ポルノグラフィティ(8年連続11回目/第51回/1999/38/広島県出身)
「カゲボウシ」(2012/岡野昭仁/岡野昭仁/初)
~大切な人への思いがつまったバラード~

 11回目の出場にして初めて、バラードらしいバラードを歌うポルノグラフィティ。新藤晴一のギターの音が例年以上に響き、岡野昭仁の歌声が例年以上に会場中に響き渡ります。シンプルな編曲なので余計に、しみじみと歌の良さをあらためて感じさせます。間奏ではっちゃける場面などは今回ありませんでしたが、こういうポルノを紅白で見るのもまた新鮮な印象で、とても良かったです。(2分33秒)

 

(ウラトーク)
 ウラトークを表に宣伝する役目を終えた二宮さんはすぐに退席。そして美輪さんもここで退席。
 ウラトークも3回目になって「随分メジャーになりましたね」「裏じゃなくなってきたな、ヤバイな」とここまでの感想を話します。今回も「来年外されるんじゃないですかね」と言っています。再び「ヨイトマケの唄」についてあらためて語る辺り、美輪さんと話した後の余韻はまだ続いているようです。ラストになってようやくステージの話題。横で鈴木聡美選手がウットリしていた顔をして聴いていたようです。

 

(解説)
・ポルノグラフィティのバラードは「ヴォイス」「愛の呼ぶほうへ」「Winding Road」などがありますが、振り返ると歌い上げるというより聴かせるテイストのバラード自体、ポルノのシングルでは珍しいような気がします。したがって紅白で見られる彼らのステージとしては、非常に稀少な部類に入る内容です。

・この年のシングルはもう1つアップテンポの「2012Spark」があり、大ヒットした映画『逆転裁判』の主題歌でした。とは言え「カゲボウシ」はNHKドラマ『つるかめ助産院~南の島から~』主題歌なので、タイアップ的に紅白で歌われるとしたらやはりこちらになります。

西野カナ(3年連続3回目/第61回/2008/23/三重県出身)
「GO FOR IT!!」(2012/西野カナ/FAST LANE/初)
~女子のカリスマ 今年は明るい応援ソング~

 柔道の松本薫選手が登場。まずはロンドン五輪で金メダルを獲得した瞬間とその時のインタビューの映像が流れます。ステージでは和服姿で大変麗しく、オリンピックの野性味溢れる姿とは全く違います。櫻井さんから尋ねられる形で、あらためて感謝の気持ちをコメントします。そんな彼女は西野さんの大ファンで、今回歌われる楽曲はトレーニングパートナーとしていつも聴いているようです。そのまま彼女が曲紹介。
 こちらは3回目の出場にして初めてアップテンポの曲。MVやジャケットと同様、やはりポンポンを持ったチアリーダーが多数ステージに加わります。ビジョンの映像には大変ファンシーなキャラクターが登場します。サビでは紙吹雪噴射演出も入りました。こういう賑やかな曲ですが、実際歌うには音程も高いわ息継ぎポイントもないわでメチャクチャ難しい曲です。これを難なく笑顔で歌い切る彼女は、やはり相当高い歌唱力の持ち主であるとあらためて感じさせる、そんなステージでした。(2分30秒)

 

(ウラトーク)
 松本選手の目を見て、「戦後すぐの日本人ってみんなこういう目をしていたよね、こういうギラギラした」と話すテリーさん。彼女の話をこれからしていこうという中、ゲストに水樹奈々水森かおりが登場します。
 やはり先ほどの水森さんのステージの話題から入ります。6.3メートルの高い所で歌った感想は「気持ち良かった」とのことです。目の先からは2階席が見えると話します。リフトはスムーズで気にならなかったそう。今回はNHKからのアイデアで出場が決まってから衣装が決定した模様。何度も様子を訪ねてくれた桂由美先生が作った生地の総量は、なんと1kmだったようです。
 一方奈々さんは今回もやはり緊張、その一方でサイリウムの色にビックリしたそう。「笑顔で締めくくれるように、去年以上のパフォーマンスを見せられるように頑張らないと」「年々緊張感がアップしてきて」ともコメントします。水森さんも初出場の時の方が割と何も考えずに臨むことが出来たと話しています。

 

(解説)
松本薫選手はこの年、ロンドン五輪女子柔道57kg級で金メダルを獲得。日本代表にとって大会金メダル第1号になりました。野獣とも呼ばれた闘志溢れる姿が試合では印象的でしたが、インタビューなどでは天然と呼ばれるような受け答えも往々にして見られました。リオ五輪では銅メダル、2019年に現役引退。今回の東京五輪では、同じ女子57kg級で銅メダルを獲得した芳田司選手へのインタビューが話題になりました。

・西野カナがこの年発表したシングル曲は他に「SAKURA, I love you?」「私たち」「Always」。こういった明るいテイストの曲は後年にもいくつか発表されていますが、当時はあまりシングルで前例のないタイプの楽曲でした。

・ちなみに「GO FOR IT!!」はランチパックのCMソングでしたが、この年からCMキャラクターに採用されたのは女優の剛力彩芽。翌年には自ら「友達より大事な人」を歌ってプロペラダンスを踊り話題になりますが、残念ながら?紅白出場にまでは至りませんでした。

舘ひろし(28年ぶり2回目/第35回/1975/62/愛知県出身)
「嵐を呼ぶ男」(1958/井上梅次/大森盛太郎/初)
~昭和の大スター・石原裕次郎の名曲を~
演奏:神保彰スペシャルバンド

 石原裕次郎が出演した映画『嵐を呼ぶ男』の映像が流れます。その後に舘さん登場、裕次郎さんについて「生意気な僕でも受け止める懐の大きい人」と語ります。ステージについては「石原さんに怒られないように」という意気込み。映像では生前の裕次郎さんとのツーショットも流れました。
 生前の映像と実際に歌う歌手のコラボレーションも、紅白ではよくある光景になりつつあります。今回は勿論裕次郎さん主演の映画『嵐を呼ぶ男』の映像と舘ひろしのコラボ。豪華なバンド生演奏で本人は実に実に渋く決めます。大人の格好良さが全編にわたって滲み出ている名ステージでした。最後も「サンキュ」と一言、その姿はあまりにもダンディーで格好良すぎです。
 なお最初の間奏のドラムプレイとセリフは完全に裕次郎さんのパートでした。舘さんはその間、パンチなどのアクションで魅せる形。その辺は舘さんバージョンでも聴きたくもあり、でもやっぱり裕次郎さんでないとダメだろうとも思ったり。若干意見の分かれる部分かもしれません。(2分22秒)

 

(ウラトーク)
 舘さん登場に思わず「カッコいい~」と女性陣。「歌詞間違えないでよ~」と、同い年で仲がいいだけにテリーさん少し心配しています。
 完全に一緒に歌ってるテリーさん。思わず「舘さんの声が聴きたいという方は主音声に」と小松アナ。女性陣ずっと感激しまくってます。年齢を聞いてゲストの女性2人がビックリ、ついでにテリーさんにも同じくビックリ。「2番のバンドのドラム演奏はオリジナルと一緒」と、テリーさんがリハで仕入れた情報を話します
 思わず「舘さ~ん!」とコールする水森さん。ステージ終了後、「名曲っていつ聴いても色褪せないですね」とも話します。終始感激しきりでした。

 

(解説)
・石原裕次郎は俳優だけでなく、歌手としても相当の実績を残しましたが、生前は歌手として紅白不出場を貫きました。ただ歌手以外では第8回(1957年)に雪村いづみの応援で出演していて、当時の写真も残されています。石原プロ所属の渡哲也寺尾聰舘ひろしがそれぞれ初出場した時にも、必ず電報もしくはメッセージが紹介されていました。

・したがって紅白で裕次郎さんの曲が歌われたのはかなり後年のことで、第56回(2005年)の「夜霧よ今夜も有難う」が最初になります。当時歌ったのは前川清、その際曲紹介でハプニングがありました(内容は紅白名言集に記載済)。

・舘ひろしはこの年裕次郎さんのカバーを歌ったアルバム『HIROSHI TACHI sings YUJIRO』をリリース、日本レコード大賞企画賞受賞という評価を受けました。ただSpotifyではなぜか半分くらいの曲しか解禁されていません。「泣かないで」を筆頭とする自身の代表曲も含めて、解禁が待たれるところです。

伍代夏子(7年連続19回目/第41回/1982/51/東京都出身)
「恋ざんげ」(1993/吉岡 治/猪俣公章/19年ぶり2回目)
~AKB48が妖艶な舞を披露~
振付:夏まゆみ 踊り:大島優子、柏木由紀、横山由依、島崎遥香(AKB48)

 伍代夏子と言えば杉様、ということでスギちゃんが登場。緊張してますか?と言われて「全然してないぜ~」「面白いこと言わなくていいんだぜ~」と返してますが、どう見ても額が汗だらけで緊張しまくってます。「さっき年越しそば、汁だけ飲んでそば残してやったぜ」ととりあえずひとネタ、多少の笑い声も入って拍手も起こりました。「助かります」とは言わない方が良かったかもしれませんが…。むしろ直後に一瞬起こった何ともいえない間の方が、笑い声は大きかったかもしれません。堀北さんもどう扱えばいいか困っている状況です。
 そして伍代さんに向けて応援コメント。「伍代さん、今日もきれいだぜ~」「ありがとうだぜ~」「頑張ってくれだぜ~」。なんだか客席も気を遣って笑っているように見えます。「なんですか!なんですか!テリーさんホントにもう」と、ウラトーク席にも反応している声は主音声にもバッチリ入ってます。
 ステージです。イントロが入ると同時に絶妙なタイミングで、客席から「待ってました!」と妙齢の女性のコールが入ります。紅白の演歌といえばこういうのも風物詩。
 19回目の出場で19年ぶりの歌唱になるこの曲にはAKB48大島優子柏木由紀横山由依島崎遥香の応援が入りました。和服姿にピンクの布を持った踊りが、見事に曲の雰囲気にマッチしています。白い紙吹雪に白から赤に変わる照明の使い方も完璧で、19回を数える伍代夏子の紅白のステージの中でもトップクラスの出来だったのではないでしょうか。なお19年前は2コーラスでしたが、今回は1コーラス半の構成でした。(2分33秒)

 

(ウラトーク)
 登場するなりウラトーク席から一斉にスギちゃんコール。明らかにウラトーク席に向けたとしか思えないスギちゃんの「こんにちは」に小松アナが反応。「さっきまでスニーカー履いてたんですけどね」「普段ワイルドでもなんでもないからね」「長くやってると面白くなくなっちゃう」とテリーさんバッサリ切りまくってます。そしてまたスギちゃんがウラトーク席にしか向いてない反応を見せると「ちゃんとやれ!」と、笑いつつ一喝。直後放送席がワイプで紹介されます。最後に「スギちゃん相変わらずスベってますね」とまたバッサリ。この何とも言えない空間に、小松アナはツボに入る一歩手前でした。
 伍代さんのステージの着物は、スギちゃんではなく本物の杉様が選んだということ。着物を着るのは杉様の役目で、それが作法みたいなものだと小松アナが話します。なお杉様本人は年明け関西公演で、稽古場からテレビでこのステージを見ているのだとか。
 あとはウラトークでステージ中何を言っていたのかを奈々さん、水森さんに直接伝えるという内容。ライトは1000本だけ配られてセンサーで反応するという説明、奈々さんのステージでは、特別なステージのみ使用されるウルトラオレンジを混ぜたという情報もありました。

 

(解説)
スギちゃんはこの年のR-1ぐらんぷりで準優勝。そこから一気に大ブレイク、決めゼリフ「ワイルドだろぉ?」は流行語大賞に選ばれました。当然テレビ出演はこの時がピークで以降徐々に本数は減っていきますが、タレント活動は勿論継続中。一応Youtubeのチャンネルもありますが、今のところ登録者数・再生回数は相当伸び悩んでいるようです。

・「恋ざんげ」は1993年に伍代さんが歌ってヒットした楽曲です。作曲した猪俣公章氏はこの年55歳の若さで逝去、紅白で最後に歌われた猪俣作品でもありました。その後新たに過去曲として歌われた楽曲も含めて、合計30曲紅白で歌われています。

・AKB48のメンバーが伍代さんのバックで踊るのは第58回(2007年)、第61回(2010年)に続いて3回目。ここまで半数以上の割合で登場しています。ちなみに伍代さんがバックダンサーのない状況で歌うのは、第52回(2001年)が最後でした。

森 進一(45年連続45回目/第19回/1966/65/鹿児島県出身)
「冬のリヴィエラ」(1982/松本 隆/大瀧詠一/29年ぶり2回目)
~紅白45回連続出場!冬の名曲を歌い上げる~

 森さんを代表する、言うまでもない名曲の一つですが紅白は意外にも29年ぶりの歌唱。前半トリの割に個別の曲紹介もなく、扱いがややぞんざいな感じもしますが…。ドライアイスと照明の雪の演出、映像の太陽もまたこの曲の雰囲気とよく合っています。
 ただやはり声量が以前より落ちているので、高音の響きが非常に重要な位置を占めるこの曲を歌うのは、なかなか難儀している印象もありました。それでも65歳という年齢を考えると全然歌えている方なのかもしれません。ただ次回以降は本当に連続出場記録を更新できるかどうか、曲前の扱いを考えると若干怪しくなってきました。心配です。(3分22秒)

 

(ウラトーク)
 奈々さんや水森さんにもサイリウムが配られて2人とも感激してます。振ってもらう側の奈々さんがサイリウムを持つというのも、ファンにとってはたまらないということで。
 「森さん髪の毛立ってますね」「立ち過ぎじゃないですか」「新弟子検査に出てきた力士みたい」と、森さんの髪型に反応しまくるテリーさん。水森さんも「うちの叔父さんの勤めてる時計屋さんの常連さん」という、実にプチ情報らしいプチ情報をぶっ込みます。その後もテリーさんは髪の毛立て過ぎと終始ツッコミまくってます。
 この曲についての話題も入ります。小松アナによると、リヴィエラは地中海に面したリゾート地のようですなので「カバーしようかな」と思わず話す、ご当地ソングの女王水森かおり。それにしてもこのステージ中の水森さんは恐ろしく饒舌でした。

 

(解説)
・森さんが前半トリで歌うのはこの時が最後になります。4年連続で通算8回、これは最多記録です。次点が都はるみ五木ひろし他の3回なので、ブッチギリの多さです。

・「冬のリヴィエラ」は当時大瀧詠一の楽曲提供で大きな話題になりました。同時期に楽曲提供をしたアーティストは松田聖子薬師丸ひろ子だったので、異例の人選だったことがよく分かると思います。歌謡曲方面では小林旭「熱き心に」もありました。当時はまだまだ健在という雰囲気でしたが、翌年12月30日に急逝、音楽業界に大きな衝撃を与えました。

・森さんが複数回紅白で歌った楽曲は、この「冬のリヴィエラ」で7曲目になりました。これは当時白組最多記録です(後に五木ひろしが第71回(2020年)で更新)。

・杉様が当時準備していた舞台は新歌舞伎座の『樅の木は残った』。年が明けて1月12日から31日まで上演されました。

絢香(2年連続6回目/第57回/2006/25/大阪府出身)
「はじまりのとき」(2012/絢香/絢香/初)
~復帰から1年 新たな決意をこめて…~

 ゲスト審査員の樹木希林のコメント。子どもの頃ラジオで聴いてた紅白を生で見られるということで「至福の時間でございます」と話します。紅組前半トリですが、この後のステージでメインに登場する関係上堀北さんではなく白組司会・嵐の櫻井翔が曲紹介を担当。一見さりげなく思えるシーンですが、冷静に考えると「紅白歌合戦」としては少し違うような気もしないではありません。
 ステージはピアノ演奏と彼女の歌声のみで非常にシンプル。照明もまさに最低限の使い方で雰囲気もバッチリ。彼女の歌声を極限にまでフィーチャーしたような演出でした。1コーラスサビ繰り返しというやや短いように思える構成でしたが、歌唱は非常に素晴らしく、前半を締めくくるにふさわしい名演でした。(2分29秒)

 

(ウラトーク)
 樹木さんのコメントから発展して団塊世代の話題に入ります。「樹木希林さんの生き方参考になりますね」「この人特別だなぁ」と話すテリーさん。
 「歌える喜びを感じた1年」という絢香さんのコメントを紹介する小松アナ。先輩の奈々さんや水森さんから見ても彼女に対しては尊敬のコメント。「もう一度再始動できる思いが込められている詞だから力強いですよね」とさらに小松アナがコメント。あらためてしみじみ彼女の凄さについて語る4人でした。

 

(解説)
樹木希林は当時69歳にして紅白歌合戦初出演。歌手としては郷ひろみとデュエットした「お化けのロック」「林檎殺人事件」の実績がありますが、TBS系ドラマ『ムー』『ムー一族』からの企画に近い面もあるので紅白で歌われることはありませんでした。全身がんを公表するのは、翌年3月の日本アカデミー賞最優秀主演女優賞スピーチによるものです。

・年を経て演技だけでなく、生き方にも大いなる共感を持って受け止められましたが、2018年9月に75歳で亡くなります。長年夫婦関係にあった夫の内田裕也もまた、彼女の後を追うように半年後逝去されました。

・「はじまりのとき」はこの年2月にリリースされたアルバム『The beginning』1曲目に収録されます。前年のテレビ復帰の際に初めて披露された楽曲でもありました。この年は最終的に、シングルCDのリリースは無しで通す形となっています。

・第58回(2007年)以降司会者は紅組・白組の垣根が無くなり、必ずしも紅組(白組)司会が紅組(白組)歌手を紹介する、という形では無くなりました。担当する司会が登場しなくても総合司会もしくは歌手が曲紹介、というケースはありますが、白組司会のみが登場して紅組のステージを紹介したのは当時史上初でした。

・歌で会いたい。~堀北真希プレゼンツ「花は咲く」~
「花は咲く」(2012/岩井俊二/菅野よう子/初)
合唱:花は咲く合唱団

 有働アナが中間投票を呼びかけた後にコーナー開始。今年放送された連続テレビ小説『梅ちゃん先生』は地域に寄り添って活動した女性医師の話。というわけで震災の被災地である陸前高田市で、地元の住民のために活動する県立高田病院の医師・石木愛子さんを堀北さんが訪問する映像が流れます。
 自身も被災、家も流され母も亡くされたそうです。ですがその中でも懸命に診療するお父さんの姿を見て、医師として陸前高田に残る決意をした愛子さん。今、彼女は仮設住宅を積極的に訪れて、被災者と触れ合っています。インタビューでは「生活とか家族背景とか含めて診られるような医師になりたい」と話しています。
 そんな彼女と出会って堀北さんが感じたことは、被災地の人に必要なことは誰かと繋がっているということ、そして笑顔と元気だということ。堀北さんと地元住民、石木さん親子との写真で映像が締めくくられます。

 堀北さんの曲紹介で「花は咲く」の歌唱。辻井伸行のピアノから演奏が始まります。この曲を作曲した菅野よう子が、80人いる合唱団の指揮を担当します。
 歌うのは女川町出身の中村雅俊、仙台出身のサンドウィッチマン、福島県郡山出身の西田敏行、仙台に在住した経験のある荒川静香、仙台出身の森公美子。後半は被災地で頑張る人々の笑顔が、ステージ後ろの大きなビジョンに映ります。ソロパートは西田さんがやや多めでした。(3分54秒)

 中間投票は212317vs224119で僅かに白組リード。有働アナの進行で、スギちゃん鈴木奈々栗原類もそこに加わります。スギちゃんが思わず「大番狂わせ来ましたね~」とコメントしますが、そこは有働アナが冷静に「えっどこが大番狂わせなんでしょうか?」とツッコミ。
 相変わらずスギちゃんは緊張しています。奈々さんもよく見ると何にも考えずに適当な反応しています。そんな中で類さんはあくまでキャラを崩さずマイペース。スギちゃんが「終わり?」と呟いた直後に、武田真一アナが伝えるニュースに映像が切り替わりました。

 

(ウラトーク)
 奈々さんと水森さんはここで退席。「6メートルの衣装持って帰ってね」と、テリーさんは席を離れる水森さんに別れのコメント。
 映像では2人とも何も喋らず、コメントに聴き入ります。ステージに入ってからは、小松アナがこの曲について解説。2人ともじっくり聴き入ってますが、森さんが映ると「森さん痩せたよねー」と喋っていました。小松アナの情報によると30kgくらい痩せたらしいです。全体的には2人とも時々喋りつつも見守っている、ステージの温かさを体感している状況でした。

 

(解説)
・「花は咲く」はこの年NHK東日本大震災プロジェクトとして発表された楽曲。CDは「花は咲くプロジェクト」名義で発売、岩手・宮城・福島の3県に携わる著名人が多く参加しています。後年の紅白でも複数回様々な形で歌われました。

・紅白のステージで1曲指揮を担当した作曲家は過去にも多くいますが、ゲスト審査員兼任という形で指揮を務めたのは菅野よう子が唯一のケースです。マクロスシリーズや攻殻機動隊シリーズなどアニメを中心に絶大な実績をこの時点で残していますが、手掛けた楽曲が紅白で披露されたのは前年のオープニングテーマ「1231」とこの「花は咲く」のみです。

辻井伸行は2009年にヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人初の優勝。生まれつき目が見えないということもあって、当時非常に大きな話題になりました。ただ決して時の人というわけではなく、その後も世界を代表するピアニストとして実績を重ね続けています。

西田敏行は紅白でこれまで応援ゲスト、応援団長、白組歌手、ゲスト審査員、白組司会、映像ナレーターとしての肩書を保有していますが、この年ゲスト歌手という肩書も新たに加わりました。翌年の大河ドラマ『八重の桜』は会津を舞台にしていますが、その作品にも西郷頼母役で出演しています。

中村雅俊の紅白出演は、第33回(1982年)に白組歌手として「心の色」を歌って以来30年ぶり2回目。歌手としてはヒット曲多数、俳優としてNHKに出演する機会も決して少なくないので、ゲスト出演一切なしで2回しか紅白に出演していないのは非常に意外です。出身地の宮城県女川町は被害が特に甚大で、14.8mの津波が街を襲いました。

サンドウィッチマンは前年に続いて紅白出演。近年ウラトーク進行やゲスト審査員で3年連続紅白に携わっていますが、ステージで歌ったのはこの時が唯一です。

荒川静香はトリノ五輪フィギュアスケート女子シングル金メダリスト、その年の第57回(2006年)にゲスト出演。さらに第55回(2004年)のゲスト審査員でもありました。宮城県育ちで高校時代まで利府町に在住、その後観光大使に就任しています。

森公美子は第44回(1993年)に和田アキ子のコーラスとして中島啓江とともに出演。当時は2人ともアッコさんが小さく見えるほどの巨体で、紅組が誇る大型企画と曲紹介で触れられました。ウラトークでも触れられた通り、その時と比べるとかなり痩せています。仙台市出身で、震災では友人が犠牲になったことを当時涙を流しながら話していました。