”はやぶさ”かと思いましたけど」と余裕のコメント。とても明るい方のようです。宇宙遊泳について喋っている間にも審査員席の前にはドライアイス由来の白い煙でいっぱい。そこで木村拓哉が気を利かせて?フーフーと吹きましたが「だからちょっと聴いてよ」と野口さん。『SMAP×SMAP』で共演しているからこそ出来る楽しいやり取りでした。木村さんはそんな人が僕の隣に座って話していること自体凄いと話すとともに、「この席いいですね」と楽しんでます。
(ウラトーク)
「ちょっと待ってこれ、すごそうな装置」「衣装です」と即時訂正されますが、はるなさんは何も間違っていないと思います。歌い出しの時点で3~4m高いところで歌っていると解説。頭の部分だけでも結構重いのだとか…。「歌をちゃんと聴かせといて、後半で引きのサイズになるから」とテリーさんが説明しますが、「その聴かさなあかんトコ、しゃべるよねー」とこれまた正しいツッコミ。マイクに羽根が入っている所にも注目します。
間奏で衣装が開いて大きくなる場面はウラトーク席もビックリ。「まさに鶴の恩返しだね」「ここまで恩返ししなくても」とのコメントが入りました。羽根を広げた長さは14~15メートルではないかと、スタッフの報告。その大きさと美しさにウラトーク席も感激、特にテリーさんは「ベスト3に入りますね!」と大絶賛してます。
幸子さんのステージが終わったところではるな愛はここで退席。次のゲストはもうスタンバイ済、入れ替わりで登場したのは細川たかし。34回も出ている細川さんでさえも、客席から紅白を見るのは初めてのようです。「金かかってるねぇ」と、のっけから生々しい感想が入りました。
(解説)
・舞台袖から出演歌手が幸子さんのステージにビックリするのも第58回(2007年)以来の演出。この回に登場したのはやはりAKB48のメンバーでした。オープニング→自身のステージ→キャラ紅白→演歌2組のバックダンサー→歌の力→楽屋ロビー中継→「ふるさと」とアッコの応援→幸子観察というスケジュールで、この紅白ほぼ出ずっぱりの状態です。
・巨大衣装を導入したのは第43回(1992年)からで、そこから第55回(2004年)を除いてずっと続く恒例演出です。ラスボスと言われるようになったのはいつからでしょうか。カメラワークは2000年代前半までは正面からの引き中心ですが、第58回(2007年)辺りからは上から斜めに撮るショットも入ります。したがって正面だけでなく、奥行きにも力を入れた立体的なデザインが多くなり始めます。
・小六禮次郎は本来映画やドラマ・アニメなどを手掛ける作曲家で、歌謡曲を手掛けた例は特に平成以降極めて少ないです。その中で幸子さんには、第59回(2008年)の「楼蘭」とこの「母ちゃんのひとり言」を提供しています。
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